写真de俳句の結果発表

第63回「十数年ぶりの大阪」《ハシ坊と学ぼう!④》

ハシ坊

第63回のお題「十数年ぶりの大阪」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

見上げれば秋天空か通天閣

澪月(れいげつ)

夏井いつき先生より
空があり、通天閣があれば、「見上げれば」は不要です。この五音分があれば、更にブラッシュアップできますね。
“ポイント”

ドライカレー黄身の皮割る大夕焼

風嶺陸

夏井いつき先生より
「今年(2025年)の夏の体験をベースにしています。兼題写真の表通りは串揚げ屋が軒を連ねていましたが、一本通りを入ったところに、昔ながらの純喫茶がありました。そこで食べたドライカレーのことを思い出しながら、この句を詠みました」と作者のコメント。

句材はよいです。「黄身」に対して「皮割る」という描写は一考の価値がありそうです。更に、この句材でしたら「大夕焼」の「大」が、言葉の質量のバランスを崩しています。上五に「夕焼や」とおいて、中七下五を調整してみましょう。
“ポイント”

河豚鍋や串カツ片手冬の塔

大漁旗

夏井いつき先生より
「河豚鍋や」の切れ字で切れて、「串カツ片手」で軽く切れてしまう三段切れです。「河豚鍋」を季語として主役に立てることを考えると、果たして「串カツ」が必要かどうか。
“ポイント”

日本一気持ち串かつてっちり食う

赤いふだ

夏井いつき先生より
言いたいことを詰め込み過ぎています。「てっちり」を季語として立てることを考えてみましょう。更に、「てっちり」とあれば、「食う」はなくても分かります。
“ポイント”

秋うらら名物美味し帰り道

あんず

夏井いつき先生より
一句に具体的な映像が、あるようで無いのです。「名物」とはなんでしょう。どんなふうに美味いのでしょう。「帰り道」という情報は絶対に必要でしょうか。諸々、再考してみましょう。
“ポイント”

冬の昼かんばんどれもおいしそう

上山幾子

夏井いつき先生より
具体的な映像が見えません。どんな看板なのか、描写してみましよう。
“ポイント”

通天閣登って見たい紅葉狩

酒井綾子

夏井いつき先生より
上五中七のフレーズに対して、「紅葉狩」は少々無理がありそうです。通天閣あたりで、味わえる季語がよいのでは。
“ポイント”

湯気立てやビルの谷間にスフレ焼く

旭はるの

夏井いつき先生より
「湯気立て」は室内の季語。そこから「ビルの谷間」へ出たかと思うと、「スフレ焼く」。どこにいるのか、まずはそこを分かるように書きましょう。
“ポイント”

神社横扉開ければ河豚の店

花弥 樹

夏井いつき先生より
「今月からおウチde俳句くらぶの会員になりました。全くの素人ですので宜しくお願いします。久しぶりの大阪、忘れられない河豚の味を思い出して……」と作者のコメント。

光景が面白いですね。とはいえ、「横扉開ければ」という状況が、鮮明ではないというか……。神社の横から出る? 神社にくっついて河豚の店がある? 横扉? このあたりを明確に書けるとよいですね。とはいえ、ここからのスタート。まずは、俳筋力をつけるためにとにかく沢山作りましょう。俳句は、多作多捨です。
“ポイント”

たこ焼きを割れば濃き湯気宵戎

日永田陽光

夏井いつき先生より
中七の語順が少々損。

添削例
たこ焼きを割れば湯気濃き宵戎
“ポイント”