写真de俳句の結果発表

第55回「食卓に花瓶」《人》④

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第55回「食卓に花瓶」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

 

※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。

【第55回 写真de俳句】《人④》

桃の花生けつつ今日はロゼ気分
志無尽おたか
韮の香のあふるる厨餃子の日
志無尽おたか
春の雨やたら細かい家事分担
水豚庵
みづいろのカーテン涼しまた独り
水豚庵
美術部の備品の花瓶春の風
横山雑煮
水切りのくすぐつたきやフリージア
横山雑煮
花挿してうつとり濁るみづ五月
津々うらら
青空を詰めてすずらん懲らしめる
津々うらら
たんぽぽや「どこでもドア」の欲しくなる
庭野利休梅
春の霙と点滴を見上げてる
朝野あん
食卓にすみれの小瓶置いてみて
茶雨
新しいテーブルクロスミモザの香
茶雨
残された百合とあなたの不在かな
雨野雀雨
喪失のしづかに座り百合の花
雨野雀雨
古希二人一汁一菜梅一枝
がらぱごす
顔合はせ終へてゆるりと汲む新茶
白秋千
野の花とさし向かふ酒西行忌
かなかな
スイトピー買ひて独りの定年日
かなかな
薔薇食うてもつと綺麗になつてやる
赤坂みずか
退職の花束重くてビール苦くて
赤坂みずか
朧夜や窓の向かうを影走る
平岡梅
子の部屋の荷はまだ残り春の雨
文月蘭子
食卓しづかジャム瓶のげんげだけ
文月蘭子
たんぽぽ飾るおわかれ給食の朝
窪田ゆふ
「今朝ゴメン」メモに重石の夏みかん
木香
地魚を捌く左遷の一人鍋
踏轍
タケノコの砲弾を抱き馳せ参ず
踏轍
誅伐の雨か骸の天蛾よ
俊恵ほぼ爺
立子忌の珈琲はまだ来ないのか
充子
白薔薇や虐めのことは言へぬ儘
充子
卓袱台の漢字ドリルや夏近し
トヨとミケ
春灯を絞れば声の一間なる
亘航希
五件目の春の夕焼に判を押す
亘航希
ソーダ水弾ける歌声喫茶かな
まさし
一曲の後に一気のソーダ水
まさし
歳時記の付箋華やか春の月
ゆみさく
豆苗の伸びたる先に春の星
ゆみさく
クリスマステレビの中の子と銃と
葉月庵郁斗
リビングの椅子三脚や春の塵
葉月庵郁斗
あとはただ人待つばかり夏の夕
向日葵子
初釜の古萩の碗やたなごころ
しげ尾
春惜しむ椅子に残れる母の影
コリちゃん
鈴蘭のブーケ嘱託最初の日
うしがえる
食卓にリラ窓の外に爆撃
うしがえる
奉納の麻織る音や風薫る
錆鉄こじゃみ
天国の家の見取り図夏の雲
田野こみち
金継ぎの湯呑み大小のどかなり
稽古
白椿両手を天へ伸ばす朝
田近詩泉
春の夕心をひきちぎるギター
田近詩泉
食卓で握るえんぴつ一年生
飯沼深生
春暁や求婚のケーキ焼く窯
神谷元紀
のどかさや父が焦がしたハンバーグ
神谷元紀
藤色の棺に白菊が似合う
道見りつこ
背もたれへエプロンだらり火恋し
常磐はぜ
一行の置き手紙一脚へ冬日
常磐はぜ
喪明けの卓箸一膳と薔薇一輪
山浦けい子
紙雛や食事介助は課外授業
山浦けい子
三月の白髪を容赦なく染める
七味
花疲れまだ正装の硬き首
七味
沈黙をふたりで逸らすチュウリップ
末居志風人(すえいしかぜひと)
退職の花束とゐる春の宵
木乃芽依
春ともしガーベラの浮くグラスかな
木乃芽依
ピアフのビブラート頬杖の薄暑
とひの花穂
尖った寡黙惜春の転校生
とひの花穂
洗いたての食卓クロス鵙日和
茶茶の嬉嬉
定年を迎へし朝や鐘涼し
茶茶の嬉嬉
退職の翌朝はちみつとのばら
戸村友美
のばらのばらハブられたのはだあれ
戸村友美
騒ぐ竹伐って光の行き渡る
道工和
春暁や起きぬ父への置き手紙
沢山葵
くらいくらい紫陽花くらい青備前
おりざ
カトラリーずらり花瓶にリラの花
白猫のあくび
卵かけご飯ほのかな沈丁花
久蔵久蔵
晶子忌や乳房は母になりたがる
島田雪灯
ミモザ活け遅めの朝のオムレツを
池田義昭
春宵や金の猫缶銀の皿
池田義昭
沈黙の見合ひアネモネ知らん顔
水須ぽっぽ
アネモネの食卓がん治療中止
水須ぽっぽ
靴箱の棺に白詰草を詰め
紅玉
リモート会議イヤホン絡まり合ふ日永
たけろー
アネモネや君のこゑだけ遠くあり
岸野ゆり
夜濯や萎びた仏花の名は問わぬ
モト翠子
サンリッチオレンジや大人食堂
モト翠子
惜春やプレオープンの朝の卓
渥美 謝蕗牛
春休みランチョンマット出す係り
ふぃーかふぃか
わが庵は食卓の隅芭蕉の忌
わおち
菜の花のペペロンチーノ風滑る
りぷさりす園芸店
春驟雨何喰うてるや赴任先
阿呆鳥
朝食はタマゴサンドとスイートピー
くさもち
帰り待つ夜のふけゆくフリージア
くさもち
花冷のモデルルームに皿がない
葉村直
永き日や母の走り書きに句点
葉村直
二万回飯食うて子の卒業す
水きんくⅡ
惜春や師を見つけたる「死亡欄」
桐山はなもも
テレビではサスペンス春愁の椅子
桐山はなもも
アネモネや悪魔の溜息に揺れて
佐藤レアレア
太陽のにほひ四月の素焼鉢
佐藤レアレア
夫から奪ふ春夜の豆乳パン
浅田香歌
口広き花瓶洗ひて桜まじ
ふじっこ
空席の尖るナプキン山笑う
独楽(こま爺)
げんげ摘み父にもらったピー缶へ
にゃんちゅう
花冷や妻の小言のリフレイン
みなごん
幻痛の祖母の脚菊水切りす
立石神流
花はいらん送金せよと入学子
高田ちぐさ
きのふまでかぞくだつたの薔薇白し
高田ちぐさ
伏せて待つ供血犬や春浅し
キャロット えり
啓蟄やポンと飛び出すトーストパン
兎波
摘み上ぐる昆虫針やソーダ水
てんむす
真白なる柩の底に暮の春
てんむす
卒業やランチマットの端の浮き
コンフィ
悲しみはコップの百合の枯るるまで
青井季節
筒姫の涙か金平糖ころん
立川猫丸
ペチュニアや異父兄弟の通訳す
たーとるQ
走り梅雨今朝もフルーツグラノーラ
たーとるQ
練切の包紙解き春の風
うくちゃんま
登校の子らの手に手の黄水仙
パト子
春宵や切れてジルバに散る真珠
紫すみれ
文箱には優しき君の満ちて春
秋野しら露
おでん食ふこれから顧問来るってよ
深町宏
軋む窓開け春風の部屋となる
麦野 光
「おかえり」と鈴蘭の香の待つ新居
麦野 光
ドタキャンの薄いカルピス半夏生
はまちこ
モネの絵とタルトタタンとアイスティー
はまちこ
村人Bの必要性を説いて春
広島じょーかーず
重ね着を脱いでココアと恋へ湯気
広島じょーかーず
春龍の息吹の如く蕗を食ふ
柿司 十六
子が先に逝くと聞きけり蜆汁
柿司 十六
スライムを作る夏休みの厨
咲野たまふく
アザレアや楽譜に猫を描く生徒
咲野たまふく
北窓開けるクロスは南仏柄
須月かほう
悪霊はシャワーで落とせ朝の歌
たきるか
食卓の鈴蘭うそついたのは誰
たきるか
額縁の謎の貴婦人アイスティ
谷川ふみ
さくらんぼ隠しきれない対抗心
谷川ふみ
向日葵やテーブルに数学雑誌
美織
ノート越し光の約数なる虹を
美織
花大根コップに挿して夕支度
せんかう
IHヒーターの焦げ晶子の忌
咲山ちなつ
缶ビール胸ポケットの頭痛薬
咲山ちなつ
入れ換える花瓶の水の余寒かな
天風さと
春愁を一輪挿しに生けて嗅ぐ
天風さと
テーブルに答案用紙西日指す
恵翠
食卓のラ・パリジェンヌ降誕祭
よしろう
口笛に揺れる造花や春浅し
鱈 瑞々
雑煮煮るひとりになるを恐れつつ
峠の泉
菜の花や半分食べて飾りましょ
峠の泉
まどろみのタイムワープや春の椅子
玄子
卒婚の六畳一間カーネーション
玄子
高飛車に黒電話白百合の黙
舞矢愛
そう告げて席立つ人の春ショール
たじまはる
初虹や要らなくなった君の匙
伽葉子
こぬか雨味噌搗く人に薪の香
七森わらび
花の風盲ひし人の歯の皓き
宙朔
旅の宿壺をこぼるる山桜
孤寂
居らぬ子の窓の氷柱の又伸びて
浜千鳥
新緑の窓やマスカラ重さうな
慈夢りん
木の椅子を三つ並べて午睡せり
慈夢りん
たんぽぽ摘んだよ食パンの耳買ってきたよ
深川文吉
丁寧な暮らししてます花筏
深川文吉
唐揚げてんこ盛りおとんの愛の日
花豆
空っぽの部屋に「ただいま」ヒヤシンス
花豆
戻り梅雨昨日の酒が残る朝
創次朗
菜の花や娘の彼氏あいさつに
鋼岳
花冷えやすりきり一合はかる米
ユリノキ
下ろし立てのふきん春光吸ふやうに
ユリノキ
弟はお留守番クレープと春と
壱時
げたばこの「ば」の字が薄い入学式
壱時
春休み箒の先の花占い
朝ごはん
筍の和毛(にこげ)剥くほどやはらかき
久木しん子
花冷えや宿坊膳の般若湯
久木しん子
目玉焼き君はしようゆをかける春
山口さと子
浅き春一人の卓の白い花
香代
天目碗広き銀河の蒼深し
秀翁
模様替へ済みたる卓に春の蝿
霧賀内蔵
ひなげしやファンタの壜に日の名残
霧賀内蔵
四月来る配膳ロボットに名札
看做しみず
今何時ふたり暮らしの春の風邪
看做しみず
耐震の工事の日取り冷奴
志きの香凛
曲りたるアネモネの茎吾が心
雪花
カーテンを透けてせわしや朝の蝶
おおい芙南
風ひかる母の喉を三分粥
おおい芙南
檸檬噛み石の味する忌日かな
水鏡新
供述によれば左党や桜餅
水鏡新
テーブルに骨壺ひとつ菊一輪
智隆
テーブルに飲まれぬ薬枯れた百合
智隆
カトラリィひぃふぅみぃよ桜さく
どゞこ
手から手へ大皿はゆく夏近し
どゞこ
履歴書に職歴一つ白牡丹
菅原ちゑ
モールス信号のごとき針目よ初浴衣
菅原ちゑ
風光る黄身の崩れた目玉焼き
鈴木 リク
食卓の空席や一差しの梅
鈴木 リク
白いナプキンケチャップで汚す夏
森 健司
ティーカップ二客相席は侘助
ひーちゃんひーちゃん
みもざ活けシナモンティーの香る朝
ひーちゃんひーちゃん
空き瓶に薔薇四十五の単身赴任
みやもとや
卒業や机に彫りし相合い傘
水越千里
着ぶくれてきしめんすする2番ホーム
水越千里
職辞して帰る足元すみれ草
鈴木そら
空梅雨や食卓イスの軽きこと
南全星びぼ
「我が家」だった家春暖炉の煙
ひまわり