写真de俳句の結果発表

第60回「双子のようなペンギン」《人》④

第60回「双子のようなペンギン」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

 

※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。

【第60回 写真de俳句】《人④》

双子ペンギン手をつなぎたい春よ
神谷元紀
寒いペンギン一平米に十羽
神谷元紀
ペンギンの耳朶のなき涼しさよ
常磐はぜ
口づけの顎の角度を春の月
常磐はぜ
抱卵は孤独胸張る夏の鳥
山浦けい子
孵卵器の嘴打ち観入る夜の秋
山浦けい子
入籍の夏旅「かもめの玉子」買ふ
木乃芽依
ペンギンに雪が降るなり水族館
風乃杏
また今日も卵を抱く白夜かな
風乃杏
除湿機は満水おっとり梅雨の月
とひの花穂
凍て風のペンギン海往くための羽
とひの花穂
水を裂くペンギンの口秋に入る
戸村友美
着けられし青タグペンギンの秋思
沢山葵
青タグのペンギン鰯三匹目
沢山葵
白夜よりくりぬかれたる影しづか
おりざ
オーロラの心音を聴く立ちつくす
おりざ
鯖雲を見上げペンギン動かざる
白猫のあくび
ペンギンもどんくさいのがゐて秋思
白猫のあくび
着ぶくれてペンギン待つやフィリップ島
翠雨
花子太郎ならぶペンギン百日紅
しせき
ペンギンの孤塔いくつも冬銀河
島田雪灯
遠雷や肉喰らうライオンの息
めいめい
色褪する園内地図や夏日影
めいめい
地軸踏む皇帝ペンギン星凍つる
池田義昭
棚経の袈裟に穴あり婆が直す
水須ぽっぽ
叱りつつ歩く婆ゐて草の市
水須ぽっぽ
ペンギンパレード不登校児の夏
こころ美人
星の入り東風ペンギンに育児嚢
たけろー
空ばかりみてゐる祖母や竜淵に
猪子石ニンニン
ペンギンの夢秋空を操縦す
岸野ゆり
星月夜こころの錆びを洗ふごと
岸野ゆり
秋の水割くごと鯉の背の光る
ふみづきちゃこ
水澄みて朝日あふるる谷津の径
ふみづきちゃこ
ペンギンの散歩の時間秋暑し
ねこじゃらし
ペンギンのお腹のカーブ秋の虹
ねこじゃらし
ペンギンの腹照らしたる白夜かな
砂芽里
ペンギンのないしょ話や春来たる
砂芽里
ペンギンの腹にしみたる風の秋
本間 ふみふみ
すっぽりと寒雲の真ん中にいる
晴芽みやび
SWITCH2の入荷待つ列秋の朝
渥美 謝蕗牛
相関図掲げ涼しきペンギン舎
竹庵
水海月たゆとう水槽は無音
ふぃーかふぃか
燕尾服背中丸めて薔薇を受く
ボンちゃんのママ
海辺まで歩きませんか秋桜
くさもち
賢治忌のペンギン競はされてをり
葉村直
ペンギンに生まれ変はつて見る月は
葉村直
人鳥の膝折りてゆく雪しまき
水きんくⅡ
風信子しりとりの名を持つ双子
水きんくⅡ
もう一歩奥へペンギン舎の夜長
理佳おさらぎ
求愛は飼育員へペンギンのうらら
桐山はなもも
秋ぽつかりとアザラシの鼻の穴
佐藤レアレア
秋の水ざばんと揺るるイルカショー
佐藤レアレア
すやすやと双子の朝や秋の雲
独楽(こま爺)
喜望峰ペンギン村の海開き
北斗星
秋の昼ペンギンの頭の魚臭し
立石神流
父のゐし夢より醒めて昼の月
小鉢
流星やペンギン達は空仰ぐ
大切千年たいせつせんねん
哭くやうにペンギンの声秋の空
高田ちぐさ
ぺんぎんを脱いで西瓜にかぶりつく
兎波
ぺんぎんの喉に突つ込む秋刀魚かな
兎波
イスラムの熱砂の匂ふタペストリー
天六寿(てんむす)
ペンギンの似たりや似たりうららかな
青井季節
魂の片割ありや彼岸花
青井季節
ほころびたセーター袖もたらんたらん
さとうナッツ
夏掛の妻に夏掛重ねけり
立川猫丸
文化祭明日は本番二重奏
横須賀うらが
声合わせお揃いはいや秋うらら
横須賀うらが
中トロを餌に買いたるクリスマス
たーとるQ
ペンギンの産毛に雪の花ぴたり
たーとるQ
三歳の姉や小石に添ふ双葉
うくちゃんま
明日葉や子の名記さむ母子手帳
うくちゃんま
ペンギンの入水氷上一直線
のりこ
ファーストペンギンと呼ばれ夜業の零時かな
紫すみれ
聖夜の寸劇双子の「じゃないほう」
紫すみれ
ペンギンを追う笛靴や秋うらら
秋野しら露
荻の声百年を継ぐ水族館
秋野しら露
薄氷を突く余命二週間の兄
深町宏
集団は苦手残暑の待ち時間
松本厚史
万博は行かなかったね秋扇
はまちこ
輪唱の夜泣き良夜の哺乳瓶
広島じょーかーず
ペンギンの恋小春の羽根を啄んで
広島じょーかーず
萩散るや囲いの中の立仏
かたばみ
朝まだきユダに逢ふなり花蘇芳
須月かほう
親友はSuicaのペンギン二学期来
たきるか
夏空や言う事聞かぬペンギンショー
美織
着ぶくれてリトルペンギン待つ薄暮
のりのりこ
寒晴や喪服の従弟にも白髪
咲山ちなつ
夏帽や列はでたらめひよこ組
天風さと
ペンギンは鳥なんだって初嵐
恵翠
いざや脱走ペンギンの天高し
玄子
熱帯魚枯れた珊瑚の白に消ゆ
舞矢愛
錦秋の樹林の奥や双耳峰
舞矢愛
引越しの子と渡る橋はつ燕
たじまはる
白熊のうろつく炎天狭い檻
孤寂
風薫る師に賜りし試歩の杖
浜千鳥
ペンギンの行進元気冬日向
のぐちゃん
空を飛ぶペンギン眺めかき氷
のぐちゃん
あれが基地肩を並べて雪の原
出雲のたみちゃん
ずしんとパイナップルあゝ歯も痛い
慈夢りん
耳下腺の痛むかほりやパイナップル
慈夢りん
カワウソの餌やり小春の有給
花豆
早春のペンギン体操一歳児
花豆
アノヒトノウワサノシンイ野分雲
創次朗
今日の事明日に持ち越す鱗雲
創次朗
ともだちは兄のともだちかまどむし
うーみん
ビル街を飛ぶペンギンや昼の月
ユリノキ
夏帽子押さえて濡れてイルカショー
ユリノキ
ペンギンのコトコト歩きビルの雪
みえこ
夏休みシャチの尾ひれの水しぶき
久木しん子
ペンギンの口ばし天へ祈る夏
香代
石段を鶏飛んだ初嵐
秀翁
秋没日水槽のある談話室
霧賀内蔵
着ぶくれて園児ころころバス降り来
霧賀内蔵
先生の糸車の音夏のほか
看做しみず
双子カート院内図書館の長閑
おおい芙南
二黄卵の朝テレビは終戦日
おおい芙南
ペンギンの中身がゐない五月病
水鏡新
ライオンのやうなホストと喰ふメロン
水鏡新
南極のネリリしハララす冬の星
どゞこ
ペンギンの歩みは軽し秋の虹
にわのこでまり
ペンギンの声を聞き分け秋日和
瞳杏
マルミミゾウの密かな産や広島忌
みやもとや
たこ焼きの二個目火傷の祭かな
山本八角
翔ぶやうに泳ぐペンギン天高し
水越千里
閉館までぺんぎんを見る晩夏かな
鈴木そら
老ぺんぎん見上ぐる空の冷まじき
鈴木そら
ペンギンを連れて帰ると泣く秋日
南全星びぼ
地吹雪に堪へてペンギンたちの黙
南全星びぼ
きららかや三階席へ第九降る
ひまわり
筆洗はぺんぎん色へ夏休み
石井青花
ペンギンの雛の骸や星冴ゆる
清桜人
退院の腕や氷菓の蜜の赤
春瑛
極夜明けホーン岬の春隣
三日月なな子
ばたばたばたと扁平足の跣の来
古乃池 糸歩
ペンキ塗り涼新たなるペンギン舎
ラテ
断翼のフラミンゴ立つ夏の果て
ラテ
イルカショー水しぶき待つ席へ夏
なみきたか
子守宮やまた捕り逃がす玻璃の影
青田道
太陽光パネル冷たく鳥を飼ひ
清水縞午
コロニーの喰われし親を待つ良夜
感受星 護
ながいながい童話を開く夜永かな
睦花
囀りや双子二組乗るバギー
ガリゾー
ペンギンは鳥だと知った遠い夏
きょうのあき
秋晴れや動物園のおさんぽショー
えりまる
コロニーに集うペンギン月仰ぐ
長谷部憲二
ペンギンのショーはバラバラ秋麗
老黒猫
天高しシャチの巨体のジャンプ力
老黒猫
ファーストペンギンになると決めた日雲の峰
ちよ坊
星月夜クジラの唄も聴こえない
ちよ坊
氷原へISSの影白し
蓮天
秋の灯やペンギン像の尻に罅
佐藤さらこ
秋の灯やここで再び暮らそうか
千寿 ココ
ひとりっ子金魚二匹を乞う帰り
海里
ペンギンに肉食の眼や秋暑し
浅井夕兎
羽捨てし生き物もゐて秋の空
浅井夕兎
長靴の二人三脚こけて冬
奥伊賀サブレ
あいつが憎い春のペンギン相関図
右端ぎゅうたん
翻車魚の臀鰭擦れて冷ゆる傷
右端ぎゅうたん
竹たおやかに打倒信金星祭
となりの天然水
シュシュ跳ねてキッズダンスの秋うらら
となりの天然水
ペンギンを数える絵本星月夜
鳥乎
ペンギンの気をつけ秋はまだとおい
山崎三才
炎天のサッカー隣は水族館
山崎三才
ペンギンの子は真ん中にブリザード
バイカウツギ
ペンギンの着ぐるみ残暑の園庭
はるを
絵本閉じ優しき嘘をつく夜長
夏村波瑠
土佐弁のまあるき響きアイスクリン
夏村波瑠
体育の日餌へペンギン疾走す
前田いろは
人日の人恋ひて啼く人鳥舎
三浦海栗
星流る双子の姉のアルペジオ
まるるん
行列に遅るるペンギン秋暑し
岳陽
襟正し餌待つペンギン秋麗
岳陽
寒月や企鵝突き回す鯱の群
江口朔太郎
移り気は双子座のせい刺繍花
大月ちとせ
薄野の骸生まれたての猫たち
天雅
海峡を海豚最期の連絡船
天雅
ペンギンの月光に胸浸したる
さく砂月
寂しさは眠るペンギン月の暈
さく砂月
ペンギンの嘴の輝石や冬銀河
翡翠工房
鰯雲今日もやつたよ飛ぶ練習
渡海灯子
吊り橋のレッサーパンダ見上ぐ夏
小田毬藻
十二メートルの水槽磨く夏の夜
のんきち
ペンギンのせたけはおなじ夏の空
のんきち
人工の水際しづか小鳥来る
田原うた
GoProをつつくペンギン天高し
ぜのふるうと
閉館のペンギンプール夏の月
丸井たまこ
三線を聞け夏果の病める胸
冬野とも
同じはう向きて姉妹の秋の旅
冬野とも
鴨の羽抜けて遣り甲斐の底が黒い
沼野大統領
色欲やガマより出づる大かはほり
伊藤映雪
9・11テディベアの脇ほつれ
伊藤映雪
人鳥の無垢な歩みや夏の果
うめやえのきだけ
碇星いまだ凍土に睡る獅子
うめやえのきだけ
月の秋ロイド眼鏡の若き父
ひろこ
似た人を未だ眼が追ふ春暑し
ひろこ
ペンギンの集まり饐えてゐる秋暑
百瀬一兎
秋澄むやあのペンギンは食べてない
百瀬一兎
おっとりとせっかち並ぶ七五三
あが野みなも
心音のふたつ聴こえてカンナ咲く
一井かおり
病む母の鎖骨つやめく羽蒲団
句々奈