第57回「沖縄県の郷土料理」《ハシ坊と学ぼう!⑪》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
外国語の朝礼練習初仕事
のんきち
夏井いつき先生より
「初仕事」は新年の季語になりますが……。
「初仕事」は新年の季語になりますが……。


沖縄へ行けず食べれず台風め
犬山侘助
夏井いつき先生より
お気持ちは分かります。が、上五中七を報告するのではなく、その「台風」を描写するのが、俳句です。
お気持ちは分かります。が、上五中七を報告するのではなく、その「台風」を描写するのが、俳句です。


色欲や夕かはほりの大き飛ぶ
伊藤映雪
夏井いつき先生より
「こんなんでいいのか分からないが、何も思いつかず……。沖縄のこうもりはデカイらしいです」と作者のコメント。
「大き」の部分、再考する手もありますが、むしろ「沖縄のこうもりはデカい」という部分を、中七下五で書けば、十分に成立します。
「こんなんでいいのか分からないが、何も思いつかず……。沖縄のこうもりはデカイらしいです」と作者のコメント。
「大き」の部分、再考する手もありますが、むしろ「沖縄のこうもりはデカい」という部分を、中七下五で書けば、十分に成立します。


旅人も古酒回して慰霊の日
神無月みと
夏井いつき先生より
「沖縄では古酒はクースと読みます。沖縄の居酒屋で、地元の方からご馳走になった『とっておき』の古酒は、美味しかったけどかなりきつかったです」と作者のコメント。
上五中七の「も」という助詞、「して」と下五に続けている点を再考しましょう。あっという間に、人選になります。
「沖縄では古酒はクースと読みます。沖縄の居酒屋で、地元の方からご馳走になった『とっておき』の古酒は、美味しかったけどかなりきつかったです」と作者のコメント。
上五中七の「も」という助詞、「して」と下五に続けている点を再考しましょう。あっという間に、人選になります。


デイゴ燃ゆ戦禍の果てやあかね雲
ひろこ
夏井いつき先生より
「燃ゆ」の終止形、「や」の切れ字、三段切れになっています。どこか1カ所を繋ぐか、語順を再考するか。
「燃ゆ」の終止形、「や」の切れ字、三段切れになっています。どこか1カ所を繋ぐか、語順を再考するか。


泡盛に委ね伸びやかなる三線
あが野みなも
夏井いつき先生より
「~に委ね」が説明の言葉。四音分の工夫を楽しんでみましょう。
「~に委ね」が説明の言葉。四音分の工夫を楽しんでみましょう。


炎帝へラフテーの脂溶けてゆく
一井かおり
夏井いつき先生より
「脂」は「あぶら」以外に、読み方がありますか? 中七は極力七音にするのが定石。語順を含めて一考してみましょう。
「脂」は「あぶら」以外に、読み方がありますか? 中七は極力七音にするのが定石。語順を含めて一考してみましょう。


夏ぐれや豚足炙る爺の無言
句々奈
夏井いつき先生より
「沖縄での初めてのラフテーは……想像以上に生々しく毛が生えていて、正直食欲が失せて困りました。豚の毛は調理前に火で炙って下処理するそうですが、それでも残ってしまうのでしょう。大らかで逞しい沖縄の風土を感じました」と作者のコメント。
下五を「爺の黙」とすれば、人選です。「黙」は、「もだ」と読みます。
「沖縄での初めてのラフテーは……想像以上に生々しく毛が生えていて、正直食欲が失せて困りました。豚の毛は調理前に火で炙って下処理するそうですが、それでも残ってしまうのでしょう。大らかで逞しい沖縄の風土を感じました」と作者のコメント。
下五を「爺の黙」とすれば、人選です。「黙」は、「もだ」と読みます。


夏の海ラフテーぷるり箸の先
在仏変人
夏井いつき先生より
季語は「夏の海」ですが、この句の場合は「ラフテー」のほうが主役になっていますね。
季語は「夏の海」ですが、この句の場合は「ラフテー」のほうが主役になっていますね。


雀群れ時季知らせるや麦の秋
ゴルパパ
夏井いつき先生より
中七「時季知らせるや」は説明の言葉。俳句は描写が基本です。


焼けた腕食らう煮豚の照りの濃き
海色のの
夏井いつき先生より
「『焼けた腕』では季語にならないでしょうか? 迷いましたが、季感はあると思うのでこれで投句してみます。以前、ハシ坊でアドバイスをいただいた下五の連体形にも挑戦してみました。 (以前いただいたアドバイス)『〈春の草崖ゆく細き脚の牛〉という句に対して、季語「春の草」を更に生かすとすれば、「崖行く牛の脚細き」とする一手もあります。下五が連体形の余韻を作っています』」と作者のコメント。
「灼く」は夏の季語。「焼けた腕」の後に「食らう」とくるので、いい具合に焼けた何かの腕を食らう? と、ちょっと吃驚しました。季語と語順、共に再考してみましょう。
「『焼けた腕』では季語にならないでしょうか? 迷いましたが、季感はあると思うのでこれで投句してみます。以前、ハシ坊でアドバイスをいただいた下五の連体形にも挑戦してみました。 (以前いただいたアドバイス)『〈春の草崖ゆく細き脚の牛〉という句に対して、季語「春の草」を更に生かすとすれば、「崖行く牛の脚細き」とする一手もあります。下五が連体形の余韻を作っています』」と作者のコメント。
「灼く」は夏の季語。「焼けた腕」の後に「食らう」とくるので、いい具合に焼けた何かの腕を食らう? と、ちょっと吃驚しました。季語と語順、共に再考してみましょう。


梯梧咲くおばあの作るソーキそば
卯之町空
夏井いつき先生より
句としては成立しているのですが、ありがちな内容になっています。ここからどうブラッシュアップしていくか。そこが勝負のしどころです。
句としては成立しているのですが、ありがちな内容になっています。ここからどうブラッシュアップしていくか。そこが勝負のしどころです。


玉手箱蔓茘枝のひげふちに見え
いちの
夏井いつき先生より
「玉手箱」という比喩は、少々ありがち。この言葉に甘えず、「蔓茘枝」を描写してみましょう。
「玉手箱」という比喩は、少々ありがち。この言葉に甘えず、「蔓茘枝」を描写してみましょう。

