第52回「ハイカラ横丁」《人》④

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第52回 写真de俳句】《人④》
懐手ハイカラと言う名の明治
そうわ
水飴の気泡まろやか日向ぼこ
あおい結月
縮緬の風呂敷ほどき和歌講義
水無月
冬草や黒きバイクに雨の跡
梅野めい
駄菓子屋の婆の居眠りいぬふぐり
しろぴー
休暇明けカバンにVANのステッカー
草野ふうこ
ベル響くピンボール台夏の果
草野ふうこ
ピース缶持つリーゼント父の春
東ゆみの
孫の名を忘れし母や林檎剥く
東ゆみの
市松の包みは年酒門扉開く
富永三紀
休暇果つパンタロンの転校生
二十八
カステラを切り分けておる冬うらら
にも
ベレー帽似合ふ売子や初観音
にも
淑気のゲーセン貼り紙に閉店
植木彩由
父と子や初湯あがりのインベーダー
植木彩由
梢には半身の果実鵯の晴
欅山四十八景
卓球や浴衣はだけて缶ビール
欅山四十八景
バタンコの父の胸筋瓶ビール
理恵にゃん
タンデムのバイク傾け加速初夏
一寸雄町
ヘルメット脱げば夕菅ゆらす風
一寸雄町
軽そうなゴジラをクレーン揺れる春
骨のほーの
春の雪スマートボールのバネ緩し
骨の熊猫
ガーベラ手向く閉館のゲストハウス
鰯山陽大
冬すみれ火傷のような遊具錆
鰯山陽大
仮免の見極め落ちたクローバー
藤本花をり
ギヤマンが耀く出窓冬館
三日月 星子
晴着とりどり寒暁の美容院
たまさもち
凍空へジャズ売れ残りのオカリナ
たまさもち
初売や掴み取りたる五円チョコ
白猫あんず
宿の綿入れ湯上がりのピンボール
白猫あんず
百円とアルカノイドと雪と店
宮本 モンヌ
春の野のテトリス嵌まりさうなとこ
ぞんぬ
DSのソフトに合格の息を
ぞんぬ
べったんの剣士は吊り目冬日和
雪うさぎ
亡き母の行李にさらのあっぱっぱ
雪うさぎ
ゲーセンガラガラ三日の痩せ鴉
ノセミコ
宝物だつたコインを捨つる暮
ノセミコ
夕焼に燻らすココアシガレット
清瀬朱磨
初雪を母へ告ぐるや笛ラムネ
清瀬朱磨
駄菓子屋は団地の鬼門いぬふぐり
まるにの子
スカGの助手席固し御来迎
まるにの子
物色のクレーンゲーム着膨れて
山尾政弘
母牛の寝そべっており踊唄
小花風美子
薬屋のサトちゃんに揺れ揚雲雀
いたっくうらら
おつかいのハイライト二個夕焼け空
いたっくうらら
着ぶくれて店番ショウケースの食パン
楽奏
靴修理奥の茶の間の炬燵猫
楽奏
初恋のハンカチ落とし秋夕焼
シナモンティー
ハイカラ横丁ガイコツの冬帽子
青居 舞
福引の五等ご当地ダムカレー
青居 舞
短日や遠くバイクの唸る音
海月のあさ
しゃららんとミルへ小春の珈琲豆
海月のあさ
初空や糸引き飴は東雲色
織部なつめ
包装はストップペイル日記買ふ
織部なつめ
寒椿百円玉の両替機
青屋黄緑
旅に出るバイクの原野クリスマス
青屋黄緑
横丁のゲーセン見上げる冬空
竜酔
駄菓子屋の蠅取紙のソース色
芦幸
冬うららジャンケンマンと母を待つ
赤尾双葉
おひとりのクレーンゲーム暮易し
赤尾双葉
駄菓子屋のおばあも麩菓子春こたつ
麦のパパ
ガム盗つてされたゲンコツはだら雪
麦のパパ
風花や碑には恋文横丁と
入江みを
日曜日とっくりのセーターの父
湧翠
小さき手の回すガシャポン冬日和
紅三季
インベーダーは死なぬ聖夜の喫茶店
紅三季
天狼を乗せライダーは曲がらない
嶋村らぴ
イエスらはバイクで帰る聖夜劇
嶋村らぴ
大寒やゾンビゲームの重低音
伊沢華純
新雪をスリップ蛇行止まらない
伊沢華純
袋には萎む綿あめ春霙
酒呑走人
ゲーセンの奥の温泉女正月
たかみたかみ
立ち向かふクレーンゲームへ冬帝へ
たかみたかみ
寒林の闇や本音を見透かさる
けせらそら
「型抜き」は棚の二段目雁渡る
六月風マンダリン
二次会は恋文横丁クリスマス
山内プーコ
冬禽や艦の水葬されし海
雨野理多
パチンコに行きたしブロッコリー固し
雨野理多
立ちこぎの風に抗う冬帽子
風の木原
初春の少女ひとり乗りの木馬
風の木原
日脚伸ぶ太鼓連打の紙芝居
日々の茶めし
雇用調整それぞれまろき浮寝鳥
舟端玉
退勤も裏口鍵指す手に霙
なおちゃん
旅先のもっきり夫と年惜しむ
なおちゃん
来るはずがない愛の日のメダル果つ
くるぽー
三月の庭や昭和のコーラ瓶
くるぽー
十円の投入探る手冷たし
雪客
ラジオからはあの日の曲や大花火
咲織
旅帰り夏服洗う十二kg
咲織
練り飴を百回練れば春隣
ときちゅら
春まぢか掬うモロッコヨーグルト
ときちゅら
変わり玉舐めつ横丁冬うらら
おかだ卯月
着膨れていざやからくり百貨店
おかだ卯月
走らないバイクのネジや開戦日
紅紫あやめ
ダイヤモンドダストへレトロの匂い
紅紫あやめ
万緑や一枚だけの投票券
はなぶさあきら
理学生のクレーンゲーム鉄線花
はなぶさあきら
年の暮れ子を呼ぶ母の声柔し
むねあかどり
春夕焼け屋上遊園最終日
太之方もり子
冬晴れや麺自販機の補充待ち
太之方もり子
人日の昼下がり角打ちに爺と婆
藤子
炬燵に待つウーバーイーツのハヤシライス
藤子
遠足や十円ガムの黒いねこ
殻ひな
水洟の迷子の頑なに泣かず
髙田祥聖
ドット絵の道遥けしや春疾風
髙田祥聖
母の日やガチャから出づるペンダント
わかめ
揺るがざる先導三日の白バイ
阿部八富利
元旦やパチ屋の列のしづしづと
阿部八富利
射的場を素通りした日夏祭り
志無尽おたか
カーナビの右折拒んで八重の梅
志無尽おたか
駄菓子屋に大人ばかりや春の月
水豚庵
黄ボタンを連打春愁ふきとばす
水豚庵
乗初は十円くすり屋のサトちゃん
横山雑煮
ラジカセに二歳のわたしお元日
横山雑煮
鮮明な師走三億円事件
津々うらら
ゲーセンの時給は安し豆の花
津々うらら
冬ぬくし工芸館の木のタイル
井上れんげ
病室はいつも20℃風花来
井上れんげ
点滴のか細き腕や寒椿
庭野利休梅
身に入むや主治医の太き「大丈夫」
庭野利休梅
薬局のサトちゃんの背の冷たさよ
朝野あん
春の空ゲーセンになる写真館
朝野あん
ホーロー看板猫背の春ショール
茶雨
閉業の湯屋の煙突冬北斗
白秋千
人日や阿闍梨小路の市子石
白秋千
1Fの錆びし玩具や冬の虹
くるみデニッシュ
古書市の「少女フレンド」日脚伸ぶ
かなかな
終活や花柄ポットの大福茶
かなかな
風邪籠りドロップ色のソノシート
あおみどり
颯爽と赤き革ジャン北野坂
あおみどり
年の瀬やスマートボールの在りし場所
真壁らん
合格子も不合格子も行くゲーセン
赤坂みずか
うららけしばぁちゃん探しにパチンコ屋
赤坂みずか
抱っこちゃんなんていらない夏休み
平岡梅
モンチッチは目を逸らしてる百合一輪
平岡梅
前売り券祖父と使えぬまま春よ
文月蘭子
丹前の背を丸めても熱海の夜
文月蘭子
春薄暮の路地禁断の駄菓子屋
窪田ゆふ
オリオンは遠しココアシガレット甘し
窪田ゆふ
駄菓子屋の老婆は指なし手袋
木香
また脱いで果つ劇団の忘年会
踏轍
年の瀬やまたパトカーで戻る祖父
踏轍
三が日古いゲーセン見つけたり
西茉生
舶来のコート預けてまずモカを
風蘭
横丁へ恩師と〆は蜆汁
紫黄
春愁や琺瑯看板消えた街
水琴子
両側のミラー飛び去る花林檎
水琴子
A定食メニューに戻す四日かな
楽和音
靴底の型の雪ありPタイル
楽和音
「サトちゃん」に揺られアーケードを燕
俊恵ほぼ爺
新社員時間潰しのインベーダー
春のぽち
ガチャポンからロッテンマイヤー冬晴るる
小川野雪兎
下町のレトロゲーム機冬茜
美湖
買初は旅のコンビニ化粧水
島田あんず
日脚伸ぶブリキの缶に砂と貝
島田あんず
花柄の湯沸かしポット春近し
充子
叩いたら映るテレビや昭和の日
充子
ハリマオのターバン買ったお年玉
トヨとミケ
もんじゃ屋の前垂れ白し初商
トヨとミケ
小春日や並んで座って紙芝居
きらら
春の塵月光仮面も老いにけり
まさし
春疾風月光仮面は私です
まさし
学舎の袴姿や春の朝
やしたあきら
敵艦を見張る山頂初日さす
しげ尾
長年の愛車は廃車年暮るる
しげ尾
音固きスマートボール月冴ゆる
なないろ
バイク押す朝焼けの土手春近し
奏美和
旧正や木彫りの箱のオルゴール
砂月みれい
春まだき裁縫箱はセルロイド
砂月みれい
春雨の路地のケンパを踏んでみる
ふづきかみな
初詣狙う射的のボンタンアメ
松下眞す美
居場所なき春ゲーム機に50円
マサオカ式ぉ村椅子(俳号変えました)
ゲーセンのにおい春のはやすぎて
マサオカ式ぉ村椅子(俳号変えました)
元日やテントを叩く雨の音
沓乃詩泉
プリクラの女系三代小正月
飯沼深生
飛び飛びの「故障中」ゲーセンの秋
紫桜
帰省子の混じる正午の大街道
紫桜
母の台所整理じゃが芋の芽
宇久令々
大の字にボールプールへ春暑し
常磐はぜ
あたたかや徒歩より遅きパンダカー
常磐はぜ
人混みも我の歩幅や日記買ふ
山浦けい子
大年の書肆街の積む「俊太郎」
山浦けい子
ガチャガチャのカプセル卵めく小春
七味
初雪の看板笑うボンカレー
美川妙子
銘仙の着物短し床紅葉
美川妙子
瓶コーラぐびり飲み干しストライク
木乃芽依
年玉の十円はずれガムひとつ
木乃芽依
引退の歌姫もなか買う日永
とひの花穂
煙草吸う三人衆の懐手
茶茶の嬉嬉
防災の日白バイの子の眉凛々し
沢山葵
寒晴の埠頭単気筒の鼓動
白猫のあくび
北颪高取城の野面積み
朱葉
汗の顔ヒーローショーの最前列
翠雨
ぽつぺんを吹けば大気の凹むらん
島田雪灯
シャッターもスマートボールも錆びて冬
めいめい
映画館跡地カラオケ鯛焼き屋
水須ぽっぽ
ゲーセンの時給千円去年今年
水須ぽっぽ
冬晴れの骨董市やチャイ熱し
紅玉
十六の姪に譲りし春ショール
紅玉
春ショールよれたくたびれたような白
猪子石ニンニン