写真de俳句の結果発表

第53回「火の山公園のチューリップ」《人》⑤

第53回「火の山公園のチューリップ」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

 

※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。

【第53回 写真de俳句】《人⑤》

チューリップがこの並びになる確率は
深町宏
球根のつめ放題や秋麗
松本厚史
保健室根っこ露わなヒヤシンス
はまちこ
辞めぬ人給湯室のアマリリス
はまちこ
花に非ず光の春に湧き来るは
迦楼羅(かるら)
シーソーを空と平らにして秋思
広島じょーかーず
秋天や臍に逆上がりの痛み
広島じょーかーず
チユーリツプ濃かれ日記は楽しかれ
柿司 十六
龍の子のうろこはチューリップがいいな
柿司 十六
ふっくりと御名を賛美すチューリップ
須月かほう
猫ぜんまいのびのびのびて春を待つ
須月かほう
ジェッディン・デデン往きてざわざわチューリップ
たきるか
抱っこ紐から顔出す子犬チューリップ
たきるか
チューリップ鼻梁の高き転校生
谷川ふみ
水車ゴトゴトふる里は花盛り
谷川ふみ
鬱金香海へ導く道標
高橋 誤字
花韮や匂いで開花知る朝
のりのりこ
球根を鉢に並べる文化の日
のりのりこ
チューリップ歩きながらの大欠伸
サリー
ホスピスの落成式や桃の花
咲山ちなつ
春風や土偶の逆三角の仮面
咲山ちなつ
春色の花壇マスゲームの歩調
天風さと
地球より「起立」の合図チューリップ
天風さと
くりかえし覚えた言葉チューリップ
恵翠
ウルトラマン降り立つ丘にチューリップ
よしろう
テレビ壊れたチューリップはゆらり
鱈 瑞々
一万歩ゴールは赤いチューリップ
鱈 瑞々
スタチューの睫毛に遊ぶ春の風
玄子
チューリップや「明日転校生が来ます」
たじまはる
黒板にほどける数字春の昼
たじまはる
トパーズのため息柚子ピール煮詰む
七森わらび
チューリップの鼓動パーランクー鳴らす
七森わらび
チューリップの迷路や老犬機嫌よく
せなきく
凄まじき生のありなむ蛇の皮
宙朔
秋蝶や遺影撮る日のダナタブー
宙朔
湿原の歩荷の靴跡春浅し
孤寂
転校す友に黄色のチューリップ
夏海 凛
チューリップ高く掲ぐる夫へ駆く
慈夢りん
花嫁のブーケ真白きチューリップ
深川文吉
新緑やライオン岩をつたふみづ
深川文吉
春風にカートの犬とおばあさん
花豆
先生がきらいですきでチューリップ
花豆
チューリップ星と地球の話しなど
創次朗
立ち消えの移転の話しチューリップ
創次朗
白杖にふれていますよチューリップ
月季 紫
テキストの並ぶ点字やチューリップ
月季 紫
透析の管はオレンジ鬱金香
うーみん
チューリップの容積子堕しの懺悔
うーみん
おべんとばこの歌高らかに野遊びへ
ユリノキ
ぷあぷあと脱力感やチューリップ
みえこ
起立礼赤一面のチューリップ
みえこ
菜の花や名前事典に吾の名がない
壱時
四画の漢字名付けて春一番
壱時
校長の小言の後ろチューリップ
朝ごはん
保育所の希望を書きぬチューリップ
はるいち
ネモフィラや海の碧さと空の青
秀翁
早春の香りほのかに高野山
秀翁
助手席の小さきまどろみ花なずな
霧賀内蔵
雛菊の丘にこの子は埋めませう
霧賀内蔵
科白なき春日遅々としてカット
看做しみず
右端に嘘の上手なチューリップ
看做しみず
振休のトースト甘しチューリップ
志きの香凛
オキーフか蕊も露わにチューリップ
雪花
旧姓に戻り母校のチューリップ
おおい芙南
A4の退職辞令青き踏む
おおい芙南
チューリップ泥水吸って赫く死す
水鏡新
チューリップ夜汽車も濡れてゐるやうな
水鏡新
大なゐや跡地に父のチューリップ
れお
腹の癌膨らむ恋猫は二匹
田に飛燕
水仙や寝返り出来ぬ麻痺の足
田に飛燕
チューリップ指おる僕らの十二音
どゞこ
野生のチューリップ探す風が痛い
水越千里
白一輪鬱金香の群紅し
日月見 大
泣くための場所へ青萱かき分ける
ひまわり
夕がすみ狼煙あげしといふ山に
朗子
見下ろせば巌流島の春の海
夢追い人
分数はチューリップ割る空の青
白庵
お下がりのブレザー吾子の肩に蝶
春瑛
落人の末裔ひそむ春の郷
三日月なな子
じゃんけんのチョキのできた日チューリップ
なみきたか
迷ひなき箸ペンの線春の風
青田道
チューリップ風車に暮らす人の居て
えりち
花びらの先くるるんと冴返る
清水縞午
薄氷や花は話してゐるらしく
清水縞午
青切符の理由ゆらゆらチューリップ
感受星 護
町騒は眼下にありて犬ふぐり
オスマンの髭は上向きチューリップ
閑陽
長長とホース紛れて春の園
ガリゾー
甘やかな無防備は武器チューリップ
月冴ゆる花時計へと歩む人
あきの風さん
鳥の目に映るパレット春の園
えりまる
日曜の夕べ俯くチューリップ
えりまる
絵筆措き紅茶ひと口風光る
長谷部憲二
飛んでいけ紙ひこうきに春の雲
老黒猫
屋上にはためく白衣花曇
ちよ坊
チューリッププリマは右から三番目
銀猫
冬空へ長針のない時計台
蓮天
補助輪の交互に浮きて春の風
ひいらぎ
チューリップ青空連れて千の色
一 富丸
要塞へかすかな汽笛彼岸潮
千寿 ココ
隙間なく合格の絵馬吊るされる
山尾幸正
チューリップ誤植異色の堅蕾
海里
受取印貰うてチューリップの話
勇緋ゆめゆめ
チューリップはたたきさうに日を浴びて
勇緋ゆめゆめ
凡庸でいるのはずるいチューリップ
天橋立右彩
いぬふぐり土手と私の公約数
ぎゅうたん
チューリップに入り深呼吸のポーズ
となりの天然石
ふがふがと踏むオルガンや桃の花
となりの天然水
徹夜明けの春光が散らかつてゐる
鳥乎
春惜しむこともない深呼吸やつと
鳥乎
春雨や海の近くの遊園地
海老名てんてん
雨粒をひとしく受くるチューリップ
はるを
ふくふくと光をふふむ春の土
夏村波瑠
どの畝も真白き根伸び春の水
夏村波瑠
明るさに倦む日もありてチューリップ
前田いろは
保健室登校雨のチューリップ
前田いろは
清濁を先づはチューリップへ注ぐ
三浦海栗
鬱金香戦ぐや雨後の壇ノ浦
三浦海栗
咲ききって雌蕊堂々チューリップ
まるるん
チューリップ実家解体するってよ
まるるん
廃校のほったらかしのチューリップ
わだつみ
テヘランの空春塵の救援機
美織
水栽培の髭根教室は春
苅桜守
チューリップ入荷知らせる通知音
夏蜜柑久楽
最下位は山羊座チューリップ買いに行く
雉虎緑目
チューリップ光は空へ返しましょ
江口朔太郎
祈りの手咲いた並んだチューリップ
大月ちとせ
高学年だけの分校鬱金香
大月ちとせ
焼きカレーの香冬夕焼けの門司港
天雅
チューリップのモスク金曜礼拝日
天雅
オーボエは微かチューリップの先に
藤央
立ち漕ぎのかごにチューリップと証書
藤央
チューリップ満開おひとりさまツアー
さく砂月
孤独とふ不可算名詞チューリップ
さく砂月
床に伏す父の横顔春障子
新米にぎりめし
たて笛のソ・ミ・レ・ド・レ・ミ・レ鳥帰る
翡翠工房
鳳凰の彫り目綻ぶ春の塵
翡翠工房
ハシビロコウのオブジェひとつや薔薇の園
渡海灯子
防潮堤越え来る風やチューリップ
渡海灯子
火の山を越えて伊予灘春一番
小田毬藻
いにしえの狼煙京へと鳥渡る
小田毬藻
三月のカフェオレがとても苦い
のんきち
チューリップ盲導犬の通る道
のんきち
門司港の青き跳ね橋春の月
田原うた
春ショール平家のねむる海近く
田原うた
首すぢはやさし花瓶のチューリップ
猫ずきん
砲台跡に溜まる落葉の茶の淡き
ぜのふるうと
携帯に吾子の春めく指紋かな
ぜのふるうと
語呂のわるい垂れ幕を背に卒業す
丸井たまこ
買いたてのピストンオイル春日和
丸井たまこ
海峡の小さき風やチューリップ
ちょうさん
独り占めの朝の公園春愁ひ
ちょうさん
人生の少閑かしらチューリップ
冬野とも
春近しともに見上ぐるひとつ星
冬野とも
母との縁切つて花追風の独居
伊藤映雪
カステラに地層三月十一日
伊藤映雪
先帝祭禰宜の娘の手水受く
うめやえのきだけ
チューリップ風車の羽根は無音なる
草夕感じ
石垣の暗き隙間に菫かな
草夕感じ
麗らかに開く花弁を覗く子ら
いわさき
空蒼し百万頭の蝶抱いて
百瀬一兎
きなこ棒はずれて野遊にもどる
百瀬一兎
失職す庭のチューリップへおはよう
ふく
嘘を吐くAIの声チューリップ
句々奈
過呼吸のトリガーチューリップ綺麗
句々奈
チューリップ咲く今週は家に帰ろう
和はん
鍵盤に探す椿の落つる音
ときちゃん
並んだりしない路肩の冬菫
佐藤ゆま
たましひのふふはりはなれゆくうらら
佐藤ゆま
校庭の花壇のランチ春休み
茂木 りん
水光に関門の橋春の風
肴 枝豆
決行ののろし段雷運動会
いしとせつこ
海峡の汽笛誘ふや花吹雪
いしとせつこ
アコーディオンの奏でるワルツ鬱金香
梅田三五
チューリップ痛める膝の高さまで
加里かり子
チューリップ五十二年のおままごと
加里かり子
縁側の訪問看護チューリップ
すがのあき
朝一の仮設のとなりチューリップ
すがのあき
保留音長くて夜のチューリップ
奈良井
誘拐の記事で包んだチューリップ
奈良井
星冴えて嫌気を生くる酵母かな
海色のの
パレットへ絵の具たっぷり春の浜
星鴉乃雪
チューリップは泣かないチューリップだから
氷雪
チューリップ横目に向かう開幕戦
麦のサワコ
啓蟄の残業眼球に睫毛
亀野コーラ
働きなさい上向きなさいチューリップ
馬場めばる
快晴は退屈であるチューリップ
馬場めばる
チューリップ誰にも頼らない弱さ
真夏の雪だるま
五万株の幸福めいたチューリップ
真夏の雪だるま
源平の哀しき海の余寒かな
卯之町空
ハモニカの風はご機嫌チューリップ
卯之町空
朝ドラは終わり菫の通勤路
片山千恵子
関門海峡船より山桜
佐藤志祐
国語より算数が好きチューリップ
佐藤志祐
ロープウェイ廃止見納めチューリップ
窓 美月
骨伝導イヤホン越しの初雲雀
三毛猫モカ
木漏れ陽の空気の浮力チューリップ
三毛猫モカ
春の園細き絵筆に風渡る
草深みずほ
チューリップ三時限目の大あくび
草深みずほ
チューリップ子役やめたいママが怖い
岡根喬平