第55回「食卓に花瓶」《並》⑥

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第55回 写真de俳句】《並⑥》
-
薄明かりまといて香る白椿ラクダーマン
-
藤浪や着物きこなす母は古希妙啓
-
朝の膳花瓶の縁の花便り芳山
-
白い花瓶クロスに映える花杏芳山
-
保存した写真を消去夏浅し塞翁が馬
-
春の朝目覚めて君の名をそっと八重山吹
-
夢で会う君とコーヒー春霞八重山吹
-
衣更えテーブルクロス変えてみた華婦香 (カフカ)
-
ガーベラをケーキの脇に画角よし雄蹴
-
風光るぐつぐつジュワー待つランチ山尾幸正
-
母は喜寿イチゴトルテと一輪花水色ぺんぎん
-
初出社家族揃って朝食す素牛
-
友の忌よあの日を語らう河豚の鍋素牛
-
アネモネの一面のみを見れる瓶となりの天然石
-
言葉などなくても共に居れば春砂糖香
-
祝福の名もなきレシピ鈴蘭と風花舞
-
記念日に梔子の花懐かしむ風花舞
-
一輪の水仙鯉水面を揺らす山崎三才
-
背戸(せど)からの風シャララン鯛釣草(たいつりそう)バイカウツギ
-
指紋採る役の通知や雪間草ならば粒あん
-
初桜寄り道御免予約席すうばあば
-
鶯や声に誘はれテラス席すうばあば
-
春障子子の荷見送りティータイム岳陽
-
寒晴の発車エンジン恩師逝く美織
-
陰膳に桜や母のダマカレー苅桜守
-
シンクに洗面器浸かりし蒲公英欣喜雀躍
-
三月二日教室の花籠や夏蜜柑久楽
-
花筵孤食メニューはカレーなりめたぽ
-
吾子行きて一人の住まい卯浪たつ大月ちとせ
-
冴え返る厨並ばぬカトラリー大月ちとせ
-
草芳し順番待って庭飾る華柊
-
初デートちょっと背伸びの皿に春蛇の抜け殻
-
食卓の挿花はフェイク桜桃忌さく砂月
-
誰がためにランチョンマットは春愁新米にぎりめし
-
花守となりて食卓一人かな新米にぎりめし
-
娘よりお花届きて春の卓のの夏
-
伐採免れ電飾樹となれり秋月あさひ
-
レストラン借り切りマナー講習卒業子秋月あさひ
-
波立ちて蛙合戦雌数えロージー
-
華道家の母の花展に桃の花小田毬藻
-
指先へ伝はる微動春の雷田原うた
-
山盛りの唐揚げの宴卒寮する猫ずきん
-
若水を食卓の花にもあげし犬山侘助
-
冬夜なり定年に花束食卓へ犬山侘助
-
亡き祖母の白寿祝ふや白き薔薇ちょうさん
-
片言が義父に届いて泥鰌鍋山本美奈友
-
ママ友の持ち寄る愚痴と山葵漬神無月みと
-
食卓の皿溢れさす入学児神無月みと
-
一反の庭我が物顔に諸葛菜松芯
-
巣立ち鳥夕餉の卓は大きくてひろこ
-
春野点師の企てる見合いをすひろこ
-
蒲公英を共に集めし友嫁ぐいわさき
-
新婦から桜のブーケ手渡されいわさき
-
お彼岸の瓶花直立小原流梨惠
-
桜花生け花帰りのアニエス・ベー梨惠
-
無造作に夏草活けて夫料るあが野みなも
-
食卓のさくら初七日の陰膳句々奈
-
春雷や皿割る母の手に震えときちゃん
-
ばら五本はす向かいなる箸二膳由樺楽
-
売家となりて紫陽花青々と小月
-
おそ春の朝にカラーは包まって小月
-
朝食はパンとコーヒー百合萎れ奥井宣風
-
テーブルの桜一枝浪漫かなゴルパパ
-
うららかや野辺に見つけし華一輪ゴルパパ
-
開栓のコンロ着ぶくれすする蕎麦すがのあき
-
デニム地の虫をはらってしゃぼん玉奈良井
-
食卓に薔薇向かひに子の彼氏一石 劣
-
ぎこちなきトリル何度も青葡萄星鴉乃雪
-
カーテンの揺らぐ白さと桃一枝幽香
-
食卓の薔薇一輪の支配かな幽香
-
食卓にぬしなき庭の沙羅の花氷雪
-
春光の部屋ととのへて友を待つ氷雪
-
飛魚の閃に嘔気の霧散せり四季奈津子
-
友の訃報花瓶いっぱいの百合を挿す春駒
-
大花瓶脇役となる春爛漫春駒
-
活けかへた杏の花と朝餉かなあねもねワンヲ
-
妻作のいびつな花瓶かすみ草Steve
-
春うれひ写真の妻と二人酒Steve
-
黎明に真白き百合の香気立つ竪山 ヒスイ
-
主なき花瓶とうたたね春近し竪山 ヒスイ
-
送り出しレトルトパックの小豆粥佳辰
-
春蘭の揺れる茶啜りしたり顔佳辰
-
籐椅子や祖父プレステに明け暮れて真夏の雪だるま
-
花飾りご飯とパンと迷う春西山
-
春寒し退職の日の祝鍋卯之町空
-
初夏や花嫁ブーケ私へと卯之町空
-
空き瓶に投げ入れてありカーネーションこりゆばんばん
-
春の日や二重窓して猫ねむるこりゆばんばん
-
食卓の「おかえり」メモと桜餅美んと
-
見切りのばらを待つ食卓のかびんいちの
-
姉ちゃんのおべべ豹柄春休片山千恵子
-
下を向く花瓶のひまわり昨日の吾窓 美月
-
薔薇の棘に小さき命よ刺さらぬか窓 美月
-
都忘れ咲く術後のがん封じ凛絆
-
対角線引かずひとくち菱餅は岡根喬平
-
新茶汲む今日も良いことありそうな千霞
-
赤白のガーベラ亡父のバカラになんくる
-
妻を待つ向かいの椅子と実万両南の爺さま
-
花瓶除けオムレツの旗天高し空素(カラス)
-
小正月剣山残る部屋の隅京都さくら
-
瓶挿の薔薇の気泡やふわりポン京都さくら
-
冥き道迷わぬように白椿遊川百日紅
-
華展終え素顔にもどる白椿遊川百日紅
-
古希へ連れ錆し心の沙羅柔げ山田季聴
-
沙羅添ひて子離れ遅遅と夫婦膳山田季聴
-
春宵の海辺を見せる食堂車青猫
-
桜時新郎拍手す妻の歌青猫
-
春キャベツ買ってきてねとハートLINE崇元
-
筍てふ一皿にあり巴里の夜崇元
-
失職の妹に入るる茶ライラック源早苗
-
木像との出逢ひ曾祖父龍天に落花生の花
-
十五分も遅刻の大汗初デート落花生の花
-
茎まるめ寄りかかりおりチューリップそれから
-
ヘルパーの手折りの花よ前机まちばり
-
逆さまのケチャップ横に春キャベツ軽時計
-
居間で寝る下戸が抱えし花に春軽時計
-
母の日の卓に父子作甘カレークスノさとみ
-
一人ずつ巣立ち二人の春の卓クスノさとみ
-
ゆり五本と花瓶どっしり黄金比敏庵
-
コロナ見舞ひドアの取っ手のチューリップ雀子
-
愛の日に花束「ケーキがよかったのに」とハグ吉森田 比叡得
-
花山葵手水盥に浮かべおりすみだ川歩
-
難解の算数解く子薔薇芽立つ津木 百合
-
別れ往く白きうなじやカモミール魔理野
-
卓袱台に徳利転げて桜かな与次郎
-
退職の最後の晩餐万愚節与次郎
-
白薔薇のはらはらはらと散るを待つ希凛咲女
-
麦秋や安堵の混じる通夜となり山田祥風
-
ひさかたの光に眩む春蜥蜴野イチゴ
-
今朝の秋夫婦湯呑の眩しくてオカメのキイ
-
新春の十八番Mr.かくし芸オカメのキイ
-
食卓の花瓶に金魚泳ぎをり春木
-
食卓に木蓮飾り新家族春木
-
カーテンに鼻水吾子の背を証明勝亦朝
-
一輪の白薔薇ささげ経唱ふ佐藤恒治
-
旅帰り頭を垂れるシクラメンたけ
-
菜の花や白に黄色に散歩道たけ
-
昨晩の薔薇を飾りし妻の笑み野山めぐ
-
剪定の小枝にひらく梅の席茅々
-
香ほのかやケーキに添えてフリージア遥琉
-
春めくや戸塚刺しゅうのティコーゼ陽だまり
-
下向いてクロスのレース見つめおりなつのおわり
-
夏近しランチョンマット敷く昼やなつのおわり
-
一面のスズランの宿井戸の水あんこ
-
持ち帰りの供花の調ふ露台にてオアズマン
-
青簾少しおこげのハムエッグ向日葵姐
-
フリージア薫り漂う今朝の卓ぽち
-
リビングに初めて香る沈丁花ぽんころん
-
一輪の春薔薇紅し還暦に深草くう
-
おちこちの桜の話題夕餉かな夏の町子
-
嫁と吾と並んでお酒春の宵りっこう
-
食卓の主なき椅子秋の暮りっこう
-
新入生学食端のひとり飯天上たこ
-
春光や乱反射する空花瓶天上たこ
-
寒明けの病室赤き花びら散りちえ湖
-
蛍烏賊切子のグラスかざし見て花ばば
-
学校のチューリップ挿す而今かな福間薄緑
-
水盤やお名前の字は凛か倫大家港一
-
薔薇飾る挙式終えた朝茶漬け大家港一
-
たんぽぽを好みし息子巣立ちけりあおい
-
寒戻り青い花瓶に垂るる音星の砂
-
一輪挿しのラナンキュラスや春おほほあま門
-
ただいまとテーブルの百合新居にて髙田 純佳
-
卓上に春告げる一輪の花律
-
雪隠や一輪挿しに黄水仙碁練者(ごれんじゃー)
-
筍の刺身つまむや吟醸酒碁練者(ごれんじゃー)
-
決意新た一輪挿しに飛燕草琥幹
-
テラス席生けた花瓶に蝶止まりみほ
-
テーブルに春の花々おもてなしみほ
-
母偲ぶカサブランカの茎立てり木漏
-
モネ展の人混みを避け静物画木漏
-
復讐の銃声二発春の昼よはく
-
春めくや動き出す女子会LINE若林くくな
-
初場所やテレビの前で野菜切る安久愛 海
-
食卓に帰省待ちゐる花瓶かな黒田栗まんじゅう
-
箸二膳だけの食卓スイートピー黒田栗まんじゅう
-
弁当の残りをつまむ春の朝わぎゃん
-
花瓶から雫ひとつぶ夏近し或曲
-
試合負け無言の帰宅春の雨ねこぱんだ
-
苦しみはデフォルト仕様や花御堂朝宮馨
-
花言葉みな『純粋』か梅雨に入るレオノーレ・オオヤブ
-
カーテンを閉める間際の朧月白スニ
-
西日入り花瓶を抜けて広ごりぬ甲斐杓子
-
テーブルの梅の飄零コーヒー来甲斐杓子
-
夫の席山辛夷生け昼餉かなさよ彦
-
前菜に千代女の一句春の昼青村秋入
-
実家より米と手紙とれんげ草ボイス&フィンガー
-
春愁やランチョンマットの落ちぬ染み田中 百子
-
さえずりや誰いぬ部屋にあふれたる鶴喰 照
-
夕食の箸を止めたる雪解川紫木蓮
-
フレイルにステーキとワイン梅雨晴間金魚
-
苺ジャム食卓の端にスマホかな道草散歩
-
大輪のしゃくやく花器を選びおり道草散歩
-
蓮の葉やシャーレに一葉探し本田一番星
-
花ミモザカウンセラーの「うん」と言ふ大地緑
-
食卓に一脚増やそう春隣り悠美子
-
カーテンの裾上げ手を貸す花菜風悠美子
-
ひとり飯春のいぶきに包まるる芝香
-
鈴蘭の呼び鈴幽か朝の膳清水ぽっぽ
-
ひとひらの色白き朝春愁う清水ぽっぽ
-
食卓の茴香の花よく香るみさ
-
利き腕と利き目は同じ夏暖簾野野あのん
-
父他人母との料理西日さすあるがままん
-
紫陽花の重みたずさえ花瓶選るさくさく菫
-
色褪せの卓布眺めし秋の暮直感勝負
-
誇らしげ花瓶に生けたり蓮華草喜悦
-
二人分をランチョンマットにのせて春喜悦
-
愛しきは小さき手に咲くカーネーションミワコ
-
露草の花器にそぐわぬつましさよ帷子川ソラ
-
墓参けふスーパーに有りし菓子那烏夜雲
-
花粉症食卓の花瓶は造花有川句楽
-
春昼や愛猫眺める卓の花有川句楽
-
目に障る夫がくれたヒヤシンス泉幸
-
春炬燵がらりと空いた二人分泉幸
-
モチーフのつなぐ目かすむ日永かな岡 ミミズク
-
春暁やお宮参りの友の微笑(えみ)岡 ミミズク
-
荷解きて二人で頬張る桜餅向日葵
-
ショパン聴く吾と食パンと野路菫奥ノ碧心
-
ヘレンケラー朝読みたび風光るズッキーニン
-
初訪問嫁の飾りしフリージアゆいか
-
庭に梅されど部屋には空花瓶ゆいか
-
アニサキスライトを握り去年今年うただねこ
-
かけ慣れぬ眼鏡に花や雨三粒うただねこ
-
菜の花や一輪挿しと味噌汁とみーあ
-
突然の花キューピット春炬燵みーあ
-
甘口のカレーよそいし春真昼かみん
-
三月十一日レトルト食す八一九
-
花柄の蝿除あけて一人酒八一九
-
春炬燵うたた寝覚ますバニラ味花乃香
-
尺蠖の宙へ伸びする卓の縁生石子
-
樹皮色の蝉しき鳴くや床柱生石子
-
二年ぶり苔玉に咲くシクラメンつーじい
-
職終えて北窓開き水入らず小澤翔明
-
新たな昼花飾りたる水温む小澤翔明
-
花いばら棘いっぱいの真っすぐさコミマル
-
夏近し食卓はまだ冷えてをり慈庵風
-
永き日の席またふたつ幾年か静岩
-
水やりの屈折光や春あした桃圓
-
子等巣立ちカーテン揺らす緑風大久保一水
-
春の風乗せて届けよ待つ思い涼和人
-
来る人の想いの影は春の使者涼和人
-
夏日和おにぎり頬張るハムスター藤華靖麿
-
雛の間や宮のこそこそしのび声今 結月
-
箸二膳すみれ一輪ある朝餉つのりゅう
-
風光る食卓飾る花瓶かな石津 さくら
-
食卓へ切るか切らぬか黄水仙桃華
-
食卓の亡父の湯呑に沈丁花桃華
-
椅子減りしリビング囲む春の宵すみちゃん
-
春光や食卓の椅子キズ深しすみちゃん
-
梅雨晴や白いランチョンマットに染み紀子
-
筍や汚れた軍手卓の上奥山水珠
-
春めくやケの日に食べる新野菜奥山水珠
-
瑠璃瓶の母の手あかや桜散る三日余子
-
水温みほこりはらいて一休み蛙手
-
落ちし花を愛する車椅子の人キッチンハイカー
-
北窓を開き仰ぐや孫手術小泉れもん
-
差し向かいいつもの笑顔姥桜永順
-
年移る五人掛けにぽつねんと柳翠
-
三しゃいと出す指二歳若楓田上南郷
-
ひび割れの消えし踵や走り梅雨織乃
-
薄雲のまばゆし春日歩の緩む織乃
-
花を活けひとりを癒す啄木忌パキラ