写真de俳句の結果発表

第50回「雪の赤れんが庁舎」《人》③

第50回「雪の赤れんが庁舎」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

 

※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。

【第50回 写真de俳句】《人③》

小春日や野草に埋まる煉瓦道
ばちゃ
木枯らしや千切れそうなる道庁旗
詠華
小春日や東京駅の鳩と人
高橋 玄彩
赤煉瓦倉庫の裏の雪蛍
高橋 玄彩
戦争が灼くる煉瓦の穴にいた
藤原朱夏
赤煉瓦庁舎へ電飾の冬木
無弦奏
電飾の下を庁舎へ月凍つる
無弦奏
化粧直す定時退社は雪催
源五郎
ラスボスの此処に居さうな雪の塔
源五郎
枯枝は爪弾く宵の明星を
千代 之人
冬の夜の雲を響もす照空灯
千代 之人
鞄には『深夜特急』雪の宿
一石渓流
戦死者の小旗波打ち雪しまく
一石渓流
控訴院見上げて払う肩の雪
若山 夏巳
終電を逃して知りぬ聖夜かな
万里の森
ソウルの雪降るやハルランハルランと
中岡秀次
粉雪の紺滅の夜をとめどなく
中岡秀次
パスカルの水は濁りぬ枯れはちす
カムヤ イワヒコ
年の瀬のイルミネーション残務処理
友鹿
窓越しの小児病棟クリスマス
友鹿
五大陸土産の毛玉付きセーター
出船
電飾の並木ミサへ急ぐ聖夜
芳野まさこ
開拓の歴史の館霏々と雪
芳野まさこ
小晦日東京駅の夜のしじま
泉晶子
雪しんしん遠い国から降る手紙
泉晶子
チャペルまで園児の橇の馳せ回る
山河穂香
吾も埴輪も弓なりの目や十三夜
水牛庵乱紛
出張の父にマフラー渡す駅
リアス式747
着膨れのカップルだらけ東京駅
リアス式747
ブーツ響かせ丸の内仲通り
里すみか
カヌレ持ち替えマフラーを巻き直す
里すみか
トラム乗る君と聖夜のマルクトへ
西村ゑな女
遠地にて子の誕生を待つ聖夜
西村ゑな女
シドニーの聖夜波乗りのサンタ
徳佐津麻似合
秋雨や土産抱えて一周忌
鶴子
秋晴れや姪の華燭の鯛茶漬け
鶴子
点滴のぼんやり光る聖夜かな
ぐわ
赤きささくれや熟柿のうすつぺら
桜上比呂
栗飯の甘し電飾はしやぐはしやぐ
桜上比呂
カラカラと枯葉無人の旧庁舎
しゅな
電飾の欠損部分霙降る
しゅな
病室の米寿の恋や窓に雪
べびぽん
クリスマスケーキアパート退去依頼
髙橋みりぃ
引越しを終えて一人の聖菓食む
髙橋みりぃ
5号棟サンタの家を知る聖夜
星 秋名子
八分の一の聖菓は亡き夫へ
野の花
急患の静かな寝顔初明かり
里春
母兄とはぐれ聖夜のコンコース
里春
雪光る離婚届を手に前進
森子
雪かぶるなほ小さきや時計台
うらん
ホットワインは赤ベルリンのマーケット
鈴聖湖
故郷の雪降りしきる駅舎かな
鈴聖湖
人に原罪コスモス千々に靡きをり
琳青
ソーセージ囓りつ巡る聖夜市
琳青
コンテスト敗退東京駅は雪
双樹
寒昴薪を片寄せ焼くピッツァ
丸山歩
札幌は一面の雪ひとりです
青翠
幾千の頬咲くやクリスマスイブ
三尺 玉子
クリスマス翼のごとき耳の犬
三尺 玉子
雪月夜ドールハウスのランプの灯
西城 典子
悲しみを清くす雪が降りしきる
水木合歓
愛想なき猫と待つ駅雪の朝
秋佳月
雪の夜の灰色の列タクシー待つ
秋佳月
夜明まで明治維新のごと吹雪く
広瀬康
口実は聖夜のイルミネーションを
広瀬康
春を待つデイサービスの君を待つ
夕佳莉
オリオンや〆の味噌ラーメンの列
君君
ホットワイン手にプラハのマーケット
三月兎
信号の赤あたたかき聖夜かな
三月兎
洋館の門柱灯る毛皮の子
菜活
譲りあふ膝掛余る保護者席
石田将仁
炎天下れんが倉庫の犬笑う
姉萌子
マフラーぐるぐるライトアップわくわく
木綿子
道庁の石段のぼる風爽か
鷹見沢 幸
猫のいるカフェは札幌今雪か
かよいみち
冬ざれの時計台写真の君は
かよいみち
音を食ふ雪やJAF待つ三時間
川口祐子
浜風やシュニッツェルには黒ビール
川口祐子
釧路湿原や雄鹿の首太し
ひこ老人
モエ・エ・シャンドンの溢るる泡や冬北斗
素々 なゆな
牡丹雪消えて煉瓦の赤暗し
ゆきまま
サンピエトリーノ爆走タクシー冬銀河
ゆきまま
駅前の聖樹の下に人探す
角田 球
消火栓ぼんやりと赤れんがは冬
安田伝助
静けさや雪は電飾へと昇華
安田伝助
すすきのへ初雪味噌󠄀大へバター
山姥和
のつのつと煉瓦庁舎を牡丹雪
山姥和
薄給の吾に一献す雪月夜
オニチョロ
初雪や母の焼き立てメッシュパン
オニチョロ
門広く開けて庁舎のクリスマス
苫野とまや
臨月の馬の鼻息クリスマス
苫野とまや
花時や明治の色は煉瓦色
滝澤 朱夏
メキシコの積雪きよしルミナリア
猫日和
ジオラマの街に巨大な冬の虻
竹いとべ
ビルしんしん四角い街の傘に雪
春花みよし
窓ごとの残業の灯よ冬の月
松雪柳
たれもみなつぶやいてみる「はつゆき」と
松雪柳
未明の氷塵や父は出勤す
石澤双
寒日和島陰に朱の礼拝堂
空はる
赴任地の凍つる荒野よレンガの舎
全速
音の無き現代舞踊クリスマス
さおきち
初雪や手のひらにひとつぶのみづ
リコピン
冬暁のぞみ定時に出発す
きのこオムレツ
夜半の冬新幹線の見える席
きのこオムレツ
待ち合はせの駅舎かがよふ雪、雪、雪
葦屋蛙城
駅舎燃ゆ雪はあかるく溶けゆけり
葦屋蛙城
ドアマンの目じりの皺やクリスマス
風かをる
雪あかり第八巻を読み終えぬ
風かをる
冬帝や回転ドアを押す力
笠井あさと
雪国や明るい夜と暗い朝
笠井あさと
函館のチェリービールの泡赤し
どこにでもいる田中
ビル街の空き地四角く秋の色
橙茶
銀河系新宿零時発ふゆ旅
さら紗
雪女離婚届を出したらし
水間澱凡
木製のサッシのガラス雪明り
土取
看板は札幌ビール初時雨
加賀屋斗的
残業の時雨光の御堂筋
秋熊
ルミナリエのひかりひとつぶ冬の星
秋熊
シャンパンとポインセチアと待つ終電
ゆきのこ
雪催い通用口に猫の声
ゆきのこ
名の変わる姉と一つの布団かな
潮汐子
磁気嵐狂ひ囚人道路凍つ
浅海あさり
狐の仔点点鉄路の融雪器
浅海あさり
きみと聴く「鯨の詩」や春の雪
花星壱和
初恋散るや初雪の煉瓦館
花星壱和
雪明り母校は指定文化財
西 山歩
行く年や東京駅のタッチ音
すいかの種
紛糾の議会粉雪霏々として
橋本こはく
喧騒を吸う樅の木や聖夜の静か
玲花
一人旅フラノ寶亭留の暖炉の火
玲花
炊き出しのテントの横を聖歌隊
むい美縁
雪帽子ニュルンベルクのマーケット
むい美縁
明るく静かな夜(よる)外(そと)は初雪
出羽泉まっくす
バス待ちの傘に粉雪積もる音
なみこまち
グリッターネイル待ち合わせは聖樹
なみこまち
雪の消す庁舎と君のコートの緋
彼理
赤れんが庁舎冬帝に謁見
陽光樹
孤高なる八角塔へ六花
陽光樹
誘導棒かけられ雪の夜のパイロン
はんばぁぐ
防風林北へ北へ冬銀河
日吉とみ菜
ササラ電車出動雪しまく夜へ
原島ちび助
雪しまく街を逃れて味噌ラーメン
原島ちび助
道庁はどか雪詰めの補正予算
つるぎ
初任地はまだ薄暗し今朝は雪
つるぎ
しずり雪転出届けを出しました
居酒屋親父
停電や蠟燭の灯に切る聖菓
滝川橋
しゃりしゃりと庁舎の屋根に初霙
風輝
アパホテル辞令は冷酷外は雪
風輝
雪明り煉瓦庁舎にピアニスト
団塊のユキコ
冤罪の吾子の独房雪埋む
来冬 邦子
雪今宵空爆受けし街何処
来冬 邦子
炊き出しの雑炊請願は否決
みなし栗
どんぐりの帽子がポロン恋棄てる
永華
聖夜のブザーこうのとりのゆりかご
まりも
寒紅の二人ポカンと同じ口
アツヒコ
水槽の冴ゆる水素へ射すネオン
アツヒコ
シャコタンはスタック助手席に雪女
摂田屋 酵道
排ガスの烟るタクシー雪月夜
紫月歪丸
この駅と今日でお別れ肩の雪
紫月歪丸
ほんたうにいぬだつたのか虎落笛
駒村タクト
生きるてふ業や吾の出す舌へ雪
駒村タクト
コーヒーの蒸らしを待つ間雪の声
田畑 整
クリスマス腎結石の微動して
田畑 整
煌々と霞が関の聖夜かな
おさむし
古民家の玻璃の揺らぎや雪催
青井晴空
石畳の目地に並びし霰かな
青井晴空
雑踏をひとりスキップ雪の夜
春海 凌
クリスマス乗客の皆向かい合う
牧野冴
喪服抱え駅舎の甘苦き聖樹
牧野冴
強盗の眉の薄さよ聖樹の灯
望月美和
残業の灯のおびただし室の花
望月美和
子は星を指さす役よ聖夜劇
林としまる
雪の夜やネオンの赫き伊勢佐木町
いくたドロップ
赤煉瓦庁舎の灯かりクリスマス
桜貝
自販機の汁粉売り切れ庁舎雪
千暁
一族に公務員なし鳥渡る
千暁
凍星よロシア童話を抱きしめる
夏の舟
雪しまきあれは開墾の槌音
山内彩月
雪靴の氷を落としジンギスカン
山内彩月
軽トラの木くずへシート掛け暮雪
ヒマラヤで平謝り
ガス燈やざくざく歩くざらめ雪
和み
冬の雷答弁集の使われず
高山佳風
聖樹よりひとつお取りと宣教師
十月小萩
呼気ぼやく夜のかぎろひを雪と呼ぶ
龍酪
あまねくは雪教科書の紙回帰
龍酪
風花や遅延証明の行列
花はな
月凍つる青色ダイオードの樹々
花はな
雪明りスマホに開く街の地図
辻 さつき
鈴音の響く庁舎のクリスマス
智幸子
骨折や外はホワイトクリスマス
石川潤子
千歳なるスダレ煉瓦や石蕗の花
曽根朋朗
着膨れて明かす疎遠の理由かな
瀬央ありさ
清潔な冬の匂いの家路かな
瀬央ありさ
セーターの胸へまっすぐラム弾く
あおい結月
修正案いよよぐだぐだおでん食う
あおい結月
初雪や子規臥す部屋のガラスの戸
水無月
納骨の骨壺軽し今朝の冬
水無月
すが漏りの人のわけいる喪の花輪
mayu
横浜の聖夜に若き伝道師
梅野めい
雪あかり待たせることの慣れしひと
唯野音景楽