第47回「コスモスと浅間山」《ハシ坊と学ぼう!⑤》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
わぁ綺麗採りし花の名鳥兜
春野あかね
夏井いつき先生より
「わぁ綺麗」は、ちょっと率直すぎるかなあ。「鳥兜」を少しでも描写してみましょう。
悠久のカルデラ仰ぐアキザクラ
ほーさく
夏井いつき先生より
季語としては、「あきざくら」あるいは「秋桜」と書くことを推奨します。
季語としては、「あきざくら」あるいは「秋桜」と書くことを推奨します。
病床の寝息を染める西日かな
慈夢りん
夏井いつき先生より
「染める」は要一考の動詞です。
「染める」は要一考の動詞です。
秋桜や噴煙微かに纏いけり
雪割草
夏井いつき先生より
「纏い」は要一考。描写に徹しましょう。
コスモスや南に置いて選挙かな
栗紀
夏井いつき先生より
「や」「かな」切字が重なりました。感動の焦点がブレるということで、嫌われます。どちらかを外しましょう。
明朝発つ子の部屋広し秋桜
志きの香凛
夏井いつき先生より
「『明朝(あした)』と読んでください」と作者のコメント。
「あした」と読ませたいのならば、「明日」と書くべきです。「明朝発つ」が「みょうちょうたつ」で六音になるから、という理由でしょうか。上五の六音は、許容範囲ではありますが。
「あした」と読ませたいのならば、「明日」と書くべきです。「明朝発つ」が「みょうちょうたつ」で六音になるから、という理由でしょうか。上五の六音は、許容範囲ではありますが。
子が示すオリーブの枝空蝉や
雪花
夏井いつき先生より
下五の「~や」は、バランスが取り難い型です。語順を考えてみましょう。
下五の「~や」は、バランスが取り難い型です。語順を考えてみましょう。
秋茜追ふて下校の田圃道
みやもとや
夏井いつき先生より
「追ふ」が、助詞「て」に接続するのは、連用形なので「追ひて」となります。ウ音便「追うて」の間違い?
「追ふ」が、助詞「て」に接続するのは、連用形なので「追ひて」となります。ウ音便「追うて」の間違い?
なゐふるや休耕田の秋桜
眼蔵
夏井いつき先生より
「なゐ」は地震? 「なゐふる」とは? 読みを迷います。
「なゐ」は地震? 「なゐふる」とは? 読みを迷います。
コスモスやか弱い中に忍耐力
南全星びぼ
夏井いつき先生より
中七下五は、「コスモス」の説明です。コスモスのどんな様子を見たから、このように思ったのか。その映像を描写するのが俳句です。
中七下五は、「コスモス」の説明です。コスモスのどんな様子を見たから、このように思ったのか。その映像を描写するのが俳句です。
埋没林蔵め三瓶の花野かな
朗子
夏井いつき先生より
「三瓶」は固有名詞? 「蔵め」がベストなのかどうか。
「三瓶」は固有名詞? 「蔵め」がベストなのかどうか。
コスモスや埋む野蛮な溶岩の牙
多数野麻仁男
夏井いつき先生より
「埋む」は、うめるの意? うずめるの意? 後者ならば、「埋むる」になる……か。
「埋む」は、うめるの意? うずめるの意? 後者ならば、「埋むる」になる……か。
秋桜が押しとどめし溶岩流
真秋
夏井いつき先生より
描こうとしている光景はよいです。調べを整えてみましょう。
描こうとしている光景はよいです。調べを整えてみましょう。
コスモスのつぼみ泥棒草のやう
清桜人
夏井いつき先生より
「泥棒草は、正式には『コセンダングサ(小栴檀草)』というそうですが、私の地方では泥棒草と言います。他の地方ではひっつきむしやくっつきむし等、呼び名がいろいろあるようです」と作者のコメント。
なるほど。一句に植物名を二つ入れると、お互いを殺し合います。ひっつきむしみたいな「コスモスのつぼみ」を比喩ではなく、描写してみましょう。
「泥棒草は、正式には『コセンダングサ(小栴檀草)』というそうですが、私の地方では泥棒草と言います。他の地方ではひっつきむしやくっつきむし等、呼び名がいろいろあるようです」と作者のコメント。
なるほど。一句に植物名を二つ入れると、お互いを殺し合います。ひっつきむしみたいな「コスモスのつぼみ」を比喩ではなく、描写してみましょう。
秋めくや浅間に揺れる薄ピンク
夢追い人
夏井いつき先生より
後半の措辞は、要一考です。写真を見てない人は、「浅間に揺れる薄ピンク」を何だろうと思うのでは。
後半の措辞は、要一考です。写真を見てない人は、「浅間に揺れる薄ピンク」を何だろうと思うのでは。