第52回「ハイカラ横丁」《人》⑤

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第52回 写真de俳句】《人⑤》
春嵐袋小路のラーメン屋
モト翠子
冴ゆる夜や客居ぬ店のゲーム音
渥美 謝蕗牛
ミゼットの突出す小鼻年の市
竹庵
春夕焼まんがまつりの帰路の橋
わおち
冷珈琲インベーダーへ連射砲
わおち
春近し老人はレバカツを噛む
阿呆鳥
絵硝子の艶なめらかに冬銀河
くさもち
春近しジャズのあふるる純喫茶
くさもち
両替の固きレバーや霾ぐもり
葉村直
地球儀に青空が欲し治虫の忌
葉村直
ステツカーは吾も聴くラヂヲ山笑ふ
水きんくⅡ
陀羅尼経浴びし丸薬二月尽
水きんくⅡ
小春日やばつてん締めのおんぶ紐
理佳おさらぎ
間のズレるゲーム愛しき昭和の日
桐山はなもも
一月のバイクは風のやうに錆び
佐藤レアレア
キューピーのスカート縫ひし雨休み
そーめんそめ
この店に合うマフラーとカチューシャと
大切千年たいせつせんねん
観戦が好きゲーセンは初春
高田ちぐさ
駄菓子屋の女主人の懐手
キャロット えり
夕焼や姉と吹きゐるフエラムネ
キャロット えり
ロボットの運ぶ珈琲水仙花
兎波
助手席の吾のうそ君のゐる晩夏
てんむす
ヘルパー来施錠のドアに大西日
てんむす
霙るるをワイパー速き教習車
喜多郎
春闘の街頭ゲームセンターの孤独
喜多郎
ぐをんぐをんとかばの遊具や子供の日
青井季節
パックマンの腕まだ確か敬老日
青井季節
初雀そろそろめくる駄菓子くじ
さとうナッツ
やはらかに反る浅春のコインチョコ
立川猫丸
スロットへ流し込むメダルと春思
立川猫丸
薬包紙硬し霜夜のアスピリン
うくちゃんま
悴む手ポンカン飴を分け合ひぬ
のりこ
寒椿昭和百年祖母白寿
ちぇりぴー
鎮魂の寮歌よはるか海凍る
紫すみれ
知育菓子投げて二日の怒声かな
深町宏
サマードレス母の仕舞ひし切り抜き帳
松本厚史
駄菓子屋のプール帰りの当たりくじ
松本厚史
風花や屋上遊園地のひとり
はまちこ
春塵の相席食券無くした子
はまちこ
湯冷めして嚔インベーダーちゅどーん
広島じょーかーず
浴衣より剛毛の腕ピンボール
広島じょーかーず
寒月や横丁に響く電子音
かたばみ
黒電話おもひの揺れしなごり雪
須月かほう
白黒の鉄腕アトムみかん剥く
須月かほう
「パリは燃えているか」春昼のゲーセンに
たきるか
巻き戻す青春映画十二月
谷川ふみ
狙うはミッフィー夕焼けの射的屋
谷川ふみ
ガシャポンを回せば冬の底の音
青井えのこ
小春日やハイカラ通り闊歩せり
葛西のぶ子
横丁のペコちゃん揺るる小春風
葛西のぶ子
カルパスとキンミヤホッピー昭和の日
のりのりこ
横丁は駅へ抜け道花アロエ
せんかう
年の市小銭入にて足る払ひ
せんかう
特売のコロッケを買ふ春夕焼け
サリー
おでん煮てゲーム実況の配信
咲山ちなつ
蜜柑剥く特急宇和海十八号
咲山ちなつ
子雀や駄菓子屋前の塀の上
天風さと
夕焼くる砂丘ピンボールの傾斜
天風さと
タンデムのハイビーム切る冬の闇
よしろう
学寮の土産ペナント春の風
玄子
ヒーローの日光写真と父の手と
釣女
凩や10円玉の掌の匂い
たじまはる
発熱の吾の枕辺やみかん三つ
七森わらび
叔母の踏むミシン変拍子春待つ日
七森わらび
日脚伸ぶ小遣いはあと三十円
せなきく
初夢は東京タワーのない昭和
せなきく
射的場の欠けたネオンや雪の町
孤寂
爺様の講釈長し桜餅
浜千鳥
小豆煮る師の勇退を聞きながら
浜千鳥
大猫の大あくびして冬うらら
出雲のたみちゃん
つま先にウルトラマンや春炬燵
慈夢りん
秋晴の山上飛行搭百年
深川文吉
皸や書き割りのようなワイキキ
花豆
あっぱっぱ外れくじしか入っとらん
花豆
すぐ止まるブリキの電車掘炬燵
ユリノキ
参道の飴切る音や春隣
久木しん子
初東風や粟ぜんざいの朱塗り椀
久木しん子
人を喰うギャオスの赫し雑煮食む
はるいち
百円で続く月夜のインベーダー
千舟
冬籠りインベーダーは百体目
千舟
初春やだるま落としの木槌の音
雪割草
春近しカプセルトイに日の匂ひ
霧賀内蔵
年の夜を違法マフラー跳梁す
霧賀内蔵
手袋はどこ屋上の遊園地
看做しみず
とっくりの白きセーター従妹来る
看做しみず
パンダ号の耳へ百円日脚伸ぶ
志きの香凛
葉ぼたんや「ハワイ」掲げる福引所
志きの香凛
麗かや動かぬ単車跨ぐ子ら
雪花
紙芝居ひざ立ちの子ら咳の子ら
おおい芙南
駄菓子屋に君の自転車なずな花
おおい芙南
ショッカーのベルトにつばさ開戦日
水鏡新
子ら出でし駄菓子屋の土間冬の梅
田に飛燕
口金の剥げし蝦蟇口日短し
湖七
ふくらかに蒸籠の米よ初茜
朝日千瑛
掃初や猫の寝息の途切れなし
朝日千瑛
手袋の十円せがむ次ゾウさん
鈴木 リク
茄子の馬一つ頼んだハイボール
鈴木 リク
ぺコちゃんのハイカラ横町秋夕焼
ひーちゃんひーちゃん
湯の町の射的場の灯よ春の月
みやもとや
秋夕焼吐息混じりの色ラムネ
鈴木そら
冬うらら最後の小銭投入し
南全星びぼ
短夜やカードカウンティング続く
日月見 大
ガス欠の高速出口冬の暮
日月見 大
ゲーセンのバイク弓月へハングオン
めぐえっぐ
カセットのMyWay掠れ秋の風
ひまわり
出るはずもなきパチンコの二日かな
多数野麻仁男
モノクロのゴジラの恐怖春休み
真秋
十圓の洋食焼きや春の夢
鈍牛
ゲーム機のメダルの音やお年玉
清桜人
咳ひとつ年齢問わぬ職探す
小島やよひ
病む夫の寝息おだやか毛糸編む
小島やよひ
隙間風ゲームメダルに銀の錆
白庵
それぞれに風呂を巡りぬ女正月
大日向都
百円玉が侵略者撃つ昭和の日
古乃池 糸歩
逃げ場は駄菓子屋小春の当たりくじ
古乃池 糸歩
スカートの襞にアイロン昭和の日
ラテ
春立つやサーカス来たる汐の町
ラテ
暴走族解散式の日雷
なみきたか
木の実降るナビのとおりに来たはずが
青田道
カレー粉足りぬ子ども飛び出す冬夕焼
青田道
白杖にちから伝われどんどの火
えりち
煤逃げのパチンコが出てしまひけり
清水縞午
お年玉借り返したるきなこ棒
中島タカシ
暮れる冬コイン遊具は三周目
ただなかのめ
指揮棒はアメリカンドック冬の夕
ただなかのめ
相手なく将棋並べる炬燵かな
天龍蘇人
寒月や湯町射的場こうこうと
朱鷺
秋ゆやけ拾圓玉で買へた夢
ガリゾー
人気なき屋上遊園月白し
長谷部憲二
通学路父と単車と霜柱
ちよ坊
ナナハンの音のとけゆく寒夜かな
ちよ坊
囀や糸引き飴はパイン味
銀猫
お正月大人買いするきなこ棒
銀猫
冬晴れや先ずは中古のミニバイク
蓮天
ライダーの集う駅前青嵐
蓮天
ドア閉まり蝶々も上へまいります
UVA桜
不器用な子だと言われて鳥曇
ひいらぎ
缶蹴れば鬼いじけたる柿の秋
ひいらぎ
湯上りを作務衣大小春隣
満生あをね
寒晴のカーブ縁石へと傾ぐ
満生あをね
令和の初売りモノクロのポスター
入道まりこ
駄菓子屋の小火もぬけの木枯らし
蛙目
ポマードの残り香甘し涅槃西風
妙啓
復元のガス灯ひそりうそ寒し
佐藤さらこ
糸電話こたつの兄と繋がりぬ
春野ぷりん
十二月のジュークボックス追悼歌
春野ぷりん
十二枚ならぶ取り皿福寿草
千寿 ココ
屋上の回らぬ木馬冬の雨
塞翁が馬
夕焼や今日は二本もうまい棒
雄蹴
すもも漬の甘酢一気や冬夕焼
雄蹴
夕日影照る粉末のソーダ水
海里
駄菓子屋の鯛焼いちだんと肥えて
勇緋ゆめゆめ
日脚伸ぶ八百屋の番をする魚屋
勇緋ゆめゆめ
研修生二日のレジに凭れをり
ぎゅうたん
ラジコンカー唸る二日の駐車場
となりの天然水
羊日の勇者画面を占拠せり
となりの天然水
冬の海君を後ろにスロットル
砂糖香
セルロイドの小箱開かずや暮れかぬる
鳥乎
「ナショナル」の看板春の店じまい
鳥乎
新台の揃わぬチェリーお正月
海老名てんてん
電飾の「昭和」の文字や初写真
はるを
駄菓子屋の路地にこぼるる福袋
はるを
夜勤果て雪止むまでの煙草二本
夏村波瑠
釣銭切れのランプ赤々虎落笛
夏村波瑠
啓蟄や父の時計の竜頭巻く
前田いろは
駄菓子屋に足し算の子ら明日遠足
前田いろは
松過ぎや待ち時間ない遊園地
すうばあば
鶏旦を征く白バイの赤色灯
三浦海栗
立春大吉ジュエルリングを舐めきって
まるるん
鼻歌はブギウギ祖母の春ショール
わだつみ
春永やインベーダーの行進音
欣喜雀躍
シャッターは閉ざされたまま冬暁
欣喜雀躍
五十円のラムネ一口秋日和
夏蜜柑久楽
休業の張り紙に誤字女正月
雉虎緑目
酒面の一本締めや年暮るる
雉虎緑目
初売やパパと五度目のゴーカート
江口朔太郎
ハムカツを賭けて春炬燵のオセロ
天雅
遠花火己一人の三回忌
蛇の抜け殻
クレーンゲーム三日の爪のだらしなき
さく砂月
金平糖へ千の囀り言祝ぎぬ
翡翠工房
春の闇孕む綿菓子掬ひけり
翡翠工房
サーカスは跡形もなく月見草
渡海灯子
両頬に飴玉ふたつ初笑
ロージー
無職なりゲーセン一個もとれぬ冬
のんきち
色褪せしバイクゲームや昭和の日
のんきち
ぜんまいの外れし玩具月冴ゆる
田原うた
凍空やふたの閉まらぬ工具箱
田原うた
屋上の乗り物ランド春近し
猫ずきん
からっ風おもちゃのまちの博物館
高木友
駄菓子屋にATMや春隣
ぜのふるうと
買ひ食ひの麩菓子遅日のアーケード
伊藤映雪
躙り消す年の名残の煙草かな
伊藤映雪
外れ馬券空に放つや冬うらら
草夕感じ
ネクタイを緩め路地裏松納
神無月みと
寅さんの雪駄の擦れや冬昴
松芯
シャッター街出口に見える冬の月
いわさき
明るくなれない冬晴の遊技場
百瀬一兎
冬休また大人だけ笑つてる
百瀬一兎
ぽつぺん吹く幽けき星の割れぬよう
句々奈
一打目のスマートボール淑気満つ
佐藤ゆま