写真de俳句の結果発表

第44回「京都の屋台」《ハシ坊と学ぼう!⑬》

ハシ坊

第44回のお題「京都の屋台」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

朝採りの万願寺晩は夏カレー

すみだ川歩

夏井いつき先生より
音数調整したいですね。「朝」「晩」と書きたかった気持ちは分かりますが、「晩は」という情報は敢えて書かなくてもよいでしょう。推敲してみて下さい。
“ポイント”

青空と海風纏うかきごおり

津木 百合

夏井いつき先生より
「纏う」という言葉、よく使われる凡人ワード。この言葉に甘えずに、描写してみましょう。
“ポイント”

青楓重なる重なる光かな

希凛咲女

夏井いつき先生より
「青楓を見上げて感じる、初夏の光を詠みたいと思いました」と作者のコメント。

表現したい光景はよく分かります。ただ、中七の「重なる重なる」という描写が重たげ。この光の感じをどう表現するか。ここが、勝負所です。
“ポイント”

青葉闇おみくじ売りの指白し

山田祥風

夏井いつき先生より
「青葉闇」とは、夏木立が鬱蒼と生い茂り、昼でも暗くひんやりとしている場所。どういう場所で「おみくじ」を売っているのか。読みを迷いました。
“ポイント”

夏暖簾みやげは七味そばを茹で

岳野 千世

夏井いつき先生より
「みやげは七味」で意味が切れる? その後で、「そば」を茹ででいる? そもそもこの「夏暖簾」は、店? 自宅? ささやかな疑問点が浮かんできます。
“ポイント”

7日目に蜥蜴の骸整いて

春嶺

夏井いつき先生より
俳句では、特別な意図がない限りは、漢数字を使うのが定石です。下五「整いて」は、どんな様子なのか。読みを迷います。
“ポイント”

床涼み川のせせらぎ笛吹太鼓

たけ

夏井いつき先生より
「床涼み」とあれば、中七「川のせせらぎ」という情報は入っていると考えてよいでしょう。
“ポイント”

極彩の夜見世の裏に不良てふ人

花舎薫

夏井いつき先生より
音数調整はしたいですね。後半は、要一考です。
“ポイント”

氷菓色迷ふ吾に似し五百羅漢

茅々

夏井いつき先生より
季語は「氷菓」ですが、下五「五百羅漢」にまで広がると、主役を食ってしまいます。
“ポイント”

肩ぐるま氷水垂れ振り向かれ

よしえ

夏井いつき先生より
「肩車された小さな女の子が、紙コップの氷水をうまくスプーンで掬えず落としてしまった時に、肩車していた男性の振り返った時の優しい表情がよかったです」と作者のコメント。

書こうとしているエピソードは面白いですね。「振り向かれ」という描写は要一考です。
“ポイント”

緑陰の玉砂利歩く屋台かな

ひかるこ

夏井いつき先生より
「緑陰の玉砂利」でカットを切り替えて、後半で「屋台」の様子を描いてみましょう。「歩く」と書かなくても、歩く様子は想像できますし、「かな」という詠嘆はあまり利いてないです。
“ポイント”

縁日の射的屋めがけ金亀子

走亀エリコ

夏井いつき先生より
主役の季語は「金亀子」です。「縁日の」という情報まで広げないほうが、得策です。推敲してみましょう。
“ポイント”

季語なし

石段に座りイカ焼き貪る子

すそのあや

夏井いつき先生より
「地元の花火大会で、毎回神社の石段から見物しています。子供が屋台のイカ焼きが大好きなので詠みました」と作者のコメント。

「イカ焼き」は季語にならないなあ……。作者コメントの中の「花火」は季語。下五に「花火の夜」として、上五中七を推敲してみましょう。不要な言葉を外せば、十二音になりますよ。
“ポイント”

ぼろ市や義父の担ひで来たる棚

早霧ふう

夏井いつき先生より
第40回『蚤の市』〈種を採る主の器蚤の市〉の推敲です。店主の器の収集を、季語の『種を採る』に重ねたかったのですが、比喩的に使うと季語の力が弱くなるので、この句はやめます。義父がガラス板と金属の棚を求めて、電車に乗って帰ってきました」と作者のコメント。

中七は、「担ひで」ではなく「担ぎて」かと。それならば人選です。
“ポイント”