第58回「趣味は機織」《並》④

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第58回 写真de俳句】《並④》
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磯遊び久留米絣と海の藍ピンクアメジスト
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七夕や天地の乙女星を織るの菊
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戦後すぐ野良着織る音疎開の地の菊
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朝茶待つ静けき露地の衣擦れや周子(ちかこ)
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リリアンのネオンカラーや乞巧奠まるにの子
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織姫の待ち遠しさの時計り小花風美子
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機を織る背中まんまる萩の風さち今宵
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金襴裁つ母の手強し秋茜いたっくうらら
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畳紙に母の字紬雲の峰いたっくうらら
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梅干の種をしゃぶりて布織れり倫
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織り手いま一夜の逢瀬天の川楽奏
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ゆかたさへ派手を好まぬ長姉かな楽奏
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水木ロード目玉が回る北斎忌ヨシキ浜
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春光や絹糸紡ぐ指先に海月のあさ
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「ご趣味は」に「機織」極暑の街コン織部なつめ
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民族館の手織り体験夏休み織部なつめ
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機織や布を押える蟇青屋黄緑
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浴衣織り古しのぶリズム感竜酔
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浴衣の力士誰が誰やら「のぞみ」のホーム迷照 りん句
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ダメ消したカスの山青鞜の「スズナリ」弥音
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指先が筬のくぼみに知る秋思芦幸
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派手すぎるサマーキュロット徒競走赤尾双葉
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ママお手製のサマースカートあゝまたか赤尾双葉
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手と足の動きまだよし秋高しきみこ
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生き別れ死に別れして糸を取る入江みを
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七夕や織り機の上に積もる塵郡山まる
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杼に西日無心で織れるひと時に酒呑走人
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星合や織り目数える何度目か六月風マンダリン
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機織りの音は空耳星祭り游々子
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ばばさまの汗も紡いで紬織る山内プーコ
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機織や麻痺手拡がる青紅葉山内プーコ
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「無いです」と言っていたけど律の風まこく
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夏の夕絡まる糸に一時間東偽
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独り居の母の庭には日輪草鈴木あんず
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星月夜フォーマルを着てクルーズ船日々の茶めし
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炎天や二時間待てるパビリオン日々の茶めし
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七夕や露天風呂から星二つなおちゃん
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八月をおぼえはじめる産毛かなくるぽー
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カランコの明るき音や螽斯おかだ卯月
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機織りて安堵の日々や敗戦忌紅紫あやめ
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六枚の文マフラーの目の違ひはなぶさあきら
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藍の苗うだつの街の吉野川むねあかどり
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六十や再挑戦の西日窓むねあかどり
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盆踊り下駄音かろき母傘寿太之方もり子
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母のミシンBGMに昼寝せり太之方もり子
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母見舞う箪笥軋ませ奈良晒藤子
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二色を筬は一、三縞縮藤子
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ミシン買ふ藍染め暖簾夏用意とも女
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レース編み黙と隙取る根くらべとも女
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機織や夜の静けさ天の川さくらもち
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お迎えを七夕笹と待つ子かなわかめ
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古希傘寿の「糸」の合唱声ぬくし千里
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縦あなた横糸わたし松の花千里
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猛暑日や芭蕉の如く詠を読むみーこ39
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炎昼や断捨離の塗り絵色あせてみーこ39
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俳句甲子園競りし君からミサンガを阿部八富利
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リメイクのもんぺの祖母の街デビュー志無尽おたか
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リハビリの機織たのし処暑の朝水豚庵
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セーターの拾い目のミスさわってる朝野あん
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コツコツを吾子に説く義父せみしぐれ朝野あん
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十センチ織り上げた猛暑の日なり茶雨
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西陣に機の脈動秋の風がらぱごす
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縦横へ蛍は闇に機を織るがらぱごす
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機織れる音色の軽く夏来る灯呂
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避暑地より瑠璃色ストール届きたり灯呂
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七夕やパチンコ店の列列列杜若友哉
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刺繍花母系継承する図案杜若友哉
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中山道トマト透けたる荷台幌宮康平
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道徳で宿題が出た山女食う宮康平
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窓叩くティンカーベルやレース編むかなかな
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アッパッパからげ最後の一筆をかなかな
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白繭に骸がひとつカラコロン平岡梅
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夏の宵織りなす布は無限大雅
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機織りの防人妻や星祭踏轍
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星涼し杼を走らせて心馳せて西茉生
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夜の秋やカラリタンタン糸が布に西茉生
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機織や短き糸も溜めておく槇 まこと
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機織や吾子に織る柄扇柄槇 まこと
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天の川かわは1尺経の糸風蘭
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夏祭り太鼓を打ちて三十年律
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葉桜や古稀の挑戦英会話律
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「勝手にしやがれ」掻き弾く夏深し紫黄
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ストレスは機で織り込め星の秋牛乳符鈴
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七夕や彼を思ひて機を織る牛乳符鈴
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シャッター街七夕揺るる風のみち楽和音
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不規則な妻の機織り藤寝椅子楽和音
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織初や夫は異人の陶芸家俊恵ほぼ爺
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晩夏光ミシン油の匂ひして春のぽち
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機織る音この夜織りたる虫時雨仁
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謎解きのようにレースをほどく夜島田あんず
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梅雨ごもり腰を地機に繋ぎをり充子
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ちぐらめく巣捨て眼白や門出の日トヨとミケ
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朝鮮語辞典手繰るや繭の中トヨとミケ
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七夕や多々の願いに葉がしなるきらら
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四条から川端団栗星の恋まさし
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只管打坐ちちろ鳴きたる小宇宙まさし
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梅雨明けやNetflix解約すゆみさく
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地球(テラ)眺む機織姫のおもひとは葉月庵郁斗
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コウノトリまだ来ぬ我が家毛糸編む葉月庵郁斗
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ぱたりぱた織り込む未来夏の果向日葵子
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糸と糸かすり模様と秋の虫三宅 光風
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機を織る君のうなじに若葉風三宅 光風
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盂蘭盆会母の縫ひたる着物着てしげ尾
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継足しの手縫セーターデザイン賞しげ尾
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七夕や電源切ったスマートフォンなないろ
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ほぼ知らぬ祖母の夏衣風通し北国はな
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青簾舟漕ぐようにミシン踏み奏美和
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蚊帳越しに機打つ音や祖母の影コリちゃん
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梅雨入りやアームカールの重きことふづきかみな
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機織の座る縁先地蔵盆ふづきかみな
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冷し酒くらべて歩く伊勢路かな錆鉄こじゃみ
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食卓に豆皿六つ鰯雲錆鉄こじゃみ
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稽古着に夏大島を着るマダム藤田ほむこ
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靴下の穴を繕う夏の夕色音
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雨空に飛び交う影や夏つばめ色音
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路地裏の織機止まりて夏の暮稽古
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ミンサーの五と四の願い平和の日松下眞す美
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ハンカチよ別れ上手のスヌーピー平手打チメガネ(志村肇)
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白服や君のことばが深すぎる平手打チメガネ(志村肇)
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濡れた手を前掛けで拭き流星待つ田近詩泉
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星飛ぶや死にたいこころに風通す田近詩泉
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風死して波磔脈打ち呼吸せり飯沼深生
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身を守る糸を捧げて死ぬる蚕蛾飯沼深生
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「願い事書きませんか」と星祭紫桜
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鬱病の子の部屋静か夏の宵紫桜
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機を織る蚊遣りの煙や一筋に田中亀子
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秋の声機織る音に眠る児よ田中亀子
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経緯の糸はふたりよ夏夕日神谷元紀
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大夕焼機織りびとを艶に染む神谷元紀
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セーターを編み機のそばに待つ子かな道見りつこ
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子から孫手編みのセーターのお下がり道見りつこ
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君と着るミンサー織や夏浅し山浦けい子
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ジャッジャッジャッ毛糸編み機も母に習ふ山浦けい子
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釣り合わぬライフとワーク蝉の殻七味
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夏草や色やはらかに染まる糸七味
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手習いは六十路の登山湿布薬美川妙子
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夏服のお揃い在りし日の母と茶茶の嬉嬉
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虫干やこの色合いも手触りも茶茶の嬉嬉
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紫陽花の色とりどりに友のごと道工和
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緻密さの結晶なるや鰯雲水野 淨子
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梅雨明けや天気予報は季重なり沢山葵
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短夜や一句詠めずに空白み沢山葵
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西瓜なら真っすぐ並ぶ黒い種朱葉
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夏の海水面を滑る白き羽しせき
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憤り背負し鶴の優雅さよ夢々
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鼻先にくちなし夫から娘へこころ美人
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お気に入り母の棺の白絣三太郎
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ヒジャブ着て浴衣姿でニ寧坂三太郎
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服のしわなんぞどうでもええ酷暑美輝
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とん、からら、白、インド藍、白、ぱたん美輝
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子と語り糸と向き合ふ夜なべかな我ふたり
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機の音を知らぬ我にも夏来るあさり丸
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タータンの衣纏ひて盆踊りあさり丸
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君は誰とレース手袋まぶしかり岸野ゆり
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機織りの拍子か蛍ぎこちなくかや楓
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機を織る春新学期後二十日かや楓
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夏棋戦将棋盤買ひ視るライブ含
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横糸を打ち込む隙の秋思かな砂芽里
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藁筵織る音に乗り夕立来るはなハチコ
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下手なりに汗はかきますドドンガドン本間 ふみふみ
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0.1及ばぬノーブレ小麦肌本間 ふみふみ
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さき織や袖を通さぬ春着裂くモト翠子
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鼓動機音不意に止む蝉時雨晴芽みやび
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糸紡ぎ有心で生んだ願い糸晴芽みやび
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チョンと鳴り都踊で締める旅竹庵
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体験のマフラーはピンクさをり織りふぃーかふぃか
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秋の夜や機織の音にうとうとと青山楽夢
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機織の柿紅葉色コースター青山楽夢
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爽やかに君主目覚めぬバグパイプわおち
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千鳥足機の音かすか夏至の朝伊呂八 久宇
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七夕なのに機の音休みなく伊呂八 久宇
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夏の畔とぐろほどけて目指す川ボンちゃんのママ
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芭蕉布を透かしてみゆる未来かなくさもち
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冬の夜の子に母の綛大きくて水きんくⅡ
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早退けの機織女雪霏霏と理佳おさらぎ
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付ききりの機織指南暮れ早し理佳おさらぎ
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白玉を載せる機織の徹夜かな丘るみこ
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青が好き機織のマット夏の浜丘るみこ
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つるつると海凪いでゆく星祭佐藤レアレア
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裂き織のひとつを選ぶ星流るそーめんそめ
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お見舞いに届けし祈り螽斯優花里
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美大まで行く子の作や夏の空優花里
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夏の香を運ぶ貨物の最後尾ふじっこ
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早苗束作句ノートに付箋付け独楽
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夏畑シニア夫婦の手際良く独楽
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闘病の友が機織り始むる夏にゃんちゅう
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西陣の秋まち顔の杼職人みなごん
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経糸(たていと)にシャトル投げ入る夜長かなみなごん
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織機継ぐ信念良夜の板の間天亨
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盆の月祖母の機織り継ぐ覚悟天亨
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見栄えより相手を想う機始北斗星
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冬ぬくし若さの秘訣手編みかな北斗星
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八月の青空溶かし染める糸花岡貝鈴
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むいむいと蚕の喰む音二階より立石神流
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星祭おしぼり畳みゐる少女小鉢
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塩漬の靴下履きて林間学校小鉢
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夏の海の青と波の白の布大切千年たいせつせんねん
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浜風や君との夏を機で織る大切千年たいせつせんねん
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主まつ機織りポツン蝉の声ぼたん
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銘仙のモダン多かり夏芝居イケダエツコ