写真de俳句の結果発表

第47回「コスモスと浅間山」《ハシ坊と学ぼう!①》

ハシ坊 NEW

第47回のお題「コスモスと浅間山」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

ハシボウと学ぼう

2021年の9月に、友人宅からの散歩中に見た浅間山です。私のお気に入りの一枚です。

蓼科 嘉

季語なし

頂上に咲けばあなたを見られない

伊藤一刀斎

夏井いつき先生より
明確な季語がありません。何が咲くのでしょうか。
“参った”

季語なし

コスモスの絵手紙添えし震え文字

糸桜

夏井いつき先生より
絵手紙になると、季語としての鮮度が落ちます。
“ポイント”

季語なし

形あるものとなきものちぎれ雲

あおい

夏井いつき先生より
「ちぎれ雲」では季語にならないのでは? 下五に明確な季語を入れましょう。
“参った”

季重なり

夏休みリュック背負って初登山

つきみつ

夏井いつき先生より
「夏休みに、孫がお父さんと初めて立山登山をするので、準備をしている様子を詠みました」と作者のコメント。

「登山」も夏の季語ではあります。
“参った”

季重なり

滝ながめ岩魚にかぶりつけば石

しげ尾

夏井いつき先生より
「軽井沢から草津に行く途中、白糸の滝に寄った時のことです。岩魚の塩焼きを売っていたので、思い切りかぶりついたら、ガジッと音が。なんと石を噛んでしまいました。歯が痛んだかも。店の主人に伝えると、もう一匹、無料でくれました。余談ですが主人によると、岩魚が流れに負けないように、自分で石を吞み込んだのだとか」と作者のコメント。

「滝」と「岩魚」どちらも季語ですね。主役はどちらですか?
“参った”

季重なり

コスモスや音符の上の汗の音

フジ・シズカ

夏井いつき先生より
「汗」も季語ですね。
“ポイント”

季重なり

夏登山がぶりレモンの甘きこと

千舟

夏井いつき先生より
「登山」そのものが、夏の季語です。上五を別の言い方できないか、再考してみましょう。
“参った”

季重なり

秋桜はむらさき朝焼けの歌舞伎町

ラテ

夏井いつき先生より
「朝焼け」は夏の季語ではあります。
“参った”

季重なり

空の空コスモス戦ぎ山眠る

駿の母

夏井いつき先生より
「山眠る」は冬の季語ですね。
“参った”

季重なり

虹の橋ふもとにきっとコスモス

うすむらさき

夏井いつき先生より
「虹」も季語ではあるのですが……。
“参った”

季重なり

コスモスの釣瓶落としに細い茎

魔理野

夏井いつき先生より
「釣瓶落とし」も季語ではありますが……?
“参った”

季重なり

耳はせみ目はコスモスの色と揺れ

りっこう

夏井いつき先生より
「せみ」「コスモス」どちらも季語ではありますが。
“参った”

季重なり

初登山コスモス握る小さき手

えみりん

夏井いつき先生より
「孫がいたら、山に連れて行ってみたいです。きれいなコスモスを一輪とって、喜ぶ顔が見てみたいです」と作者のコメント。

「登山」は夏の季語です。小さな丘ぐらいならば、登山とはいいません。
“参った”

季重なり

のどかなりコスモスの群れ浅間山

もっさん

夏井いつき先生より
「のどか」は春の季語ですよ。
“参った”

季重なり

秋桜の背高超えし帰省にて

直感勝負

夏井いつき先生より
「秋桜」「帰省」ともに季語です。まずは、お手元に一冊、歳時記を置いてみましょう。
“参った”

季重なり

夏空に山とコスモス瞑想す

龍眞

夏井いつき先生より
今回の投句は二句ともに、「夏空」「コスモス」の季重なりです。「山とコスモス」の光景を描きたいとなれば、こちらは外せないので、上五を「青空や」にするのも一手ではあります。
“参った”