写真de俳句の結果発表

第59回「色っぽい流木」《ハシ坊と学ぼう!④》

ハシ坊 NEW

第59回のお題「色っぽい流木」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

季語なし

色っぽい流木見ぬふり彼と海

まりも

季語なし

なまめかし流木一つ冬の海

まりも

夏井いつき先生より
二句ともに季語がありません。「流木」は季語ではないので、歳時記を開いてみましょう。
“ポイント”

季語なし

流木のざわめきも止む朝の浜

みずきの

季語なし

晩酌や愛でる流木父の盃

みずきの

夏井いつき先生より
二句ともに季語がありません。季語を入れるためには、言葉を削らないといけませんね。
“参った”

季語なし

ラティーナの妻に海光くるくると

もんD

季語なし

白波にアルゼンチンタンゴを杖と

もんD

夏井いつき先生より
二句ともに季語がありませんが、詩を作ろうという意志は見えます。歳時記を開いてみましょう。
“参った”

季語なし

カキーンと長打打たんと甲子園

わかね

季語なし

構えたる流木甲子園打線

わかね

夏井いつき先生より
「甲子園」を季語として使っているのかもしれませんが、春のセンバツもあれば、夏の大会もある。少々無理がありそうです。
“ポイント”

季語なし

流木や爛れた傷の撫でてみる

奥伊賀サブレ

季語なし

色っぽい流木ひきさいてやるわ

奥伊賀サブレ

夏井いつき先生より
二句ともに、面白い視点や切り口ですが、やはり明確な季語があったほうが、一句に力が生まれます。
“参った”

季語なし

流木や山川海へまた山へ

夏海 凛

季語なし

流木や朽ちることなく存在す

夏海 凛

夏井いつき先生より
「一句目は、山から川、川から海へ流れ、最後は土となり、有機物となり山の栄養となり、植物となるという過程をたどると、生命を感じたり、逞しく感じ、詠みました。ただこの場合、冬の厳しさなどをあらわす、流木の季語を活かせているか気になります。二句目は、滑らかな流木も強さを感じます。冬の厳しさと流木の流れつく過程の厳しさをあわせて表現しました」と作者のコメント。

二句ともに、冬の厳しさを表現したいとなれば、やはり季語が欲しい。
“ポイント”

季語なし

もう人である事をやめた流木よ

絵符

季語なし

海底へ戻る覚悟の流木よ

絵符

夏井いつき先生より
「流木」は季語ではありません。二句ともに、歳時記を開いて季語を探してみましょう。
“良き”

季語なし

潮騒に浮かぶは妻か流木か

葛翁

季語なし

流木も加わり浜辺の賑わいや

葛翁

夏井いつき先生より
二句ともに季語がありません。不要な言葉を探し、その音数分の季語を探してみましょう。
“ポイント”