写真de俳句の結果発表

第48回「鍋一杯の柚子ジャム」《人》②

鍋一杯の柚子ジャム

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

 

※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。

【第48回 写真de俳句】《人②》

リハ室の市民オケ夜食はジャムパン
小川さゆみ
春寒し陽を練るごとくジャムを煮る
仁和田 永
うそ寒や微熱のジャムを掬い取る
仁和田 永
ジャムパンに空隙夜学校に吾
いかちゃん
バー晩秋グラスの底に赫きジャム
いかちゃん
茹でこぼす柚子の苦みよ母の忌よ
春待ち女
柚子味噌の握り飯食む控室
東田 一鮎
果皮をことこと長女の悩みを聞く寒露
東田 一鮎
ゆきずりに貰ふ荷台の柚子三つ
深山むらさき
凩や黄身の壊れてゐるカラザ
東山すいか
小鳥来るパフスリーブのワンピース
里山子
盛籠のへりを柚子坊兄のこゑ
このみ杏仁
たぎる湯へ寒夜の哺乳瓶ふたつ
このみ杏仁
秋夕焼け勝手口よりジャム届く
おおいおちゃ
今朝の秋やブルーベリーの実のまばら
おおいおちゃ
秋の日のジャムをたつぷりコッペパン
幸の実
柚子の皮刻む気鋭のショコラティエ
木ぼこやしき
ざらめ糖じゅじゅと寒露の鍋のふち
木ぼこやしき
大夕焼吾が肺癌を狙い撃て
佐藤 啓蟄
柚子のジャムほぐれる白湯と原田マハ
河上摩子
秋深し煮沸の瓶の湯気清ら
雪音
たらちねの母の武骨や柚子の皮
池内ときこ
冗談が通じず柚子を絞り切る
池内ときこ
仰向けに月見てカラメルになりさう
うすい木蓮
砂漠行く駱駝の涙星月夜
幸水
「ご自由に」のメモ籠いっぱいの柚子
香亜沙
柚子ジャムや好きなところを三つ言へ
岩本夏柿
反抗期魔法を掛けた柚子二つ
岩本夏柿
まったりと柚子ジャムまぜて午後の雨
さらさら
豊の秋木べらは夜の底を掻く
西川由野
繊月をこくりと煮込む金のジャム
西川由野
甘夏のピールの手間よ苦し甘し
浜 けい
ジャムとなる柚子の明るき門出かな
あなぐまはる
空腹の音符はアルト流れ星
四條たんし
暗き目で睨む中空柚味噌嘗む
向原てつ
中年のジャムほろ苦し柚子しぼる
平本魚水
荒々と転がる愛よ柚子に棘
平本魚水
柚子上手く煮へて良き日となりにけり
ひなた
小鳥来る紅茶に入れるジャム探し
オリゼ
山ほどの柚子を煮て煮て煮て平ら
染野まさこ
柚子の実の皺よコッペパンの皺よ
黒猫
とろおりと柚子ジャム溶ける風邪の夜
きべし
柚子煮詰む隣の畑を買ふ話
栗田すずさん
出戻りの秋柚子の木の棘多し
栗田すずさん
仕送りの荷の隅へジャム豊の秋
央泉
ガラス瓶の煮沸の余熱柚子香る
むらのたんぽぽ
檸檬の酸っぱさ苛の傷は染みる
むらのたんぽぽ
柚子やまな板に等間隔の傷
秋白ネリネ
しゅくしゅくと水吸う砥石聴く九月
だがし菓子
青みかん星の形の海にいる
だがし菓子
未晒しは黄昏れ色に柚子しぼる
星詩乃すぴか
ジャム煮つむ秋思の渋さ掬ひつつ
星詩乃すぴか
隠し味は柚子ジャム秋の町中華
栗の坊楚材
天盛りに柚子婿になる人来たる
丸山隆子
秋渇きほつほつはしゃぐ鍋の中
むげつ空
秋冷や父には固きジャムの蓋
末永真唯
ジャムパンの焼きたての鐘秋うらら
末永真唯
地蔵盆ジャムパンもあるお接待
風の母
柚子ジャムの甘き睡気や水尾村
丹波らる
鶏頸へ振り下ろす鉈柚子たわわ
丹波らる
身のうえは尋ねずラム酒へは柚子を
深紅王
鬼柚子や父の不器量たる拳固
深紅王
アヲハタのジャムの食卓小鳥来る
ゆりかもめ
ゆず溶けて深夜ラジオのコールサイン
かおりんご
老境の記憶の穴に柚子ひとつ
あさいふみよ
柚子皮の灰汁と怒りと茹でこぼす
あさいふみよ
幸の香の真中や独り柚子を煮る
前田冬水
ジャムを煮るへらの手応へ夜半の秋
前田冬水
柚子刻む人を待つ夜のおまじない
立田鯊夢
帰国二年目秋の近づくジャム作り
紅緒
炊き出しの鍋の凹みや今朝の秋
紅緒
避難所の炊き出しの暖三が日
伊藤節子
柚ジャムや韓の青磁の壺に入れ
すみ子
柚子煮れば煮くづれてゆく愁ひかな
渋谷晶
秋風と戻つた指輪ジャム作ろ
まさと澄海
ジャム煮詰め鍋にあずけむ宵の月
みや
無花果の頬やはらかに押し戻す
沖原イヲ
朴落ち葉煮込み料理の得意な子
宇佐
還暦やきび糖で炊く新小豆
宇佐
果物の水分煮飛ばして秋思
野井みこ
でこぼこの柚子にあだ名をつけてみる
とり
柚子ジャムの鍋に故郷の滾りたつ
ま猿
教卓に山なす柚子や赴任の日
ま猿
ぶつぶつの柚子ほつほつと煮詰めたる
釜眞手打ち蕎麦
新涼やジャムおじさんになる心
若宮 鈴音
三つ編みしてもらいつつ爽やかな朝
若宮 鈴音
とくとくと苺煮詰める深夜の母
九月だんご
木守柚一枚残し繰る雨戸
かりん
柚子五籠砂糖は母の目分量
かりん
はちみつを垂らし切ったる時や避暑
謙久
避暑名残ジャムの評とか立ち話
謙久
柚子ジャムや湯割りの渦の琥珀色
扇百合子
おつりは新札津田梅子像の処暑
中山白蘭
ジャム作りテレビは台風中継中
中山白蘭
柚子の香の真中に浸るてふ遊び
夏椿咲く
千切りが細くて寂し鰯雲
豆くじら
話しつつ絞れば柚子の種よ種
豆くじら
熱々のパンにジャムの香秋の朝
清波
薄暮れに明かし水尾の木守柚子
ひょんすけ
霜降やジャム工房の煮沸瓶
ひょんすけ
秋うららジャム派ですけどいいですか
典典
ジャム煮つつ下五推敲する夜長
摂州黒うさぎ
五班のジャム沸いたらしいぞ鰯雲
澤村DAZZA
秋懐を煮沸消毒したけれど
澤村DAZZA
痞えたもの蕩けなくなる無花果煮る
ほうちゃん
無花果煮るご褒美の色までことん
ほうちゃん
秋彼岸ふきんに瓶の口の跡
一色 那真呼
柚子貰うまた柚子貰うまた柚子か
無花果邪無
柚子友に送れば柚子の絵手紙来
仲間英与
瓶底のジャム掻き出して今朝の秋
かねすえ
秋高しジャムと煮こんだスペアリブ
小鳥ひすい
祝杯や月夜のジャムを開ける音
小鳥ひすい
茶人往く床に一枝の柚子の花
実相院爽花
長き夜や湿気った海苔を佃煮に
前世ニャン子
ジャムパンの夜食英単語の五百
帝菜
朝冷のエプロン開かぬジャムの蓋
帝菜
爽籟に吾が身をまかせ尾根にたつ
縦縞の烏瓜
数珠つくり絹紐通す秋の昼
縦縞の烏瓜
柚子を煮る苦き記憶の解(ほど)けゆく
たかね雪
庭の実のジャムの香満ちる冬隣
たかね雪
寒日和国生むごとくジャム煮をり
超凡
行く秋やジャムを封ぜし蓋凹み
超凡
在りし日の五右衛門風呂や柚子ひとつ
揣摩文文
平らかなジャムへ一匙刺す晩夏
湯屋ゆうや
まひるまの柚子を炊く火の小さきこと
湯屋ゆうや
凱旋のナポレオン駒返る草
高原としなり(としなり改め)
柚子ジャムの真空に鳴るガラス瓶
高原としなり(としなり改め)
秋暑し吾子を背負って掬う灰汁
道小春
柚子煮るやパキラもポトスも枯れちゃた
藍創千悠子
媚薬のごと煮詰めるただの苺ジャム
藍創千悠子
秋深しスペアリブにはマーマレード
酒井彩香
無花果をジャムにする夜の独り言
酒井彩香
青梅や水に産毛の光持つ
ばちゃ
啄木鳥や生ハムチーズマーマレード
高橋 玄彩
厨から真夜中の月柚子煮詰む
高橋 玄彩
カヤトースト苦し秋思の家族旅
呑 栗子
賢治忌や雨しとしとジャムふつふつ
嬉々
グスベリや絵本の猫の目のような
嬉々
氏神の真上に灯る木守柚子
源五郎
梅干しの瓶母のしわしわなメモ
千代 之人
煮沸した瓶に詰めたる冬銀河
千代 之人
はちきんの放ってよこす柚子いびつ
若山 夏巳
言い合いの棘もすり混ぜ柚味噌の香
若山 夏巳
子規忌なり柚味噌を我も食したき
さえこ
柚子ジャムの瓶を総出の夜なべかな
さえこ
本当はパン派の夫の秋袷
万里の森
秋の日をジャム透くほどにかき混ぜん
万里の森
秋薔薇や厨でジャムを作る午後
中岡秀次
かきまぜる光の粒子柚子のジャム
中岡秀次
玉筋魚3キロ釘煮は祖母の味
友鹿
窓を打つ颱風ジャムを煮るとろ火
出船
新涼や庭に漏れ来るジャム煮る香
芳野まさこ
フツフツとジャムと怒りを煮る夜長
芳野まさこ
森の朝パンの香はこぶ秋の風
泉晶子
ゆずの香や家族の芯に母は在り
ポメラニアン
キッチンに椅子を持ち込み柚子煮込む
翁愁
柚子味噌と片口だった罅ぜたもの
水牛庵乱紛
トーストに盛るようにジャム小鳥来る
里すみか
鍋つかみミトンに焦げ目小鳥来る
里すみか
煮沸して瓶の艶やか夕焼雲
西村ゑな女
ジャムとバタ多めセーヌのピクニック
西村ゑな女
そして煮込まれてゆく不細工な柚子
鶴子
地下街を右往左往の蟻や蟻
鶴子
空き家にはエプロンふたつ椿の実
ぐわ
無花果食べたしそのまんま食べたし
桜上比呂
マスターの雪焼けロシアンティーの湯気
しゅな
丸善の檸檬カッターナイフの刃
しゅな
この道はいつも明るき道や月
べびぽん
夫婦して認知らんらん二つ星
べびぽん
ついてない今日は高価な桃を買う
髙橋みりぃ
買い物弱者の街へ秋果積むワゴン
髙橋みりぃ
惜別はたわわに実る柚子の庭
平松久美子
ケロイドと化しても柚子の滲みる風呂
野の花
祖母の手のやさしく洗う柚子足湯
里春
茶香炉のカフェイン白し月今宵
飛燕
秋彼岸大鍋の煤磨く母
木守柿とど
秋澄めりマーマレードの香の満ちて
青翠
ジャムを煮る小鍋のぐにやり濃染月
三尺 玉子
人が死ぬ杏子のジャムを塗りたくる
三尺 玉子
ジャム詰める瓶だけ残し夏に逝く
西城 典子
重陽のトーストに塗るバターかな
紙威楓
もてあます若き心よ柚子煮詰む
水木合歓
ジャム煮込む香りぞゆかし暮の秋
海神瑠珂
ひと鍋のジャム煮る夜の秋思かな
秋佳月
つつましき夕餉や柚子の香に満てり
秋佳月
秋深き木べらの焦げを削りけり
広瀬康
柚子を摘む登校拒否の手のやさし
広瀬康
SLは主張す冷凍みかんは食べごろ
あゆママ
夕暮れに柚子を煮る音雨の音
白祐
柚子ジャムを仕込む子規忌の昼下がり
君君
春昼のホットケーキを滑るバタ
三月兎
薔薇ジャムの香の甘やかに避暑の朝
三月兎
初盆や手作りジャムの甘酸っぱい
音羽ナイル
透明な花瓶に秋の金魚かな
千和ニノ
暗がりに煮沸せる瓶しづの女忌
菜活
買い手無き古家の柚子を捥ぎ残す
石田将仁
夜の雷鳴トーストのジャムは無味
ひーじい
食パンを貪る吾子よ秋暑し
ひーじい
ブルーベリージャムはことこと檸檬切る
姉萌子
柚子の香や蜜漬けの果皮若々し
はなもも