第51回「味噌づくり」《人》⑤
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第51回 写真de俳句】《人⑤》
顎なしの包丁おろす極月
佐藤ゆま(歯科衛生子)
木守柿国菌(こっきん)住まふ蔵の味噌
由樺楽
玉味噌と柿吊したる宮司庵
小月
味噌樽のたまり濃くなる春を待つ
いしとせつこ
米糀二割の味噌を溶く寒夜
いしとせつこ
木枯しやとがった顔の人の波
ゴルパパ
寒月や味噌汁だけをおかわりす
梅田三五
培養をまた失敗し寒の雨
梅田三五
二冬の重石や桶に味噌六トン
加里かり子
冬晴や甲子蔵の小さき窓
加里かり子
秋晴れの地質学者のショーケース
奈良井
長雨の窓打つ加減味噌を焚く
海色のの
息子へのフリーズドライ寒昴
一石 劣
匙にすくう味噌汁あまし室の花
星鴉乃雪
待春のベッドひとりの朝ごはん
星鴉乃雪
ボルドーは霧シャトーのディネのワイン五種
氷雪
初茜一人前の味噌を溶く
麦のサワコ
椀の底残る麦味噌冬の朝
麦のサワコ
味噌造る叔父との会話途切れたり
雪のこだま
雪合戦終えて紙コップの豚汁
亀野コーラ
短日の色染み込ませ大豆煮る
馬場めばる
落ち着いたAI師走のねこまんま
馬場めばる
仕込み味噌拳で平す雪の午後
佳辰
味噌搗を終えて今宵は銭湯へ
佳辰
味噌甕のたまり滲むや冬日向
真夏の雪だるま
元旦や隣家の味噌の香の甘く
真夏の雪だるま
麦味噌の甘さまた知る年の暮れ
卯之町空
自家製の味噌樽こそぐ冬入日
こりゆばんばん
故郷より手製の味噌と寒波来る
片山千恵子
豆潰す女かしまし農の冬
片山千恵子
顎に味噌つけてかの日のおでんかな
佐藤志祐
味噌蔵の裏手ジャリジャリ霜柱
三毛猫モカ
国境を越えて雪なき冬木立
三毛猫モカ
ビーカーの味噌汁沸いていわし雲
草深みずほ
味噌玉や丸める肘の忙しなく
草深みずほ
白米に豚味噌のせて三日かな
南の爺さま
裸木や葉っぱのような雀たち
京都さくら
味噌おけの杉の香りや冬の朝
遊川百日紅
朴葉味噌冬のご膳のど真ん中
崇元
茹で大豆眠らせ冬の大三角
猫笑ふふ
おそ秋の三角巾とみその会
源早苗
春遠からじ床下の手前味噌
源早苗
ルンバ二度走らせし朝味噌仕込む
蜘蛛野澄香
寮生の持ち寄りし味噌芋煮会
落花生の花
今日も不味い味噌汁啜り春を待つ
軽時計
冬の日や店に故郷の甘き味噌
クスノさとみ
朔旦冬至味噌汁に具ごろごろ
弥栄弐庫
下宿屋の自家製味噌や漱石忌
敏庵
焼き味噌の煎餅を買い初参り
すみだ川歩
味噌搗くや遠山青き霧みちて
津木 百合
床下の昏き味噌蔵冬至来る
津木 百合
しののめの寺の箒目味噌仕込む
明 惟久里
しあはせをまあるく味噌玉を丸く
明 惟久里
旅先の味噌の違いや冬雀
希凛咲女
木枯らしや眠りの浅き麹番
山田祥風
結婚は決めたし味噌は作ったし
春木
八月や一人煮干しのわたを取る
勝亦朝
味噌汁の具はたっぷりと冬北斗
佐藤恒治
味噌仕込む天地返しは祖母の勘
野山めぐ
厨より蕗味噌の香や退職日
茅々
土間の甕日ごとに増える年の暮れ
遥琉
暗がりや味噌搗の豆ぷつぷつり
陽だまり
ゴール後の豚汁の列冬うらら
走亀エリコ
味噌汁の大根透けている朝よ
風羽
寒夜のラーメン上司の昔話
風羽
味噌ときて仕上ぐ雪催いの朝餉
市子
路地裏に野沢菜洗ふ湯の香かな
市子
枯野道むすびの味噌の塩が濃し
細川 鮪目
味噌の香の微かな甘み風花す
細川 鮪目
旧友や挙ぐる梅酒の小杯
早霧ふう
茹で大豆潰す指先春隣
うく
かき餅のもえぎうすべに日脚伸ぶ
細葉海蘭
粕汁に酔えり杜氏の裔なるに
細葉海蘭
味噌汁の対流冬雲の裂け目
二城ひかる
春暁や家庭科室の小さき壺
山城道霞
味噌甕の重みや十指悴めり
ちえ湖
女医ひとり当直明けの味噌おでん
芝歩愛美
蜜のあるりんごの話夫婦の日
花ばば
味噌小屋の木戸に寒風かくれんぼ
花ばば
取り寄せの味噌ラーメンや炬燵切る
福間薄緑
待ち人来みそ買い橋は寒茜
折田巡
干し鱈を吊るして茶屋の灯明るし
一徳斎
豆選りつつ寛解告ぐる冬の夜
円海六花
みそ玉どんどこトロオドンのたまご
円海六花
二月果つ父の愛せし味噌漉し器
あおい
密封瓶に泡春キャベツの発酵
あま門
味噌樽に小石を積み上げ仕込む冬
律
点滴の母の手さする山眠る
文月紺色
風呂吹や「そ」は味噌のこと「さしすせそ」
琥幹
味噌焚きのほのかに香る善光寺
文心美
肉団子浮きて小春を恋しがる
家守らびすけ
普通に生きたし柚味噌の焦げ苦し
家守らびすけ
とりどりの付箋春日の名付け本
よはく
味噌玉は甕へ私は東京へ
樋ノ口一翁
廃校や味噌搗く室の清らなり
馬風木瓜子
不自由な手空へ空へと大根干す
馬風木瓜子
味噌蔵の二階へ聖歌よく響き
ナノコタス
柳の芽味噌屋の前掛けのばがばが
ナノコタス
豆造飯かっこむ師走大工なり
若林くくな
煤払豆造の匂いすりゃあ昼
若林くくな
夏休み祖母と母待つ味噌むすび
笑道心文
八月の皹割れてゐるアスファルト
黒田栗まんじゅう
粕汁の香や路地裏の換気口
朝宮馨
新しき味噌の封切る雪の朝
朝宮馨
新糀ほぐすや暗がりのにほひ
ひな野そばの芽
干されたる味噌樽転げ冬ぬくし
甲斐杓子
甲高き味噌屋の声や冬うらら
茶椅子
祖母ちやんのおにぎり自慢寒雀
夜汽車
新味噌や買う子におまけ一盛りす
沖庭乃剛也
新年や味噌玉置いて退職す
青村秋入
試験日は近し深夜の味噌おでん
ボイス&フィンガー
味噌桶の山の石積み春隣
山本とりこ
囀りが呼びて小諸に味噌目覚む
穂々々
煮豆踏む清き重力深雪晴
穂々々
汁椀にぱっと花咲く石蓴かな
和草雪月
初時雨納屋に漂ふ麹菌
金魚
味噌汁にストローさしてギプスの冬
大地緑
味噌汁の上澄み三口冬至の夜
悠美子
小六月お駄賃二円の味噌屋の香
悠美子
百年の味噌桶拝む寒仕込み
芝香
酒蔵の杉玉あおしおん祭
芝香
名湯の露天の石の冷たさよ
いちすぺ
靴底の土のつめたき母の家
いちすぺ
さしすせそかぞふる暮の割烹着
乃咲カヌレ
冬ぬくし味噌汁無料の牛丼屋
那烏夜雲
冬の朝厨の母の貝の口
まどれ
畦豆の鞘からからと能登の空
奥ノ碧心
湯気の立つ貝の赤だし春近し
かみん
味噌甕の朱や土蔵の掃納
有村自懐
パリの寮窓曇らせて味噌豆煮る
花乃香
風冴ゆる霧島の麦味噌届く
花乃香
杖抱へ田楽食らふ金比羅宮
生石子
ほろ苦き蕗味噌分けた避難の日
静岩
味噌搗くや山河あかるき佐久平
桃圓
三代の庭へ朝日や味噌搗く日
桃圓
同窓会欠席決めて大根炊く
今 結月
ぺたぺたと味噌玉樽へ冬日和
雪うさぎ
ぬか床に母の指跡村時雨
柳翠
初雪や昨日より濃き味噌の椀
織乃