第50回「雪の赤れんが庁舎」《人》④
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第50回 写真de俳句】《人④》
点滅は吾を責む雪に滲む青
唯野音景楽
つぎはぎの街六花の粉錫めく
くるすてぃーぬ
ベテルギウスの胡乱腺腫のうずき
くるすてぃーぬ
人待つや雪のりずむに包まるる
草野ふうこ
雪ほろほろ戸籍係の欠けた爪
草野ふうこ
腹水の満ちたる腹や末枯る
東ゆみの
支出命令終えクリスマスマーケットへ
東ゆみの
P.K.は大人しやかや聖菓配
富永三紀
星や月嚇し蹴散らし雪女
富永三紀
二回目の婚姻届冬の星
二十八
旧役所前の茶店の牡蠣フライ
二十八
ひとひらの雪の重みやギムレット
にも
なごり雪三年の任務終へし朝
中村あつこ
淡雪や不意にふれた従姉の手
理孝
雪道やキットカットをくれる君
理孝
電飾の巻き付く木々や冬の雨
欅山四十八景
クリスマス妻に電話をする現場
欅山四十八景
パステルの雪ゆび先に擦る寒夜
一寸雄町
街路樹に星くず灯し冬館
杜野みやこ
電飾も赤信号もぼたん雪
骨のほーの
ピピの眠る煉瓦秋球根植う
骨のほーの
風花や声無き空の赤煉瓦
骨の熊猫
雪印パーラーのパフェ冬燈
藤本花をり
雪まつりイギリス積の赤レンガ
藤本花をり
ハンガンの白の文学雪割草
老蘇Y
雪明り昨日までの勤務先
船橋おじじさん
雪晴の畑のどこまでも平ら
たまさもち
隔離部屋の次女のピアニカ聴く聖夜
たまさもち
聖夜のアカプラ工事中の庁舎
白猫あんず
初雪や赤褐色の八角塔
白猫あんず
妖精の凍てつき夜の雪となる
宮本 モンヌ
赤鬼ペリーくつさめを憚らず
ぞんぬ
横濱やガス灯の雪ほの昏し
ぞんぬ
フェムアプリのグラフ凸凹聖夜なり
堂園 穂世
半額の更新講習星月夜
堂園 穂世
弧を描く天井に染み年守る
山下筑波
鉄板の埋もれし壁よ虎落笛
山下筑波
鳥渡るもう動かない風見鶏
雪うさぎ
送別の花の瑠璃色星冴ゆる
ノセミコ
二次会をフケて初雪配信中
ノセミコ
風呂吹や積もつてほしくほしくなく
清瀬朱磨
こんこんと粉雪家庭裁判所
清瀬朱磨
手付かずの夜色のカレー非常灯
まるにの子
手付かずの地球の冬に耽溺す
まるにの子
タクシーのコンソールボックス聖樹
山尾政弘
無表情ほんのり黒い雪だるま
山尾政弘
曇り空十一月を急ぎ足
小花風美子
赤れんが庁舎に聖なる灯と雪と
小花風美子
舌打つて極月の夜を乗り継げる
さち今宵
ポケットにお守りふたつ冬の月
さち今宵
冬ごもり眼鏡に映るランプの灯
いたっくうらら
冬ざれやコロボックル住む土の家
いたっくうらら
れんが庁舎凍玻璃に灯のありし日々
楽奏
甘やかに鳴きたる烏クリスマス
青居 舞
市役所の裏口聖夜の婚姻届
海月のあさ
玉雪や緑青屋根の八角塔
織部なつめ
カーリングトロフィー庁舎の瓦斯ストーブ
織部なつめ
雪路を刻む歩幅や星の旗
青屋黄緑
粉雪の街や明治の煉瓦達
青屋黄緑
五稜星や王冠こんこん雪やまず
迷照 りん句
模試帰り雪の匂いの夏目坂
迷照 りん句
香水のやさしき投票代筆員
芦幸
ピザ窯は未完のままに秋ゆけり
芦幸
敗戦も見てきた庁舎銀杏散る
きみこ
平成と変はらぬ除夜の箸を割る
麦のパパ
風花のとがりを丸む里なまり
麦のパパ
ねんねこや迎えいらぬと言っだべさ
花和音
角巻や祖母のなれそめ知った夜
花和音
煉瓦壁の赤ぬれぬれと雪女郎
入江みを
煉瓦舎の目地のひずみや細雪
湧翠
着ぶくれてスープカレーの最後尾
紅三季
触れたから消えたの初雪も全部
嶋村らぴ
初雪が天使のやうに消えました
嶋村らぴ
新涼や良き報告を故郷へ
德(のり)
制服じゃない君に逢うクリスマス
伊沢華純
書類とんとん御用納の深呼吸
伊沢華純
最先端のレトロとなりて庁舎冴ゆ
たかみたかみ
旅の果て五稜星へとしまく雪
たかみたかみ
風花よ我を愛して呉れまいか
けせら そら
雪催ジャズに変はりしカフェの夕
けせら そら
終電にソワレの余熱冬銀河
游々子
ネガフィルムめく夕雪の赤レンガ
まこく
冬蝶の黒よ繁華街へ朝日
雨野理多
オリオンの右肩赤し宿直日
風の木原
老母振るう鍬音ひびく小春かな
すずきあんず
握りこむ壁のかけらや霜の声
舟端玉
本棚をはみ出る絵本クリスマス
前田 昂平
対向の車内にぎやかクリスマス
前田 昂平
風花やレンガ館への道ひとり
なおちゃん
方言に悴む転入届かな
くるぽー
ニット帽の雪を払って待ち合わせ
咲織
宮獅子の腹に大火の火傷痕
ときちゅら
ばらばらに歩む人波雪催
おかだ卯月
目印は赤煉瓦はらはら粉雪
おかだ卯月
電飾の狭間狐火埋めにけり
紅紫あやめ
雪しまき議会通過の一票差
はなぶさあきら
議場去る着ぶくれ達の冷めぬ熱
はなぶさあきら
寝ない子の口赤々と雪明かり
太之方もり子
雪催キンと冷えゆくLED
殻ひな
赤れんが庁舎前あかぎれ割れる
殻ひな
春泥を流す長靴靴ブラシ
べにりんご
初雪や誰も黒板見ておらず
さくらもち
電飾に乗つ取られたる枯木かな
髙田祥聖
凍土や吾の血に宿る五稜星
わかめ
電飾の影をつくらぬ聖夜かな
わかめ
亡師の胴古し重たしあたたかし
北欧小町
宅配の印影きりり冬旱
北欧小町
雪夜また往けり合格掲示板
阿部八富利
点いてゐるイルミネーション大試験
阿部八富利
病院を後にした日の聖樹の灯
志無尽おたか
一面の雪へあんよを伸ばしけり
志無尽おたか
この夜の最後のピースとなる聖菓
水豚庵
瑠璃色のネオン冬夜の五稜星
水豚庵
切っ先に雪積もりだす五稜星
横山雑煮
雪はねの流儀教わる社宅かな
横山雑煮
雪女濡れた虚数の匂ひまた
津々うらら
肩ゐんゐん耳はをんをん雪来るか
津々うらら
横浜の冬よ観覧車の静寂
音羽実朱夏
自分史に不遇のページ雪円か
井上れんげ
石塔のますます白き霜夜かな
井上れんげ
寒風や朝練の子の耳赤し
庭野利休梅
着ぶくれの吾子の居眠りぽわぽわん
庭野利休梅
仕事終え向かう駅舎や秋の暮
朝野あん
聖誕節「飛ぶ教室」は借りたまま
雨野雀雨
聖夜にて。星のかけらを拾つたよ
雨野雀雨
院内の聖樹に星を退院日
白秋千
聖夜なり炊き出しシチュウの白き湯気
灯呂
雪予報ずらり落丁「亂歩集」
かなかな
ごみ置き場の文学全集冬に入る
かなかな
富良野線闇を深雪の青白く
あおみどり
後朝の別れよ見つめたペーチカよ
赤坂みずか
聖歌隊の口縦に伸び冬の星
赤坂みずか
旱星鍬胼胝の兵進撃す
平岡梅
屯田の鍬強情な枯野打つ
平岡梅
はつゆきと初雪の間に失せしもの
文月蘭子
花売りの「百合」「リラ」「蘭」や冬の月
文月蘭子
木の実独楽笑い転げて死んじゃった
踏轍
柔らかに屈す時雨の象の膝
踏轍
オルゴールの金の螺子巻く雪の夜
あなうさぎ
煉瓦塀に炎の記憶雪しまく
あなうさぎ
銀の風や聖夜の街をゆく
明後日めぐみ
百歳の煉瓦は温し暮れの冬
風蘭
隅っこにぼっち聖夜のトリスバー
風蘭
星月夜おしゃべり交わす五稜星
律
喝采や長きショールのピアニスト
紫黄
猫の看し老ピアニスト星流る
紫黄
靴音がカノンを刻む聖夜かな
水琴子
雪の駅終止符前のフェルマータ
楽和音
豆球のひかりの端までも聖夜
俊恵ほぼ爺
初雪や跳ねる兄弟ピチカート
春のぽち
エスプーマの匙の重さやクリスマス
仁
人待ちの電話ボックス雪のせて
島田あんず
結婚や赤き煉瓦に滲むる雪
充子
指垢のマウスや聖歌隊のこゑ
充子
襟巻に包む代赭の猫を嗅ぎ
トヨとミケ
ダイヤモンドダスト戦地の神の削られぬ
亘航希
人類の記憶辿れば六花
亘航希
絵手紙に仕上げの朱入れ外は雪
まさし
赤れんが庁舎に凍る鳥のふん
素因数分解
雪の夕この足跡は薬売り
素因数分解
冬の星おとぎの国は閉庁す
向日葵子
星明かり聖夜の森の赤レンガ
三宅 光風
竹スキー坂から海へ一直線
しげ尾
初雪や吾子の名届け出る朝
なないろ
台北の日系ホテル冬灯
奏美和
寒茜フランス積みへ背を預く
西村緋色
着床のたまごのふくろクリスマス
田野こみち
冬の灯や一人二人と北辰旗
稽古
星寒し異国の声を知るラジオ
松下眞す美
鍋焼やじうじういって子どもの瞳(め)
ぉ村椅子
卵抱くペンギン猛吹雪をじっと
田近 詩泉
淡雪や海へ帰れぬ鯱と吾と
田近 詩泉
アカプラは通勤路はしゃがぬ聖夜
飯沼深生
牛丼にサラダセットの聖夜かな
紫桜
不夜城は縄張りのなか冬の犬
紫桜
座布団を枕に聖夜の守衛室
常磐はぜ
放哉忌規則正しく積む煉瓦
常磐はぜ
吹抜けの聖樹ガラスのエレベーター
七味
寒灯の湾に貼り付く夜を離陸
七味
まっさらなファーストシューズるりしじみ
とひの花穂
開拓の息吹コタンのハスカップ
とひの花穂
約束のいらぬ二人や冬落暉
茶茶の嬉嬉
雪中花わたくしもつと強いはず
茶茶の嬉嬉
滑り台に並ぶ広場の雪まつり
戸村友美
秋夕焼曳家駅舎の伝言板
沢山葵
リウマチに萎えし指先蟻せわし
おりざ
要塞の跡を霰の激しさよ
白猫のあくび
電飾や雁字搦めの冬木千
白猫のあくび
シナモンの甘い湯気立つホットワイン
翠雨
電飾を避けて六花の降り来たる
緑萌
雪食みて内耳に満つる静かかな
緑萌
雪光る町の小さな本屋さん
久蔵久蔵
タンカーに吹きつける雪波と化す
久蔵久蔵
闇深し夜汽車吹雪と共に来る
しせき
雪しんしん骨身にしみる軒端かな
しせき
全貌をまだ知らぬ子の聖樹かな
島田雪灯
遠征のライブの余韻雪灯り
めいめい
闇夜の夜光虫六本木のイルミネーション
芳野
雪晴やカメラ列なす裁判所
池田義昭(のさら子改め)
雪催ひ離婚届の紙薄し
池田義昭(のさら子改め)