第53回「火の山公園のチューリップ」《人》①

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第53回 写真de俳句】《人①》
早春の丘の宅地にバス来たる
深山ほぼ犬
味噌玉のほわっと温く香は甘く
佳奈
ピアニカのド・レ・ミにシール春淡し
櫻木うらら
初めての刺繍凸凹チューリップ
小川ゆう
棺の母へ金子みすゞとチューリップ
まり
チューリップ観光列車から汽笛
蔵豊政
飛行士の交信したるチューリップ
令子
咲くを待つ大宮の丘春近し
木田白老(きだ しらおい)
花冷えにきみの鼓動といふ静寂
櫻心
かたくりや記載の消えた山ルート
はしま
路地を掃く老女のみつあみチューリップ
苔間きい
缶けりに入れてと言えずチューリップ
苔間きい
チューリップ泣けぬ女として母は
すずなき
長閑なり関門かよふ小さき船
真帆まほろ
スキップで行くチューリップの公園まで
岩田くみこ
山あいに歌いちめんのチューリップ
岩田くみこ
チューリップ家庭訪問には散りぬ
藤井いちはつ
クレヨンの二本短しチューリップ
立士
チューリップ曲がった事が大嫌い
早坂喜熊
チューリップあのヒトはまだ独り者
のなめ
チューリップなんでいじめは死なないの
白よだか
チューリップいじめスイッチ押す悪魔
白よだか
更年期の衝動チューリップ買う
ミセスコロンボ
紛争の地にガンジーのチューリップ
爪太郎
切るところしめすチューリップのリボン
爪太郎
チューリップみんな友ではないけれど
扶羽
木の芽晴れ両手ピースの一輪車
扶羽
始めての教室の窓チーリップ
せい子
露葎指輪から刻印落とす
四方うみ哉
磁器婚の薔薇二十本五時指定
鹿達熊夜
チューリップ善か悪かの二元論
柑青夕理
海峡の砲台からのチューリップ
七拍子
初めての猫の冒険チユーリツプ
猫の手
開園を待たずに背伸びチューリップ
石川穴空
整列選手宣誓はチューリップ
石川穴空
測量士石部金吉球根植う
あつんこ
狼煙台あくび噛んでは山笑う
星野砂文
鬱金香少しばかりの潮の香と
ひでやん
嗚呼此処も源氏の地かや鬱金香
ひでやん
チューリップ不良はいつも摘まれゆく
留辺蘂子
家桜転送期間わづかなり
佐藤儒艮
吾と君に正義チューリップ屹立
佐藤儒艮
チューリップ祖国をおもふ小さき人
ハルノ花柊
チューリップ瓦礫の街へ風よ吹け
ハルノ花柊
羽虫らの翅に小さき春の渦
黒子
湧別の首なし畑チューリップ
信壽
立ち食いのうどんにもほら馬関河豚
信壽
ひとり部屋欲しがりし子やチューリップ
ゆすらご
チューリップの蕊よ触れ合わぬ息よ
ゆすらご
火砕丘を鬱金香の縫取りぬ
内藤羊皐
カルデラのひかりを凝るチューリップ
内藤羊皐
開いている教室のドアチューリップ
葉山さくら
チューリップ変はり身早き少女たち
原 水仙
明朗と言はれ続けて鬱金香
原 水仙
チューリップ廻りて恋を探さうか
梵庸子
抱きしめてほしさう鬱のチューリップ
梵庸子
夕闇や色を失いチューリップ
奈良の真
考えるより行動だチューリップ
信茶
アザーンへ向かひてチューリップの敬虔
空木花風
春光の海峡オスマンブルーかな
空木花風
入学式待つ花壇まだ真っ平
京あられ
瑠璃草や七曲へと続く群
やまだ童子
燕の斜面何処までも駒草
やまだ童子
チューリップ天に抱かる我もまた
つづきののんき
整えらるるごみ集積場春の園
つづきののんき
鳥の目の色覚検査チューリップ
一生のふさく
背伸びして横見て並ぶチューリップ
風蘭智子
先頭にだけ見えてゐる蜃気楼
風蘭智子
皸へ塩きり麹5Kgとや
冬島 直
偏愛や白きアネモネ・チューリップ
冬島 直
鮮やかな丘なだらかや蝶日和
海羽美食
潮騒のテラスの席や蝶の午後
海羽美食
二年目のおまわりさんとチューリップ
青水桃々
三人目のこびとは春暁を追って
青水桃々
まず山を治めるべしや春の川
吉野川
デ・レイケは四等工師チューリップ
吉野川
五日目のウクレレ春風のベンチ
巴里乃嬬
春の野や水縹色の昼の月
巴里乃嬬
杖にしてチューリップまで歩きます
日永田陽光
別れれば味噌かはりけり年の暮
日永田陽光
静謐なる志士の旧宅梅ふふむ
城ヶ崎文椛
球根の尻若水へ浸しけり
城ヶ崎文椛
姿見や君と逢う日の春ショール
あすか風
チューリップ赤き祝着の孫柔し
おぐら徳
公園の虹の流れやチューリップ
おぐら徳
休校や撮影場所の鬱金香
渥美こぶこ
チューリップ過去がわたしを責めたてる
円堂実花
黒電話働く家やチューリップ
円堂実花
チューリップ勢いつけて一輪車
風早 杏
チューリップことしはいちねんせいがくる
風早 杏
チューリップそんなにがんばらなくていい
谷山みつこ
老犬と短い散歩みどりの日
谷山みつこ
チューリップ満つる花壇へ海峡(うみ)の風
ピアニシモ
春光や河馬の子の名の募集中
ピアニシモ
「close」を「open」にして春の朝
灯り丸
聞き役のわたしチューリップの赤々
古瀬まさあき
晴れ晴れと王国のこのチューリップ
古瀬まさあき
ひねもすや焼場に揺れるチューリップ
松虫姫の村人
何故此処に出汁自販機や初笑
松虫姫の村人
チューリップ求愛のごと揺れにけり
まっちゃこ良々
チューリップうつむいている参観日
森野みつき
ゆびきりはいやだチューリップあかすぎ
ぷるうと
チューリップ二列縦隊はずれる子
鈴木秋紫
春待つや遠くて会えぬ待つに似て
大本千恵子
明るき声のデュエットとなれチューリップ
稲垣加代子
吾を噛みしチューリップより萎れゆく
中村すじこ
初蝶や明るき空をまだ知らず
中村すじこ
海峡の橋を見上げる春の風
西村小市
遠足の園児の放歌「ちうりっぷ」
江藤すをん
春の野を走らぬクレパスと我と
江藤すをん
チューリップ十七音の詩の調べ
山川腎茶
土曜日は半ドンチューリップは赤
山川腎茶
チューリップ児童会長あいさつを
びんごおもて
赤点は数学ですよチューリップ
びんごおもて
関門の波音近し英治の忌
小倉あんこ
締切や重たき赤のチューリップ
けーい〇
スコップに目安の目盛りチューリップ
沢田千賀子
乙女らのエプロン白しチューリップ
満る
チューリップ毎年ここへ来て泣いて
満る
冬鴎ひかりボスポラスの海へ
天陽ゆう
したたかな純潔チューリップ赤し
天陽ゆう
卵焼きぷつくりチューリップゆるる
白石 美月
春の風誰がいちばんきれいでしよう
白石 美月
すべり落つ夜のひかりやチューリップ
まあぶる
ヴァイオリン・ソナタトゥラララチューリップ
まあぶる
馬力が足りない火の色のチューリップ
千夏乃ありあり
チューリップ開きすぎてる退職日
千夏乃ありあり
花芯の陽あふれ光のチューリップ
小川都雪
チューリップ小さくなった靴いたい
もぐ
フレアスカートふわりチューリップゆらり
みー
チューリップは明かし廃止のロープーウェイ
絵夢衷子
けふ若きゆゑ料峭の上り坂
はれまふよう
母さんもう痛くはないよ寒明くる
あすかきょうか
チューリップ送別会の次の朝
あすかきょうか
砲台の先悠々と石鹸玉
あみま
チューリップ顰めつ面の二つ三つ
あみま
チューリップ見下ろし学級委員選
渡邉 俊
ご褒美のランチうっとりチューリップ
古都 鈴
うららかに空のあを子ら唄ふこゑ
古都 鈴
チューリップのブーケは真白空は青
坂野ひでこ
せんせいが元気になったチューリップ
坂野ひでこ
五番目はよく唄ひをり鬱金香
うからうから
滿艦飾の戰艦三笠鬱金香
星埜黴円
防人の海の水縹春の雷
星埜黴円
親友の定義あいまいチューリップ
ふるてい
チューリップ正論吐ききればひとり
ふるてい
チューリップやクズ男ばっかり好きになる
大西どもは
チューリップ風はあとから来ますから
大西どもは
みはるかす海峡に渦チューリップ
うに子
りりちゃんの甘き告げ口チューリップ
うに子
街モノクロと化す花よ咲け花よ
橋本千浪
顔彩を溶く満開の花眺む
橋本千浪
瀬戸望む岨一斉のチューリップ
井納蒼求
砲台の跡の丸窓春の海
井納蒼求
しろうとの絵の美術館クローバー
小川晴よ
菜の花やつるつる光るチワワの目
小川晴よ
甥っ子を追いかける吾子風光る
Q&A
半島の噛み合ふかたち囀れる
る・こんと
謀略の地によく笑まふチューリップ
る・こんと
母さんの打ち明け話鳥の恋
みづちみわ
チューリップあかあか平家物語
みづちみわ
チューリップ高鉄棒をためらわず
さ乙女龍チヨ
スキップの縞の靴下春の空
広島 しずか80歳
木の根抱く草の芽あまた浅葱色
広島 しずか80歳
庭巡る旅待ちわびる春の服
柊まち
焼きたてのフランスパンやチューリップ
飯村祐知子
五年目やとぢてはひらく春日傘
飯村祐知子
霾天や壇ノ浦へと戰船
杏乃みずな
チューリップ幼の髪を切り揃へ
杏乃みずな
木の股に置く待春の靴の先
小野睦
本当のことだけ白いチューリップ
小野睦
前列が性善説のチューリップ
七瀬ゆきこ
春愁はロッカーへネモフィラ見頃です
七瀬ゆきこ
ネモフィラを抜け夏近き授賞式
にゃん
樹木葬たとへばこんな桜なら
にゃん
パパの手へ歩みとことこチューリップ
蓼科 嘉
パンかじる就活生やチューリップ
蓼科 嘉
無敵なる父の肩くま春の空
笑笑うさぎ
ネモフィラやぞつとするほど春の色
加納ざくろ
チューリップふかふかふいごふむリズム
キッカワテツヤ
赤ちゃんの手にこわされたしゃぼん玉
キッカワテツヤ
春めくや出前の盆のチャイグラス
チリンドロン
アララトの山裾ぐるりチューリップ
チリンドロン
吾子の眼の高さ春野に膝ついて
竹田むべ
チューリップ転校生の関西弁
竹田むべ
朧月これから使うランドセル
神保一二三
チューリップ飾る無人の会議室
彩汀
チューリップ靴箱小さき保育園
彩汀
羅針盤持たず辞表やチューリップ
こもれび
青空や忘れたふりで春眺む
新井ハニワ
ネクターのとろけて歩く春の苑
西野誓光
チューリップ千本ネクタイを外し
西野誓光
海峡は凪チューリップへ微風
山葡萄
オスマンの名残の小さきチューリップ
山葡萄
チューリップ戦ぐ起伏の寂光土
小山美珠
掩壕のひずみに眩む春の闇
小山美珠
チューリップ尖る葉先に光満つ
堀尾みほ
アメなめるならすわってなさいチューリップ
花屋英利
夫源病ゆらゆら旅の春の海
夏雲ブン太
喜べばますます赤しチューリップ
泉楽人