第41回「お腹が空いていましたので」《ハシ坊と学ぼう!①》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
自宅(埼玉県)近くの、私の普段のランニングコースで撮った写真です。撮影日は3月3日です。土手沿いに咲く菜の花は、本格的な春の訪れを感じさせてくれます。晴れた日は、土手道の向こうに富士山が一望できます。撮影の時間帯は昼前で、お腹が空いていましたので、途中でお店でどら焼きを買い、折角なので、どら焼きも菜の花と一緒に撮り、撮影後は、美味しくいただきました。
梅尾幸雪
季語なし
部活後にかっこむ飯と熱いお茶
京都さくら
気持ちは分かります。が、明確な季語がやはり欲しいですね。
季語なし
空腹や切腹最中でクラシック
あんこ
「切腹最中」というものがあるのですか? 季語は、どれなのでしょう?
季語なし
道草しダウン敷き土手でインスタ
美古都
「ダウンコート」とでもすれば、許容できますが、「ダウン」という言葉を季語とするのは、少々無理があります。散文の一節を、十七音に近い形に千切り取ったという印象です。書こうとしている内容が少々多いのです。俳句は、説明ではなく映像ですよ。
季語なし
菜を枕縁があるまで一休み
とんぼ
「昔、仕事を辞めて次が見つかるまで、近所の公園などで、読書などして過ごしていた事を思い出しました」と作者のコメント。
「菜」だけでは季語になりません。何の葉っぱなのかを明確にすると、季語になるものもあります。
季語なし
三笠山いつの間にやら空箱に
とんぼ
明確な季語は欲しいですね。「三笠山」は季語ではないので……。
季重なり
昼寝中犬に追われし土手の虻
欣喜雀躍
「昼寝」「虻」、どちらも季語ではあります。
季重なり
日うらうらどら焼き食いまた昼寝
勺子
「日うらうら」も「昼寝」も季語です。
季重なり
天然の鯛焼がぶり春の海
梅田三五
「鯛焼」「春の海」、それぞれが季語です。
季重なり
吾は甘味蜂は甘蜜春の昼
睦月うさぎ
「蜂」も「春の昼」も季語ですよ。
季重なり
春うらら今日も花より団子なり
双月
「春」と「うらら」、どちらも季語ですよ。
季重なり
菜の花の土手に昼寝ののび太ママ
双月
「菜の花」と「昼寝」、どちらも季語ですよ。
季重なり
飛び回り春を集めし土手のみつばち
古澤さとし
「みつばち」も「春」も季語ですよ。
季重なり
汗だくで菜の花土手へ息むずし
おやじん
「汗」と「菜の花」、どちらも季語ですね。
季重なり
菜花咲くコートは要らぬ蝶になる
青乘
「菜花」は「花菜」? 「花菜」も「コート」も「蝶」も、季語ではあります。
季重なり
かけ蕎麦かざる蕎麦か春ようららか
きいこ
「春」も「うらら」も、春の季語。季重なりになります。