第42回「降車ボタン」《並》①
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第42回 写真de俳句】《並①》
-
春宵の闇へくぐもるピンポ〜ンひでやん
-
春障子大人の言葉遊びして留辺蘂子
-
抱き上げて押させるボタン春の雲佐藤儒艮
-
連れとして停車ボタンの春の蝿黒子
-
山笑う降車ボタンの弾む指信壽
-
卒業日君だけ降りる停車場や信壽
-
方向幕くるん蛙の目借時多喰身・デラックス
-
アナウンスの声やはらかき春のバスゆすらご
-
燃えるような白木蓮に途中下車ゆすらご
-
啓蟄や灯り曳きゆく路線バス内藤羊皐
-
木目込の解れし袖や雛納め杜まお実
-
バスを待つ春服ゆらゆら時々ピーン葉山さくら
-
受験子の何やら描きしホッカイロ梵庸子
-
文字霞む降車ボタンや風光る奈良の真
-
春寒が降車ボタンを押しにけり奈良の真
-
一斉に降車ボタンへ彼岸寺信茶
-
引退のバスドライバー冬薔薇信茶
-
バスの日や押し放題の降車ボタン空木花風
-
ライバルは乗合馬車や山笑ふ空木花風
-
降りて右つり革離す受験生京あられ
-
祇園会や大路に落ちたコンタクトやまだ童子
-
七夕や越後の海に烏賊漁船やまだ童子
-
「降ります」とバスの窓から迷い蝶つづきののんき
-
仏生会請われて鳴らすバスボタンつづきののんき
-
停車ベル幼に押させ春光へ一生のふさく
-
バス降りて遠足の日のけふ終はる風蘭智子
-
このバスを降りればつひに新入生風蘭智子
-
早すぎる降車ボタンや一年生海羽美食
-
なにもかもタッチパネルよ雨水の日野山遊
-
目借時だれも押さない降車ボタン大橋あずき
-
妊婦へと席譲りたる卒業子クラウド坂の上
-
バス停に春の香満る直売所クラウド坂の上
-
降車ボタン誰か押すまで待つ春思比良山
-
車庫行きの降車チャイムの鳴る陽炎比良山
-
春兆す次号付録の降車ボタン藤井天晴
-
あたたかや次停まるのは父のへや藤井天晴
-
どなたかが押してくれるよ春のベルあすか風
-
春の朝手を挙げ止めるタウンバスおぐら徳
-
風光る降車ボタンを譲る兄渥美こぶこ
-
杖に慣れたる母の歩みや飛花落花高橋寅次
-
バスジャック起きる小説雲雀啼く円堂実花
-
目眩めく降車ボタンや菜種梅雨風早 杏
-
春の宵「ネコバス」停まるトトロ宅花弘
-
春野行くバスは何処でも停まります花弘
-
お宝は贋作査定いとどなく⑦パパ
-
旅のバス春競馬へと途中下車灯り丸
-
春愁ふ優先座席勧められ灯り丸
-
うららかや降車ボタンを譲る人松虫姫の村人
-
バス停跨ぎ早春の尚子ロードへぷるうと
-
一年生指先ぴんと降車ボタン鈴木秋紫
-
降車ボタン押す卒業式の朝舞茸ご飯
-
とまりますの字体まろやか花曇り舞茸ご飯
-
春の眠りバスの降りるを押し忘れ大本千恵子
-
卒業日たぶん最後の降車ボタン中村すじこ
-
五つ目のバス停前や蕨餅ペトロア
-
春寒の降車ボタンや小さき罪西村小市
-
陽炎やバスの車掌でありし祖母西村小市
-
押さば楽になれるボタンや養花天江藤すをん
-
はなっから降りぬ覚悟へ春疾風江藤すをん
-
就活生降車ボタンに春を期す歩一
-
夏に入る通学ときにキハ車輌びんごおもて
-
先に押す降車ボタンや春の闇びんごおもて
-
退職や車内長閑に「とまります」小倉あんこ
-
AEDのボタンやじんべ爺生還小倉あんこ
-
君の住む最寄り駅の名目借時沢田千賀子
-
幾度の降車ボタン卒業式白石 美月
-
春の昼次のバス停神社前白石 美月
-
終点の降車ボタンを押し卒業まあぶる
-
何故彼はここで降りたか春の闇まあぶる
-
降車ボタン押して梅咲く路地の静けさ紙風船
-
永日のがちやがちゃ降車ボタン出づ千夏乃ありあり
-
春風と蔵通りゆく周遊バス小川都
-
止まれないデジタルの世や花の雨粳としこ
-
主語の無い対話の途中春の闇粳としこ
-
風の降車ボタン押し神集ふ八かい
-
風邪心地押すか押さぬか降車ボタン八かい
-
避難地となり復活す校舎の桜絵夢衷子
-
春の雪降車ボタンを押し負けてあみま
-
避難所の廃バスに積む雛あられ渡邉 俊
-
終バスの窓を枕に新社員渡邉 俊
-
行列のやきいも屋「次とまります」古都 鈴
-
夜桜やマーカーペンで降車ボタン坂野ひでこ
-
寒き夜の眼下に朱き十字街星埜黴円
-
春興の気まま乗るバス違うままふるてい
-
伊予鉄はかっかと赤し椿濃し大西どもは
-
AIが「譲り合って」と龍一忌大西どもは
-
押しボタン押せず泣く子や春時雨素人(そじん)
-
驟雨なり乗り口までを労られみずきの
-
姫路城視線は桜を飛び越えるみずきの
-
終点は雪解けの立山連峰広泉
-
来ぬ電車ホームの空に初雲雀広泉
-
何故押さぬバスと姉追う冬の夜橋本千浪
-
入学式降車ボタンを押す順番橋本千浪
-
春宵の車窓に点る「とまります」井納蒼求
-
降車ボタンへバレリーナめく指や春井納蒼求
-
桜月バスのチャイムはハ長調義勇和爾丸
-
改札のしょぼしょぼの目と帰省子と小川晴よ
-
カラーボックスと乗車の碧眼と春小川晴よ
-
ブレザーの子らとバス待つ春の空Q&A
-
運賃はざっくりこども四月来るさ乙女龍チヨ
-
入学児われ先に押す降車ボタン広島 しずか80歳
-
暖かや一駅前でバスを降り蓼科 嘉
-
春昼や気づけば終点こどもの国蓼科 嘉
-
あの人も降車するらし花の門笑笑うさぎ
-
お大事に。とマルで返すヒヤシンス加納ざくろ
-
ギヤマンに義歯をそろりとミントの香加納ざくろ
-
電波塔見上げる春の路線バスキッカワテツヤ
-
路線図の番号唱え並ぶ春キッカワテツヤ
-
バスを降り友に手を振る一年生里山まさを
-
花の雨園児は一人バスを待つ里山まさを
-
花の雲「つぎ止まります」の無機音チリンドロン
-
乗り越しや歩いて戻る花の昼チリンドロン
-
電車ごっこの切符は葉っぱチューリップ竹田むべ
-
終点の降車ボタンの日永かな丸山 晴耕
-
雪催アンテナ立たぬ停留所こもれび
-
終バス過ぐ街を静けき朧月こもれび
-
ワンマンと書かれしバスよ昭和の日赤味噌代
-
ブザー鳴らぬまま春宵の終点新井ハニワ
-
終点でもボタン押したし春休み新井ハニワ
-
老境の停車場めぐる春の夢ごまお
-
「ツギトマリマス」あの日にかへる飛花の門ごまお
-
永日の途中下車だしの香ふわり山葡萄
-
バス降りて早足になる春の海萩 直女
-
ひとり旅ふらりと降りて春の海萩 直女
-
鋼線に伏せる長靴春の土小山美珠
-
主婦スイッチ全て点灯ヒヤシンストウ甘藻
-
バス降りることをためらふ春の雷堀尾みほ
-
春宵や「押してください」「とまります」花屋英利
-
復活祭バスドライバー地を廻す花屋英利
-
人の振り見てボタン押す一年生夏雲ブン太
-
桜蕊降り積むベンチおにぎらず夏雲ブン太
-
降りられぬバス停卒業式の朝泉楽人
-
春一番杖を持つ手に力込めれんげ草
-
風光る降車ボタンのタイミングれんげ草
-
大試験降車ボタンを競う朝不二自然
-
験かつぐ吾を鼓舞する花追風伊藤 柚良
-
寝てしまひ知らぬバス停春夕焼大久保加州
-
バス待ちのベンチにふたり日向ぼこちえ
-
「してくさい」とは仮名に興味の吾子うららちえ
-
終点にボタン押す子や風光る玉響雷子
-
降りますと大きな声の一年生二見歌蓮
-
いつも捕まる信号に春の色ノアノア
-
梨落ちぬやうに念押すバスガイド板柿せっか
-
「ピンポーン、次止まります」春の風まちゃみ
-
押し負ける降車ボタンや春の昼小笹いのり
-
園バスの警笛(ホーン)「わんわん」猫の恋小笹いのり
-
あけぼのの低床バスへ伊勢参山羊座の千賀子
-
途中下車桜嵐の無人駅黒江海風
-
白き手のするつと延びる春ショール前川雪花
-
三月尽学校前の停留所前川雪花
-
乗客は吾と佐保姫と昼のバス東風 径
-
春ひとり停車ボタンのなぜか点く間 静春
-
喜悲こもごも途中下車する春の雲間 静春
-
終バスの乗客無口月冴ゆる清白真冬
-
春のバス私降ります転職す土井あくび
-
佐保姫は後部座席の始発バス土井あくび
-
五月来る登校のバスばらけ初むおこそとの
-
卒業や「次とまります」歪む文字おこそとの
-
このボタン押して止まるや老いの春石橋 いろり
-
子雀や優先席から立ち上がり平井伸明
-
揺れて揺れ手押し車やバス花路幸香
-
朝桜「降ります降ります」ひとり旅陶瑶
-
遠足の降車ボタンは争はれ陶瑶
-
点灯待つ降車ボタンや春暑し幸田梓弓
-
猫バスのひらかぬ扉春の夢百瀬はな
-
昼の月研修中のバス通過飛来 英
-
春眠や次終点のアナウンスでんでん琴女
-
バス降りてスマホ見る春夕げの香岡本かも女
-
降車ボタン押す君のほほ春夕焼け岡本かも女
-
春興やバスの車窓のチャリ集団大西みんこ
-
春の昼臨時のバスはあるまいか笑田まき
-
冬の冷房降車ボタンはハングル宙海(そおら)
-
帰りは一里虎杖ポキポキ河豚ふく子
-
コミュニティバスは終点へ秋彼岸河豚ふく子
-
梅雨空の朝バスは各駅停車ひよこ草
-
風光るバスのステップ介助犬ひよこ草
-
降車ボタンの一度に赤く熱帯夜仁和田 永
-
バス停足元小花に春集む春待ち女
-
二列目に妣の面影や春ショール春待ち女
-
バスの中新学期へのボタン押すはる奈
-
暖かやタイヤハウスの席独り東山すいか
-
白手袋合図長閑けき停留所あまぐり
-
降車ボタンやつととどいた一年生喜多輝女
-
春光や降車ボタンへ伸ぶる指石井茶爺
-
擦れたる降車ボタンを春の風石井茶爺
-
蓬餅の袋小指へ押すボタンおおいおちゃ
-
バス停無し押しボタン無し夏インドおおいおちゃ
-
バス通過やむなくブザー吾がのどけし佐藤 啓蟄
-
春光や降車ボタンへ小さき指雪音
-
始点から終点バスは春空を三浦にゃじろう
-
誰が押す卒業式へと向かうブザーこたま
-
窓開けて吸う息二回梅が香やこたま
-
桜貝ひとつ電脳空間に池内ときこ
-
むらさきの降りますボタン風光るおケイちゃん
-
うっかりと乗り過ごしそう桜咲くおケイちゃん
-
降車ボタン競う小さき手汗ばみて香亜沙
-
ボタン押す爪も花弁か花の山佐藤香珠
-
卒業日最後の降車ボタンかなやっちゃん日記
-
彼岸参り降車ボタンを押すふたりやっちゃん日記
-
良いですねあふるる桜バスは着くらねじ