写真de俳句の結果発表

第50回「雪の赤れんが庁舎」《人》⑥

第50回「雪の赤れんが庁舎」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

 

※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。

【第50回 写真de俳句】《人⑥》

港町赤い煉瓦のクリスマス
のの夏
発寒とふ駅やしづかに雪の旅
渡海灯子
赤レンガ倉庫彩る聖樹の灯
小田毬藻
銀座のイルミショーウィンドウのブーツ
のんきち
初雪や夜のシャッター商店街
のんきち
飴色の廊下ひそやかなる聖夜
田原うた
洋館の硝子のゆらぎ雪の夜
田原うた
星のごと遠き街の灯熊眠る
猫ずきん
ポロクルのぶらり小春風の庁舎
ぜのふるうと
年の瀬やマイナカードを作る列
ぜのふるうと
過去問とマクドのポテト年の夜
丸井たまこ
便箋の祖父のくせ字やクリスマス
丸井たまこ
雪灯り旧道庁の赤き星
犬山侘助
着膨れて屯田兵の服預く
沼野大統領
火の色の煉瓦ひえびえ登庁す
沼野大統領
丹頂のこゑしろがねに凍てにけり
伊藤映雪
山眠るダム湖は億のみづを抱き
伊藤映雪
雪あかり庁舎五階の会議室
うめやえのきだけ
初雪や夜警しずかにくさめせり
うめやえのきだけ
寒晴のアムステルダム水煙草
山本美奈友
駅の灯の落ちて夜食の紐を解く
山本美奈友
聖誕祭ひと無き席に月明かり
草夕感じ
渡良瀬川に煉瓦の橋脚返り花
松芯
箱庭や三角屋根の風見鶏
ひろこ
秋の雪やさしき牢として駅舎
百瀬一兎
ぎんいろの霜夜駅ナカのラーメン
百瀬一兎
朝が来る渡り鳥しか来ぬ駅へ
ふく
「寝たら凍死だ」深夜まで飲む北の街
和はん
留置場裏に雪兎を放つ
佐藤ゆま(歯科衛生子)
白衣の名きらきら薬局に聖樹
佐藤ゆま(歯科衛生子)
追悼のミサの賛美歌月冴ゆる
茂木 りん
病室の看護学生聖歌隊
茂木 りん
きゅっきゅっと怖ず怖ず歩む雪の朝
肴 枝豆 (さかな えだまめ)
風花やけふ解体のランプ小屋
いしとせつこ
手袋を外し煉瓦の呼吸聞く
いしとせつこ
初雪の止みて煉瓦の文化館
梅田三五
積もらない雪埋まらない募金箱
梅田三五
春の雪父はとつとつ語りつつ
加里かり子
窓口はAI待ち合いのポインセチア
すがのあき
点滴のとなり星飾りの聖夜
すがのあき
さみだれはことば未満や初対面
奈良井
ふろらんたんの小道駆けてく秋の恋
奈良井
チヂリ縫う糸の紅々雪しんしん
海色のの
偽物の髯はくせ毛よクリスマス
星鴉乃雪
電飾のひかり甘やかホットワイン
星鴉乃雪
開拓の森の夜空や雪女郎
幽香
鐘冴ゆる谷間に街に我が胸に
氷雪
恋人未満のメガネに六花
四季奈津子
オリオンやペンキの濡れた滑台
九萬太郎
ドヤ街の小さき居酒屋雪催
九萬太郎
初雪の宿直褪せた出前表
亀野コーラ
初雪や日付の変わるネオン街
春駒
うわばきの星のあしおと聖夜劇
馬場めばる
厳寒の払暁ウェンカムイへ槍
真夏の雪だるま
赤煉瓦庁舎再びリラの花
卯之町空
大根引く札幌までは遠かろう
こりゆばんばん
婚姻届雪の庁舎へ連れだって
美んと
三寒や異動内示はゴシック体
片山千恵子
ねんごろに雪掻きの朝忌中札
片山千恵子
雪よ来いイサム・ノグチの滑り台
佐藤志祐
早天や市電は屋根に雪乗せて
佐藤志祐
寒き夜赤星浮かぶスープカレー
高辺知子
風雪の傷や汚れや赤れんが
窓 美月
わた雪やビーツを買いに市場まで
三毛猫モカ
消ゆる雪きれい残る雪ため息
柳子
サマータイムの帰宅ラッシュや第二部へ
柳子
賤の屋に生まれた雪に埋もれたい
岡根喬平
終点は志功の里や雪しまく
千霞
ロンドンや雪しんしんと皆無口
千霞
走り来る吾子秋桜の束を持ち
京都さくら
雪深しバス一台の金閣寺
京都さくら
西口の雑踏聖夜のジョンレノン
くつの した子
灯や東京駅は雪もよい
くつの した子
米独立宣言の鐘青嵐
落花生の花
アンパンマン強し子の手袋の熱
それから
傘ささぬ留学生の息白し
それから
雪吊の枝や頓服薬わづか
弥栄弐庫
長城の消失点や冬銀河
敏庵
電飾の街にしんしん六花
雀子
終電に乗らむ残業終へて雪
吉森田 比叡得
荒星の開拓の火よ赤き星
すみだ川歩
星を持ちトントゥ集まるクリスマス
津木 百合
悴んでクリスマスソング零るる
魔理野
銃棄ててChristmasSongforYou
魔理野
最終便とれず札幌は暮雪
明 惟久里
雪しまきささら電車の尾灯消ゆ
与次郎
寒波来るべデルギウスのなほ赤し
与次郎
マルシェへと駆け出す子らの息白し
山田祥風
冬うらら薪のケーキを予約する
山田祥風
秋雨の車列水鏡に光芒
勝亦朝
マフラーにこもる㷀然たる吐息
勝亦朝
粉雪や職人の吹く玻璃の珠
佐藤恒治
明けの雪パソコン打ち終え米を研ぐ
いともこ
踊り場のステンドグラス深雪晴
すそのあや
春驟雨地下のホールへ花束を
花花車
手紙投げ入れる暖炉の赤煉瓦
向日葵姐
冴ゆる夜や古き煉瓦に火の記憶
細川 鮪目
バス開扉誤り侘ぶる冬帽子
早霧ふう
玻璃窓を揺らす聖夜の管風琴
二城ひかる
冬空や出勤前のミルクチャイ
二城ひかる
彗星や雪鬼戻りゆく湖畔
山城道霞
凍蝶よ路地裏に立つ少女らは
山城道霞
庁舎前別れの朝の細雪
天上たこ
Aボタン連打や連打雪月夜
芝歩愛美
耳鳴りの暗号めく夜冬の月
花ばば
凍星やそっと缶置く資源の日
花ばば
信号もビルもあえかに銀花降る
福間薄緑
気嵐に向かふ舳先のカップ麺
福間薄緑
雪深し税督促の紙赤し
折田巡
古都の春レンガ校舎に良心碑
折田巡
螺旋なす鑽孔テープ星流る
円海六花
彼のひとと暮らせし窓を冬日落つ
あおい
粉雪や零時一分ジッポの音
星の砂
配牌や雀大水に入り蛤となる
ヒロヒ
聖夜明くバックヤードのサンタ帽
家守らびすけ
短日や雑踏はまだらの底ひ
よはく
飴色の八雲のルーペ星月夜
よはく
時計台の傾ぐ慟哭雪女郎
樋ノ口一翁
嘘付きで汚い雪を蹴り落とす
ナノコタス
咳の子のつほんつほんを夜の耳
ナノコタス
山越えの手前ばん馬の息白し
安久愛 海
コスモスや夕闇へ立つ鷺の群
黒田栗まんじゅう
東京といふ名の駅に一人冬
或曲
初雪や知事室の窓開け放ち
白いチューリップ
薄ら日を凍道鈍く返したり
ひな野そばの芽
雪晴れの駅おろしたてエアマックス
かよちゅう
わた雪や明治の匂ふ赤れんが
さよ彦
雪明かりの寝室明日は休校
水鳥川詩乃
電飾の大正モダン雪催
常然
喪服に雪ほたる積雲の光芒
翠花
除雪機のメンテ青空に綿虫
翠花
雪月夜登り窯より龍の息
霜川このみ
風花や北極星の待つ庁舎
沖庭乃剛也
雪原やこれが私の生きた跡
青村秋入
ポケベルに0906初雪来
ボイス&フィンガー
熊穴に入るウクライナの子守唄
森ともよ
空っぽのベンチ立冬の足音
森ともよ
雪月夜をとこに重き名付け本
山本とりこ
靴底の雪は重たし庁舎まで
閏星
寒昴夜行列車の時刻表
大地緑
姉の子の手を繋ぎくる牡丹雪
野野あのん
着ぐるみの頭外して息白し
北村桜優
雪虫や友の近況携えて
北村桜優
冬晴れや柩車のクラクション高し
那烏夜雲
静謐の煉瓦の駅舎初雪来
まどれ
緞帳や膝のショールは江戸紫
藤康
星月夜フランス積みの赤れんが
奥ノ碧心
初雪や連絡船は函館へ
石田ひつじ雲
降る雪やかつて干場の赤煉瓦
まなと
赤煉瓦重し雪は息の化石
まなと
紫の触手棲みたる冬の肺
白沢ポピー
聖夜の残業冷めたチキンとホームアローン
ズッキーニン
砕かれた鍬の刃先に天道虫
うただねこ
初雪やテレカの穴は増えぬまま
うただねこ
皇居から馬車の行く道雪月夜
かみん
降雪のゆっくり潤朱の庁舎
かみん
階段の擦り切れし羅紗雪もよひ
有村自懐
磚壁に戦禍の痣や雪滲みる
八一九
雪の声ぼくの足跡消さないで
花乃香
電飾の揺らめく夜やしづり雪
生石子
風花やロシア航路の港町
まちつぼ
ピザ窯の煉瓦の煤や冬の蠅
つーじい
三びきのこぶた聖夜の読み聞かせ
つーじい
雪月夜ホールの隅の古ピアノ
コミマル
凍つる夜や人の別れもてんでんこ
コミマル
煉瓦積む鏝音聞こゆ雪曇
桃圓
待つ人へ待たせる人へ夜の雪
ほしのり
冬将軍煉瓦を運ぶ馬の列
Aki
初雪や駅へと赤いハイヒール
片山ひな子
電飾の消えて粉雪なほ白し
紀子
クリスマス群像劇を読み直す
奥山水珠
雪女明るき雪にたじろきぬ
紫子
零時前庁舎出づ吾を待つオリオン
織乃