第50回「雪の赤れんが庁舎」《人》②
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第50回 写真de俳句】《人②》
雲も虫も落ち葉もチェキに深む秋
伊藤 柚良
残業の灯のひとつ消ゆ初霰
大久保加州
冴ゆる夜のイルミネーション闇に落つ
大久保加州
横滑りのトラック阻む雪の朝
ちえ
温もりの緋色マフラー子の形見
ちえ
緑青の庁舎の屋根へ冬の虹
玉響雷子
ゴールデンカムイ削り出さるる雪まつり
玉響雷子
手のひらに消ゆ細雪ささめ雪
ノアノア
星屑の雫降る降る文化の日
ノアノア
雪の駅きしめんは一センチ幅
板柿せっか
雪乗せしまま遮断機の上がりけり
板柿せっか
雪しまく二駅先の美術館
高橋侘助
天狼や市民講座のハンドベル
小笹いのり
雪沓の男ら知事へ報告会
小笹いのり
引き継ぎはポインセチアの水のこと
山羊座の千賀子
巡回の夜警数ふや聖樹の灯
山羊座の千賀子
雪晴やゆつくり土へ還る犬
ひつじ
冬天や猫を形見とせぬやうに
東風 径
初雪の校庭泥濘は楽し
東風 径
家事終えて家計簿つけて明日は雪
土井あくび
糸繋ぐ指皸の少女工
おこそとの
冬灯公会堂のオムライス
平井伸明
ラプトルの鉤爪凩の上野
鈴白菜実
角部屋の灯りは消えてクリスマス
陶瑶
初雪を灯す赤煉瓦の庁舎
岸来夢
星しづか粉雪に待つプロポーズ
岸来夢
裏口に蛇の衣あり閉庁日
幸田梓弓
貴名受しづかに丸き冬の蝿
幸田梓弓
雪しまく開拓旗章羽撃けり
一久恵
白鳥や異国を恋ふる赤レンガ
一久恵
初雪の便り街頭宣伝車
国東町子
空港の聖樹に掛けし指輪かな
百瀬はな
タラップは雪の香吾子とポケモンと
岡本かも女
クリスマス庁舎を包む人の列
岡本かも女
片恋や煉瓦のBARの根深汁
大西みんこ
粉雪や一泊の荷に福音書
喜祝音
二次会を抜ける任地の雪月夜
喜祝音
不測とは睫毛に落ちる六花かな
笑田まき
駅舎満つラ・カンパネラや雪の宵
小川さゆみ
れんが亭隣の席へ雪女郎
小川さゆみ
トランクへ浮力を詰むる良夜なり
仁和田 永
つけまつ毛が重い冬帝は不眠症
仁和田 永
庁舎三階左端の窓のポインセチア
いかちゃん
霜の夜の蛾に電飾のあたたかし
いかちゃん
風花や煉瓦造りの高き塔
春待ち女
耳朶に銀貨の如き空っ風
東田 一鮎
富士の間の透かし欄間や雪にほふ
東田 一鮎
残業の二十二時まぶしき聖樹
伊藤 恵美
寒風を流しのギターチューニング
伊藤 恵美
有翼の獅子の睥睨冬館
深山むらさき
暖炉に熾火略歴に不敬罪
深山むらさき
豊の秋猛き火を飼ふ登り窯
東山すいか
トナカイのいななき庁舎へ雪が降る
里山子
早朝の婚姻届小米雪
あまぐり
赤にまた止まるタクシー聖夜更く
このみ杏仁
冬の虹スノードームの町清ら
このみ杏仁
試験終了や渋谷はクリスマス
おおいおちゃ
ポケットのスノードームや雪月夜
おおいおちゃ
本心を明かさぬやうに霜の花
河上摩子
冬晴れや博物館の最後尾
もりたきみ
ピザ窯の完成祝うホットワイン
もりたきみ
雪静かライトアップの外は闇
雪音
電飾へ交じれる雪や青く消ゆ
雪音
遠回りのバスから見えるクリスマス
池内ときこ
雪の夜のチャペル遠目に引返す
池内ときこ
書類落ちの貴社にも雪は積もりゆく
うすい木蓮
退職を告白し合ふ雪の窓
うすい木蓮
霜の花望郷の詩を諳んずる
碧西里
雪虫やさみしさはざらりと渇き
碧西里
ビスケットこんがり焼けてクリスマス
幸水
クラーク像の右手の彼方雪明かり
香亜沙
綿虫や赤き煉瓦のワイナリー
岩本夏柿
煙突は冬天を突き登り窯
伊達紫檀
異国語の屋台品書きおでんかな
伊達紫檀
白秋に一人旅する北の街
やっちゃん日記
冬館明治村にまいります
井上玲子
初雪をツアーガイドのハイヒール
西川由野
雪きしきしと豊平川の青一条
西川由野
初冬のタワマンの陰道堅し
浜 けい
床暖の点け方思い出す立冬
浜 けい
いいね下さい霜夜の我の存在価値
あなぐまはる
祈るごと聖樹に触れる塾の子ら
あなぐまはる
アーモンドころん涙は冬の贄
四條たんし
ラムはいま胃を過ぎ窓を吹雪く熱
四條たんし
冬の旅ほんのり赤き旧庁舎
英曙
指サック丸めて市民課の聖夜
平本魚水
合鍵は雪の小枝に捨てました
平本魚水
行人は残兵の群れ冬の雨
宇野翔月
牛乳色の御孕りの祝い日
宇野翔月
オリオンや机を叩く開拓史
楽花生
寒昴旧道庁の床に傷
楽花生
木枯や学食棟の赤煉瓦
ひなた
赤煉瓦庁舎足音冬めきぬ
ひなた
初雪や街より音の消えてゆく
つんちゃん
砂底に煉瓦ふた欠片冬の川
原 唯之介
レンガ塀の工場後や蔦紅葉
黒猫
うそ寒や消毒済へペン二本
栗田すずさん
更新を終へ粉雪の街あをし
栗田すずさん
雪しんしん煉瓦欠けたる旧庁舎
央泉
霜夜更け残業の窓二つ三つ
央泉
時計台に待つマフラーは脱ぎ捨てて
むらのたんぽぽ
数多のトロフィー棺へ秋夕焼
秋白ネリネ
弔問の途切れぬ家や暮の秋
秋白ネリネ
初雪のひとひら発車告げる間に
だがし菓子
ハーモニー復習す秋夕の下校
だがし菓子
犬じつと伏せ初雪の交差点
栗の坊楚材
月曜の選挙ポスター湿り雪
栗の坊楚材
ばあちゃんちの雪見障子や猫眠る
丸山隆子
待ち合わせ商店街の雪うさぎ
ぴーとぺー
雪明りけふはやさしき八角塔
むげつ空
玄帝や北辰強く導けり
むげつ空
ゆるキャラの雪を払える控室
末永真唯
柊の花二年目のすぐやる課
末永真唯
くつしたに朝食のパンクリスマス
藤井かすみそう
赤煉瓦倉庫に吹雪く門司の夕
ゆづぷー
終戦忌銃痕あまた赤煉瓦
猫おっと
徒手体操定年の秋始まりの秋
桔梗郁子
息白しサンタに並ぶモスチキン
日向あさね
護送車の粗い網の目クリスマス
司香
初雪の空に雲なしハンバーガー
丹波らる
雪あかり父母が迷子にならぬやう
うっとりめいちゃん
盲目の銀杏落葉は靴底より
風友
陰りゆく青嶺や姉の緑内障
深紅王
天寿とす雪晴れの火葬申請
深紅王
粉雪やはしゃぐ彼女のプランC
ぱんだ社長
雪催い修復工事の赤レンガ
ぱんだ社長
遠ざかるバスの尾灯や雪女郎
小林 昇
消灯のランプの宿の冬銀河
小林 昇
チェーホフの短編マッフ欲しき夜よ
ゆりかもめ
赤レンガ庁舎解体白き息
時乃 優雅
街は雪ささら電車の灯の溢る
俳句笑会
開拓の館雪華に瞬く灯
俳句笑会
ミトンで拭く広角レンズみぞれ雪
うみのひつじ
雪降るや木々はみるみる青白く
菩華
雪の夜やホテルの熊のスーヴェニア
渡辺鬼
雪の街イヤホンはずし立ちどまる
渡辺鬼
シュプールを追ってシュプール追いこして
まこと七夕
柚子煮るやご機嫌キースジャレットだ
まこと七夕
雪降りてなおあったかし有馬の湯
摩耶
無音なり雪原ホワイトクリスマス
直子
花の庁舎や開拓兵は見に来しか
旅路
パブへの路上工員の目に夕焼けや
旅路
ひとり分の足音をかき消して雪
王朋亡
電飾は屍骸真昼のクリスマス
王朋亡
耳癈のこゝち夜どほし雪のふる
ツナ好
東京の底へ阿の雪呍の雪
ツナ好
点火待つロックフェラーセンターに雪
かおりんご
サッポロのコンビニはポン太払ひ風邪
沢拓庵
仲直りしたくて雪空飛んできた
あさいふみよ
開拓や雪の轍を辿りつつ
立田鯊夢
退官の花束抱え十二月
紅緒
ひとひらの雪はさびしき耳たぶへ
渋谷晶
聖夜の婚姻届ああ残業
無何有
憂鬱の足跡まぼる雪仏
無何有
菊膾やけに大きく咀嚼音
宇佐
あの頃のシャンパンゴールドの聖夜
宇佐
インプツト過多と紅茶と寒昴
野井みこ
クリスマスきたる単身赴任地に
とり
たひらかに雪積もりをる墓の跡
ま猿
雪像の見ひらかれたる夜のまなこ
ま猿
とうきびの醤油香ばし雪祭
釜眞手打ち蕎麦
シルバニアファミリーの声窓の雪
若宮 鈴音
屋根裏のねずみのしっぽ星月夜
若宮 鈴音
耳鳴りか雪のさえずりかしましく
とぜん
溜息は長し雪見の露天風呂
九月だんご
残菊や封切らぬまま接種券
かりん
雪虫や喪服の塩に紛れたる
謙久
執務室の硝子のゆらぎ六花
神木美砂
イーハトーブ音なき夜半に雪の音
夏椿咲く
縹渺と雪に眠れる林檎の木
夏椿咲く
町中華ひとり席より咳ひとつ
豆くじら
旧庁舎の奇譚聞きけり夜の雪
ひょんすけ
粉雪やイルミネーションの静謐
ひょんすけ
初雪や故郷(くに)の訛りはもう出ない
典典
丸ごとの馬鈴薯スープカレー食ぶ
すず
相続の放棄終えるや秋の空
摂州黒うさぎ
雪明り無音が耳を劈いて
澤村DAZZA
人混みとサンタクロースのため息と
無花果邪無
冬日向運河にゆれる倉庫群
仲間英与
役場には秘密のとびら冬眠す
かねすえ
雪色の冬の灯ぽわり埴輪展
小鳥ひすい
粉雪の天より開場告ぐる鐘
実相院爽花
冬至風呂暗夜航路を口遊む
前世ニャン子
雪面に滑り悪魔を呼ぶポーズ
帝菜
東京に居た頃のコートじゃ寒い
帝菜
開拓の記憶と雪と赤煉瓦
夢佐礼亭 甘蕉
星月夜あす退院の十二階
鈴花
「キャッツ」に喝采帰路は星月夜
鈴花
対岸の灯をかがやかす夜寒かな
縦縞の烏瓜
明治てふ手探り赤レンガの聖夜
たかね雪
聖堂の窓に影さす蔦紅葉
揣摩文文
外壁の目地に鼻だれそぞろ寒
揣摩文文
息白くゆけよコントラバス抱え
湯屋ゆうや
降る雪を突いて議決の場へゆかむ
湯屋ゆうや
パラボラを青白き寒昴へと
としなり
寒星の言の葉の降るかにモスク
としなり
悴む手部活帰りの初選挙
道小春
初雪や工事現場の常夜灯
道小春
安いほう選ぶ聖夜のマグカップ
藍創千悠子
中指に剛毛があるクリスマス
中指富士夫