第50回「雪の赤れんが庁舎」《人》①
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第50回 写真de俳句】《人①》
極刑を告げし庁舎や細雪
深山ほぼ犬
凍晴にハレルヤ比良の山白し
佳奈
自販機のコンポタわける雪明り
櫻木うらら
葬送の最後に校歌雪解道
まり
庁舎が煌めく夜雪は音を飲む
ファビパピ代
無味無臭無色透明雪の華よ
ファビパピ代
一面は郷土力士や今朝の雪
蔵豊政
手のひらに数える雪や待ちぼうけ
令子
門の灯や薄ら笑いの雪女
令子
雪しまきバロック庁舎にブラームス
櫻心
秋深むムーミン谷をさがそうか
くまさんさん
駅蕎麦を待つ父子ゐて冬の月
はしま
産声や煉瓦の産院にどか雪
苔間きい
電飾は投げやりイブの洋品店
すずなき
誕りはをんなの貌して聖夜
すずなき
初雪や抱きしめられし庁舎前
青葉
しまり雪議員の妻を卒業す
藤井いちはつ
馬柱丸打つ車窓には小雪
蒼井憧憬
戸口へと足跡深し冬館
立士
赤れんがに雪五稜星の欠片
瀬文
雪深しシボ革の靴くきゅくきゅと
早坂喜熊
百年の庁舎の孤独冬銀河
白よだか
一陽来復花嫁移民の船出航
ミセスコロンボ
灰雪の煉瓦に崩るめしりめしり
爪太郎
ひしと背を合わせて眠る冬の朝
扶羽
初雪や卵黄嚢の映りたる
扶羽
雪白し煉瓦の家の窓あかり
パンダスミレ
粉雪の小樽運河を小舟ゆく
くちなしの香
図らずも冬の電飾残業中
るう
れんが館尖塔の先とがる雪
枝葉
しんしんと雪降る音や夫を待つ
鶴姫
開拓の匂ひの煉瓦雪の積む
ひでやん
雪の根にサツポロペツの原野かな
ひでやん
百億の子豚の豪邸冬将軍
留辺蘂子
サッ・ポロは乾いた・広い冬が来る
佐藤儒艮
りんりんとはたらく庁舎十二月
佐藤儒艮
道庁の青ざめてゐる寒茜
黒子
電飾のビルに残業終へ聖夜
多喰身・デラックス
電飾に押し切られたる恋ほのか
ゆすらご
イルミネーション否定しないという愛
ゆすらご
夜の雪を百夜通の涯とす
内藤羊皐
家猫の放肆に眠る雪夜かな
内藤羊皐
煉瓦積む人の耳裏冬晴るる
葉山さくら
残業の太郎の窓に雪降りそむ
梵庸子
雪の夜の庁舎眠らぬ太郎たち
梵庸子
冬帝が赤き煉瓦の庁舎へ来
奈良の真
足場撤去八角塔に残雪
信茶
五稜星燦然インバネスの知事
信茶
青すぎる網走の空流氷来
空木花風
丹頂のこゑ湿原に点と線
空木花風
雪しまく守衛の会釈は生真面目
京あられ
声高の給湯室よ吹雪く朝
京あられ
雪幾たび遺跡一部の赤煉瓦
一生のふさく
電飾の陰に夜業の窓明り
一生のふさく
雪空や夜の明けぬまま時の鐘
風蘭智子
東京や雪の行幸通りの灯
海羽美食
降る雪や古き庁舎の赤煉瓦
海羽美食
ピカデリーサーカス冬とまちあはせ
青水桃々
スノードーム特性:冬の灯が好き
青水桃々
聖地へと慈悲の貨物車発つ聖夜
吉野川
おやおもいのひとりものです雪がすき
吉野川
噴煙はゆるゆる蝉時雨まじ
巴里乃嬬
ドアマンのコートの襟にプティ・サンタ
巴里乃嬬
レコードの針落としたる聖夜かな
日永田陽光
雪もよひ質に入れたるエメラルド
日永田陽光
手術終えし眼に道庁の雪ましろ
城ヶ崎文椛
積もり初むる雪の一片見たきかな
城ヶ崎文椛
女優めきエスプレッソを外は雪
おぐら徳
マッチ売りの少女探してみる聖夜
渥美こぶこ
雪国や友の黒縁眼鏡キラッ
渥美こぶこ
うりずんや城へ通じるつづら折り
高橋寅次
窓口に杖掛けるゴム小六月
高橋寅次
降る雪やフランス積みの赤れんが
円堂実花
明治とふ時代ありけり寒の星
円堂実花
赤煉瓦校舎雪夜の朗読会
風早 杏
竹笊の薄切りの柚子媼の手
風早 杏
道庁の消えない灯りクリスマス
谷山みつこ
ゆるゆると電飾巻かれ枯木星
谷山みつこ
函館の夜景は括れ雪催
沙那夏
開拓民のツルハシの音冬の雨
沙那夏
時雨るるや旧陸軍被服支廠
⑦パパ
粉雪のしづかなる白煉瓦舎に
ピアニシモ
しゆくしゆくと根雪にならむ庁舎前
ピアニシモ
湿疹の腹の熱さや雪の夜
古瀬まさあき
からつぽのグラス狐火らの晩餐
古瀬まさあき
聖夜劇パカパカ後ろ足の役
まっちゃこ良々
団欒の窓よ幽かな音は雪
森野みつき
聖樹雄々し落とさぬように万の星
森野みつき
しづり雪なつかぬ女と呼ばれけり
ぷるうと
レシートの挟まる図書や窓を雪
ぷるうと
雪ひとひら睫毛におりて灯のにじむ
舞茸ご飯
君の手は冷感タイプ昼の月
稲垣加代子
編みかけの帽子に冬のすっと来る
稲垣加代子
静かなる聖樹へ預け核ボタン
中村すじこ
ニョロニョロも寝たよおやすみ聖夜の子
中村すじこ
スマホ無しがドレスコードやペチカ前
ペトロア
残業の終わらぬ聖夜カップ麺
西村小市
雪撥ねるササラ電車や午前四時
西村小市
山積みの残業窓に聖樹美し
江藤すをん
網棚のケーキ帰宅を急く聖夜
江藤すをん
ふるさとの訛りは誇り雪うさぎ
山川腎茶
短日やレンガ庁舎に灯がともる
歩一
冬帝や札幌迂回飛行して
びんごおもて
ジャックの塔百七度目の冬を生く
小倉あんこ
別姓阻む煉瓦庁舎や雪しぐれ
小倉あんこ
雪の夜の発車案内板乱る
けーい〇
ジャムパンのジャム震わせて虎が雨
けーい〇
吹雪なり赤く瞬く五稜星
沢田千賀子
強面のフルート吹きの聖歌かな
満る
アイプチの君と逢ふ日の吹雪かな
満る
電飾はスピカめく青雪の駅
天陽ゆう
ポインセチア神様を決める戦争
天陽ゆう
集合は「五稜星」前冬うらら
白石 美月
クリスマスイルミネーション石畳
白石 美月
降誕祭ひとの数だけある正義
まあぶる
雪晴や八角塔の浅緑
まあぶる
パラボラアンテナ大口を開けて雪
千夏乃ありあり
電飾の螺旋のひづみ雪しまく
千夏乃ありあり
道庁や日暮れて窓に藍の雪
小川都
言霊の幸ふ丘や柚子実る
小川都
雪の駅上手に迷子になれそうな
もぐ
雪の夜地球儀に今はない国
もぐ
ミニレンガ愚直に並ぶ冬の庭
はれまふよう
熱の頬じゅわっと溶けて春の雪
けい女
雪の花ポールラッシュの夢かける
けい女
寒三日月出荷を無事に今日もまた
あすかきょうか
息白しはとバス並ぶ駅舎前
あすかきょうか
鐘凍るしたっけとりあえずザンギ
あみま
初雪や狸小路を出てすぐに
あみま
片っぽの手套の在り処まさぐりぬ
渡邉 俊
喧騒を吸ひ取らむ雪国の雪
渡邉 俊
暮早しお菓子の家と粉砂糖
古都 鈴
雪あかり精一杯の強がりを
古都 鈴
アイヌモシリ消えて雪華の時計台
坂野ひでこ
結晶めく君の靴跡雪の朝
坂野ひでこ
雪月夜ひとりじめって罪ですか
うからうから
淡雪や胸は震えるためだけに
うからうから
海堡跡藻に住む虫の音に泣けり
星埜黴円
寒苦鳥廃業できぬ診療所
星埜黴円
誰を待つ待つ待つ待つ吾冬の月
大西どもは
歳晩や知事室の窓耿耿と
素人(そじん)
組みあげてゆかしき足場雪の塔
うに子
技術者のゆりかご雪の開拓史
うに子
見に行かん冬の北都に湧く泉
青木りんどう
うぶすなは神話の里や雪明り
青木りんどう
街の灯と雪が恋人同士とは
広泉
イルミネーション気温0度のクリスマス
広泉
月光遠し目指すイルミネーション
橋本千浪
前進の足跡残す雪の街
橋本千浪
地球外生物ひそむ雪明
井納蒼求
雪とけぬほどの温もり冬灯
井納蒼求
冬帽子鼻の先っぽ星を突く
小川晴よ
どんぶりの煮卵覆う葱の白
小川晴よ
タクシーが来ないホットレモンごくり
Q&A
冬風が滲みるテーピングの小指
Q&A
手袋にまろかるピースサインかな
る・こんと
降る雪や夜更けの福祉課の電話
みづちみわ
雪女以外ハ異状ナキ庁舎
みづちみわ
冬暁仮眠の長き電飾よ
さ乙女龍チヨ
残業の八角塔や雪の華
広島 しずか80歳
電飾の庁舎はチョコの館なり
広島 しずか80歳
雪催い歩幅の狭くなった母
柊まち
咳やまぬ夜しんしんと降り積もる
柊まち
粉雪やほんたうの吾を見失ふ
飯村祐知子
二次会の果てて雪路となりにけり
飯村祐知子
ペーチカやアンが石板割る次第
杏乃みずな
雪天(ゆきぞら)へ硝子の棒の昇降機
杏乃みずな
しまふくろふがオーナーといふオーベルジュ
七瀬ゆきこ
しまり雪内地の人はよく転ぶ
にゃん
華やかな電飾雪の開拓地
蓼科 嘉
雪明かりドールハウスの屋根静か
蓼科 嘉
雑踏は淋しき群れや聖樹点く
笑笑うさぎ
初雪を子どもに返る母に告げ
笑笑うさぎ
お役所や雪崩は山で起きてます
加納ざくろ
意地悪な人っているねイルミネーション
加納ざくろ
徐にカーテン引けば聖夜の灯
里山まさを
公園のベンチひとりの聖夜なり
里山まさを
ソル広場時計の鐘の去年今年
チリンドロン
白葱の深谷駅舎の赤れんが
チリンドロン
雪の夜や小さきチャペルの椅子しづか
竹田むべ
クリスマスカクタス消灯の時間
竹田むべ
一本の聖樹となりて駅舎立つ
彩汀
雪霏々と雪霏々と煉瓦濡れゆく
彩汀
初雪を知らせる人の一人いて
こもれび
南行きの切符燃やして冬の暮
赤味噌代
ジオラマの雪は厚めに十一月
赤味噌代
初雪や東京駅を人の夢
西野誓光
ビル風を縫ひて煉瓦色のセーター
西野誓光
初雪やホットワインの宵甘き
山葡萄
冬月や白堊の塔に馬の骨
小山美珠
雪片や八角塔に霊鳥来
小山美珠
雪しづかここは明治の赤れんが
トウ甘藻
みささぎへ実生の柚子をみづのを来
トウ甘藻
走る人怒鳴る人なき雪の街
花屋英利
靴下に百円三つ聖誕祭
夏雲ブン太
電飾といふ枷のあり冬木立
泉楽人
凍つる夜の旧道庁てふ開拓碑
泉楽人
学食の窓の曇りや雪催ひ
めぐみの樹
電飾の明滅青し冬木立
めぐみの樹
初雪や灯りの消えた夜行バス
不二自然