第56回「百日紅の名所」《ハシ坊と学ぼう!②》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
季重なり
日盛りの島に真白のブーゲンビリア
ゆきまま
夏井いつき先生より
「日盛り」と「ブーゲンビリア」、光景はよく分かりますが、この季重なりはやはり損です。「日盛り」がなくても、「ブーゲンビリア」という季語の力で、想像は十分できます。
「日盛り」と「ブーゲンビリア」、光景はよく分かりますが、この季重なりはやはり損です。「日盛り」がなくても、「ブーゲンビリア」という季語の力で、想像は十分できます。


季重なり
百日紅今年もきっと暑くなる
出羽泉まっくす
夏井いつき先生より
「百日紅は、その名の通り夏から秋にかけて100日近く長く咲き続けると知りました。百日紅が咲き続ける今年の夏も、去年同様、いえ、去年以上に暑くなるのかなあ……」と作者のコメント。
お気持ちは痛いほどよく分かります。が、中七下五のフレーズはあまりにもありがち……。そして、季重なり。
「百日紅は、その名の通り夏から秋にかけて100日近く長く咲き続けると知りました。百日紅が咲き続ける今年の夏も、去年同様、いえ、去年以上に暑くなるのかなあ……」と作者のコメント。
お気持ちは痛いほどよく分かります。が、中七下五のフレーズはあまりにもありがち……。そして、季重なり。


季重なり
朝焼けの色とおんなじ百日紅
桂月
夏井いつき先生より
「朝焼」も季語ではあります。


季重なり
五月晴れ花の息吹きと青緑
たらお051646497
夏井いつき先生より
俳句において、「花」は桜を意味する季語です。
俳句において、「花」は桜を意味する季語です。


季重なり
暑き日々供に越えるや百日紅
丘るみこ
夏井いつき先生より
まさに百日紅とは、そういう花ですね。ただ、「暑き」も季語ではあります。
まさに百日紅とは、そういう花ですね。ただ、「暑き」も季語ではあります。


季重なり
百日紅日焼け止め塗る白日夢
かたばみ
夏井いつき先生より
「日焼け」も季語ではありますが……。
「日焼け」も季語ではありますが……。


季重なり
夏旅のシーンの隅には百日紅
中島タカシ
夏井いつき先生より
「夏」と「百日紅」、季語が二つ入っています。
「夏」と「百日紅」、季語が二つ入っています。


季重なり
百日紅焼き鮎かおる祭りかな
一 富丸
夏井いつき先生より
「百日紅」「鮎」「祭」それぞれが季語です。まずは、いつの季節なのか、歳時記を引いて確認してみましょう。
「百日紅」「鮎」「祭」それぞれが季語です。まずは、いつの季節なのか、歳時記を引いて確認してみましょう。


季重なり
緑濃き疏水を千の百日紅
満生あをね
夏井いつき先生より
光景としてはとてもよく分かるのですが、「緑」も季語なので、上五が惜しいです。「疏水を千の百日紅」は描写できていますから、上五を再考してみましょう。「○○○○や」と切ることもできます。
光景としてはとてもよく分かるのですが、「緑」も季語なので、上五が惜しいです。「疏水を千の百日紅」は描写できていますから、上五を再考してみましょう。「○○○○や」と切ることもできます。


季重なり
青嵐揺れて魅せるは百日紅
八重山吹
夏井いつき先生より
「青嵐」も季語。お手元に一冊歳時記を置いてみましょう。まずは、歳時記と仲良くなるところから。
「青嵐」も季語。お手元に一冊歳時記を置いてみましょう。まずは、歳時記と仲良くなるところから。


季重なり
百日紅散るも艶やか晩夏かな
八重山吹
夏井いつき先生より
「百日紅」「晩夏」どちらも季語ですね。
「百日紅」「晩夏」どちらも季語ですね。


季重なり
百日紅甥は微熱で水着着る
梨惠
夏井いつき先生より
「水着」も季語ですね。中七下五のことを書きたいのであれば、「百日紅」を諦めるのも一手です。
「水着」も季語ですね。中七下五のことを書きたいのであれば、「百日紅」を諦めるのも一手です。


季重なり
百日紅暑さに負けぬ丹花なり
南の爺さま
夏井いつき先生より
中七「暑さに負けぬ」は説明の言葉です。季重なりでもあるが。
中七「暑さに負けぬ」は説明の言葉です。季重なりでもあるが。


季重なり
知恵比べの暑さ対策百日紅
希凛咲女
夏井いつき先生より
「人は少しでも暑さを凌ごうとあれこれ知恵を出し、百日紅の花はただじっと受け止めているだけか」と作者のコメント。
お気持ちは分かるのですが、やはり「暑さ」と「百日紅」が重なっているのは、気になります。
「人は少しでも暑さを凌ごうとあれこれ知恵を出し、百日紅の花はただじっと受け止めているだけか」と作者のコメント。
お気持ちは分かるのですが、やはり「暑さ」と「百日紅」が重なっているのは、気になります。

