第41回「お腹が空いていましたので」《ハシ坊と学ぼう!③》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
切岸に傾ぐ菜花や潮の風
藤田ゆい
夏井いつき先生より
「菜花」は「花菜」? 季語としては、「花菜」が一般的です。
食慾のたとえば野火の暗部かな
よしぴこ
夏井いつき先生より
表現しようとしている意図は推測できますが、これが完成形ではないということも言えます。少し寝かして、再度挑戦してみましょう。
表現しようとしている意図は推測できますが、これが完成形ではないということも言えます。少し寝かして、再度挑戦してみましょう。
墓の傍こごみ生やしてよこす祖母
小月
夏井いつき先生より
情報が多すぎるかと思います。二句に切り分けて、推敲してみましょう。
秋の風食欲誘うバイキング
いっちょうかみ
夏井いつき先生より
中七が、説明の言葉になっています。バイキングに並ぶ食材を描写しましょう。
順番にお花畑の丸太椅子
ぴょーんと
夏井いつき先生より
季語「お花畑」は、高山植物の咲き乱れる場所。その意図で作られているのかどうか、気になります。
季語「お花畑」は、高山植物の咲き乱れる場所。その意図で作られているのかどうか、気になります。
血糖値気にする母と桜餅
H&S
夏井いつき先生より
季語が動きますね。「桜餅」の必然性が、上五中七に入ってくればよいのですが。
スーパーでつい買いすぎや春近し
ゴルパパ
夏井いつき先生より
季語は動きますね。季語「春近し」が主役となるような工夫が欲しいです。
季語は動きますね。季語「春近し」が主役となるような工夫が欲しいです。
あの山を食うなら佐賀の海苔を巻く
梅田三五
夏井いつき先生より
発想は楽しいのですが、季語そのものも空想的な世界におかれてしまっています。
発想は楽しいのですが、季語そのものも空想的な世界におかれてしまっています。
大丈夫魔法言葉と春の空
ななな
夏井いつき先生より
「魔法言葉」は、ちょっと強引な措辞です。
「魔法言葉」は、ちょっと強引な措辞です。
餃子から始めた化学卒業歌
奈良井
夏井いつき先生より
「餃子」と「卒業」の取り合わせは、いけると思いますが、中七が理解しにくいです。
「餃子」と「卒業」の取り合わせは、いけると思いますが、中七が理解しにくいです。
夫のエラー土手から咲う菜花かな
一石 劣
夏井いつき先生より
「『咲う』は、観ている妻が吹き出すと、菜花が咲くを掛けてみました。 『ミス』とせず『エラー』とし、『土手から』とする事で、河川敷での草野球や草サッカーをイメージしています。また、『夫』を『子』と変えると五音にはなるのですが、『子』では『エラー』に対し『咲う』ではなく、もっと必死な応援になってしまうと思い、長閑に菜花が咲いている様子と合うように敢えて『夫』にしました」と作者のコメント。
「菜花」は「花菜」? 作者コメントを読めば、何を書きたかったのか薄々分かりはしますが、一読それを理解するというのは無理があります。俳句は、理屈や説明ではなく、映像です。「夫のエラー」とは、具体的に何をやっているのか。それを描写しましょう。
「『咲う』は、観ている妻が吹き出すと、菜花が咲くを掛けてみました。 『ミス』とせず『エラー』とし、『土手から』とする事で、河川敷での草野球や草サッカーをイメージしています。また、『夫』を『子』と変えると五音にはなるのですが、『子』では『エラー』に対し『咲う』ではなく、もっと必死な応援になってしまうと思い、長閑に菜花が咲いている様子と合うように敢えて『夫』にしました」と作者のコメント。
「菜花」は「花菜」? 作者コメントを読めば、何を書きたかったのか薄々分かりはしますが、一読それを理解するというのは無理があります。俳句は、理屈や説明ではなく、映像です。「夫のエラー」とは、具体的に何をやっているのか。それを描写しましょう。