写真de俳句の結果発表

第45回「ニースの塩」《ハシ坊と学ぼう!②》

ハシ坊

ニースの塩

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

季語なし

塩種類千差万別俳句かな

崎曽根篤子

夏井いつき先生より
お気持ちはよく分かります。俳句としては、やはり季語は欲しいですね。
“参った”

季語なし

からからとニースの塩を持ち帰る

種田山東京

夏井いつき先生より
明確な季語が欲しいですね。
“ポイント”

季語なし

信濃には塩の道あり山高し

秀峰

夏井いつき先生より
下五に、明確な季語を入れてみましょう。
“参った”

季語なし

赤き塩こわごわなめるニースかな

秀峰

夏井いつき先生より
明確な季語を入れたいところです。
“参った”

季語なし

らっきょう瓶ニース塩に明け渡し

清水ぽっぽ

夏井いつき先生より
「辣韮(らっきょう)」は季語ですが、「らっきょう瓶」となると……さて?
“参った”

季語なし

七色の笑みと塩焼き映す窓

陽雲

夏井いつき先生より
明確な季語を入れましょう。まずは、一句一季語からの練習ですよ。
“ポイント”

季語なし

英人の散歩道にて潮を浴び

陽雲

夏井いつき先生より
「英人」とは、イギリス人? 英雄的な人? 具体的な季語もきちんと入れたいですね。
“参った”

季語なし

とりどりの色や形も塩は塩

北海道のおばあちゃん

夏井いつき先生より
「兼題写真を見て直感したことをそのまま書きました。季語がないですね」と作者のコメント。

そうですね、季語は欲しいですね。「色や形も」と、二つの情報ではなく、「とりどりの色」だけにすれば、季語の入る余地=音数の節約ができます。
“参った”

季重なり

炎天の裸の背に光る塩

ひなた

夏井いつき先生より
「炎天」も「裸」も夏の季語。この場合でしたら、「裸」があれば「炎天」が不要です。余った音数をどう使うか。ここからが大事な推敲ですよ。
“参った”

季重なり

盛夏なり草刈りの音汗の味

桔梗郁子

夏井いつき先生より
「盛夏」「草刈り」「汗」、それぞれ季語にはなります。この三つの季語の中で、絶対に外せないものから、優先順位をつけてみましょう。
“参った”

季重なり

蒼い塩冷えたトマトと生ビール

あかなお

夏井いつき先生より
「トマト」と「ビール」、どちらも季語ではありますが。
“参った”

季重なり

干満の砂紋の神秘夏夕(ゆ)焼け

周子(ちかこ)

夏井いつき先生より
「夕焼」そのものが、夏の季語です。更に、「神秘」と説明するのでなく、どんな光景を神秘と感じたのか。光景そのものを描写してみましょう。
“参った”

季重なり

枝豆と乾いた喉や夏至の夜

酒呑走人

夏井いつき先生より
「枝豆」と「夏至」、それぞれ季語ですね。
“参った”

季重なり

噴水にサラダ・ニソワーズ夏の雲

玲子

夏井いつき先生より
「噴水」「夏の雲」それぞれ季語ですね。
“参った”

季重なり

汗染みをなぞる手やがて夏木陰

ぎゅうたん

夏井いつき先生より
「汗」も季語ですよ。
“参った”

季重なり

塩跳ねるクッカーの上夏キャンプ

夏蜜柑久楽

夏井いつき先生より
「キャンプ」は夏の季語ですから、「夏」は不要ですね。
“参った”

季重なり

あたたかや帰省の息子手はあたたかく

遼君のハムスター

夏井いつき先生より
「あたたか」「帰省」どちらも季語ですね。
“参った”

竿しなる父の布団や夏きざす

ビオラ

夏井いつき先生より
「布団」も季語ではありますが、語順を工夫すると、季語「夏きざす」を主役にすることは可能です。
“参った”

窮屈に詰めしおにぎり夏登山

色音

夏井いつき先生より
「登山」も夏の季語です。が、上五中七からして、本格的な登山ではなさそうなので、下五の季語を一考してみましょう。
“参った”

夏色の塩味をあわせ海の色

マカロニア・ナッパ

夏井いつき先生より
「夏色」は、夏を思わせる色というニュアンスでしょうか。季語としては、少し弱いか。
“参った”

波の花異国に寄する泪かな

馬風木瓜子

夏井いつき先生より
「『波の花』は塩の別名ですが、兼題画像を見てない人はそのまま季語として読まれると思います。その場合、どう受け取られるのか、少々不安です」と作者のコメント。

季語だと読みました。塩の別名だとすれば、他に季語が必要になりますね。
“参った”