第51回「味噌づくり」《人》②
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第51回 写真de俳句】《人②》
満席の古民家カフェや味噌おでん
大西みんこ
くしゃくしゃのメモに配合年用意
喜祝音
星月夜糀は掛け布して眠る
逢來応來
豆一斗みづへと放ち寒月夜
小川さゆみ
ざりざりと塩切麹雪もよい
小川さゆみ
汁碗のついと滑るや盆の朝
仁和田 永
味噌汁の味噌の星雲寒に入る
仁和田 永
学食のみそ汁鹹き七日かな
いかちゃん
でなければ離婚みそ汁は大根
いかちゃん
甕を置く冷たき土間や味噌仕込み
春待ち女
園長の垂れた眉尻味噌造る
東田 一鮎
白波立つ港の二階蕪汁
東田 一鮎
味噌仕込むラーメン店は定休日
伊藤 恵美
待ち伏せの子らの手に手に雪つぶて
深山むらさき
光るまで捏ねる肉だね三島の忌
深山むらさき
味噌の蔵ふくら雀の石畳
東山すいか
雪が降る雪が降りたいときに降る
里山子
味噌玉や蔵に匿う雪女
里山子
天地返す味噌のゆるゆる養花天
あまぐり
春来る味噌樽のタガの薄青
あまぐり
春待つや天地返しの味噌󠄀丸め
このみ杏仁
味噌汁に豆のかけらや冬の朝
おおいおちゃ
味噌を搗く二の腕のすじ指のふし
木ぼこやしき
具の多き味噌玉へお湯除雪隊
木ぼこやしき
味噌雑炊夜鍋す母の子守唄
佐藤 啓蟄
名ばかりの味噌部屋寒し樽の跡
もりたきみ
根深汁煮返す昼餉みんな留守
もりたきみ
ふくよかな目覚め味噌豆煮るにほひ
雪音
家中の鍋沸き立つや味噌づくり
雪音
味噌玉を吊す卑弥呼からの女系
池内ときこ
みそ玉に拳の跡や冬ざるる
うすい木蓮
五年後も明日も未来味噌を搗く
碧西里
春めくや味噌玉十個冷凍す
香亜沙
イソフラボン効果の話ヒヤシンス
香亜沙
余白無きお薬手帳根深汁
岩本夏柿
味噌桶へ積む川石の重さかな
岩本夏柿
仕送りの手作り味噌や春の風邪
伊達紫檀
味噌蔵はいま日当りの雛のカフェ
西川由野
樽二つ減らし復興味噌仕込む
西川由野
味噌玉を星生むごとく丸めけり
あなぐまはる
味噌玉やいつかは明かす秘密あり
あなぐまはる
白味噌の雑煮姑九十歳
平本魚水
姑なる女房の閑話餅の音
宇野翔月
雪国の味噌あれば足る夜食かな
楽花生
味噌樽に明治の日付雪積もる
楽花生
逆行する火星みそ玉並べ冬
オリゼ
冬凪や今朝味噌汁は具だくさん
黒猫
味噌汁が濃くて湯を足す冬の雨
きべし
つぎつぎと止めるタイマー味噌づくり
栗田すずさん
味噌桶に御座す麹や神無月
央泉
祖母の味噌父へ酌する年の暮
央泉
Uターンの古民家の瓶味噌造る
むらのたんぽぽ
空炊きの鍋底白し冬の夜
秋白ネリネ
味噌玉は村の子の数冬うらら
だがし菓子
味噌蔵の柱の奥に雪をんな
だがし菓子
醤油の香ふはり春夕焼の島
栗の坊楚材
酵母びしり杉樽朽ちぬ蔵の除夜
栗の坊楚材
味噌仕込む今日は買い物行きません
丸山隆子
手作りのジャイロコンパス指すは秋
ぴーとぺー
万歳来味噌はひっそり発酵中
むげつ空
立冬や「今日はみそ汁飲み放題」
むげつ空
ひび割れし味噌玉藁の十字跡
末永真唯
あら汁の真白き目玉寒がわり
末永真唯
冬隣あの子のお手玉は小豆
藤井かすみそう
味噌作る会場はJAの2階
藤井かすみそう
味噌玉や乱暴な玉に小さき玉
日向あさね
味噌搗いてアキレス腱の浮かび出る
丹波らる
手放せぬ絹に六日の風通す
うっとりめいちゃん
鳥海山臨む磯辺の芋煮会
山女
味噌搗きや水音りんと山の雨
小林 昇
富士を背に味噌蔵の町寒日和
時乃 優雅
焼にぎりの味噌香ばしく年の暮
渡辺鬼
こども110番の家のおでん
王朋亡
日盛やボールボーイの全速力
ツナ好
スパイスは十種冬めく日のカレー
龍の珠
ただいまの返事は大豆煮る匂い
かおりんご
時雨るるや教会の坂光る石
チェルシー
甕の麹足して洗ひ場冬を待つ
紅緒
味噌蔵の影や寒夜の月煌々
渋谷晶
傷心にふれる肉球片時雨
宇佐
寒味噌や深く一礼蔵を閉ず
ぴん童子
ぬか床の天地かへすや降誕祭
ま猿
風へ挿す挿頭ふつふつ梅ひらく
ま猿
御講凪みそ地蔵への迷い道
若宮 鈴音
焼味噌や明日閉店の蕎麦処
かりん
傷む夜のいつぷく生姜味噌嘗む
謙久
立冬のパリ味噌汁の残り二個
謙久
夜なべして豆煮る囲炉裏父の影
中山白蘭
霜夜の水吸いて大豆の光かな
神木美砂
味噌樽を眠らせ凍星たちの唄
夏椿咲く
新酒の香稲玉という小さき神
豆くじら
晴れやかにただ味噌玉を叩き込む
咲弥あさ奏
家人去りてひとつ残れる茎の石
ひょんすけ
大豆煮る寒の匂ひの厨かな
ひょんすけ
味噌を溶く妻の咳聞きながら
典典
派遣切れ味噌雑炊は水多め
典典
チョキで負け味噌かつ屋へと小正月
摂州黒うさぎ
ラーメンに餃子を追加して聖夜
摂州黒うさぎ
味噌捏ねる大和の火の香柔らかく
澤村DAZZA
きよしこの夜味噌おむすびを80ヶ
澤村DAZZA
墓じまいの話しいしい味噌作る
ほうちゃん
味噌玉に潰れぬままの大豆かな
仲間英与
手作りの味噌の香深し霜の朝
小鳥ひすい
返事せぬ子の分の味噌溶く冬至
帝菜
豆の息の満つる味噌蔵星月夜
鈴花
味噌仕込む友の手丸し空冴ゆる
たかね雪
小夜更くや味噌玉の囁くがごと
超凡
五百羅漢めく味噌玉の並びけり
超凡
味噌蔵や綿虫ふわり壁に消ゆ
揣摩文文
八丁の味噌搗くころや城下町
揣摩文文
ぶらり来て味噌を搗くのに加はりぬ
湯屋ゆうや
着ぶくれてブックサンタの殿に
としなり
鬼の子や鬼にもなれぬみそっかす
藍創千悠子
お醤油で煮たよな婆よ柿すだれ
藍創千悠子
冬の月帰路は屋台の味噌ラーメン
高橋玄彩
息白し汁だけ啜り出勤す
呑 栗子
味噌玉の大豆ほろほろ冬麗
無弦奏
味噌玉を婆はころころ冬浅し
無弦奏
即席の味噌汁探す四日かな
源五郎
列車の窓辺コサージュを春夕焼
千代 之人
吾子生まる義母の味噌おにぎりさやか
千代 之人
標野は大豆畑野守は汝と吾と
青い雀
終戦の初空具なき団子汁
青い雀
味噌蔵の暗き入口雪沈む
若山 夏巳
日光道真中堂々退かぬ鹿
万里の森
味噌搗やバケツで運ぶ茹で大豆
万里の森
味噌樽へ重石積み上げ寒北斗
中岡秀次
大樽へ梯子をかけて味噌仕込む
中岡秀次
ラボに鍵一人きりの薩摩汁
カムヤ イワヒコ
雪深し余震を眠る味噌の樽
出船
冬日和年金で買う米麹
出船
麦味噌は甘し石鎚は初雪
芳野まさこ
寒暁の勤め終へ味噌汁薄し
芳野まさこ
味噌作るおなごしの腰ほくほくと
山河穂香
擦り減りし味噌べらを干す冬日和
翁愁
味噌蔵に熟成の音秋黴雨
翁愁
政見放送消す落花生食む
水牛庵乱紛
雪玉の的となりたるなまこ壁
里すみか
味噌玉は冷たし握る手はやさし
西村ゑな女
白杖の伝える音や銀杏掃く
鶴子
赤味噌のにほひ増したる霜の朝
鶴子
味噌玉はグーの手ほどに冬温し
ぐわ
白猫の箸置き南瓜の味噌汁
桜上比呂
水銀を封じ込めたる地の椿
しゅな
味噌汁も薄いしボーナスも薄い
髙橋みりぃ
食事代ほどのボーナス手に銀座
髙橋みりぃ
鍋底に味噌の雲たつ冬の朝
平松久美子
身の丈に合ふ生き方や大根煮る
野の花
止められぬ冬夕焼まだ豆を煮る
丸山歩
熱燗や西京焼きは香ばしく
青翠
一緒に逃げよう龍の玉踏むなよ
三尺 玉子
長き夜や吾子の小さなにぎり飯
西城 典子
中吊りの虻が這い寄るTELの6
紙威楓
糠床に蛆の蠢く雨の通夜
紙威楓
味噌作る女系の家の男たち
広瀬康
神さまのこと考へて味噌搗けり
広瀬康
小春日や母の補聴器側に立つ
夕佳莉
白息の木小屋みその天地返し
君君
納豆造るぐわりと回す櫂に熱
三月兎
まづ空をみあげる朝納豆造る
三月兎
黄葉や哀しく響くバンドゥーラ
音羽ナイル
ビル解体や小春日に榊の実
音羽ナイル
お揃いの作務衣の尼僧味噌作る
千和にの
味噌蔵の屋根打つ霰休業日
菜活
内示あり麹多めの味噌作る
菜活
日暮れ時瓜坊ぽつんと味噌蔵に
ひーじい
曾祖母の十年味噌に大根漬け
姉萌子
ひもすがらつかずはなれず大豆煮る
姉萌子
飴色の野沢菜漬けや寒波来る
はなもも
味噌搗やおとなばつかり楽しさう
鷹見沢 幸
町内費集金味噌豆煮しは八軒目
鷹見沢 幸
お手玉のはぎれの記憶冬の草
トコトコ
日誌には古びたくせ字籾浸す
ビオラ
友達の家の味噌汁薄月夜
くぅ
ツアコンの味噌汁夏涼のメッカ
くぅ
赤点の答案祖母の薩摩汁
川口祐子
子どもらと味噌玉つぶて春近し
成実
初めての銃の黒ぐろ猟期来る
ひこ老人
味噌汁の若布ひかるや移住二年
ひこ老人
味噌豆の水吸ってなお豆である
天音
年の暮れ左縄綯う父寡黙
ゆきまま
「醸す部」の納会締めの根深汁
山姥和
寒椿父の墓前へ父の味噌
山姥和
年号は新妻が記す味噌仕込み
オニチョロ
前回の汚れつきたる網に餅
こりえのかた
床下の味噌の香微か秋近し
池上 胤臣
木枯らしや漬かりすぎたる味噌豆腐
石澤双
味噌汁は二日目寒玉子ぽと
石澤双
じゃがいもの味噌汁の湯気冬に入る
紺太
冬天硬し社食の味噌汁薄し
靫草子
百歳の樽の重石や注連飾り
法月 玄
味噌を搗く姉さんかぶりのほどけさう
さおきち
ゴール後の豚汁の湯気冬の風
リコピン
味噌玉のほどける匂ひ春を待つ
せんのめぐみ
味噌搗や昭和百年桶洗ふ
葦屋蛙城
あかがねの日歪む玻璃や味噌仕込む
葦屋蛙城
豚汁の沈澱雪の立ち往生
笠井あさと
葱汁の匂ふ二時間仮眠室
笠井あさと
伊勢海老や民宿の畳のたわみ
巻野きゃりこ
里芋の煮崩れが好き味噌仕立て
さら紗