写真de俳句の結果発表

第44回「京都の屋台」《ハシ坊と学ぼう!⑭》

ハシ坊

第44回のお題「京都の屋台」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

神水は杜満たせをり青もみじ

ゆきえ

夏井いつき先生より
「満たせをり」とは、どんなニュアンスを書こうとしているのか、悩みます。
“ポイント”

風光る駈馬神事の技光る

深草くう

夏井いつき先生より
下五「技光る」が説明。毎年5月5日の「藤森祭」は地域の季語となっているようですから、「駈馬神事」を傍題として育ててみてもよいですね。
“ポイント”

季語なし

すもも飴母の形見の帯きつく

ちえ湖

夏井いつき先生より
「すもも飴」は季語にならないと思うので、「形見」を「浴衣」にでもすれば、季語になります。
“ポイント”

万緑やゴムだけ残る水風船

芝歩愛美

夏井いつき先生より
中七下五のフレーズ良いですね。季語は動くかも……。
“ポイント”

屋台の焼きそば、お姉さんの威勢涼し

夏井いつき先生より
読点は不要です。「涼し」が主役の季語ですから、この場合ならば、「焼きそば」と具体的に書かないほうがよいのかも。
“ポイント”

河童忌や屋台の裏の暗きけり

円海六花

夏井いつき先生より
「暗きけり」は、問題あり。助動詞「けり」は、活用語の連用形に付きます。「暗き」は連体形。
“ポイント”

支払いはスマホ硬貨古るる春や宇治

琥幹

夏井いつき先生より
内容が多すぎます。整理してみましょう。
“ポイント”

「げあらか」暖簾ふみ留む賀茂祭

馬風木瓜子

夏井いつき先生より
「屋台のとくに左右の暖簾の文字が、未だに右から左へ書いてあるものを見ます。それが『からあげ』でした」と作者のコメント。

主役であるべき「賀茂祭」が、背景になってしまってます。
“ポイント”

母の胎思い出せるや揚花火

水鳥川詩乃

夏井いつき先生より
「娘に花火を見せると、はじめはキャーキャーはしゃぐのですが、そのうちスヤスヤと寝てしまいます。花火の衝撃を受けながら、『ああ、おなかの中にいた時のことを思い出してるのかな』と思ったときの、気持ち、聴いている音、身体に響いてくる音を残しておきたくて、句にしました」と作者のコメント。

書こうとしている思いはよいのですが、中七「思い出せるや」が説明です。更に、「胎」とあれば「母」でしょうから、そこも工夫できる部分ですね。
“ポイント”

同郷の屋台に夜風鴨川の

内田ゆの

夏井いつき先生より
下五「の」で終わるのは、余韻が中途半端。この内容でしたら、むしろ語順を変えるべきかと。

添削例
同郷の屋台に鴨川の夜風
“ポイント”

京の夏童心起こすりんごあめ

青村秋入

夏井いつき先生より
中七は、感想です。「りんごあめ」を舐めている様子、手にしている様子などを描写して、「童心起こす」という気持ちを伝えてみましょう。感想で伝えるのではなく、描写で伝えるのです。
“ポイント”

蜘蛛の囲や鳴きて止みぬを繰り返し

鶴喰 照

夏井いつき先生より
「鳴きて止み」しているのは、何? 蜘蛛?
“ポイント”

夜店の灯を巡る星座なぞるごと

英ルナ

夏井いつき先生より
助詞「を」の位置を、「星座」の後に置いてみましょう。調べが整います。
“ポイント”

かき氷シロップを朱と朱と掛ける

大地緑

夏井いつき先生より
この内容でしたら、音数調整をして、軽やかな調べにしてみましょう。
“ポイント”

若葉風りんご飴は素通り

長谷川吞気

夏井いつき先生より
五六四の字足らず。内容と調べが、見合ってないのが勿体ないですね。むしろ、上五を「りんご飴は」と字余りにしておいて、展開していくのが得策でしょう。あくまでも、季語を主役にするのがコツです。

添削例
りんご飴は素通り若葉風をゆく
“ポイント”

季重なり

秘めごとは音羽の滝へ冷やし飴

馬風木瓜子

夏井いつき先生より
「『滝』と『冷やし飴』の季重なりと、助詞に悩みました。『滝に』だと、そこがゴールになってしまいそうなので、あえて『滝へ』としました」と作者のコメント。

一句の眼目となるのは、「滝」ですか? 「冷やし飴」ですか?
“ポイント”