第48回「鍋一杯の柚子ジャム」《ハシ坊と学ぼう!②》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
柚子味噌やツイストキャップガラスビン
桃圓
夏井いつき先生より 評価 並
「即物的な句ですが、作者には『ふろふき大根の湯気』まで見えています」と作者のコメント。
並選ですが、うーむ……読者には「ふろふき大根の湯気」までは見えないかな(苦笑)。
並選ですが、うーむ……読者には「ふろふき大根の湯気」までは見えないかな(苦笑)。
飴玉の袋を剥がす秋暑し
キッチンハイカー
夏井いつき先生より 評価 並
「今月から入会しました! よろしくお願いします!」と作者のコメント。
はい、一緒に頑張ってまいりましょう!
さて、この句ですが、並選レベルは維持してます。これを人選にするにどうするか。「飴玉の袋を剥がす」ですが、飴玉を袋から剥がすのか、飴玉の袋を何かから剥がすのか。そこらへんが明確に書ければ、ベストですね。
はい、一緒に頑張ってまいりましょう!
さて、この句ですが、並選レベルは維持してます。これを人選にするにどうするか。「飴玉の袋を剥がす」ですが、飴玉を袋から剥がすのか、飴玉の袋を何かから剥がすのか。そこらへんが明確に書ければ、ベストですね。
椀物の吸い口に柚子匂い立つ
水玲
夏井いつき先生より 評価 並
〈柚子練りや母から届くクール便〉と作者のコメント。
二句目が、作者コメント欄に入力されていたようです。どちらも並選です。
二句目が、作者コメント欄に入力されていたようです。どちらも並選です。
遠雷やマーマレード突沸の夜半
深川文吉
夏井いつき先生より
素材が面白いです。調べをもう一工夫できるとすぐに人選です。
素材が面白いです。調べをもう一工夫できるとすぐに人選です。
蜩や痛み止め服み一時間
田に飛燕
夏井いつき先生より
「蜩の声が続く感じと、ひどくはないけれど、確実にある痛みを感じている時間が似ている気がしました」と作者のコメント。
「蜩」という季語との取り合わせ、評価できます。「服み」を一考してみましょう。
「蜩の声が続く感じと、ひどくはないけれど、確実にある痛みを感じている時間が似ている気がしました」と作者のコメント。
「蜩」という季語との取り合わせ、評価できます。「服み」を一考してみましょう。
柚子一つ付いた銀鱈リピートす
立町力二
夏井いつき先生より
「定食の焼き魚に、柚子の半切りが付いていたのを思い出しました」と作者のコメント。
作者が描こうとした映像と、俳句の字面に隙間があります。「柚子一つ付いた」という表現に問題がありそうです。「リピートす」は、書かなくてもいいな。
「定食の焼き魚に、柚子の半切りが付いていたのを思い出しました」と作者のコメント。
作者が描こうとした映像と、俳句の字面に隙間があります。「柚子一つ付いた」という表現に問題がありそうです。「リピートす」は、書かなくてもいいな。
歪んだ柚子の実抱へて湯船まで
夢追い人
夏井いつき先生より
「柚子」と書けば、季語としては実を指しますので、「柚子の実」と書かなくてもOKです。
「柚子」と書けば、季語としては実を指しますので、「柚子の実」と書かなくてもOKです。
卒乳は進まぬ母は夏の風邪
春瑛
夏井いつき先生より
「卒乳は進まず」と中七で一度言い切れば、人選です。
島ひとつ百千の柚子島動く
青田道
夏井いつき先生より
上五と下五にそれぞれ「島」という情報が入っています。この句の場合でしたら、「島ひとつ」に「百千の柚子」で一句。「百千の柚子」と「島動く」で一句。それぞれ切り分けて完成させてみましょう。どちらも良い句になりそうです。
上五と下五にそれぞれ「島」という情報が入っています。この句の場合でしたら、「島ひとつ」に「百千の柚子」で一句。「百千の柚子」と「島動く」で一句。それぞれ切り分けて完成させてみましょう。どちらも良い句になりそうです。
柚子の木10本柚ジャム作りは日課なり
つばき
夏井いつき先生より
俳句では、特別な意図がない限り、数詞は漢数字にするのが定石です。
俳句では、特別な意図がない限り、数詞は漢数字にするのが定石です。
春暁の決意漏斗を挿しポカリ
ぎゅうたん
夏井いつき先生より
これは、どういう状況? 私の知識が足りないのかも……。
これは、どういう状況? 私の知識が足りないのかも……。
真夜中に果実を刻む漱石忌
風花舞
夏井いつき先生より
素材は面白いのですが、忌日の季語との取り合わせが不穏です。「真夜中」という時間帯に季語の要素を入れることは可能なので、「果実を刻む」さまをもう少し丁寧に描写できると、佳句になりそうな予感がします。
素材は面白いのですが、忌日の季語との取り合わせが不穏です。「真夜中」という時間帯に季語の要素を入れることは可能なので、「果実を刻む」さまをもう少し丁寧に描写できると、佳句になりそうな予感がします。
甘夏の苦みに顔を如む吾子
苅桜守
夏井いつき先生より
「如む」とは? 「しかめる」と書きたかったのか? 「顰める」かな。
「如む」とは? 「しかめる」と書きたかったのか? 「顰める」かな。
隣り組柚子もぎ始め朝7時
華柊
夏井いつき先生より
特別な意図がなければ、数詞は漢数字で書くのが定石です。
特別な意図がなければ、数詞は漢数字で書くのが定石です。