第60回「双子のようなペンギン」《人》③
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第60回 写真de俳句】《人③》
軽鴨や親の影追う道の端
池上 胤臣
冬近しペンギンは手をつなげない
松雪柳
望郷のモアイ像三陸の秋
紺太
秋旱帰るおウチが無いのです
靫草子
大地震冴返る夜の水族館
空はる
ペンギンの目をつむる間の時雨かな
全速
集合の声に整列春隣
さおきち
星月夜角度同じくして無言
さおきち
越冬隊迎える皇帝陛下二羽
電脳庵
回遊魚ざわめきてなお夏の潮
リコピン
土用波胸の芥の拠りどころ
リコピン
ペンギンの紡錘形に飛ぶ寒露
せんのめぐみ
お揃いの帽子のリボン小鳥来る
せんのめぐみ
ペンギンの水中を飛ぶ夏休み
きのこオムレツ
ファーストペンギンになれず夏終わる
きのこオムレツ
視線にはアクリル越しの鰯雲
すかーてぃっしゅ
底冷や魚骨残らぬぺんぎん舎
葦屋蛙城
冬帝やぺんぎんの目に吾もゐて
葦屋蛙城
天空をペンギンすらら夏休み
川彩明
秋晴れやシロイルカらの笑ひ皺
風かをる
姉ちゃんは双子だったの墓洗う
笠井あさと
ペンギンの群れざわめきて鰯雲
笠井あさと
飛ばぬこと選びペンギン雪の道
どこにでもいる田中
フンボルトペンギン臭し夏の波
どこにでもいる田中
第五子の命名会議ソーダ水
橙茶
斧を打つ祖父のがに股クリスマス
さら紗
王さまペンギン鯵のごほうび水しぶき
水間澱凡
散乱の死鳩の綿毛野分立つ
土取
廃鶏の羽毟る手や初時雨
土取
ペンギンはバケツでごはん夏休み
寺田 美登里
ペンギンの氷海滑る速さかな
丸山和泉
寄せ鍋や箸とりどりに疑似家族
浅海あさり
子の描くペンギンに臍ある良夜
浅海あさり
秋麗の泳ぐペンギン泡きらら
花星壱和
先頭は二羽のペンギン秋の風
西 山歩
ペンギンのよそ見道草秋の雲
喜多丘一路
ビルを超えペンギン翔ぶや夏空へ
啓太郎
ペンギン望郷水族館も酷暑
出羽泉まっくす
天高し水族館へあと五分
彼理
流氷や金婚式は船上で
ルージュ
凍空へ伸びきつて企鵝の求愛
陽光樹
エコーには心音ふたつ春近し
桂月
背浮きのペンギンや秋天を仰ぐ
原島ちび助
色変えぬ松機織りの町今も
原島ちび助
抱卵のペンギン比比と冬月下
滝川橋
ペンギンが一列歩きしない冬
みなし栗
初雪やほっぺのごはんつぶふたつ
アツヒコ
月食やペンギンの雛うまれけり
紫月歪丸
ペンギンの短き尾つぽ冬落暉
駒村タクト
食ひもんぢゃないと言ふ夫虫時雨
駒村タクト
妹も片えくぼありさくらんぼ
田畑 整
連休の中日のイルカショー炎暑
田畑 整
翼広げ走るペンギン鰯雲
青井晴空
爪先で雪渓穿つ一歩ずつ
青井晴空
振り子のごとく歩くペンギン秋麗ら
はね花
ペンギンののどするるんとイワシ入る
はね花
夏の日のキャッチボールや子とイルカ
林としまる
ペンギンに丸飲みされる鰯の目
千暁
滑らかなイルカの肌や秋初め
夏の舟
突っ込みの似てくる夫婦温め酒
山内彩月
秋日和ペングィンの肢逞しく
山内彩月
ペンギン1号2号3号流氷
ヒマラヤで平謝り
離れないふたご座の星息白し
ヒマラヤで平謝り
木枯しや魁の企鵞は直立
頓狂
秋澄むやペンギンぺたぺた餌を待つ
和み
ペンギンの皆ふくよかに昼の月
和み
お受験の双子両手に冬小径
光太郎
ペンギンの列はみ出しぬ鰯雲
高山佳風
閉園のペンギンの池月冴ゆる
高山佳風
ペンギンの散歩のニュース毛糸編む
十月小萩
満月や鳥にはなれぬ進化論
十月小萩
信号は赤秋高き和声かな
龍酪
空蝉を毟り集めるおかーちゃん
龍酪
骨折のペンギン歩き秋高し
花はな
円陣の中の企鵝の子冬温し
花はな
ペンギンのすっくと立ちて秋高し
辻 さつき
ペンギンのぐるり一坪ぐるり秋
曽根朋朗
兄弟のイケメンはオレおでん煮る
曽根朋朗
家政婦にあらずと明かし秋日和
瀬央ありさ
弾痕の軍機没する海を飛魚
あおい結月
ペンギンの散歩一列春夕焼
水無月
銀の渦巻く大水槽の鰯かな
草野ふうこ
海鳥の決死のダイブ夏の海
にも
足もとを憂うペンギン秋に入る
植木彩由
ペンギンのぐあぐあ夏の果するり
植木彩由
パタゴニアの氷河の青や事実婚
理恵にゃん
千歳飴ひきずるお揃ひの年子
一寸雄町
ぐし縫ひを小さき袖に秋灯
一寸雄町
ぬかご飯老いて母似の三姉妹
杜野みやこ
ペンギンの弾丸めくや夏の月
骨のほーの
ペンギンの似てない親子秋うらら
藤本花をり
洪水の流木燃やす迎え盆
岩魚
拭き終えた巨大水槽へ月光
たまさもち
ペンギンの飛びて水面の鰯雲
宮本 モンヌ
ポロシャツはペンギンマーク今朝の秋
杉本年虹
海象のひげ触る子ら雲の峰
游季うさぎ(雪うさぎ改め)
ペンギンや柵の向こうの秋うらら
ノセミコ
地吹雪に佇つペンギンの動かざる
清瀬朱磨
ペンギンにおへそはないの秋うらら
小花風美子
ペンギンショー冬めく別れ切り出しぬ
さち今宵
ペンギンの飼育員追ふ冬ぬくし
さち今宵
換羽期のペンギン舎扇風機は強
いたっくうらら
ペンギンの求愛ダンス春の暮
シナモンティー
「It'saboy」はためく初夏の水族館
海月のあさ
空泳ぐペンギン入道雲もくもく
海月のあさ
どこの国でもない南極の六花
織部なつめ
ペンギンへ色なき風のやはらかし
織部なつめ
身長は仲よく同じ秋の空
青屋黄緑
二日のペンギン舎「散歩」見送る飼育員
迷照 りん句
万華鏡くるりペンギンのウォームシェア
弥音
抑留の友の屍汗や凍つるまま
弥音
秋さびし三面鏡のあの私
芦幸
風船はしづかにツインベビーカー
芦幸
双子だと言われぬ双子地蔵盆
赤尾双葉
ペンギン像へ股がる双子涼新た
赤尾双葉
水始めて氷るペンギンの呼応
麦のパパ
雲の峰若きオルカのジャンプ果敢
花和音
うららかに問うペンギンの続柄
入江みを
遠足の列団体のペンギンへ
入江みを
ペンギンの羽毛の乱れ小春凪
湧翠
お土産はシーサーいくつ夏休み
紅三季
えくぼある方が姉なり藍浴衣
紅三季
ペンギンのなんとも言へぬ処暑の匂ひ
嶋村らぴ
ペンギンの瞳が無機質で秋思
嶋村らぴ
ペンギンのおしくら饅頭冬の園
德(のり)
ペンギンは水中を翔ぶ星月夜
伊沢華純
大西日給餌待つペンギンの影
酒呑走人
蕎麦の花見晴し台の白木の香
風の木原
風さらう下校のチャイム秋燕
風の木原
草の実や尾っぽを立てて帰る猫
鈴木あんず
萩の風母の呼ぶ声聞こえたか
鈴木あんず
空調服ふくらむ処暑の飼育員
日々の茶めし
ボス猿の静かな咀嚼秋の風
日々の茶めし
雪国を抜け出し双子座流星群
舟端たま
ペンギンのあくびのうつる小春かな
前田昂平
ペンギンの樹脂バリケード冬夕焼
くるぽー
四時限目濡れ髪塩素香る夏
咲織
ペンギンが飛ぶ八月を揺らがせて
だいやま
熱帯館の圧匂いくる終戦日
だいやま
両膝に双子抱きたる生身魂
ときちゅら
命名のお知らせ秋気のペンギン舎
おかだ卯月
不乱なるペンギン夏を泳ぎけり
紅紫あやめ
ペンギンのコロニー基地の浅き春
はなぶさあきら
うららかやポチに流動食与ふ
殻ひな
黙の間を汗の引きゆく養父かな
髙田祥聖
終戦記念日俯ける企鵝仰ぐ企鵝
髙田祥聖
ペンギンの長き影引く白夜かな
わかめ
ペンギンのバスボム腹溶くる秋夜
阿部八富利
秋日和ペンギンの名はぐりとぐら
水豚庵
姉の背を越す十七の秋暑し
横山雑煮
「ペンギン」と言ふ啓蟄の喉痒し
津々うらら
右ばかり向くペンギンと蠟梅と
津々うらら
リヤカーの園児の散歩秋高し
庭野利休梅
飛べぬ鳥飛ばぬ鳥たち月更くる
雨野雀雨
病衣の背ならぶ窓辺や秋日和
白秋千
十月の放心ペンギンはほぼ人
宮康平
乱数のペンギンの向き秋の空
宮康平
秋声や似た耳並ぶ家族葬
かなかな
むかご飯親に似る子も似ない子も
かなかな
水族館の裏の慰霊碑冬ぬくし
赤坂みずか
油臭きペンギンの羽梅雨じめり
平岡梅
冬虹の崩るるあたり吾はまさに
文月蘭子
右向くペンギン冬帝へ妻を問ふ
文月蘭子
飛花落花二人道明寺の目線
窪田ゆふ
ペンギンガム嚙めばオーロラ立つ極地
踏轍
列乱すペンギン鰯雲もまた
踏轍
ペンギンや溶けはじめてるかき氷
明後日めぐみ
濁りなき企鵝の乗りたる花氷
風蘭
オングルの雪にひとすじ犬の道
風蘭
赤のまま姉の真似して世話をやく
律
夏休み臍ありそうな大ペンギン
紫黄
ペンギンのバラードかかるバーの秋
楽和音
黒電話鈍き廊下や秋湿り
楽和音
王の帰還を待つや吹雪のペンギンは
俊恵ほぼ爺
天狼や野生には愚かさが無い
俊恵ほぼ爺
秋の蓮ハシビロコウの目に孤高
仁
ペンギンのペタペタ崖へ鰯雲
仁
うららかやペンギン村の相関図
小川野雪兎
ネクタイを緩め九月のペンギン舎
小川野雪兎
はたおりの音を風鈴おいかけて
島田あんず
ペンギンの脚へぴゅあっと水涼し
青野みやび
ペンギンやぎっくり腰の白木蓮
トヨとミケ
ペンギンに跳び込む力梅は白
亘航希
ペンギンの視線の先や涼新た
ゆみさく
午後五時の海のにほひの髪洗ふ
葉月庵郁斗
山陰線復旧間近赤まんま
しげ尾
秋麗や胎の双子の産着干す
なないろ
ペンギンの喧嘩見届け日向ぼこ
奏美和
鰯雲恋の行方とペンギンと
奏美和
巣帰りのペンギンの列夏休み
コリちゃん
冷まじやペンギンの氷壁ダイブ
砂月みれい
燕帰る代理の指揮は日本人
井村 壽々
宵寒や店をはしごのなにわの津
錆鉄こじゃみ
氷海やペンギンミサイルの如く
藤田ほむこ
男子らをほっぽる班長熱帯魚
田野こみち
赤錆ののこぎり屋根や夕立雲
稽古
論文に挑む老父やハイビスカス
平手打チメガネ(志村肇)
集団は疎し花見のリフティング
平手打チメガネ(志村肇)
ころころの双子ことばや水鉄砲
飯沼深生
ペンギンの列見る列や秋の空
紫桜
