写真de俳句の結果発表

第48回「鍋一杯の柚子ジャム」《ハシ坊と学ぼう!⑥》

ハシ坊

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評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

煮詰まりし柚子ジャムの中笑顔見ゆ

遼遥

夏井いつき先生より
「ジャムが焦げないように鍋をかき混ぜながら、笑顔で頬張る孫の姿を思い浮かべています」と作者のコメント。

「笑顔見ゆ」は、ありがちな表現。むしろ、「ジャムが焦げないように鍋をかき混ぜ」るときの様子を、描写してみましょう。
“ポイント”

同居して柚子皮アク抜き知った姑(はは)

小川 茜園

夏井いつき先生より
「同居して」から書くと、十七音はすぐにオーバーしてしまいますね。情報を整理して、少なくしましょう。
“ポイント”

柚子皮を「一緒煮て」と嫁指南

小川 茜園

夏井いつき先生より
「柚子のアク抜きも知らず、還暦も軽く超えてしまった私……反省」と作者のコメント。

「一緒煮て」は、誰の台詞ですか? そこが読み取り難いのです。
“難しい”

道の駅柚子に魅せられIターン

三日余子

夏井いつき先生より
「~に魅せられ」が説明です。
“難しい”

柚豊作息子自慢のジャム作り

美典

夏井いつき先生より
「柚豊作」という表現は少し強引。材料が多すぎるので、名詞を一つ、減らしてみましょう。
“ポイント”

柚子ひとつ木守り勤め司る

大和明希子

夏井いつき先生より
「勤め」に加えて「司る」まで書く必要があるでしょうか。
“参った”

ぐつぐつと季節の貯金冬の月

半夏生

夏井いつき先生より
上五中七が、具体的に何を「貯金」しているのか、読み解けません。
“参った”

弟のヨーグルトにのすゆず出来て

れもん

夏井いつき先生より
「ゆず」は、ナマ? ジャム? そこははっきり描写したいですね。
“ポイント”

苦きゆず瓶よりこぼる熱々の

れもん

夏井いつき先生より
この語順だと、ジャムなのだと分かるまでに時間がかかります。
良き

早起きのモチベを仕込む柚子の鍋

織乃

夏井いつき先生より
中七の「モチベを仕込む」は説明です。「早起きや」と上五を整えて、中七下五で「柚子」を煮込む鍋の様子を描写してみましょう。
“ポイント”

柚子のジャム香りを羨むごはん党

織乃

夏井いつき先生より
「~を羨むごはん党」は、説明です。「柚子のジャム」の香りを、描写してみましょう。……ですが、まずはYouTube『夏井いつき俳句チャンネル』の「【初心者でもカンタン!?】日記から俳句を作ってみよう!」などを一度視聴して下さい。
“参った”

北の我柚をジャムにと贅沢や

パキラ

夏井いつき先生より
「北に住む私からすれば、柚は高級品です。でも桜桃はジャムにします(笑)」と作者のコメント。

お気持ちは分かります。が、これは、「北の我(にとって)柚をジャムに(する)と(いうのはなんと)贅沢や」という文章のところどころを千切って、俳句の音数に入れたものです。内容を詰め過ぎたのも問題点です。まずは、YouTube『夏井いつき俳句チャンネル』の「【初心者でもカンタン!?】日記から俳句を作ってみよう!」などを参考に、最初の一句の作り方から、始めてみましょう。
“参った”