写真de俳句の結果発表

第51回「味噌づくり」《人》④

第51回のお題「味噌づくり」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

 

※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。

【第51回 写真de俳句】《人④》

味噌蔵の米麹買う寒日和
ふぃーかふぃか
ネット裏ボールふきつつ見る夕焼け
ボンちゃんのママ
香りたつ公民館や味噌仕込む
くさもち
みそどんど鹹きを巫女の笑ひ合ふ
葉村直
牡丹鍋闇より鉤の懸かりけり
葉村直
味噌玉にきつく当たりて寒の入
水きんくⅡ
作業所は春お仕事は計量です
水きんくⅡ
皸のひりりひりひり仕込樽
理佳おさらぎ
味噌だれの赫し寒夜の焼餃子
佐藤レアレア
大寒や麹は増ゆるとき清ら
佐藤レアレア
味噌搗くやはるかな山は遠きまま
そーめんそめ女
セーターのほつれに指をいれてみる
ふじっこ
だご汁のやわい人参啜る夜
にゃんちゅう
麹ほど仕事せぬまま古暦
にゃんちゅう
なだ万の味噌汁求む年の暮
みなごん
牛の群れ牽く牧童の先を蝶
小鉢
味噌を搗く昭和歌謡のBGM
兎波
失業や一円玉へ枯葉落つ
てんむす
失業やおほつごもりの鍋の底
てんむす
寒き夜や赤味噌に麹の鼓動
コンフィ
庄内は祖父のお国や納豆汁
喜多郎
豚汁の用意賑やか寒稽古
喜多郎
三年の延命もがな味噌を搗く
青井季節
湯豆腐やほぐれゆく奥歯の麻酔
立川猫丸
冬将軍カップ味噌汁が熱い
横須賀うらが
佃煮の昆布てらてら初炊ぎ
たーとるQ
咲誇る黄黴灰黴粥試
たーとるQ
十二月八日大久野島の和ぎ
うくちゃんま
玉子は別格駄菓子屋のみそおでん
紫すみれ
清新な味噌の香さらり冬浅し
秋野しら露
子のように育てる味噌や雪囲
秋野しら露
作戦B実行まずは雪礫を百個
深町宏
ビッグバンはあった証拠はこの海胆だ
深町宏
突沸や説教長き忘年会
麦野 光
糀屋の味噌八種類年の暮れ
松本厚史
母の手の丸き蒟蒻恵比寿講
松本厚史
フリースの色違い着て団地の子
はまちこ
日めくりの痩せて師走の味噌仕込む
はまちこ
冬至り味噌玉生きてほの温し
迦楼羅(かるら)
母の日や遺品の味噌の蓋かたし
広島じょーかーず
蕗味噌や鬱を端へとやる苦味
広島じょーかーず
味噌玉や偶に無言のうからどち
柿司 十六
味噌作る赦せば楽になれるのに
柿司 十六
炭鉱の爆発シーン萵苣に味噌
咲野たまふく
早や今日は終い弘法味噌支度
須月かほう
冬の夜の香はあまやかに麹咲く
須月かほう
芋煮会ことしも政宗公おはす
たきるか
大鍋へ味噌とけゆきて荻の風
たきるか
冬蝶の生まるる伽藍天井絵
谷川ふみ
味噌玉やなきものにする恋心
美織
白息やかそけき味噌の玉数ふ
浜風
大樽の味噌の芳し冬夕焼
青井えのこ
寒月や通夜振る舞いのお味噌汁
高橋 誤字
味噌玉へ妻の拳骨半端なき
せんかう
鉛筆は三菱のB入学試験
咲山ちなつ
百年の味噌樽干して冬うらら
天風さと
神無月味噌汁かけて飯を食う
よしろう
独り身の一汁一菜夜半の冬
釣女
もう一杯定年朝の根深汁
釣女
冬の月熟成を待つ桶のひび
舞矢愛
味噌汁の具で口論す冬の朝
ほーさく
豚汁好きの友の訃報や初しぐれ
たじまはる
味噌部屋に亡母の前掛けちろろ鳴く
たじまはる
タワマンの鳶おにぎりと根深汁
せなきく
味噌樽の掠れた屋号冬ざるる
せなきく
コンビニの鯖の味噌煮や傘寿とや
宙朔
寄鍋や曇る眼鏡の父と兄
野菜α
泡雪のごとき大豆の灰汁うらら
慈夢りん
舌の味噌ゆるゆるほどく温め酒
花豆
平仮名のこころのように味噌玉は
花豆
豚汁の光る油や初稽古
月季 紫
鮭颪味噌樽卸す納屋軋む
うーみん
荒東風やけふのをとこは三河味噌
うーみん
おでん煮ゆ数独は躓いたまま
ユリノキ
七草粥へ祖母の遺しし味噌溶かん
ユリノキ
さび釘と黒豆煮るや小晦日
久木しん子
豚汁の酒粕の香や父好み
千舟
廃業を知らす歳暮や麹味噌
雪割草
青饅や小指に匂ふオロナイン
霧賀内蔵
ぶた汁は土なべ勤労感謝の日
看做しみず
骨密度検査のはなし石狩鍋
看做しみず
母からの電話は四度目小豆煮る
志きの香凛
額縁の傾き正す冬籠り
志きの香凛
愛だってくたびれる雑煮は味噌で
雪花
味噌玉やさう遠くない月匂ふ
水鏡新
冬晴れや母の湯灌の渦白し
田に飛燕
疼く歯へ丸薬の片寒日和
朝日千瑛
残雪や味噌に譲れぬ国自慢
立町力二
からし味噌ミミガーにかけ生ビール
森 健司
龍がいふミソスープには馬鈴薯が
森 健司
味噌豆のふっくら煮えて雪を掃く
ひーちゃんひーちゃん
味噌だれに餅を走らす炭火かな
山本八角
八丁のかをりの混ざる冬茜
水越千里
上着から味噌汁かおる寒き朝
比園 岳
退院の具なし味噌汁冬ぬくし
鈴木そら
朝寝の旗日根深汁は熱々
日月見 大
ブランチに英字新聞寒卵
日月見 大
四年目の味噌の真黒や大氷柱
ひまわり
赴任地の駅弁ぬくし冬の月
ひまわり
味噌桶の箍青きまま山眠る
朗子
コンチクショーと母味噌玉を投げにけり
多数野麻仁男
樽底の酵母よ起きろ十日夜
真秋
葱汁に味噌ほどけゆくひとりの夜
石井青花
ひそひそと味噌の呼吸や冬銀河
石井青花
良寛の味噌摺鉢や水冷た
雪椿
味噌造る蒸籠の湯気の誇らしげ
和脩志
具は懊悩全部煮ちまえ三平汁
春瑛
鰰に味噌を塗りつけ焼く深夜
三日月なな子
箍凍る四斗の樽は納屋の奥
三日月なな子
ぼこぼこぼこと煮込みの鍋や霜夜更け
古乃池 糸歩
花街や姉妹で守る関東炊き
ラテ
かけつこの順位は問わず梨を剥く
なみきたか
雑炊や夫に教へる水加減
久えむ茜咲
丹精なる百千の柚子島動く
青田道
夕影の百千の柚子島ひとつ
青田道
味噌玉やどんぐり爪は母譲り
清水縞午
ふくろふや黒漆喰の蔵しづか
清水縞午
跡継ぎの決まらぬままや大豆引く
正宗一孝
冬暁に熱き味噌汁湧く英気
天龍蘇人
底冷えや小暗き土間の味噌の桶
味噌玉や女の愚痴を笑ひ合ふ
朱鷺
ふぞろひの味噌玉ころろ母の冬
ガリゾー
冬ぬくし湯気もうもうと味噌󠄀の町
ガリゾー
大根の糠漬け祖母の指のふし
味噌の出来問わず語りに日向ぼこ
あきの風さん
味噌撞くや昭和歌謡は大音量
あきの風さん
水団を語りし祖母よ野分の夜
長谷部憲二
小松菜の味噌汁骨折は二度目
蓮天
ねんねこや「縫い子」と母の職業欄
ひいらぎ
夫を欠く広き框や味噌つくる
満生あをね
み守りの旗を収めて根深汁
上村 風知草
今日だけと父の愛した餡雑煮
入道まりこ
大寒や一汁一菜独り言ち
蛙目
味噌玉がむしろに並ぶ冬霞
小林弥生
焼味噌にかりり蕎麦の実文化の日
佐藤さらこ
うどん屋の野菜ラーメン小晦日
春野ぷりん
秋夕焼母仕込みたる味噌わずか
千寿 ココ
木守柿父の背広を干す窓辺
千寿 ココ
味噌カツの衣立ちたる四温かな
雄蹴
カップ麺の重石はLARK虎落笛
勇緋ゆめゆめ
雪女曲がつたままの薬指
奥伊賀サブレ
仔馬立つを祝うピカピカ泥だんご
となりの天然水
俺きつと大器晩成根深汁
となりの天然水
味噌を搗く愛しさにそぐわぬ拳
鳥乎
新大豆の水に満ち満ちたる一夜
鳥乎
除夜の鐘味噌蔵を小さきものの聴く
山崎三才
冬の星黒塀つづく蔵の径
山崎三才
決算の夜や味噌玉と握り飯
海老名てんてん
新しき暦に印味噌づくり
はるを
寒のうち味噌樽三個並びをり
はるを
切干の歯ごたえ夫の愚痴延々
夏村波瑠
神様の手のひらはここ日向ぼこ
夏村波瑠
味噌づくり終えて籠へと蜜柑足す
ならば粒あん
大鍋にほうとう沸きて冬至来る
前田いろは
ぷくぷくとはしゃぐ醪や冬深し
前田いろは
夜焚火や屑肉へ味噌混ぜ叩く
三浦海栗
蕗味噌や父は呼吸器外しをり
まるるん
同窓会の返信はがき味噌作る
岳陽
味噌の蔵まんじゅう石の沈む冬
苅桜守
あかぎれの数だけ増えし手前味噌
欣喜雀躍
旅人の無口になりし夜泣き饂飩
めたぽ
カレーパンのやうな落ち葉を踏んでみる
雉虎緑目
短日やさしすせ味噌の煮立つ鍋
雉虎緑目
こら男子餅よりもまず片付けて
江口朔太郎
寛解はならず不揃いな味噌玉
大月ちとせ
寒椿剪る夕飯はじゃっぱ汁
天雅
味噌搗はやめだ妊娠中毒症
天雅
憂鬱はサザエさん鮟鱇美味し
藤央
葱汁や名も無き家事の分担制
さく砂月
味噌つ歯の麻酔やはらかヒヤシンス
翡翠工房
味噌搗や暗き納戸の糀の香
のの夏
麴屋が家の始まり秋灯
渡海灯子
ふるさとを持たぬ仲間と味噌仕込む
小田毬藻
カップ麺啜る傍ら味噌を搗く
小田毬藻
自治体のテント五千個の味噌汁
のんきち
箸置きの目鼻かすれて蕪汁
田原うた
冴ゆる夜の昇降口の泥団子
田原うた
行く夏や指跡小さき泥団子
猫ずきん
龍淵に潜むもやしだけの味噌汁
ぜのふるうと
塩田の水面を飴色の夕焼
ぜのふるうと
行く春や四人で包む焼き餃子
丸井たまこ
溶けかけのバターみたいな秋の雲
丸井たまこ
粕汁やぐつぐつおどる鮭のあら
冬野とも
数へ日や穢れ豊かな味噌削ぎつ
沼野大統領
味噌作る穢土へ浄土の塩ざんざ
沼野大統領
東京のみそ汁鹹し冬の月
伊藤映雪
たまりてふ味噌のたましひ残る雪
伊藤映雪
神棚にトミカ祀らる味噌つくる
うめやえのきだけ
天地よ開け今日から味噌󠄀つくる
うめやえのきだけ
味噌焚くや研修生の腕捲り
山本美奈友
みそ汁の師走の湯気のより白し
草夕感じ
たこ焼きより蛸のこぼれて冬の星
草夕感じ
配給のビスケット舐む師走風
ひろこ
味噌玉のならぶ香りやあまてらす
百瀬一兎
雪籠昏きに樽の息づかひ
あが野みなも
蔵付酵母残し立ち退く小晦日
ふく
柚子の皮きざみ小鉢へ黄の香る
ふく
おかえりと味噌樽開ける冬日和
一井かおり
御御御付け新嘗祭の朝ひそと
句々奈
味噌作る老父と和解せぬままに
句々奈