第53回「火の山公園のチューリップ」《人》②

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第53回 写真de俳句】《人②》
チューリップ群れて一花の茎曲がる
泉楽人
休校だよねチューリップが火事だし
越智空子
一面の黄色キューケンホフの春
不二自然
車椅子に九十五度目の春迎ふ
伊藤 柚良
深く瞑るためのかさなりチューリップ
伊藤 柚良
駆け抜けしピアスの少女風光る
ちえ
チューリップの名札を胸に入園す
ちえ
教室の窓は南東チューリップ
玉響雷子
下関市街見下ろすチューリップ
二見歌蓮
指を折り数える音やチューリップ
ノアノア
白ばかり咲くB組のチューリップ
ノアノア
根菜を煮染める厨春まぢか
京
チューリップ園児入場紙吹雪
京
優勝は一チームのみチューリップ
板柿せっか
チューリップがつこうやめていいかなあ
板柿せっか
パンジーに朝の水やり虹招く
高橋侘助
桜まじやフォルクローレは天空に
高橋侘助
チューリップ列に割り込む外国人
小笹いのり
チューリップ抜けて平家の眠る海
小笹いのり
後輩はきれいな仕事いぬふぐり
山羊座の千賀子
チケットの残り百枚春疾風
山羊座の千賀子
会葬御礼の葉書へ一輪チューリップ
ルーミイ
行基様の口よりフリージアのつぼみ
ルーミイ
犬埋まる庭ひと群れのチューリップ
ひつじ
力抜く力のない日チューリップ
ひつじ
起きられぬ朝やチューリップはひよろん
東風 径
クラス分け見てゐるきみとチューリップ
東風 径
火の山に朝日チューリップは赤い
間 静春
既読なきまま窓は日暮や雪催
清白真冬
昏睡の母はなほ母チューリップ
清白真冬
園庭の隅の子猫のテリトリー
土井あくび
チューリップ組が水やるチューリップ
土井あくび
ラジオからビバルディ「四季」春の朝
おこそとの
無医村に戻る教え子チューリップ
おこそとの
園児らの散歩の列やチューリップ
平井伸明
かなしみのわずか斑入りのチューリップ
鈴白菜実
杖にまだ慣れない散歩チューリップ
岸来夢
早退の公園広しヒヤシンス
岸来夢
二百棟の滅失登記チューリップ
幸田梓弓
行く春の風の手ざわり地動説
幸田梓弓
赤のチューリップの群れよ黙りなさい
一久恵
耳朶の朱と逆光のチューリップ
国東町子
チューリップ今が一番若いのです
国東町子
待つ犬と改札口のチューリップ
百瀬はな
チューリップ以外は籠に入れないで
百瀬はな
内定のメールテラスにチューリップ
岡本かも女
卒園や小さき花束小さき手に
岡本かも女
恋バナの男子車窓のチューリップ
大西みんこ
絵の具箱開く途中を春の風
喜祝音
前撮りのブーケに蕾風光る
喜祝音
春告鳥の棲家となりて狼煙台
笑田まき
チューリップ淫ら炎の揺れる如
宙海(そおら)
道ならぬ恋は無言ねチューリップ
逢來応來
先生の鼻濁音美しチューリップ
小川さゆみ
予備拍のタクトへ合わせ白蝶来
小川さゆみ
祝杯を風に傾け鬱金香
仁和田 永
灯を護る手の容とやチューリップ
仁和田 永
風光る花台にニスをのばすたび
いかちゃん
双葉すべらかピアノを忘れられぬ指
いかちゃん
龍天に煮沸したての哺乳瓶
東田 一鮎
遠海や夜明けの色のチューリップ
伊藤 恵美
遠足や交替で押す車椅子
深山むらさき
チューリップ画板の子らの鎮まりぬ
深山むらさき
病葉は花時計へと落ちにけり
東山すいか
チューリップ今日はどこへも行かない日
東山すいか
チューリップしかない町で好きでした
里山子
柳そよそよベンチは眠るためのもの
里山子
四人目も女だってよチューリップ
あまぐり
火の山の溶岩のごとチューリップ
喜多輝女
水底に都あらなむ蝶の昼
このみ杏仁
教室はまだ入れないチューリップ
このみ杏仁
待ち時間あんよぎゅんぎゅん風光る
おおいおちゃ
満開のひなげし不合格メール来
おおいおちゃ
航跡の上を航跡チューリップ
木ぼこやしき
赤白黄色なんて昭和だチューリップ
木ぼこやしき
兵士の行進チューリップ動じぬ
河上摩子
一条の瑠璃やムスカリ行進す
もりたきみ
窓ぎわのいちばん後ろチューリップ
雪音
チューリップ柄の陶器や復活祭
日進のミトコンドリア
検証も報道もなく鬱金香
池内ときこ
開きすぎず揺れすぎず佇つチューリップ
池内ときこ
雲のみなひだりを向きてちゆうりつぷ
うすい木蓮
しづかなる喝采に似てチューリップ
碧西里
かさぶたは剥がす主義ですチューリップ
碧西里
赤深く空に乾杯チューリップ
おケイちゃん
一歳児のO脚歩き春の庭
幸水
グータッチしたき整列チューリップ
香亜沙
散るのか翔ぶのかチユーリツプは火の色
佐藤香珠
十二歳の吾や暴れる鬱金香
佐藤香珠
本閉じる車窓は海とチューリップ
伊達紫檀
船多き光る海峡チューリップ
伊達紫檀
球根は剛毅朴訥チューリップ
やっちゃん日記
春の日を水仙赤く塗る母と
西川由野
巡る春球根じつとみづふゝむ
夏川三木子
転んでません春園を抱いただけ
あなぐまはる
ひらききってしまえば自由チューリップ
あなぐまはる
わんぱくな太陽に礼チューリップ
四條たんし
波風を立てぬ生き方チューリップ
平本魚水
チューリップ母は教師の顔をして
平本魚水
公園に知らぬ足跡多喜二の忌
楽花生
雨粒の花弁の底へチューリップ
原 唯之介
神様の恋の吐息のチューリップ
染野まさこ
月曜は雨口閉ざすチューリップ
きべし
青蔦や兵員室の井戸昏し
栗田すずさん
春の灯や名前シールの一枚目
栗田すずさん
チューリップ眼下の海は古戦場
央泉
チューリップ使はぬまゝの車椅子
秋白ネリネ
梅ふふむ夫と歩きしこの小道
秋白ネリネ
指輪救出かチューリップは黄色
だがし菓子
遺失物は婚姻届チューリップ
だがし菓子
スキップは下手なままだよチューリップ
栗の坊楚材
チューリップ丸み優しきチャイグラス
丸山隆子
とけていく小舟の水脈や春霞
丸山隆子
チューリップ思い出よりも長き茎
ぴーとぺー
海鳥の散るやドン・キホーテのごと
ぴーとぺー
皇を抱く春濤壇ノ浦
むげつ空
橋上の春めく車列海たぽん
むげつ空
山笑うポチがいるのは道の先
志暁
老いの歩も縷々春のドア夢のドア
志暁
祝辞の推敲つぼみのチューリップ
末永真唯
チューリップひとひら落ちて終る恋
藤井かすみそう
おにぎりはふんわり派でしょチューリップ
泗水ハオ
チューリップなかでかごめかごめしてる
泗水ハオ
霜の声病児保育の申請書
桔梗郁子
ぬいぐるみ二度洗いする大晦日
桔梗郁子
空はホログラムチューリップは実弾
丹波らる
着ぶくれて力車のうへの印度人
風友
入学やエプロン入れのアップリケ
しなやか
母の声聞こえて来そうチューリップ
小林 昇
林間のリュートの音色春の夢
ゆりかもめ
チューリップ良きことのみを見据えけり
ゆりかもめ
ちゅーりっぷ剥いて剥いて剥いて淋し
時乃 優雅
初めてのお歌のけいこチューリップ
菩華
チューリップはらはら雌蕊の困惑
渡辺鬼
ガラスコップに赤い首折れチューリップ
渡辺鬼
陽の丘はアダージョ白いチューリップ
まこと七夕
チューリップの鉢持ち上がり2年生
よし乃
逝く猫に捧ぐ露草ありったけ
直子
ショベルカー避けるかに赤チューリップ
王朋亡
ヘソ天のわんこチューリップはそより
王朋亡
喫煙所出て鬱金香なき方へ
ツナ好
チューリップ石鹸くさき指の股
ツナ好
こころ落とした日。見て!見て!見て!とチューリップ
龍の珠
二十九画に悩む書き順チューリップ
沢拓庵
故郷の色をチューリップで決めよ
あさいふみよ
明日には上向く八重のチューリップ
あさいふみよ
覚束ぬガレ場に兆す芽のありて
前田冬水
白磁光目覚めの赤きチューリップ
チェルシー
寡黙な手紙真っ白なチューリップ
立田鯊夢
幸せって突然チューリップぽん
立田鯊夢
閉館のチャイムやひとり待つコート
紅緒
チューリップ抗がん剤の色は赤
ひろ笑い
満天星の花の鈴の音吾に聞こゆ
ひろ笑い
チューリップお道具箱のなまえ書き
藤瑪瑙
ピクミンのごとくならぶやチューリップ
藤瑪瑙
フラダンスさらう手元や春めきぬ
すみ子
チェロの音の聞こゆる朝やチューリップ
すみ子
忘却とはこんな純白チューリップ
渋谷晶
チューリップ母の来世のうつくしく
渋谷晶
せせらぎの青弾むなりチューリップ
まさと澄海
花弁は三枚チューリップは多弁
無何有
春めくや一輪挿しを選る余裕
無何有
手拍子は揃わないままチューリップ
沖原イヲ
ちゅーりっぷ幼稚園です前ならえ
へばらぎ
チューリップあのね今日から小学生
とり
丸椅子にチェット・ベイカー鬱金香
ま猿
暮れてなお香りなずむや春の園
九月だんご
立春の空よ雲の走る走る
九月だんご
揺れるチューリップ新任の挨拶
かりん
父逝くや熟せる郁子は薄甘し
かりん
球根植う五センチごとの歪かな
謙久
瀬戸の歌流れる要塞花の風
扇百合子
テレビのない日々五年目のチューリップ
中山白蘭
再検査朝日に揺れるチューリップ
神木美砂
春の波見おろす丘のチューリップ
蒲公英
春蝉の響みに森の風動く
夏椿咲く
水門へ歩いて春の陽を量る
豆くじら
山笑う鼻歌いつもうろ覚え
豆くじら
球場の歓声渡るチューリップ
しまちゃん
囀をくぐるもう少し歩こう
典典
チューリップなんにもしない日曜日
典典
夫宛てに届く球根チューリップ
すず
画布めく大地や色めくチューリップ
すず
桜蘂降るや屠体を喰らう虎
摂州黒うさぎ
図は次の季節暮雪の花時計
摂州黒うさぎ
火は人のような形やチューリップ
澤村DAZZA
一人にはちと広い街チューリップ
澤村DAZZA
海見たくって行儀いいチューリップ
ほうちゃん
チューリップ絵具を混ぜる筆の音
千鳥城
野遊びの草の香の手に置いた頬
かねすえ
軽やかな嘘と真っ赤なチューリップ
かねすえ
春風にちゃいたちゃいたと吾子の声
実相院爽花
早朝のゴミ出し0℃枇杷の花
前世ニャン子
阿蘇山の噴煙被る大根葉
前世ニャン子
九州を望むチューリップは香る
夢佐礼亭 甘蕉
通園カバンは姉とお揃いチューリップ
鈴花
車椅子連ねて囲むチューリップ
閑か
チューリップ園小さき列車は満員こ
縦縞の烏瓜
狼煙上げし山や火色のチューリップ
たかね雪
チューリップほころぶ仔犬駆けたがる
超凡