第57回「沖縄県の郷土料理」《人》④

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第57回 写真de俳句】《人④》
焼き肉は中止入院日の暑し
小花風美子
蒸気噴く圧力鍋の盆支度
さち今宵
賄いに珍しき肉明易し
さち今宵
チラガーの市場二心の晩夏
葉乃帆
口癖はなんくるないさ夏の星
織部なつめ
泡盛や上着に隠す火傷跡
青屋黄緑
氷水基地反対のデモ帰り
青屋黄緑
花朧市ケ谷四ツ谷千駄ケ谷
迷照 りん句
菜箸禿びるSAの黄金週間
弥音
身受けは担任霜夜のチキンラーメン
弥音
一味は多めテビチしゃぶりつく真夏
芦幸
鱧の皮われに選択権はない
赤尾双葉
やむちんの角煮喰う香や麦嵐
旅女
折り鶴を梯梧の窓へまた一羽
麦のパパ
新妻のお喋りやまず冷し瓜
花和音
ラフテーのとろとろとよん秋渇き
入江みを
泡盛の冷たき濁り祝婚歌
入江みを
ラフテーの脂の層や暑気払い
湧翠
ラフテーの味は甘すぎ盆支度
紅三季
銃弾の音や苦瓜切つてゐる
伊沢華純
豚バラの脂身甘き古希の春
たかみたかみ
ラフテーの欠片羽蟻の沈みゆく
六月風マンダリン
青唐辛子理不尽と酒を干す
雨野理多
三線は蒼き海の音晩夏光
風の木原
カチャーシーの拳のゆらぎ風死せり
風の木原
屋台村のパクチーの香や夏の月
日々の茶めし
とろとろのラフテーきんきんのビール
日々の茶めし
泡盛たぷたぷ島砂糖煮て豚を煮る
舟端たま
「そーるどあうと」キッチンカーの日焼けの子
舟端たま
沖縄から受電熱帯夜の孤独
なおちゃん
また友を連れ来る友よ泡盛よ
くるぽー
いつまでも話したき夜を扇風機
だいやま
ラフテーのよく照るまでの缶ビール
だいやま
雲の峰チマグ喰ひたし退院日
ときちゅら
好物は遂にテビチとなり夏来
ときちゅら
シーサーの箸置きひとつ沖縄忌
おかだ卯月
海風の庭泡盛と三線と
おかだ卯月
保存用ラフテーを解く終戦日
紅紫あやめ
神のみづ汲む元旦や果ての島
はなぶさあきら
シクラメン夫と夕餉の卓広し
太之方もり子
泡盛を黙して喉へ沖縄忌
藤子
遠足やハブ生け捕れば五千円
殻ひな
雨夜の泡盛愛の歌は甘し
殻ひな
目舞ふほど旅の泡盛かうばしき
髙田祥聖
ラフテーや明日には梅雨の本州か
髙田祥聖
台風過グラスボートの海濁り
わかめ
目を剥きて屋根のシーサー炎天下
わかめ
カチャーシー祈るやうなり大夕焼け
千里
入梅や通夜の皿鉢の紅生姜
みーこ39
東坡煮の皿に雲あり八月来
阿部八富利
出刃で断つ厚きカツレツ夏始
阿部八富利
泡盛やホテルの朝の陽の光
志無尽おたか
ラフテーを噛めば秋夜の脳ゆるぶ
水豚庵
オスプレイに消されるチャイム仏桑花
横山雑煮
遅れ来てまず泡盛を頼みけり
横山雑煮
豚肉の甘くて晩夏しよつぱくて
津々うらら
ラフテーの融点カンナの発火点
津々うらら
島唄の流るる市場梅雨晴間
庭野利休梅
しりしりにカレー粉ひと振り夏に入る
庭野利休梅
断崖へ誘ふ梯梧の色褪せず
がらぱごす
取り分ける婆のラフテー終戦の日
白秋千
泡かろきオリオンビール空の果て
かなかな
泡盛やふたり沖縄県人会
赤坂みずか
苦瓜の底に真っ赤な口開いた
平岡梅
「鍋にある」ラフテ西日を吸うてみる
文月蘭子
さんぴん茶沁む夏暁のビーチヨガ
窪田ゆふ
ダンボールで十個夜なべのパーランク
窪田ゆふ
父の日の遺影に飴色の角煮
木香
アマリリス綺麗ぶる字でする清書
紫黄
炎天やラフテー浮かぶソーキそば
牛乳符鈴
ラフテーのつゆはひたひた迎馬
天宮ほたて
海にしかない音吸って蟹の泡
俊恵ほぼ爺
海といふ墓場をしづみゆく鯨
俊恵ほぼ爺
とりあえず開ける実家の冷蔵庫
春のぽち
熱戦のナイター味噌カツを食らふ
春のぽち
夕焼へと躓く鉄鎖鈍き音
仁
三線に小さき馬の立つ日長
小川野雪兎
カチャーシー加わる前に干すビール
小川野雪兎
緑陰の拝所ユタとあうグスク
島田あんず
若夏のしまんちゅ集う星あそび
島田あんず
佐保姫の吐息にゆるる観覧車
充子
酔客の皿の煙草や梅雨曇
充子
沖縄の気鬱やゴシゴシ髪洗ふ
トヨとミケ
朝焼の箱かと思ふ豚舎かな
亘航希
ラフテーの脂溶けゆく跣足かな
亘航希
泡盛は冷やで角煮はぶつ切りで
まさし
医務室のスパムおにぎり夏の旅
ゆみさく
読谷の窯元の嫁夏の空
しげ尾
海開き島はパインでおもてなし
コリちゃん
砂糖黍越し上陸の浜見ゆる
ふづきかみな
南宋の使者迎ふ夏豚を屠る
錆鉄こじゃみ
ラフテーの箸のとおりと泡盛と
藤田ほむこ
先譲り合ふ人の過ぎビール来る
田野こみち
冷し酒奥の座敷は団体さん
田野こみち
旅先の恋バナ尽きぬソーダ水
稽古
グルクンの黒き眼や梅雨に入る
松下眞す美
大皿を作りたがって手毬花
平手打チメガネ(志村肇)
純白の紫陽花殺人鬼は中三
田近詩泉
梅仕事教わらぬまま母逝きぬ
飯沼深生
ソーキそば啜るスコールは止まない
紫桜
野分くる棚の苦瓜揺れ始めむ
田中亀子
台風や公設市場の豚の顔
道見りつこ
結婚は異文化交流パパイア炒る
常磐はぜ
指笛のコツのひとつや泡盛乾す
常磐はぜ
でたらめな生い立ち麦酒泡ばかり
七味
かくしたる母の弁当沈丁花
末居志風人(すえいしかぜひと)
人参のしりしり甘し雲の峰
木乃芽依
夏近し新婚二日のソーキ蕎麦
木乃芽依
おばーのラフテー空元気の帰省
とひの花穂
整備終了夕虹のマウンドへ
とひの花穂
指笛や血の滾りたち青き踏む
おりざ
けふの釣果と十年ものの泡盛と
白猫のあくび
ラフテーの薫る隣家や鯉のぼり
朱葉
デパ地下の角煮汁だく梅雨の傘
朱葉
泡盛の空き瓶ならぶ沖縄忌
久蔵久蔵
若夏や黒糖つまみふくむ指
久蔵久蔵
夏ぐれのやまぬ店主の琉歌かな
島田雪灯
ラフテーの琥珀てらてら星涼し
島田雪灯
じっちゃんの泡盛ラフテーは濃いめ
水須ぽっぽ
新盆の祭壇に先づ泡盛を
水須ぽっぽ
あぐー泡盛ひとっ飛びの七月
こころ美人
甲子園は酷暑泡盛はロックで
三太郎
日焼けせし若き腕のうまさうな
美輝
手掴みで獣肉食らふ夏来る
美輝
麦茶濃しもうすぐ戦争起きそうだ
猪子石ニンニン
ラフテーの箸より落つる沖縄忌
岡崎ふたり
献杯の泡盛喉を下りけり
岡崎ふたり
黒南風の看板すすけソースかつ
あさり丸
海馬てふ箱にしまひし花とべら
岸野ゆり
さくらんぼ、スマホ、イヤホン、反抗期
ふみづきちゃこ
方言の強きラヂオや茄子に塩
ふみづきちゃこ
三線のウーシマヂルや沖縄忌
本間 ふみふみ
泡盛の強い方言角煮食む
渥美 謝蕗牛
千歳から那覇に降り立つ花梯梧
竹庵
やちむんの小さき獅子置く軒涼し
竹庵
夕日さす甘蔗畑に風の道
ふぃーかふぃか
海蛇を裂く島ちやびの医師の箸
葉村直
泡盛の壺と香炉の灰を継ぐ
葉村直
昼寝より目覚めおばあはユタと化す
水きんくⅡ
はふはふとラフテー夜学へ急ぎ足
理佳おさらぎ
夏ぐれや海はひと波ごと熟れる
桐山はなもも
酔客の長き戯れ言香灯篭
桐山はなもも
留守宅は静まりし午後茄子の花
ふじっこ
故郷の小川の匂ひ泥鰌鍋
独楽(こま爺)
豚足の並ぶ肉屋の扇風機
にゃんちゅう
てびち食う君に渡せぬ指輪かな
立石神流
白靴のかたぶいを行ったり来たり
立石神流
ペパロニピザ食わぬオリオンビール飲む
小鉢
履歴書買う蕺菜の八重咲なる香
小鉢
ざわざわと海神の声沖縄忌
凛ひとみ
ラフテーの肌艶トマトは完熟
oo3@呂
泡盛や麹の黒に泰の米
oo3@呂
ラフテーと生ビールあるよき日かな
高田ちぐさ
蛇皮線を復習ふ木陰や夏は来ぬ
キャロット えり
婆昼寝好物は豚の血のシチュー
兎波
お通しの海葡萄クーラー強し
兎波
卯の花腐し上腕に治験薬
てんむす
カロトあく低き読経と虫時雨
てんむす
チラガーの重き視線や沖縄忌
青井季節
月涼し抱瓶提げて漁師町
立川猫丸
チャンプルー辛し立夏の社食かな
立川猫丸
八月の納戸に眠る豆腐餻
たーとるQ
余所の雨匂ふ北窓青山椒
うくちゃんま
青葉木菟ゐて航空灯のうつつ
うくちゃんま
夏至南風やちむんの青は海の青
のりこ
豆腐ようちびちびと突く慰霊の日
のりこ
三線や月へ十の手ひるがへる
紫すみれ
さみどりを晒の絞る夏料理
紫すみれ
ほろほろの煮物噛み締む盆の月
秋野しら露
夏休み母の牛すじ煮の秘訣
秋野しら露
白南風や防空壕といふ地獄
深町宏
泡盛やZ世代はあんまさい
深町宏
六月の凪やちむんの登り窯
麦野 光
ゴーヤ取る今日は名前のある料理
松本厚史
煮凝りやふるる昨夜のわだかまり
はまちこ
白シャツのガイドは兼業占い師
はまちこ
残照をひとくち旅の豆腐よう
はま木蓮
卑猥なる色ほど甘しかき氷
広島じょーかーず
汗ぬぐふ豚足どこを齧らうか
広島じょーかーず
ラフテーの灰汁取りつつの缶ビール
糸桜
鳳凰を冠する棺沖縄忌
柿司 十六
食卓の五瓶の梅酒肩の凝り
惠桜改め さーやのママ
慰霊碑や摩文仁の丘に炎夏来る
かたばみ
独り呑む泡盛あまし夏の月
須月かほう
ラフテーはふるんと皿に夏の波
須月かほう
炎昼や豚バラ甘く煮崩れて
たきるか
紅型のシャツとサングラスの易者
たきるか
夏雲やグラスに影のなき真昼
谷川ふみ
抱かれてしまえカクテルにプルメリア
谷川ふみ
ヒヌカンの熱せし皿と泡盛と
美織
苦瓜を喰むちむぐくる捨てるまじ
美織
旅の居酒屋海雲酢はどんぶりで
のりのりこ
ぬめぬめの三枚肉や梅雨に入る
種月 いつか
祖母の通夜薬鑵で廻す球磨焼酎
種月 いつか
うちなーぐちも臍も丸出し生ビール
せんかう
島豆腐テレビの中の終戦日
サリー
苦瓜を包む新聞三日前
サリー
棟上げの指揮執る息子金木犀
咲山ちなつ
終戦日赤だけ書けぬボールペン
咲山ちなつ
やわとろのラフテーの照り薄暑光
天風さと