写真de俳句の結果発表

第46回「深夜のドライブイン」《人》④

「深夜のドライブイン」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

 

※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。

【第46回 写真de俳句】《人④》

生温き夜を生臭き大雷雨
雨野理多
渋滞を告げるハザード原爆忌
風の木原
路地奥に琉舞道場梯梧咲く
舟端玉
落下めく帰省深夜のハイウエイ
前田昂平
春夜に息一つ背番号を縫う
咲織
熱帯夜海を見に来てまでラーメン
烈稚詠
旱星ルート66西へ
だいやま
ラーメンのスープの薄き無月かな
紅紫あやめ
つばき飛ぶ真夏の夜の補導員
はなぶさあきら
下の名を呼ばれるめし屋扇風機
はなぶさあきら
事故渋滞抜けて花火の遠く果つ
太之方もり子
置き去りのソーダの泡の弱々し
太之方もり子
青田風白馬三山丸抱へ
とも女
夜行バスちくっと切ない熱帯夜
とも女
新雪やドライブインの客は栗鼠
べにりんご
かっこむカツ丼長距離の汗飛ぶ
べにりんご
ぬばたまの夜を整形させて雷
髙田祥聖
夏の夜をネオンサインの彫るやうに
髙田祥聖
優勝を逃し深夜の氷水
わかめ
星涼しネオン一字を留めたる
北欧小町
大声のままバーに入る花火客
北欧小町
短夜のダイナー棄てられさうなパイ
阿部八富利
前を行くBABYINCAR夕月夜
水豚庵
ぐずぐずのうどん残暑のドライブイン
水豚庵
夏暁のだみ声すすぐドライブイン
横山雑煮
星飛んでスラング飛んで基地の町
津々うらら
ネオンびらびら波紋乱して水中花
津々うらら
梅雨の月寂しい時に見る角度
井上れんげ
秋遊どら焼きは反対車線
朝野あん
星月夜喪服の群れの笑い声
茶雨
手話だけのひそひそ話星月夜
がらぱごす
炎熱や事故渋滞のナビの赤
白秋千
雷鳴や深夜の尾灯わななきぬ
灯呂
夜の秋ジュークボックスから吐息
赤坂みずか
ダイナーの裏手朝焼の一服
赤坂みずか
ファミレスの窓辺さざめく夕月夜
文月蘭子
朝霧はれたり湯種はパン窯へ
文月蘭子
夏暁の駐車場小走りの栗鼠
窪田ゆふ
夏休み午前零時のオムライス
木香
総長の遺影を向ける盆の海
踏轍
ヘアピンカーブに花投ぐ奴の初盆来る
踏轍
コリタスの香か熱帯夜は甘く濃く
あなうさぎ
熱帯夜ネオン管より音無き声
あなうさぎ
サービスエリアしばしの仮眠星涼し
朝鈴や自販機からは湯切り音
紫黄
短夜やカーステレオは波の音
猫雪すあま
自販機のコーヒールンバ夜半の夏
牛乳符鈴
山霧に夜と明日が混ざっている
天宮ほたて
夜だけが友達だった春驟雨
天宮ほたて
夏の果五十年目のピンボール
水琴子
助手席はゴロワーズだけ旱星
水琴子
バックミラー寝息確かめ朝の虹
春のぽち
朝凪のデッキへ五杯目の珈琲
カーナビの履歴消し忘れて夜長
小川野雪兎
花火果つ助手席の位置は戻したか
小川野雪兎
ドライブイン跣のままの父と子と
島田あんず
八月のうがんじゅ岬へおばあ連れ
島田あんず
欠航の報や梯梧のこぼれつつ
充子
夕永し爆音被るソーキそば
トヨとミケ
誘蛾灯きれい拍手なきアンコール
亘航希
その筋の然るべき仁夏邸
まさし
窓開けて走る海沿い天の川
やしたあきら
風死すやカーブミラーの歪む街
葉月庵郁斗
高速をトラックの列梅雨の星
なないろ
風死すやドライブインは深夜二時
なないろ
網越しに先祖を拝む片かげり
北国はな
酔うてきたことつたへたし星月夜
谷川炭酸水
烏瓜咲けり職員駐輪場
谷川炭酸水
ワイキキの青いサイレン夏の夜
奏美和
仮眠とる車の列や夏の月
コリちゃん
ライダーは若く逞し夏の風
ふづきかみな
駐車場温い西瓜を踏んだ足
西村緋色
虫時雨開いてるはずのレストラン
田野こみち
飯匙倩さえも恐るゝ闇やガマの闇
松下眞す美
一粒の蛍ガラスや沖縄忌
松下眞す美
暁やスキー帰りの牛丼屋
ぉ村椅子
朝ぼらけ赤きアルトに秋の蝶
田近 詩泉
大阪弁地肌にへばりつく残暑
田近 詩泉
黄金虫食堂あったのではいる
亀子
汗じみてチャーハンを食む午前二時
亀子
自販機のホットコーヒー蛾の羽音
道見りつこ
切れかけのネオン無月の安酒場
常磐はぜ
ギアを上げ振り切るのろまな街と月
常磐はぜ
降車ボタン押したがらない四月の子
とひの花穂
晩夏光ルート66の轍
とひの花穂
遠花火こころ宙ぶらりんのまま
茶茶の嬉嬉
天の川の渕十月十日の黙
戸村友美
自販機の出汁は手作り冬の朝
沢山葵
暴動や犬以下の俺たちの冬
おりざ
喪主なんてできねぇ秋のルートビア
おりざ
スナックの「ス」の明滅し明易し
白猫のあくび
桜咲く本丸跡に沸く屋台
朱葉
貝殻は砂の城址や夜の秋
朱葉
山麓のトイレ触角太き火蛾
翠雨
ぬらぬらと底より浮かびくる夜振
久蔵久蔵
翻る金魚や空のカプチーノ
久蔵久蔵
ハーレーを鎮めて夜の熱帯魚
島田雪灯
41℃ウズベキスタンの西瓜売り
芳野
エンジンを切りて虫の音包囲陣
のさら子
父危篤の知らせ三度め梅雨の月
水須ぽっぽ
車中泊三日め秋の蚊を逃がす
水須ぽっぽ
バス停へ駆けた転んだ蝉啼いた
こころ美人
助手席のサイダー君の離日の夜
紅玉
昼寝より醒めてビジネスホテルかな
猪子石ニンニン
飛魚の海に筋書きなき夜更け
岸野ゆり
月下美人はばたくやうに夜を統ぶ
岸野ゆり
真夏のドライブ真夜中のラーメン
ねこじゃらし
弟の骨箱母に海蛍
あらまち一駒
真夏の夜トイレの壁の染み羽化す
砂 芽里
白き嶺仰ぎ開山祭前夜
はなハチコ
夏の夜アガパンサスの白し高し
はなハチコ
店明かり爆音車くる火蛾もくる
モト翠子
廃業のドライブインや蕎麦を干す
モト翠子
葭切や別れ話に泣く漢
渥美 謝蕗牛
夏の闇三葉虫の瘴気満つ
竹庵
曼珠沙華猛る焔の護摩祈祷
竹庵
自販機のうどん分け合う雪の夜
ふぃーかふぃか
大阿蘇へさ迷ふ暑夜のドライブイン
わおち
ガソリンと雨のにおいに梅雨の星
伊呂八 久宇
あおさちょっとのあおさらうめん白雨
りぷさりす園芸店
月に紫煙バスにもたれる運転手
ボンちゃんのママ
B席のムスリマ短夜を祈る
葉村直
自販機のほこり守宮の手に薄る
葉村直
長き口挟む夕顔別当来
水きんくⅡ
ローマ字の日こどもに読めぬネオンあり
水きんくⅡ
五月雨やドライブインの麺柔し
佐藤レアレア
販売機押せば満天夏の星
イケダエツコ
山梔子開く深夜のドライブイン
イケダエツコ
夏休あと二時間でばあばんち
凛ひとみ
小走りに戻るトラック梅雨の星
キャロット えり
大試験前夜イヤホンからボレロ
てんむす
夏の果ト書き通りにアイスティー
ザイコン
太腿のプレートランチ旱星
コンフィ
天の川に沿ってアルタイルを左折
喜多郎
ガス欠のバイクとぼっち星月夜
喜多郎
名も知らぬドライブインにゐる良夜
立川猫丸
龍淵に潜むドライブイン煌々
立川猫丸
海老名サービスエリアメロンパン海
横須賀うらが
夢二忌のフードコートのばらちらし
たーとるQ
冷麦を吸ひ込む夜勤上がりかな
たーとるQ
一灯の蛍耳順を惑ひをり
うくちゃんま
夏の風邪ちよいと見舞うて去ぬる雲
うくちゃんま
浜木綿のとなりで日の出待つ二人
のりこ
吹雪の夜うどんは売り切れ立ち往生
のりこ
髪を解き客となる番明易し
紫すみれ
遅番の賄いひとつ灯取虫
紫すみれ
空梅雨やヘッドライトに羽虫の死
秋野しら露
三伏のクレーンゲームの諦めどき
秋野しら露
初めてのビールは苦し父の通夜
深町宏
外食はいつもラーメン日焼けの子
松本厚史
仮眠するトラックヤード明け易く
迦楼羅(かるら)
カーナビの指示は断崖夏の蝶
広島じょーかーず
有線のカーペンターズ夏の夜
糸桜
カクテルの丹碧確と沖縄忌
柿司 十六
スナツクの二階の住まひ熱帯夜
柿司 十六
夜光虫煌々ルートビアひりり
咲野たまふく
水色のうみ白南風のテラス席
咲野たまふく
深夜には深夜の会話ソーダ水
陽風水
冷麺を奢られ戯言が長い
たきるか
二百十日自販機はコーヒールンバ
たきるか
まかないの夜食大盛りきのこ飯
谷川ふみ
銀漢の真っ只中をデロリアン
谷川ふみ
海風のビーフチャーメン窓の錆
美織
月以外味方がいないドライブイン
青井えのこ
スキーバスジャンクフードの香り満つ
のりのりこ
鈴虫や取り出し口に缶コーヒー
サリー
皹薬労働相談の予約
咲山ちなつ
チェックインの列は途切れず誘蛾灯
天風さと
灼熱のルート66宿遠し
玄子
可惜夜のコーヒー二つ夏の海
釣女
土砂降りの高速鰻丼は次回
春野あかね
蝙蝠やおじさんクスリしてるかも
舞矢愛
山峡の宿の灯りや月見草
孤寂
食堂の冷麦温し常夜灯
孤寂
年の瀬の深夜出迎え缶コーヒー
のぐちゃん
春愁の出社ガソリン一眼盛り
野菜α
風死すや国境の灯をひとつ見て
出雲のたみちゃん
特別じやない日のうどん雨蛙
慈夢りん
ため息をトイレの渦へ朝月夜
慈夢りん
バスツアー夏のナポリに置き去られ
芳草
秋霖やスナックのネオン明滅
花豆
ハコスカ夜を裂く若夏の海へ
花豆
雨月のネオン先代の裏メニュー
創次朗
カンパネラ弾くストリートピアノへ西日
月季 紫
外灯は二本マップは月明り
月季 紫
車中泊の四日座面の底近し
うーみん
カーナビの告ぐる到着天の川
ユリノキ
カーラジオ消してかなかな降りしきる
ユリノキ
ドライブインホットドックと梅雨の雷
みえこ
ドアの無きビックボーイや星月夜
ふのんへん宗悟
ぷくぷくのきのこバーグや秋に入る
ふのんへん宗悟
徘徊も散歩のひとつ茄子漬ける
壱時
夏暁のドライブ助手席には喪服
壱時
助手席に『津軽』ゼロ泊の桜桃忌
朝ごはん
天の川東シナ海見ゆる窓
久木しん子
星月夜ミラーの父と目が合わぬ
はるいち
残業の冷やし中華に噎せ返る
月野うさぎ
夏の夜のしづかに終へるセルフレジ
霧賀内蔵
降りぬまま彼岸桜の停留所
看做しみず
曼珠沙華夜をゆつくり夜に葬る
水鏡新