第51回「味噌づくり」《人》③
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第51回 写真de俳句】《人③》
皸の母ためらわず味噌こねる
水間澱凡
白味噌の溶く手も慣れし嫁叩
土取
豪雪や人の有り所の夕餉湯気
土取
空青し少しばかりの大根干す
寺田 美登里
味噌の香の指先清し冬の水
秋熊
味噌桶の木の香の湿り日脚伸ぶ
ゆきのこ
味噌蔵の無辺の闇や山眠る
浅海あさり
かごめかごめ味噌焚く庭の父無し児
浅海あさり
手作りの味噌の香ふわり暮早し
西 山歩
ふうふう風呂吹きふんわりと味噌の香
啓太郎
大根の葉の味噌炒め冬の夜
すいかの種
味噌漬けの胡瓜の皺に楊枝刺す
すいかの種
祖母逝きし日味噌玉強く打ちつける
玲花
味噌搗いて唄うや婆の声の皺
むい美縁
味噌色の文集暖炉かこむ夜
なみこまち
受験子のジャーの味噌汁花麩浮く
なみこまち
炊き出しの豚汁へ葱能登の朝
ルージュ
千本の五平餅売る秋祭
ルージュ
念仏のごと豆つぶす味噌作り
世子
師走来る町の味噌屋のばねばかり
日吉とみ菜
味噌汁を飲み干す今朝は猛吹雪
桂月
病室の薄き味噌汁冬の雲
つるぎ
味噌醤油貸し借りもなく十二月
つるぎ
深雪晴れ木桶の箍のささくれや
居酒屋親父
手にほぐす麹のけむり冬ぬくし
滝川橋
味噌作り重しの石の古色かな
来冬 邦子
ぽつぽつと押し出す薬寒昴
レディ咲瑠恋
秋深しゴールテープはこの脚で
レディ咲瑠恋
病室の薄い味噌汁終戦日
みなし栗
蜆汁一年前の受験票
みなし栗
父ちゃんの男仕事や味噌を搗く
黛素らん
味噌搗や壁に佳人のカレンダー
アツヒコ
無口なる平たき朝やしじみ汁
紫月歪丸
お仕置きの地下室白菜漬の泡
駒村タクト
味噌汁の素を溶かして冬銀河
田畑 整
味噌玉や黄ばみし祖母の料理帖
田畑 整
味噌蔵に消ゆるをみたり雪女
おさむし
味噌焚や大豆のかほりつまみつつ
おさむし
味噌搗いて日付と今の流行歌
青井晴空
圧力鍋シュルシュルルルル年の暮
はね花
あかぎれに水ことさらに受けて、罰
望月美和
かぶら汁徐々に時計の遅れゆく
望月美和
豚汁の炊出し冬のみなとみらい
いくたドロップ
炭ついで味噌おにぎりの香のほのか
いくたドロップ
じわじわと豆はふくれて冬日向
桜貝
糀屋の内儀小春の滋賀言葉
夏の舟
冬晴れのはにわの武人目の寒し
夏の舟
味噌搗や姑(はは)が一番あわてんぼう
山内彩月
味噌焚や豆の硬さを言ひ合うて
山内彩月
歳末や味噌ラーメンの胡麻数ふ
ヒマラヤで平謝り
鱈汁やぐっつり滲みる手前味噌
ジョルジュ
ことさらに伝える味のなき雑煮
ふたば葵
藍玉の静かなり胎児蹴伸びす
ふたば葵
徘徊の母の手冷たし御御御付
光太郎
味噌仕込む納屋の人影冬銀河
高山佳風
味噌玉を開く母の手冬深し
高山佳風
百年の和釜は剛し味噌仕込み
十月小萩
味噌汁へ母の干菜をひとつかみ
十月小萩
手づからを遠慮されたり茎の石
龍酪
味噌作る吾子は剛速球児なり
花はな
冬の夜や肉からはがす味噌の焦げ
辻 さつき
朝三時大鍋に味噌たつぷりと
智幸子
味噌を搗く吾の手友の手アンダンテ
曽根朋朗
寒雀豆ミンサーの駆動音
木村奈須
振る舞ひの味噌の香ほのか除夜の鐘
あおい結月
ぬつたりと味噌の溶けたる茸汁
梅野めい
一キロの味噌キット冬休み開始
しろぴー
味噌汁は冬菜の色や帰国便
富永三紀
自販機の味噌汁温し雪催
二十八
摺鉢や母の名残りの味噌をつく
にも
椀底にしこるる味噌や十二月
植木彩由
「ぼだっこのいいのがねくて」年の暮
植木彩由
ベランダの遅き朝日や寒牡丹
欅山四十八景
早暁の鉄塔赤し枯野原
欅山四十八景
年玉やお礼五匹のだんごむし
蕃茄
味噌玉やお七夜前の子の噯
一寸雄町
大寒のずしりと重き甕二つ
杜野みやこ
寒の水一年振りの桶洗ひ
杜野みやこ
仄暗き蔵よ聖夜の胞子たち
骨のほーの
実習の味噌玉硬し冬銀河
骨の熊猫
泥のような眠りを抜けて根深汁
鰯山陽大
不揃いの味噌玉並ぶ壺の艶
三日月 星子
味噌蔵の土壁崩れ里の冬
岩魚
二代目の板長子夜の酉の市
たまさもち
復興の漆の椀に盛る雑煮
たまさもち
味噌樽の百の重石や寒の入
ぞんぬ
味噌溶けば味噌の湯気かな春隣
ぞんぬ
白味噌の慣れない雑煮椀四つ
堂園 穂世
退職や小春の味噌をといて朝
堂園 穂世
白味噌の雑煮まったり卓静か
雪うさぎ
丁寧に老いたし蕪を星に抜く
ノセミコ
フロントの薔薇涸びたるネットカフェ
ノセミコ
味噌汁を両手に吹くや十二月
清瀬朱磨
炬燵船白壁越しの味噌の香よ
周子(ちかこ)
味噌搗きや畦道つたひ来たるてご
さち今宵
朴葉味噌焦げて静かな雪催い
シナモンティー
家康の愛せし味噌や雪の宿
青居 舞
蒸し大豆つぶす足うら春近し
海月のあさ
ほぐれゆく味噌玉わかめ対流す
織部なつめ
腹太箸や手毬麩の御御御付
織部なつめ
寒味噌や力任せに海の唄
青屋黄緑
相続放棄し姉妹よ冬菜洗ふ
迷照 りん句
経過観察二年目○の薄月夜
弥音
秋水を吸うてひかりを孕む豆
芦幸
味噌󠄀焚くや未来日記を読みかへす
芦幸
叔母にゑくぼ姉にもゑくぼ衣被
入江みを
味噌用の常滑の壺出して冬
湧翠
パチンコの玉音聖歌掻き消しぬ
舞童あづき
冬空やガレ場の一歩二歩三歩
舞童あづき
霜晴や大豆の香る醤油蔵
紅三季
ショールの緋大恋愛の終はりかた
嶋村らぴ
味噌倉に宿る香りや冬うらら
德(のり)
薄明の乗り換え立ったまま肉まん
雨野理多
残業のカップ味噌汁冬の月
雨野理多
赴任の夜ひとり酢味噌の関東煮
風の木原
雪合戦掠れる授業開始ベル
風の木原
冬天や鉄音ひびく外階段
すずきあんず
味噌蔵に味噌桶ひとつ冬日差
すずきあんず
換気扇洗い終えたりホットレモン
日々の茶めし
洟水を啜る男に背を向けぬ
日々の茶めし
ギプスから出た指を揉む暮の冬
舟端玉
カレンダーの犬と目が合う師走かな
なおちゃん
皸やみそ玉溶かす車中泊
くるぽー
浮かぶ藁滑子を洗う三回目
咲織
味噌雑煮ぽってりと手に重きこと
だいやま
味噌汁に渦や五日が始まります
だいやま
塩切りの麹真白や寒の内
ときちゅら
味噌搗くや仇とるごと樽に投ぐ
ときちゅら
味噌玉の大小ありて冬暖か
おかだ卯月
まづ味噌を焼いて明けゆく冬の朝
おかだ卯月
大雪の芯を貫く熱き汁
紅紫あやめ
性格の出る味噌玉のほぐれ方
紅紫あやめ
連絡船待つ間のしやうが味噌おでん
はなぶさあきら
凩や口伝の出汁を再現す
はなぶさあきら
味噌豆煮るはじめは固い泡の灰汁
殻ひな
かの阿闍梨かつて生臭冬の梅
髙田祥聖
東風工場醬油香りて昼はカツ
千里
安らかや馬鈴薯コロッケだねになる
阿部八富利
味噌汁は浅利江戸っ子ぶって喰ふ
志無尽おたか
蕗味噌の苦くはあらず雨あがる
志無尽おたか
冬の朝千人分の味噌を溶く
水豚庵
味噌搗や公民館の茶の薄し
津々うらら
算盤に祖母の旧姓味噌作る
津々うらら
十三夜父の作れるきなこ餅
庭野利休梅
焼味噌のこげのかほりや冬うらら
庭野利休梅
五キロ走ゴール猪鍋のチケット
朝野あん
お仕置きの寒き味噌蔵さまよふ香
がらぱごす
勝手口漬物石に枯蟷螂
白秋千
水洟や呉汁の椀を両の手に
白秋千
山の湯や味噌も手製の牡丹鍋
かなかな
定年やわたしのために仕込む味噌
かなかな
味噌蔵の天窓優し寒の入
赤坂みずか
味噌の寝る甕の向こうへ竈馬
平岡梅
皸の黒き指先豆を選る
平岡梅
リクエストの豚汁下宿の窓に雪
窪田ゆふ
顔ほどの味噌汁椀や冬の海
木香
フランスに若き味噌汁店店主
牛乳符鈴
音読を背で受けながら味噌作り
天宮ほたて
味噌蔵に三年越しの冬日射す
水琴子
白球の百八針を縫ふ夜長
俊恵ほぼ爺
みちのくの蔵は味噌カフェ実万両
仁
赤だしに染むる饂飩や雪催ひ
充子
味噌蔵の小窓に湯気や冬の月
充子
星凍つや典座の語る味噌煮込み
トヨとミケ
乾びたる味噌玉に罅冴返る
亘航希
亡き母の手鏡磨く冬夕焼
ゆみさく
月あかり小指の先の味噌加減
葉月庵郁斗
煮大豆の湯気ふくふくと寒仕込み
なないろ
着ぶくれて門前町の味噌を買う
奏美和
遠足の味噌香ばしき焼きむすび
コリちゃん
冬隣塩つぱい義母の麹味噌
藤田ほむこ
冬の朝みそ玉ひとつスープジャー
色音
田舎から味噌十キロの寒見舞
松下眞す美
小三治の「味噌蔵」聞きつ煤払ひ
松下眞す美
味噌仕込む樽の屋号や代替わり
飯沼深生
寒星や捏ねれば下がる詩の純度
常磐はぜ
シャーペンの分解糠床のきゅうり
七味
木の葉散る休日出勤のルージュ
七味
値札の「訳あり」すました夏みかん
とひの花穂
味噌蔵の黙待春のUターン
とひの花穂
山茶花や桶より瓶へ味噌分かつ
戸村友美
味噌甕の葬列めきて冬の蔵
おりざ
粕汁あつあつ十時の塾帰り
翠雨
竈神陰におはしてのつぺ汁
緑萌
麹買ふ古き味噌屋の冬支度
緑萌
新婚の葱汁五回目の味見
めいめい
MISO-Soupよそいて春の紐育
池田義昭
味噌玉は温し寒九の空青し
水須ぽっぽ
母の味噌兄の林檎来ふゆぬくし
こころ美人
ふくふくと沸くつみれ鍋冬たのし
美輝
饒舌を戒め根深汁熱し
美輝
ひきこもり界隈夕餉は生姜味噌
猪子石ニンニン
味噌おでん年越し派遣村の列
猪子石ニンニン
味噌汁へ雑多な師走放り込む
ふみづきちゃこ
姉二人大根洗う縄たわし
含
みそ汁は遠く北京の風は凍つ
砂 芽里
コンビニの味噌汁沁みる聖夜かな
砂 芽里
味噌玉やささら電車の走る夜
モト翠子
真球や小春日和の泥だんご
渥美 謝蕗牛
雪起しシャーレの酵母三日目に
竹庵