第58回「趣味は機織」《並》⑦

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第58回 写真de俳句】《並⑦》
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波止釣りや鯵をくれよと猫が鳴く碁練者(ごれんじゃー)
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新品の芭蕉布帯や夕間暮れはっしん
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およばれや出番待たれる絽の着物琥幹
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夏近し趣味は機織り四畳半みほ
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趣味の一句汗を拭て筆を持つ文心美
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ほほに寄せる麻座布団の青海波樋ノ口一翁
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風光る糸巻きシャトルの飛ぶ向こう安久愛 海
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写真館ぎゅうっと握る千歳飴安久愛 海
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ウォーキング電柱日除け交差点笑道心文
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別姓を選ぶだろうか星の妻黒田栗まんじゅう
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横糸になりたかったの梅雨の蝶黒田栗まんじゅう
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ほつれ糸くるくる眠る夏蒲団わぎゃん
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ミンサー織の鞄には筍飯西瓜頭
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カメラ設定炎暑にもうフルオート西瓜頭
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織姫の夢追いかけて777ねこぱんだ
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緯糸が滑べる快感夏の朝ねこぱんだ
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水無月や趣味は編み物外は雨もっさん
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デニム織る機轟ける極暑かな朝宮馨
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ストールがまだ三寸の良夜かなレオノーレ・オオヤブ
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秋澄むや『ちよう、はたり』を読み返すレオノーレ・オオヤブ
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手は触れぬふたりあやとり洗い髪白スニ
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夕立やもつれた糸の老いふたり白スニ
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あの年が最後の身売り夏寒しひな野そばの芽
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袂おさふるきみのゆびさき夏のほしひな野そばの芽
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レジン球に幽閉したい蝉時雨甲斐杓子
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機織へ裸足くすぐる畳かなミモザ育
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初めての絽に瀬戸内の風抜けてミモザ育
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仮縫いをゆたりゆたりと秋の暮茶椅子
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初夏や藍の師求め夜行バスさよ彦
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芭蕉布やおばあの唄の哀しかりさよ彦
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待ち飽きて独りも味の薄荷刈夜汽車
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吾子のためゼリーを作って待っている水鳥川詩乃
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綸子帯きらり四万六千日常然
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ミシンの踏み板に体育座り春深し内田ゆの
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形見のつむぎ白黴に「あーぁ」翠花
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かの姫の衣よ白き天の川翠花
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地機織る音あつまりて六花霜川このみ
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「いつ世まで」絣に込めて織る夜長沖庭乃剛也
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ハンカチに初めて刺繍吾のM全代
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解釈が分かれ熱帯ぶ夏句会全代
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夏帯の切り刻まれてミニリュック田中 百子
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短夜のミシンの縫い目ねじれをり田中 百子
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じいちゃんの三番目の趣味箱庭森ともよ
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百均の通路に迷子夏の昼森ともよ
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月光や糸の間にチョンギース鶴喰 照
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男運無いままに来し星祭紫木蓮
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夏立つやピカソの赤を青に変え紫木蓮
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星まつり眼鏡の下の泣き黒子山本とりこ
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トロフィーの五の刻印や星祭山本とりこ
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「カタンコトン」機織りの音や夏の昼閏星
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横糸の様に生き桜実となる閏星
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かがみもじ揺れる軒下星まつり穂々々
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猛暑日や織る人いない手織り機遊
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紫陽花と白糸ばかりの手織り機遊
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路地奥の調べ織機や水を打つ金魚
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機寂や織り成す紡ぎ秋袷道草散歩
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機織りや鳴き声遠く闇の中道草散歩
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薪能唐織まとふ小町かな芝香
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編みし日の若葉風吾子独り立ち長谷川しゅるた
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訝る相手五月雨の恩返し長谷川しゅるた
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ダンスする銀糸に濡れる夏の月清水ぽっぽ
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夏館オブジェとなりし機織り機みさ
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機織り体験ユーカラ織の里の秋みさ
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沖に藍岸に山吹機を織るあるがままん
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ベランダの夏秋苺に簾吊るさくさく菫
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歌になる最初の一音秋高しさくさく菫
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行き交う杼の音蟋蟀に代わりけり直感勝負
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裂き織りの供物墓参りの対話直感勝負
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天の川ドローンで越えし恋心喜悦
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栃尾紬女は一路縦の糸ミワコ
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秋風に靡くストール影長しミワコ
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老練のラケット冴ゆる薄紅葉帷子川ソラ
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七夕や父はパチ屋に並びけり那烏夜雲
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コースターの初機織りや夏休みまどれ
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白壁にリズムよき機あお簾まどれ
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夏座敷機織り玩具吾子の手に有川句楽
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横織り機母の背中といわし雲有川句楽
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老いた手と古き織り機と終戦日河豚蛇燕 花子
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十五才機織る子らの盆休み河豚蛇燕 花子
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空港へ韓紅の夏のシャツ藤康
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日に一度機織り見せる夏爐の辺奥ノ碧心
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七夕や今年の流行り色を織る奥ノ碧心
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暖炉燃ゆフォークを使う絵織物石田ひつじ雲
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夜学生英文タイプぽつぽつと石田ひつじ雲
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機の杼の如くに速き泳ぎかなまなと
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珈琲ゼリー「馬鹿」は賛辞と言われけり白沢ポピー
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キートンカラばぁば織る羽衣星の橋ズッキーニン
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ミシン踏み夜なべし膝のウルトラマンズッキーニン
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色褪せぬ祖母の手まりや夏座敷ゆいか
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秋麗ウィビンガールのそばかすうただねこ
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夕凪の縁側で聴く機織り機みーあ
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祖母真似しおもちゃの織り機盆帰省みーあ
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人生をたたむ匂ひや畳替かみん
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忍緒や初夏の朱色の勇ましきかみん
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色無地を生地から仕立て成人日有村自懐
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花茣蓙の上トイプードルの寝息たそへ
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即既読ごとく走る杼天の川生石子
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蛍火や乱数刻む織模様生石子
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リム外しパンク修理の風さやかつーじい
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片肢を探す気も無しキリギリス太刀盗人
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甚平に着替えて投句紡ぎ出し小澤翔明
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草の花画帖に写しその名添えコミマル
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機織の拍梅雨明けの催事場慈庵風
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古ミシンなだめすかしの土用凪慈庵風
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綾織や綾なす思い五月闇静岩
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梅雨ぞらに織姫思い機を織る静岩
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遠雷やカラリトントン紬織る桃圓
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杼を通し杼を走らせて白絣桃圓
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秋近し老婆の筬の音軽快に大久保一水
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織機みな止めて迎へる盆三日大久保一水
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誰ひとり悲しまないでキリギリス藤華靖麿
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あと一柄織るまで我慢棒アイスともちゃ
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こんな日は編み目も荒くなるの梅雨ほしのり
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冬帽子急かし待つ子と編む母と今 結月
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毛糸巻く臍の緒ありし吾と母今 結月
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棚機やラインダンスのバットマンつのりゅう
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恩かへし時の至りぬ鶴かへるつのりゅう
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機織りの青糸紡ぐ夏の海石津 さくら
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秋風や杼道を走る藍の糸畠山そらまる
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ラムネ瓶布端未処理のコップ敷き桃華
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古着接ぎ柿渋染の夏衣桃華
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五色短冊はためく七夕病院前小川 茜園
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稲雀あと一段と筬と杼と紀子
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黄八丈機織るばあの秋の暮三日余子
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織出せば包む幸せ秋の夕暮れ蛙手
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機織りの心地よき音昼寝かな志澤紫子
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裂いて織るギーリバッタン半夏生小泉れもん
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憧れのままの機織り星月夜小泉れもん
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花吹雪織りなす布は吾子の笑み永順
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初孫の柔さ想いて毛糸編む柳翠
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三さいとだす指二ほん青胡桃田上南郷