第52回「ハイカラ横丁」《人》③

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第52回 写真de俳句】《人③》
二分だけ動く遊具と風花と
帝菜
冬帽子や姉のぬくもりそのままに
鈴花
七度目の巳年来たりて年賀状
縦縞の烏瓜
松過ぎの亀石の橋跳ねる犬
縦縞の烏瓜
四等の駄菓子は軽し春一番
超凡
ビー玉に気泡の宇宙春隣
超凡
チェンバロの音色に揺るる聖夜かな
揣摩文文
山茶始開や昭和家電
揣摩文文
自販機がごとって鳴った寒昴
湯屋ゆうや
硬きガム剥がす金箆冬の月
湯屋ゆうや
バックミラーに今白バイのジャケツ
としなり
二段蹴る変速ギアー冬木立
としなり
福笑ラストピースは鼻のはず
道小春
掘炬燵オセロの角は後ひとつ
道小春
ナナハンを駆る初空の果へ駆る
藍創千悠子
嫁が君文化包丁てふ神器
藍創千悠子
タンデムは青バナナは黄色冬の月
中指富士夫
冬隣あいつが来ない帰れない
中指富士夫
標識は「牛馬優先」夏の雲
ばちゃ
懐メロを遺骨と聞くや大晦日
ばちゃ
駄菓子屋に酢イカ片手のちゃんちゃんこ
高橋玄彩
師走のシヤツター街片耳の木馬
呑 栗子
再会の春や茶房の床の染み
呑 栗子
駄菓子屋の赤い飴選る遅日かな
藤原朱夏
土壁を背のじゃんけんよ竜の玉
無弦奏
新春のバイクゲームへまた百円
無弦奏
春昼や大人買いするミニ四駆
源五郎
ゲーセンの新装開店待ちて春
源五郎
夕時雨町を傘なき五歳の吾
千代 之人
セロリの香パート帰りの母の背
千代 之人
初荷来るミゼットで来る父の顔
青い雀
貸本の鬼太郎五泊お年玉
青い雀
壺焼やモダンガールのままの祖母
万里の森
初雪のかたちやけふの赤煉瓦
万里の森
駄菓子屋も床屋も暇で冬うらら
中岡秀次
シャッターの張り紙震う冬至かな
友鹿
ペナントの跡形白し風邪の床
出船
掃除してレコード聴いて冬暖か
万葉
第九終演バイク駆る帰路は冬
芳野まさこ
正月のゲーセン干支のぬいぐるみ
リアス式747
夜更かしの江戸川乱歩雪こんこん
里すみか
餅を焼く横にやかんの湯が沸いて
里すみか
三日はや駄菓子屋の飴ひつぱれり
西村ゑな女
待合せの友のいたはず底冷えて
ぐわ
「GetWild」のイントロレトロ龍の玉
桜上比呂
逆さまのミニカー花の散るベンチ
しゅな
屋上の電車百円初燕
しゅな
シニア向け犬のおやつを買う聖夜
べびぽん
菰巻きや温泉街の射的場
平松久美子
「青鞜」にはさむ願書や冬の月
星 秋名子
駄菓子屋に髪濡れしままプールの子
野の花
「テクマクマヤコン」開く鏡へ空っ風
里春
十円のパンダの耳を悴む手
うらん
冬ぬくし温泉街の射的場
鈴聖湖
長火鉢の抽斗にあるオブラート
木守柿とど
夏の朝金魚じょうろの赤と青
琳青
風花や好きじゃないのにロバのパン
岸本 きなこ
しつけ糸ほどかぬままの春着売る
岸本 きなこ
マイルスの喇叭さめざめ別れ雪
青翠
酒焼けのママの十八番やなごり雪
西城 典子
錆びついたシャッター並ぶ虎落笛
紙威楓
当たり出たアイスの棒や渡さへん
水木合歓
インベーダーゲーム半刻着ぶくれて
海神瑠珂
筐体のボタン戻らぬまま師走
広瀬康
横丁の奥の寒夜が震央か
広瀬康
十円の湯ふだと下駄とオリオン座
竹葉子
惑星間飛行霜夜のピンボール
三月兎
ハーレー加速流星は海へ墜つ
三月兎
結縁の戒壇巡り秋の空
音羽ナイル
JazzBarのマスターは喜寿初写真
千和にの
レトロなるフォントの歌留多姉強し
菜活
除夜ひとりクレンに吊るすぬいぐるみ
石田将仁
掌をかざし閉ざす吹雪の給油口
石田将仁
初旅やスマートボールの玉白し
はなもも
初春や光る輪投げの輪は三本
はなもも
火傷せし妹に駄菓子春近し
鷹見沢 幸
粉末のジュースあの子のアッパッパ
くぅ
北窓を開けてブロマイドを壁に
くぅ
シャッターの上がらぬ通り年の暮れ
人生の空から
雪催い遊具軋んで動かない
人生の空から
鼻歌はスキヤキソングラムネ飲む
川口祐子
純喫茶のゼリーポンチや春の夕
ひこ老人
凍月のオン・ザ・ロック君にさよなら
ゆきまま
空洞のブリキ人形寒の入り
実日子
雪催老夫の守る自転車屋
角田 球
風花や討入ごっこの豆太鼓
安田伝助
十円は二枚聖夜の母の声
安田伝助
ブレーカー落ちて都会の霜夜かな
山姥和
ゲームオーバーひしゃげた冬の小銭入れ
山姥和
初空や配達終えたヘルメット
オニチョロ
珈琲は琥珀小春のおみくじ器
苫野とまや
二語文の吾子や小春のパンダカー
苫野とまや
横丁や御慶を交わす人の住む
滝澤 朱夏
録音の早口言葉初笑
こりえのかた
弟の十二センチのくつに雪
こりえのかた
路地裏や紫煙の先に朧月
池上 胤臣
「はずれ」でも小さな甘納豆はつく
猫日和
寒明けや塾の帰りのカプセルトイ
竹いとべ
賑わいの戻る湯のまち雪解風
竹いとべ
熨斗柄の金糸膨らむ春着かな
春花みよし
居並びて競う射的の褞袍の背
姫椿
春埃うつすら乗せしタイムマシン
松雪柳
手冷たき日の喫茶店のゲーム機
輝虎
横丁や見る買う遊ぶ春来たり
みのわっこ
春隣ボンタン飴のオブラート
靫草子
熱の日の窓いつぱいの牡丹雪
靫草子
輸入生地眩し冬日の高架下
空はる
避難所に昇る湯煙冬の虹
空はる
厳寒の車庫に眠れるNinja1000
おやすみかづき
岡持ちのバイクきらきらお元日
さおきち
寒暁のががが新聞配達来
さおきち
ピンボールひとつ弾けて去年今年
如月頭花
鳩の目のつるんと赤し雪催
葦屋蛙城
風過ぐや雁木通りのゲーム音
葦屋蛙城
タワマンの伸び行く先や初御空
風かをる
小吉を小さくたたむ三日かな
風かをる
孫と張り合う煤逃げの戦利品
笠井あさと
裏白反るゲームセンタは休業日
笠井あさと
水あめのクジめくる爪春近し
どこにでもいる田中
待ち列の空飛ぶダンボ風光る
どこにでもいる田中
ババのまた残つてしまひ蜜柑剥く
橙茶
レジ前のブロマイドくじ新学期
橙茶
お年玉吸い込むパチンコは手動
水間澱凡
十円のピンボールお年玉果つ
ただ地蔵
冬休みラスト五円に当たり籤
ただ地蔵
テトリスを傾け夫の去年今年
寺田 美登里
年玉で買うわ魔法のコンパクト
寺田 美登里
家族ごとパチンコへ寄る福寿草
加賀屋斗的
ゲーセンの光あまやか雪催
秋熊
初笑いひとつ糸引き飴ひとつ
秋熊
出前機の蕎麦百杯目除夜の鐘
丸山和泉
ビー玉に西日バルタン星人来
丸山和泉
寅さんの恋ほろ苦し雲雀笛
浅海あさり
休暇果つ兄の未完のプラモデル
花星壱和
春夕べ塾の帰りのチロルチョコ
花星壱和
制服のままのゲーセン冬の月
西 山歩
懐かしき駄菓子持ち寄る年忘
喜多丘一路
店先の十円ゲームお年玉
喜多丘一路
年の暮れ本棚奥にブロマイド
啓太郎
初空やオロナミンCの看板
すいかの種
停戦を地下にて祈るクリスマス
けら
貝塚の地層の底に初明り
けら
つっかけで向かう三日のパチンコ屋
むい美縁
水洟をぬぐう袖口ピンボール
むい美縁
冬籠テレビは昭和の曲ばかり
出羽泉まっくす
初春のマリオカートや父を抜く
なみこまち
春暁のまぶたテトリスの残像
なみこまち
駄菓子屋へ銅貨を握る手の冷た
彼理
数え日や帝釈天の修理中
彼理
タンデムや地平線より初日の出
ルージュ
いきつけの店は駄菓子屋つくしんぼ
陽光樹
職人の祖父の外套格子柄
陽光樹
まがまがしき光ゲーセンの夜寒
世子
冬夕焼けコイン木馬の軋む音
世子
弾け飛ぶベーゴマを追う冬休み
日吉とみ菜
ケロヨンを揺らして帰る年の暮
桂月
冬晴や象の遊具に名をつける
桂月
鷹鳩と化し温泉の遊戯室
原島ちび助
春寒しゲームコーナーを迷へり
滝川橋
倫敦の霧は墨色(ぼくしょく)漱石忌
滝川橋
駄菓子屋へ向う自転車からっ風
おかぴ
春待たず逝きたる友と一人旅
風輝
雪積る湯治場の夜は娯楽室
風輝
客増えて「ハイカラ横丁」春近し
来冬 邦子
閉店の貼り紙はがす空っ風
来冬 邦子
老いてなほ母性は強し春時雨
レディ咲瑠恋
日焼の子山口百恵のブロマイド
みなし栗
十円屋アイスクリームの当たり棒
みなし栗
無月なり街は輪郭なき灯り
紫月歪丸
煙草臭き景品のチョコからの溽暑
紫月歪丸
温泉の白濁ゆたか年の暮
駒村タクト
春待つや土産物屋の砂時計
駒村タクト
風鈴や糸引き飴の小さき青
田畑 整
舌打ちのゲーセンゆるり扇風機
田畑 整
春泥に汚れちまった昭和譚
おさむし
パチンコの開店待つや春寒し
おさむし
星空や橇引く犬の息づかい
青井晴空
ポン菓子の袋ぱんぱん春隣
青井晴空
卒業式の裏のゲーセンよく当たる
牧野冴
父と母を待つゲーセンや冬の蝿
牧野冴
湯冷めしてもぐらたたきの音響く
はね花
冬ざれや長い階段下りて風呂
はね花
百円玉入れてまたがる子やうらら
望月美和
柳の芽むかしたばこ屋あった角
望月美和
ロング麩菓子かじる川越の日向ぼこ
林としまる
ゲーセンの市松模様踏む帰省
千暁
二十年の愛車手放す春の雪
夏の舟
臘月や全卓スペースインベーダー
山内彩月
元旦の人待ち顔の煙草屋さん
ヒマラヤで平謝り
筐体の細かい疵や冬ぬくし
ヒマラヤで平謝り
邯鄲の夢は百円水枕
ジョルジュ
隅田川名残りの空に心柱
ふたば葵
寒菊や父の残せし手風琴
和み
オリオンへ胸張りてハーレーダビッドソン
高山佳風
駄菓子屋の裏口抜ける冬の雨
高山佳風
百円を握り春泥駆け来る子
十月小萩
藪柑子十円握り駄菓子屋へ
辻 さつき
ゲーセンに一人立ち寄る雪催
智幸子
ゲーム機の虜となる夜こたつ強
石川潤子
押入れのおもちゃの無言山眠る
石川潤子