写真de俳句の結果発表

第58回「趣味は機織」《ハシ坊と学ぼう!⑪》

ハシ坊 NEW

第58回のお題「趣味は機織」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

藍染の浴衣の稚児や辿々し

せなきく

夏井いつき先生より
子供を表現する時、敢えて「稚児」と書く必要がある場合は、極めて少ないかと思います。「子」で十分ではないかと。音数も一音ですし。
“ポイント”

夏を往く白き機平和とふ不穏

宙朔

夏井いつき先生より
「夏の深い青空を、音もなく進む白い旅客機は、平和な世界の絵図だけれど、今や世界の空も地も、破壊と殺し合いの中にあるという現実。暗い不穏な低音が消えることはありません」と作者のコメント。

「機」は、飛行機なのですか。兼題写真を念頭に読んだものですから、「機(はた)」かと思ってしまいました。そのあたりも含めて、意図がまっすぐ伝わるように、再考してみましょう。
“ポイント”

病食にメロン一切れリハ長し

浜千鳥

夏井いつき先生より
上五中七は成立しているフレーズです。下五でいきなり「リハ」になっているので、病院にいるのではないの? と混乱してしまいました。
“参った”

見上げては再会願う七夕夜

のぐちゃん

夏井いつき先生より
「七夕夜」という季語の使い方が、ちょっと強引です。「七夕」とあれば、ほとんどの人が「夜」のイメージを持つのではないでしょうか。上五中七は、季語の説明にもなっています。俳句は説明ではなく、描写です。
“ポイント”

秋声や紡績跡にアピタ建つ

花豆

夏井いつき先生より
「子どもの頃、バスで20分ほど行くと町に出られました。その町に、昔母が働いていた大きな紡績工場がありました。いつのことかはっきり覚えていませんが、その工場が閉鎖になりました。跡地には変遷を経て、アピタが建ちました。その頃あたりから、町の風景がどんどん変わっていったように感じます。今は、アピタも別のスーパーに変わりました」と作者のコメント。

「秋声」と「紡績」工場の跡地という光景の取り合わせがよいです。「~にアピタ建つ」まで書かなくても、かつては紡績工場だったという事実を描くだけで、季語との取り合わせは成立しそうです。
“参った”

麦秋や心静まる機の音

香代

夏井いつき先生より
中七「心静まる」が感想になっています。俳句は、感想ではなく描写。「麦秋」という季語、あるいは「機の音」を描写してみましょう。
“参った”

七夕や願い届くは何時の日か

秀翁

夏井いつき先生より
「七夕や」という上五に対して、中七下五は季語に対する感想になっています。俳句は、感想や説明ではなく、描写なのです。
“ポイント”

駝鳥駆く背に唐草よ大暑の夢

雪割草

夏井いつき先生より
最後に「夢」とはありますが、その夢が分かるようで分かりにくい。刺青?
“ポイント”

あやとりの糸こぐらかり夕端居

霧賀内蔵

夏井いつき先生より
「こぐらい」のは、「あやとりの糸」の表情でしょうか? 「夕端居」でしょうか? 中七の表現の精度をあげたいところです。
“良き”

夏のほかワークショップの糸車

看做しみず

夏井いつき先生より
「夏のほか」は、「涼し」の傍題。一句が、涼やかな表情を描いている必要があります。「ワークショップの」と説明するのではなく、「糸車」の様子を涼しげに描写してみましょう。
“参った”

今日もまたケモの針刺す星祭り

志きの香凛

夏井いつき先生より
「『ケモ』とは、化学療法(主に抗がん剤治療)の英語名の略語です」と作者のコメント。

闘病生活もまた句材です。以下二点、工夫してみましょう。
①「今日もまた」は説明。なくても伝わります。
②むしろ、「抗がん剤」という情報を入れるべきではないでしょうか。
“難しい”

機織りの舟めく梭や虹の梁

水鏡新

夏井いつき先生より
「梭」を「舟」のようだという表現は、それなりにある比喩です。下五も含めて、ここの表現の精度に挑んでみましょう。
“ポイント”

振り袖やクッションになり半夏生

さち緖

夏井いつき先生より
「や」の切れ字、「なり」の終止形で、典型的な三段切れになります。
“参った”

西陣の機音を包み雪ぞ降る

智隆

夏井いつき先生より
「機音」は「はたおと」と読むのが妥当でしょうから、中七が中八になります。この内容でしたら、定型にきれいに入れたいですね。
“難しい”

七夕やチャレンジの孫機を織る

眼蔵

夏井いつき先生より
中七が、特に「チャレンジの」は、説明の言葉になっています。
“ポイント”

梔子や染めたる糸で粛々と

夢追い人

夏井いつき先生より
「~で粛々と」の部分が、説明になっています。俳句は描写ですよ。
“参った”

玉繭の命崇めて織る紬

和脩志

夏井いつき先生より
「牛首紬の白山工房に機織り体験に行きました。玉繭は2匹のお蚕さんが1つの繭をつくる繭玉です。従来は廃棄されてたものだそうです。牛首紬は玉繭の糸で織れてるそうです」と作者のコメント。

中七が説明の言葉になっています俳句は描写。「玉繭」を描写してみましょう。
“良き”

いつも来る先生きれい藍浴衣

高見 正太

夏井いつき先生より
中七下五は初々しくてよいです。「いつも来る」がどういうことなのか、ちょっと読みを迷いました。
“ポイント”

ほの暗き瑠璃いろの夏帯留めに

ラテ

夏井いつき先生より
「ほの暗き瑠璃いろの夏」を「帯留めに」した、という句意でよいのでしょうか。「夏帯留め」というモノなのでしょうか。そのあたりの読みに、少々迷いました。
“ポイント”