第58回「趣味は機織」《人》②

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第58回 写真de俳句】《人②》
金平糖きゃらきゃらこぼれ百日紅
玉響雷子
織り機並ぶB型作業所冬隣
玉響雷子
つづれ織みたいに妻と秋を待つ
ノアノア
たとう紙に掠れた旧字星祭
ノアノア
狸穴の夕焼けグァテマラの酸味
高橋侘助
お直しの工賃安き酷暑かな
小笹いのり
七夕や片腕の子のさをり織り
山羊座の千賀子
滝落ちて千々の糸くず散るしぶき
ルーミイ
ますぐなる滝は縦糸碧とあを
ルーミイ
七夕や雨に機織ひびく音
間 静春
緯糸を打ち込む音や雲の峰
間 静春
秋思織り込まん杼に三代の艶
清白真冬
母生きし証つづれの夏の帯
土井あくび
先染めの寂しき余白夏衣
おこそとの
段ボール織る小さき手は夏を織る
石橋 いろり
西陣の連なる長屋釣忍
平井伸明
手に馴染むタオル離さぬ子の夜長
平井伸明
短夜の与ひょうの寝息つうの機
鈴白菜実
星涼し織りたてのみんさーの藍
鈴白菜実
奥の間のブラザー編機大西日
陶瑶
二つ星島にフェリーの着岸す
岸来夢
議員らの松阪木綿毛虫焼く
幸田梓弓
前世はおそらく松山の百足
幸田梓弓
今日もまた彼女来るって草毟る
国東町子
メモ悵の詩織り込みし天の川
百瀬はな
空梅雨やタータン柄のシャツ捲り
飛来 英
びしょ濡れのBURBERRY驟雨の銀座
飛来 英
横糸と縦糸紡ぐ秋の夜
横浜月子
機織りの音聞こゆ路地夾竹桃
岡本かも女
パレードの先頭を君星祭り
岡本かも女
縦糸は空色バレンタインの日
喜祝音
新涼のスタイに頭文字とバラ
喜祝音
水光の揺るるや百日紅の幹を
笑田まき
露草や薬師如来の傾ぐ指
笑田まき
大麻織る君縄文の人として
逢來応來
機織りてひとり夜長を形とす
逢來応來
曾祖母の縫ひし小袖や村芝居
小川さゆみ
竜田姫紡いでいるよ風の糸
小川さゆみ
編みかけの籠の尖りや盆の月
いかちゃん
はじまりは糸くづ白秋の破局
いかちゃん
蜻蛉生まれ白たおやかなカリオペー
東田 一鮎
杼で通す白き緯糸沖縄忌
東田 一鮎
機織りはかつての馬屋秋涼し
伊藤 恵美
長き夜や祖母は裂織伝承者
伊藤 恵美
葭すだれ大ボリュームの御老公
深山むらさき
秋麗の律あやまたぬ織機かな
東山すいか
わたしでもできた機織り春遅々と
里山子
トントンしゃっトントンするり夜番小屋
里山子
七夕の宴や網代の佐賀錦
あまぐり
七夕やチーズの型抜くお手伝い
あまぐり
夏休み趣味の講座の機織り機
喜多輝女
機の音ひびく今出の夏の宵
喜多輝女
蚕種撒く峡を出でざる雲ひとつ
このみ杏仁
六月の賞与龍村織の高貴
おおいおちゃ
夕虹や筬通しあと二人分
おおいおちゃ
短夜や息止めほぐす糸の撚れ
木ぼこやしき
シャトルしゅるるん白き紗に細き縞
木ぼこやしき
糸巻きの乾いた音や星月夜
河上摩子
街路樹の色なき風を編む梢
河上摩子
格子柄に役者の名前つりしのぶ
もりたきみ
またおなじおもひでばなし毛糸編む
雪音
山鉾やタペストリーの貴婦人ら
日進のミトコンドリア
七夕の音色の糸を織りあぐる
池内ときこ
胸当ての縫ひ方習ふ乞巧奠
池内ときこ
ちくちくとフェルトしくしくと入梅
うすい木蓮
ダンボールに織るコースター夜の秋
うすい木蓮
ぢぢぢ、ぢと階段の灯や蜘蛛の糸
碧西里
七夕や飛べない鳥の歌しづか
碧西里
形見なる母の織物縞涼し
幸水
芭蕉布や袂をぬける風柔し
香亜沙
淡海の夏色の風織り込みぬ
佐藤香珠
手になじむシヤトルのまるみ星涼し
佐藤香珠
梅雨晴れやカラカラカラと座繰り糸
やっちゃん日記
半夏生母の形見は桐生織
やっちゃん日記
みんさーの糸青々と夏の海
らねじ
夏座敷五尺撞木に桐生織
西川由野
細縞の単衣の過る入谷かな
浜 けい
終戦日衿の擦れたる野良着かな
浜 けい
終わるかもしれない星やきりぎりす
あなぐまはる
死せるとは忘らるることきりぎりす
あなぐまはる
紫陽花にかかる雨音機の音
英曙
手すさびにまた機を織り吾亦紅
平本魚水
傷心を縫ひあはせゐる夜なべかな
平本魚水
機織やイ族の村の催涙雨
宇野翔月
段通の起伏やはらか花野風
楽花生
涼しさを布に織り出す細き指
ひなた
機織の音百年の夏座敷
ひなた
走らせる杼の音祖母の夜なべかな
原 唯之介
夏掛の重さと薄ら目の猫と
染野まさこ
赤きマフラーや同級生はサッカー部
黒猫
夏の日を手先に集めフラダンス
きべし
沖縄忌紬織る手はゆるやかに
おっとっと
嫁して今飼屋の隅の闇に臥す
栗田すずさん
耳奥の機織る音や山眠る
央泉
七夕や生まれた島を去るフェリー
むらのたんぽぽ
草木染まだらに山梨は暑し
だがし菓子
のうぜんの花ぽとぽとバスを待つ間
だがし菓子
梅雨寒や生糸のかせに緩みなし
栗の坊楚材
鵲の橋フェリーから見る空よ
丸山隆子
小鼓のカンの音高し月見月
むげつ空
秋夕焼けメロスの衣装縫う部室
末永真唯
花芭蕉ほほをかすめる筬の風
末永真唯
素振百回ミサンガゆれる初夏
藤井かすみそう
再開の店尚まばら能登暑し
風の母
清しさを女優のやうに夏点前
泗水ハオ
涼風や青と黄色で織るミンサー
日向あさね
人魚なら上で寝てます冷素麺
丹波らる
ペンキ屋の息子の葬儀終ゆ素麺
丹波らる
アフガンの戦野に消ゆる水守り
風友
織女渡るわし座は塔のてっぺんに
深紅王
夏旺んカラッと乾いた萱布巾
しなやか
恩返しは出来ぬまま桜蕊降る
ぱんだ社長
雨の音雛織の音咳の音
ぱんだ社長
たて糸に風を織り込む涼しさよ
ゆりかもめ
あれこれと大小の瓶梅仕事
菩華
機織を生業として軒忍
渡辺鬼
麻のれんの淡き水色いり卵
渡辺鬼
四十雀小川に洗う染めの糸
旅路
不知火や機織り三拍子の閑か
王朋亡
ベガ煌々バス停の二人は無音
王朋亡
トラクターぐわん麦稈ロール産み落とす
沢拓庵
手織り機の円居さざめき夏暖簾
前田冬水
巾着やミンサー織りの夏の旅
チェルシー
糸瓜棚青き陰より機の音
立田鯊夢
機織や母亡き家の母の庭
立田鯊夢
仏彫る刀の音清し夏の朝
ひろ笑い
結婚す七夕竹の吹き流し
藤瑪瑙
待つことは機を織ること星月夜
渋谷晶
黒牛に牽かれざぶざぶ天の川
渋谷晶
休止せる自動織機へ蝉時雨
まさと澄海
ビニールのクロス波打つ酷暑かな
とり
八日目の趣味は日本画クレマチス
とり
ミシン止む、また動き出す夏の夜
ま猿
革ジャンや朝と涙と少し血と
釜眞手打ち蕎麦
癌め二人の師の死に会う八月
若宮 鈴音
蠍座の尾にしがみつくファレスの灯
九月だんご
末枯や空スプールの糸のこぶ
謙久
かたかごの花とリネンのキャスケット
神木美砂
おほかみの天井絵吠ゆ草いきり
夏椿咲く
草に指切つて螽斯は何処
夏椿咲く
早退にまた小さき嘘すべりひゆ
豆くじら
湾曲の正しき背骨藍浴衣
豆くじら
莚織る手甲の母の農閑期
清波
駄菓子屋の葦簀の奥のテレビジョン
清波
西陣の染屋の盥秋夕焼
瓢介(旧ひょんすけ)
青簾ほつれし糸の二三本
典典
機織りの音涼し吊り橋の宿
とも
ガス代の三ヶ月分買うダービー
摂州黒うさぎ
機織の妻へ弟子へと出す麦茶
矢口知
飴色の織り機に油梅雨晴間
矢口知
暑き日のミンサー織りの青さかな
ほうちゃん
棉の秋手織のハンドタオルかな
仲間英与
夜の秋や横糸に選ぶリネン
かねすえ
ラーメン屋に並んでみませう星祭
実相院爽花
火取り虫老いに抗うすべもなく
前世ニャン子
機織は終曲梅雨の雷近く
帝菜
茉莉花や経糸くぐる杼を通す
縦縞の烏瓜
炎昼の傾ぐ町家に機の音
縦縞の烏瓜
人形の座る機織り秋更くる
たかね雪
リリアンはただ長いひも龍淵に
たかね雪
初夏や筬に生まるる水平線
武井保一(超凡)
とんからとんとん何織るひと日うららかに
揣摩文文
ぼろ織りや夜長を紡ぐ母の背な
揣摩文文
日雷高く掲げるアットゥシ織
湯屋ゆうや
退院日消毒臭の麻スーツ
道小春
鼻歌は校歌の二番レース編む
道小春
トルソーに残る待ち針夏の月
藍創千悠子
段ボールの織り機手のひら夏休み
ばちゃ
横糸は母の薄衣裂いた青
ばちゃ
トントンひびく筬音あき深し
詠華
うぶすなの繭干す風や黄八丈
呑 栗子
筬柄の窪みの深さ冬隣
藤原朱夏
つづれ織り爪の刻みの霧の朝
藤原朱夏
蛇衣を脱ぐや機織り止まぬまま
無弦奏
絹糸の波間潜る杼十三夜
源五郎
親に棄てられたと知る二十歳の夏
千代 之人
機織の鳴くや杼の音緯の糸
青い雀
ハンカチの白美しく夏の風邪
万里の森
機を織るごとく詩を編む二星の夜
中岡秀次
西陣の千年つづく星祭
中岡秀次
秋の日の廊下の奥の古ミシン
出船
芭蕉布織る女の指の深き皺
芳野まさこ
くせ字まで似てをり硯洗ひけり
泉晶子
羅ではじまるシネマ宮尾登美子
泉晶子
蒼翠や田舎列車の笛涼し
筒井らんぷん
秋うららミシンで作る子のエプロン
リアス式747
ポケモンの刺繍OLのハンカチ
リアス式747
部屋干しの彼方此方と梅雨の朝
鶴子
糸繰り機カラリ寝返る昼寝の子
ぐわ
苧麻を裂き撚りて紡ぐや月涼し
ぐわ
すっぱすっぱすこんぶすっぱあっぱっぱ
桜上比呂
現金で買えないグリーン券溽暑
べびぽん
待ち人の来ぬ駅浴衣赤すぎて
髙橋みりぃ
腹痛の欠席五度目梅雨のバレエ
髙橋みりぃ
風光る古布に手織りの柄有りて
平松久美子
縮緬の祖母の袷のかろき袖
平松久美子
しわ深き絽の袖おさえ6一飛
星 秋名子
機を織る手は無機質のまま夕焼
星 秋名子
朝顔の種弾けたり婚家出づ
里春
稲光り遠くライブは重低音
森子