写真de俳句の結果発表

第59回「色っぽい流木」《人》①

第59回「色っぽい流木」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

 

※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。

【第59回 写真de俳句】《人①》

聴き飽きしヒットナンバー秋の海
深山ほぼ犬
流木をつつきころがし秋の風
深山ほぼ犬
みづちめく流木に尿草田男忌
林 廉子
ボルドーのペディキュア乾く秋の宵
櫻木うらら
秋晴るる地層のようなラテの底
櫻木うらら
素潜りの子らの足首夏休み
まり
秋夕焼聖剣だった棒っきれ
蔵豊政
ポケットに溜まる埃や鱗雲
令子
ゆびきりの鬱然たるや秋の潮
令子
盆波の足に纏はる甘藻かな
はしま
流れ木となって還るや施餓鬼舟
はしま
流木に列成す蟻を眺めおり
まゆ志
流木や夜に聴こえるあえの風
飾る
稲妻に打たれし山の恋清ら
のなめ
骨化せし流木晒す炎暑かな
ミセスコロンボ
ひぐらしや娘の骨の軽(かろ)きこと
青蛙
鯨骨の波止場の月の舫かな
爪太郎
月の矢の如く流木立ちにけり
爪太郎
貝の口そろへて宵の初浴衣
扶羽
流木の陰をつつつと瑠璃蜥蜴
せい子
風死して流木につく砂もなく
サマッケニコ
流木に異国の残渣天の川
枝葉
砂浜と朽舟穿ちゆく驟雨
枝葉
国宝の白きうなじや酔芙蓉
みそちゃん
砂浜のラジオ知らせる終戦日
ただ ひとり
ビーチは満員八月のホイッスル
ただ ひとり
パラソルの下ラジオの選挙ニュース
駒茄子
流木は黙り続ける秋の海
シマエナガちよちよ
戦地より依代流れ着く熱砂
鹿達熊夜
流木を抱く亡き人を抱く晩夏
なかいほな
流木で犬小屋作ろ秋立つ日
なかいほな
鰯雲寂しい日には友として
シラハマナオコ
宵闇の流木へさざ波の添ふ
古み雪
遠泳や沖まで響くフェスの音
虎有子
長崎忌抉られた流木の傷
虎有子
流木やひく波にのる揚羽蝶
竹玲
檀ノ実イキヲヒソメテイキテマス
中島 紺
白秋のみづ神の歌つたへけり
中島 紺
色っぽい流木海亀の足跡
秋田のやまちゃん
夏の潮南海トラフ抱き静か
老杉
流木を立て遠泳のゴールとす
石川穴空
流木はをんなに非ず夢二の忌
石川穴空
したたかに泣くや汀の汗疹の子
高尾一叶
鰺食うて海驢にはなき咀嚼音
高尾一叶
妖怪の足迫り来る熱帯夜
えみり
不倫する女の美脚ジギタリス
えみり
潮の香の流木熱し西瓜割り
咲葉
アジフライカレー二杯目夏の海
咲葉
水揺れてとろりとゆがむ鱚の腹
佐々木棗
神満つる軍艦島の野分かな
佐々木棗
コパトーン香りラジカセからサザン
檸檬一実
油照離岸流指す監視員
白石ルイ
黒砂のビーチルルベの炎暑かな
駆大
土用浪高し世紀末の響き
駆大
海猫帰る島の風力発電所
太田 陽翠
シーグラス包みて濯ぐ磯清水
狐火ごん太
朝凪の自主練シャドーピッチング
濡れひよこ
夏空や強振に飛ぶヘルメット
ガジュマル新山
遠山の木々細れるや夏の潮
鮭乙
浜木綿や流木寄せる護岸線
鮭乙
化けの皮すべてはがして夕涼み
在在空空
ラフテーの断層正し雲の峰
在在空空
潮干狩よろける母のふくらはぎ
斎 柊子
廃村の漁港の瓦礫月の霜
斎 柊子
夏の海ラヂヲの声と新刊と
佐柳 里咲
できたての体育館と百日紅
佐柳 里咲
流れ木は山神の骨夏の果
大森 きなこ
流木に風蘭の根の夥し
大森 きなこ
炎天やフラフープクイーンの腰つき
案山子
ピンヒール敢然と征く青嵐
あがりとむらさき
アクアリウム冥き樹海の熱帯魚
二〇二五周回遅れ
熊野灘補陀落浄土瞽女の尻
魔女
そらぎはにかけてゐきたし夏まひる
夏月人
流木のいい形して水着干す
藤富うに
秋風に骨の撓みが撫でらるる
一人男
くすみたる水平線や夏の果
緩木あんず
土用波壊して建てる砂の城
緩木あんず
流木の影の淫らや台風裡
雛あられ
腰入れて素振り練習夏の浜
柊木涙
バンドネオン震えるタンゴ移民の秋
木香イバラ
太腿のメガロパの痕葉月潮
千葉水路
怪人は朝に倒され秋の浜
ひでやん
夏果の特撮ロケの忘れ物
ひでやん
裸体めく太き流木土用波
きなこもち
裸体めく流木八月十五日
きなこもち
流木の恐竜眠る夏の森
留辺蘂子
ゴルファーのタイトスカート風薫る
留辺蘂子
野馬追の果てて常歩つづく浜
佐藤儒艮
野分だつ流木に梢の記憶
佐藤儒艮
朝凪の浜辺外国語のボトル
ハルノ花柊
流木の女坐りや鱗雲
黒子
流木の受け流したる残暑かな
黒子
波磨きし流木風光る浜
信壽
朽ちてなお流木に降る桜かな
信壽
臨海学校つま先着かぬ海の底
ゆすらご
流木の考の噛み跡秋の浜
内藤羊皐
陰婚を結べる秋の海の鳴る
内藤羊皐
流木の陰やまづ目を出す目高
原 水仙
夏果ての流木を焚く寝ずの番
原 水仙
流木やダンス果てたるごと灼けて
梵庸子
流木に山の記憶や夏の夕
梵庸子
塁繋ぐフルスイングのこの真夏
京あられ
えびせんに群がるカモメ佐渡の夏
やまだ童子
炎帝に問う人ハ生キ遺レルカ
つづきののんき
憧れのニケにはなれず痩せて夏
一生のふさく
金色に追ひつ追はれつ秋の潮
風蘭智子
海行かばきつとみなとへ雲の峰
風蘭智子
若冲の果蔬涅槃図や秋の昼
冬島 直
よじれたる流木不知火を見たか
冬島 直
流木にささる鮫の歯秋白し
海羽美食
アルゼンチンタンゴ踏む浜秋暑し
海羽美食
ずどんずどん物干し台へ炎帝
青に桃々
炎天下きみの落書きを見に行く
吉野川
龍馬像の影を乱れぬ蟻の列
巴里乃嬬
ダフネめく流木夏雲上りつむ
巴里乃嬬
日の落ちて流木燃やす音涼し
日永田陽光
ただよへる龍涎香や星月夜
日永田陽光
2Lの水着は現地調達す
しみずこころ
初凪や砂のアートのうねる蛇
城ヶ崎文椛
あしなが基金やシドニーは晩春
渥美こぶこ
貝殻にさざめきを聞く秋の浜
高橋寅次
海色のネイル名残のサンダルに
円堂実花
流木のとどまる浜に祭笛
風早 杏
まだ残る能登の流木色鳥来
⑦パパ
打ちよする星の悲しみ今朝の秋
ピアニシモ
片方のビーチサンダル残る浜
ピアニシモ
膿んでゐる患部が樹皮となり涼し
古瀬まさあき
海岸の秋やヒスイを探す群れ
まっちゃこ
失恋とサイダー翡翠ミュージアム
まっちゃこ
沈みゆく吾の骨細し夏の果
森野みつき
熊蝉は忙しくサ行ひっかいて
ぷるうと
秋の浜貝ともつかぬもの拾う
ぷるうと
天草の香り聞こゆる丘までも
鈴木秋紫
夏の果かかとの砂をさらう波
鈴木秋紫
流木をイーゼルとせん雲の峰
稲垣加代子
遠泳の先頭は黄のキャップらし
稲垣加代子
髭面の震ふ両手が滴りへ
ペトロア
流木は祈りのかたち秋澄めり
西村小市
虫鳴くや二か月ぶりの陸の寝間
西村小市
手へ垂るるアイス浜辺のキャットウォーク
江藤すをん
流木の英霊めくや敗戦忌
山川腎茶
下半身だけのマネキン夏の浜
山川腎茶
流木や白化の枝を活ける夏
歩一
流木のよこたふダム湖大旱
歩一
伊予を観たくるりん乗った体育の日
びんごおもて
産む春や逆子を諭す産婆の手
小倉あんこ
国男忌や「椰子の実」歌ふ夕浜辺
小倉あんこ
流木の欠片のかけら夏の果
けーい〇
ホームラン打ちに来ないか夏休み
けーい〇
流木のひかがみ伸ばす秋の海
沢田千賀子
人魚たる吾や青野を駆け巡らむ
満る
行く夏のかけらや海のごみアート
天陽ゆう
日傘くるくる流木が色っぽい
白石 美月
砂浜に彼の名書いた今朝の秋
白石 美月
磯鴫や流木波に残さるる
まあぶる
流星や遠きアメリカ西海岸
まあぶる
三伏のテトラポッドが沈みさう
千夏乃ありあり
秋浜に人魚の骨であつたもの
千夏乃ありあり
流木の洞なほ深く星月夜
小川都雪
足裏の砂の記憶や浜の秋
扇利子
腰痛にしみる秋風海はるか
扇利子
流木の虚に火垂るの灯りたる
はれまふよう
砂浜に残す伝言秋の虹
あみま
流木のヘンリー・ムーアめく初秋
あみま
多分俺ハブられている浜日傘
渡邉 俊
哮る警笛潮焼けの監視員
渡邉 俊
真夏のフルスイング十回裏同点
古都 鈴
流木の看板のカフェ帰る秋
坂野ひでこ
初秋や人魚のうろこ拾う朝
坂野ひでこ
夏怒涛知りたくなかったこと二つ
うからうから
三伏の手帳「許す」の走り書き
うからうから
流木に名前をつけて砂日傘
胡麻栞
夏の果第二海堡の堅き陰
星埜黴円
差潮は磐州干潟の風紋へ
星埜黴円
流木は風のバトンや浜の秋
大西どもは
流木は貧者のごとし秋の潮
大西どもは
天の川思へば遠き島の波
素人(そじん)
流木は鳥にゴジラに星月夜
うに子
むきだしの秋の流木しどけなく
うに子
台風の去りて人骨めく流木
井納蒼求
ボーカルの薄いくちびる青蜜柑
小川晴よ
金秋の坂を義足はのぼってく
小川晴よ
戦前のビールポスター晩夏光
Q&A
喪服より細き手足や秋日傘
Q&A
祈りとは海亀の知る夜のひかり
る・こんと
転校のこと言ひ出せず秋夕焼
る・こんと
流木の杖の握りへ秋の蝶
みづちみわ
貧相な鎖骨出ている水着かな
さ乙女龍チヨ
波音に重ねる呼吸夏の星
柊まち
海風と空に見つける今朝の秋
柊まち
足枷を引きずり秋の浜をゆく
飯村祐知子
流木は砂となりたし土用波
飯村祐知子
澪引くや激戦の地の大夕焼
杏乃みずな
わだつみの火柱立てり夏の月
小野睦
星月夜人魚は足を脱ぎました
七瀬ゆきこ
ロボットの中腰移動休暇果つ
七瀬ゆきこ
流木の媚態あかるし芸術祭
にゃん
盆の月波はしづかに砂を舐む
にゃん
流木の突つ立つ浜へ土用波
蓼科 嘉
漂流の骨と玩具や夏の果
笑笑うさぎ