第58回「趣味は機織」《人》③

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第58回 写真de俳句】《人③》
星涼しミンサー織のコースター
鈴聖湖
田鏡や能登の苫屋の機の音
琳青
星今宵ほつれた糸をまた結ぶ
加東亭 ゆんたく
ぼうけんや森のWi-Fiめく銀河
加東亭 ゆんたく
梅雨晴や光る糸打つ筬の音
青翠
うすものの織子の項ほつれ髪
青翠
草木染織れば山中春の雪
水木合歓
機織るも見つむるも皆首に汗
海神瑠珂
白南風やミンサー織りの機の音
秋佳月
いえ今日は残業します織女です
広瀬康
七夕の願い収集する車
広瀬康
1Kのベッドに凭れ編むセーター
三月兎
雨音の静かな夜更け毛糸編む
三月兎
喉仏のあらはるる星の手向け
音羽ナイル
アイロンにスレキ猫の子じっと見る
音羽ナイル
巣立つ子の荷へおそろいの春セーター
石田将仁
譜めくりの退がる聖夜の舞台袖
石田将仁
七夕や七千円の違反金
姉萌子
薄藍の帯締めきりり梅雨晴間
はなもも
春雨や機織の音近づきぬ
鷹見沢 幸
【入室不可】夏休みの自己主張
スマイリィ
縁側の足踏みミシン落ち椿
ビオラ
紫陽花や刺繍の図案描き起こす
くぅ
再会の友の手薄しソーダ水
ひこ老人
更年期の手巾は縒れて螽斯
ひこ老人
秋の夜や古布広げたる手は荒れて
天音
胸元のびいどろの空雲過ぎる
ゆきまま
水引のピアスを買ひて青時雨
ゆきまま
葉桜や母の端切れに残る針
実日子
島ごとの絣模様や花梯梧
角田 球
新涼や縞彼是の見本帖
角田 球
機音は乱れず止まず桜桃忌
安田伝助
たんぱたりん両手両足春を織る
山姥和
見習ひの杼のもどかしや片時雨
オニチョロ
天の川優等生をやめたいの
苫野とまや
破けさうな背中の羽や天の川
苫野とまや
単衣着てサザンのライブビューイング
こりえのかた
蚊を打つや博物館のバッタン機
こりえのかた
積読やスピンを揺らす荻の風
池上 胤臣
織物の七寸進む夜寒かな
池上 胤臣
趣味は猫親友も猫若葉風
猫日和
昼休みラムネと手編みのコースター
姫椿
廃業のギザ屋根の上天の川
松雪柳
真白なる知多の木綿に夕焼雲
松雪柳
風死して男の髪の強きこと
石澤双
短夜やボアダルジャンの香の彼氏
石澤双
機織の音や雁木へ重き雪
靫草子
西日差す西陣の町音少し
大 可
椰子の影紡ぐ腰機にジャワの南風
大 可
市松に方眼紙塗る土用波
さおきち
裁断の刃の夏めきて伊予絣
リコピン
参拝へ涼風あそぶ伊勢もめん
リコピン
捨て糸を入れてつくろふ星の恋
如月頭花
特技に届かぬ絵筆洗う晩夏
あいいろ小紋
秋曇母の織り目のきつくきつく
せんのめぐみ
裂織の夜なべの母をおいて寝る
きのこオムレツ
西日受け納屋の織機の埃たつ
すかーてぃっしゅ
しほかぜに音階ありて機織虫
葦屋蛙城
大ねぶた闇掴まんと回転す
風かをる
十薬を追い詰めてゆく影は母
笠井あさと
風鈴や裂き織り名人の鼻歌
橙茶
さよならの手首夏夕のリリアン
橙茶
縦糸に赤作業所に機始め
巻野きゃりこ
ボランティアの織りし五センチ冷素麵
巻野きゃりこ
八月やひとひ一日を紡ぎ来し
さら紗
とうすみとんぼ透けて草いろ風のいろ
さら紗
やりたいことに蛍光ペン引く夏!
土取
ひかりたゆたう淵の奥の緑陰
土取
コチニール染めや腰に巻く朧夜
ただ地蔵
朝茶の湯亭主きりりと綴れ帯
寺田 美登里
茎立や補欠通過の電話来る
加賀屋斗的
夏めくや選る機糸の海の色
ゆきのこ
機音の天窓秋燕ふたつ
浅海あさり
杼の滑る常世うつし世ほしまつり
浅海あさり
母の踏むミシンかたかた夜の秋
花星壱和
経糸を滑るシャトルや天の川
喜多丘一路
夏館ブックカバーの海の色
なみこまち
仏桑花たて糸越しに凪の海
陽光樹
かたことん虎杖染めの縦の糸
日吉とみ菜
夏山の若き梢や風を編む
桂月
夏シャツ干す君と訣別する今日
木村あずま
天の川子等へと配る金平糖
つるぎ
七夕や大病院の受付所
海泡
機織りの手を休めたり夏の雲
居酒屋親父
休暇果つミンサー織は海の青
滝川橋
蚊絣の作務衣の襟へ涼気つと
滝川橋
じゃぶじゃぶとギンガムチェック夏を待つ
団塊のユキコ
終戦日機織り部屋にこもりけり
来冬 邦子
機織りの音や途絶えぬ夜半の秋
来冬 邦子
機織の加拍子や秋高し
アツヒコ
機織り機つぅと降りたる子蜘蛛かな
紫月歪丸
夕暮れを青く切り取る網戸かな
駒村タクト
喫茶店のAMラジオ毛糸編む
田畑 整
ズゴックのパーツ切る音や扇風機
田畑 整
真菰膳編む婆の手の早さかな
青井晴空
日盛や納屋に手織り機らしきもの
青井晴空
南吹くミンサー織は二色を
夏の舟
ゆきあひの橋エッシャーの絵に迷ひ
山内彩月
筬音の無心の弾み星の秋
山内彩月
水漏れを受けるバケツや螽斯
ヒマラヤで平謝り
単衣着て母に出逢いし鏡かな
ジョルジュ
束髪の櫛目清しや麻の帯
ジョルジュ
牛の目のつぶらに点る星祭
頓狂
蜩やまた緩む杼の折り返し
ふたば葵
がちゃまんの村や入り江にあいの風
ふたば葵
編みかけのテーブルクロス避暑の雨
和み
梅雨明や試用期間の明け報せ
みよこ
一村の山を眠らす機の音
高山佳風
雨止みてパッチワークの青涼し
星瞳花
星屑を縒りて願ひの糸とせむ
十月小萩
論文の経糸AIの夜なべ
龍酪
芭蕉布の杼のたおやかや波の花
花はな
耳奥にからから杼の音日の盛
辻 さつき
亡き姉の歳時記を繰る薄暑かな
智幸子
和栲の如くせむ秋の言葉を
曽根朋朗
銀婚や交織の苦色さやか
瀬央ありさ
織傷の愛しあのはつ夏の実も
あおい結月
就活や夕立の靴の濃く重く
梅野めい
秋風やのこぎり屋根の工場消ゆ
しろぴー
黴の香や伯父考案のネクタイ地
しろぴー
楷書めく機織る律や秋時雨
唯野音景楽
機織りや志野に朝摘み野紺菊
唯野音景楽
芭蕉布や最後の旅の風やまず
草野ふうこ
ひなげしやリリアンを編むやすみじかん
草野ふうこ
リリアンの揃わぬ編みめ夏休み
東ゆみの
秋日和シチリア製のタペストリー
にも
青蜜柑てすさびにぬう花ふきん
にも
西郷もこの黒糖酒星月夜
理恵にゃん
秋夕焼織機最後に家じまい
理恵にゃん
秋霖や苧を績むゆびの指紋きゆ
一寸雄町
しづりゆき日記のやうに飛白織る
一寸雄町
水涼し刺し子ふきんの麻模様
杜野みやこ
雨にほふ甘撚りの糸夏の暮れ
骨のほーの
運針の白シャツ捲る一限目
骨の熊猫
音読の宿題涼しきミシン台
鰯山陽大
ミシン台へ冷し麦茶のウォータージャグ
鰯山陽大
恋色のゼリーに浮かぶ星二つ
藤本花をり
打水の紋屋の辻子よトンカラリ
藤本花をり
西陣の底冷えカタカタ機織機
老蘇Y
バッグに巻いたスカーフ肩に冷房車
たまさもち
織りやめて秋の蛍を見にいかん
ぞんぬ
命日や三面鏡のレースカバー
山下筑波
白シャツにほころび恋を戀と書く
ノセミコ
夏めける蒼き島原木綿かな
ピンクアメジスト
月光を緯糸として緋の緞子
清瀬朱磨
ミシン踏む蝉始めて鳴く薄暮かな
小花風美子
新涼や固き鼻緒の柳井縞
さち今宵
紬織る柄を違へて余花の雨
シナモンティー
行く春や空の手帳を買いに行く
ヨシキ浜
スタイ干す背高泡立草揺れて
海月のあさ
夏引の糸まっすぐな地平線
青屋黄緑
杼を飛ばす音は暮秋の息づかひ
芦幸
花布のみほん見なほす秋灯下
花和音
伯母が織り母が手縫いの秋袷
入江みを
大叔母の白大島や若冲忌
湧翠
ゼッケンは右肩上がり夜半の秋
紅三季
窓越しにミシン踏む母秋日和
紅三季
秋隣まで絡まつた糸がある
嶋村らぴ
道徳に飽きてプールの音を聞く
嶋村らぴ
裂織に紅き差し色あきうらら
伊沢華純
杼を通す歌詞口ずさむ夜の秋
酒呑走人
八百の経糸通し蝉時雨
たかみたかみ
棉の桃君愛すごと糸紡ぐ
たかみたかみ
応募の寒露傑作は晩年に
まこく
からっぽの二階に繭はありにけり
東偽
夏帯がきついし既読つかないし
雨野理多
麻糸の帽子を編んでゐる八月
雨野理多
七月の伊良部の浅瀬浅葱色
風の木原
花色の空や八月十五日
風の木原
K2に未踏のライン星流る
鈴木あんず
シャウエッセンを炙るライター明易し
舟端たま
彗星のすっぱいかたち実浜茄子
舟端たま
納期近しキー叩く音消す夕立
なおちゃん
手織機は夜長の重力をたぐり
くるぽー
行李には祖母のブローチ終戦日
咲織
風薫る推しに逢う日のワンピース
咲織
繰糸所はからっぽ涼風に音
だいやま
織耳は真直ぐ紬の虫払
ときちゅら
いつの世の入口ならむ麻暖簾
ときちゅら
手織り機や母の匂ひの大夕焼
おかだ卯月
愛されて絡まる糸や天の川
紅紫あやめ
泣き砂の浜はるさめと機の音
はなぶさあきら
芭蕉布はためく水平線の蒼
殻ひな
アクリルたわし編む就労所の麦茶
殻ひな
一途なるものにめであひ月の糸
髙田祥聖
経糸の密かに揺るる星祭
髙田祥聖
杼の糸の深き青さや星祭
わかめ
刺繍して一人の今日や星祭
阿部八富利
お蚕様御座しし部屋の秋夕焼け
志無尽おたか
夢二忌の機織る指の痩せにけり
水豚庵
時刻表よ天の川へは行けますか
横山雑煮
ドアノブにテレビに電話レース編む
横山雑煮
手作りの団扇のもたりもたり風
津々うらら
三日月や外反母趾で踏む織機
津々うらら
七夕や百寿の母のみみず文字
庭野利休梅
噛み合わぬ母との会話柿の花
庭野利休梅
酷暑なり土間にぽつんと旗織機
茶雨
染糸の藍の濃淡風涼し
白秋千
休日の歯科の窓辺に七夕竹
白秋千
スーさんとかターさんとか呼ぶ絽のをんな
赤坂みずか