第59回「色っぽい流木」《人》②

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第59回 写真de俳句】《人②》
海の日やここが居場所と母の椅子
加納ざくろ
ハングルとキリルのボトルある熱砂
加納ざくろ
香水やバックパックとリーボック
キッカワテツヤ
古池の立ち枯れの木々秋の声
チリンドロン
自転車に跨って待つ南風
神保一二三
突堤にさらす足裏秋に入る
彩汀
砂の城に兵隊のゐる晩夏かな
彩汀
初めての波も花火も後退り
赤味噌代
帰り着く小舟の浜に天河立ち
ごまお
流木は手紙のやうに秋の川
西野誓光
ランバダのアンクレットや熱砂踏む
小山美珠
流木の骨盤に座す秋の浜
小山美珠
焼きすぎのパテや洋服めく水着
トウ甘藻
ハイビスカス貸しタオル機はまたも赤
トウ甘藻
錆釘生ふ板忽とあり砂日傘
花屋英利
サイレンに木偶の群成る夏の浜
花屋英利
十度目のフルスイングや風死せり
夏雲ブン太
流木の断ち痕乾ぶ沖縄忌
泉楽人
流木は夏の果へと行く途中
泉楽人
銀河より堕ちて流木のひかる
越智空子
八月の海や流木ほの白し
越智空子
流木の声きしきしと夏の果
めぐみの樹
青岬鯨の骨は夢を見る
めぐみの樹
くぐつた流木たまげた夏休
ちえ
八月の君在りし日の浜に佇つ
ちえ
イチジク浣腸三個真夏の浜掃除
玉響雷子
山ふたつ跨ぐ裾野や雲の峰
玉響雷子
滑らかな流木八月の夕日
ノアノア
異国語の漂着物や原爆忌
ノアノア
若き子の足跳ね踊る緋の蹴出し
京
腸をぬつと手で抜き鰯裂く
京
片思いの片瀬江ノ島片かげり
高橋侘助
サーファーは年齢不詳九十九里
高橋侘助
言い訳の男へ熱砂五度六度
小笹いのり
鳴き砂きゅきゅきゅビーチサンダルは黄色
小笹いのり
甘すぎるフラペチーノへ秋の風
山羊座の千賀子
炎昼に釘打つごときピンヒール
山羊座の千賀子
夏怒濤へ抛り投げたる嘆き種
ルーミイ
アリューシャン列島までも夏の潮
ルーミイ
ぐねと背の曲がる目高の方へ餌
ひつじ
自活できぬ子が戻り来る夏の果
ひつじ
大津波警報ストーブは消した
新田崚真
砂浜はスコール誰かのクロックス
新田崚真
熱砂から流木救ひ出して焼く
東風 径
野菜の木乃伊発掘さるる冷蔵庫
清白真冬
サマードレスのファスナー上げる人求む
清白真冬
深秋や遺言書には「散骨」と
土井あくび
海なんて嫌いと泣く子天花粉
土井あくび
グラサンのイケオジのいる海の家
平井伸明
エイリアン襲来の飛語旱星
鈴白菜実
空振りを絶叫炎天のラヂオ
鈴白菜実
流木のいよいよ白く夏の月
陶瑶
流木の清しき歪み秋の雲
岸来夢
巻貝にかすかな痺れ夏の果
岸来夢
流木をランプ台座に暮の秋
一久恵
うそ寒き流木爆心地の記憶
一久恵
望の潮竜の骸か流木か
国東町子
流木に菊盛られたる尼の寺
百瀬はな
磯臭い夕凪浜の悪友ら
飛来 英
埋められた浜の炎天砂重し
飛来 英
日の本をほつつきあるく酷暑の奴
郡山の白圭
シルバーは海賊でした夏の果
郡山の白圭
流木が涼しホスピスの受付
岡本かも女
浜木綿や亡き母海に溶けたもう
岡本かも女
耳打ちにシャネルの香りサンドレス
喜祝音
失恋の続きは夏の海の音
喜祝音
「琉球」を戴く泡盛の直立
笑田まき
群青の島へ通船望の潮
小川さゆみ
浜の絵も枝もわたしも消えて月
いかちゃん
白砂にハングル文字のサイダー瓶
明日咲く
流星やマナティー睡る海の泡
東田 一鮎
夕凪の島の支所より舟あかり
東田 一鮎
這ふやうに遺骨収集灼くる砂
伊藤 恵美
泳ぐとは聞いてなかつた浜日傘
深山むらさき
流星や鴨居の揚がる地震の浜
深山むらさき
シャツの下は水着ガイドはナポリ人
あまぐり
洞窟へ列なす小舟油照り
あまぐり
流木と呼ぶには妖し虎落笛
このみ杏仁
ガムランの音聞こえけり夏の夜
おおいおちゃ
鏡花忌の渚艶やかなる朽木
河上摩子
砂に足もつれ流星に逃げられ
三浦にゃじろう
木の棒はタクト銀河のレクイエム
三浦にゃじろう
流木よあの八月に何を見た
こたま
ぐつぐつと流木の灰汁濃くて処暑
うすい木蓮
アラスカに散りし写真家秋の海
碧西里
流木は秋の駝鳥の脚めきて
碧西里
すじ雲や流木は流線模様
香亜沙
流木や白夜の朱を泳ぎ来し
西川由野
うみねこや人魚に悲痛なる舞踏
西川由野
やあ君も流木だったのですか月
あなぐまはる
愛の日や伐られ内股めく分枝
四條たんし
流木のかたち鯨の死のかたち
平本魚水
少年の夢に椰子の実夏の海
原 唯之介
雲海よ麓の町の辻馬車よ
黒猫
パラソルを立てて開店海の家
きべし
手花火の残骸浜に朝日射す
きべし
夏の湾記憶は深く沈みけり
おっとっと
ずぶずぶと泡噴く薪や夏の海
栗田すずさん
イーゼルを並べ大王崎は夏
栗田すずさん
絵の裸婦の刺すやうな眼や日の盛り
央泉
発酵を待つしづかなる西日かな
秋白ネリネ
君の名のタトゥーなぞるや鴎外忌
だがし菓子
星の砂集めよ炎帝は玉座に
だがし菓子
風炎や朽木の腹を舐りゆく
栗の坊楚材
青楼に河童の出づる溽暑かな
栗の坊楚材
ダウジングロッド動くや大旱
丸山隆子
半島に並ぶ風車や夏の空
丸山隆子
船曳の歌立ち枯れの秋の川
末永真唯
熱風や気球の床は斜め五度
猫おっと
まだ土に成れぬ流木秋の風
泗水ハオ
珈琲の湯気誘へる冷房機
風友
春浅し豚浮き沈むドナウ川
山女
夕立や波打ち際の木の形
ぱんだ社長
流木に坐して眺むる帰燕かな
小林 昇
流木のブーメラン夏果てにけり
ゆりかもめ
鬼の洗濯板窪みには子蟹
菩華
流木を洗うひたひたキャンプの灯
渡辺鬼
波の虹夏至の光を掬いをり
王朋亡
昼寝ふと船頭に凪問うてまた
ツナ好
みな遺品この夏浜へ流れ着くは
ツナ好
流木を花器に麦の穂をあしらふ
龍の珠
海の家ラジオは十八回の裏
かおりんご
八月を地球の人と云ふ仕様
沢拓庵
流木の白骨めくや月の浜
前田冬水
蒼穹へ立つ波の音や白日傘
チェルシー
胎動のトクンと揺れて金魚玉
紅緒
流木を磨く父の背夏の果
ひろ笑い
砂浜の素振り千回夜光虫
藤瑪瑙
流木の打ち上げられし秋の浜
すみ子
裸身めく流木しろき秋の声
渋谷晶
霧ふかき湖よ女優は還らない
渋谷晶
海開き待つ訓練の笛風に
まさと澄海
流木の流浪ゆだちあとの下流
無何有
夕凪のサザン流木眩しめり
宇佐
海風や腹に余韻の大花火
ぴん童子
親指のペディキュア広し熱帯魚
野井みこ
祖父と目くばせ屋台のアイスクリン
とり
夏潮やシエスタ中の漁師町
釜眞手打ち蕎麦
キリシタン墓碑からの浜夏の霧
若宮 鈴音
海藻に指を引かれる浜の秋
九月だんご
虫払い祖父の残した書一山
かりん
流木の苔むす足場清水汲む
扇百合子
白波に夏の砕ける音を聴く
夏椿咲く
かなかなや笑えといわれただ笑う
豆くじら
杖になる流木探す秋の暮
渡辺 あつし
駄菓子屋の葦簀の奥のテレビジョン
清波
南吹く流木くぐる海の声
のぶ
流木のうろにスナホリムシの夏
典典
八月の海オブジェめく流木よ
とも
色淡き機影吸い込む夏の空
すず
投げ釣りやあたり待つ間の缶ビール
摂州黒うさぎ
盆波や相模の黒き粗砂の浜
矢口知
竜の如流木寄する海神事
ビバリベルテ
夏霧の海よりボトルキリル文字
沙魚 とと
海霧の晴れた砂浜シーグラス
沙魚 とと
館山湾並ぶや白き水泳帽
一色 那真呼
足首の蠍の刺青熱帯夜
千鳥城
夏の果場末のバーの赤ドレス
千鳥城
夏の果音静かなる室外機
仲間英与
夕暮れて瀬戸の小島の踊りの輪
仲間英与
サーファーらのわらわら上がり来る浜辺
実相院爽花
ふるさとの海陰々と缶ビール
実相院爽花
流木でこさえし椅子や夏の月
前世ニャン子
放置子の海は昏々草田男忌
帝菜
浜茄子の優しき風や海は碧
鈴花
暹羅の舞夏の月下に波のごと
武井保一(超凡)
ガムランや夜店の婆の舞ふ手つき
武井保一(超凡)
流木の亡骸めけり秋の風
揣摩文文
端居して流木ひろい来し話
湯屋ゆうや
流木のねじれ夏の終わりのかたち
藍創千悠子
色気てふ透明な罪アマリリス
藍創千悠子
「処理水」の深きを潜る秋鰹
ばちゃ
うりずんやビーチコーミングのはしご
ばちゃ
夏の浜ボトルメールに見慣れぬ字
高橋玄彩
流木はオカリナのごと秋の浜
呑 栗子
流木は影向銀の月を浴び
藤原朱夏
慈雨優しビオラ慰む浜辺の歌
藤原朱夏
椰子の実や旅の途中の夏の月
無弦奏
流木に夏帽委ね海に入る
源五郎
答案は△だらけ蝉の聲
千代 之人
炎昼や三角鉄の音の歪み
千代 之人
流木の溜り船虫きれい好き
青い雀
流木と秋の潮を聞きおりつ
若山 夏巳
流木の白きを撫でて老の秋
若山 夏巳
台風一過漂着物の読めぬ文字
じゅあ
流木は未練のかたち原爆忌
万里の森
カーレンの足切り落とし聖母月
万里の森
流木や波音とほき盆の海
中岡秀次
喧噪の夏のなごりとして流木
中岡秀次
流木の隙間の蟹や威嚇せり
友鹿
夕凪の島流木は火葬用
友鹿
流木に森を嗅ぐ犬秋夕焼
出船
流木は八頭身晩夏の浜辺
芳野まさこ
朝影やきがへのまどを夏の蝶
なつふじ
恨のごと立つ流木や八月尽
ぐわ
発熱やふいに遠のく祭笛
ぐわ
このサーカスはあと何分やレモン水
桜上比呂
星月夜流木の影波に揺れ
平松久美子
遠足は海片恋の君探す
里春
推しタオル夏の海風舞上げる
森子