第64回「砂漠のホテル」《ハシ坊と学ぼう!②》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
元旦の砂丘一人飲むコーラは
ひーじい
夏井いつき先生より
「砂丘に一人飲むコーラ」とすると、調べが整います。「コーラ」も清涼飲料水の一つとして、夏の季語として使うこともできますが、「元旦」に拘りがあるのならば、上五は「元旦や」と詠嘆するのも一手です。
「砂丘に一人飲むコーラ」とすると、調べが整います。「コーラ」も清涼飲料水の一つとして、夏の季語として使うこともできますが、「元旦」に拘りがあるのならば、上五は「元旦や」と詠嘆するのも一手です。


編みかけし儘のレースに雪兎
うくちゃんま
夏井いつき先生より
「編みかけし儘のレース」がそこに残っている、という状況はこの書き方で伝わります。ただ、助詞「に」によって、状況が分かりにくくなります。レースに雪兎をおいた? かぶせた? そもそも、季語「雪兎」がなぜ必要なのかが、分かりにくいです。
「編みかけし儘のレース」がそこに残っている、という状況はこの書き方で伝わります。ただ、助詞「に」によって、状況が分かりにくくなります。レースに雪兎をおいた? かぶせた? そもそも、季語「雪兎」がなぜ必要なのかが、分かりにくいです。


去年今年ブルジュハリファに大花火
原島ちび助
夏井いつき先生より
「ブルジュ・ハリファは中東ドバイで世界一高いビルです。そのビルに新年のカウントダウンに大きな花火が打ち上がる。その光景を詠んでみました。この場合、冬の季語と夏の季語の季重なりとなってしまうのでしょうか?」と作者のコメント。
この内容でしたら、二つの季語を合体させることはできそうです。ただ「去年今年」という季語は、非常に難しいものですから、ここは再考の余地がありそうです。
この内容でしたら、二つの季語を合体させることはできそうです。ただ「去年今年」という季語は、非常に難しいものですから、ここは再考の余地がありそうです。


逃げ水を追う火星探査計画
海里
夏井いつき先生より
「世界は、月のみならず火星への移住計画まで進めているとか。砂漠にオアシスを見つける様に生きるためどうしても必要な研究なのかもしれませんが、先の見えない計画は膨大な費用を投じ、いったいどこまでゆくのでしょう。(余談です。おかげさまで手術は無事終わり、退院することができました。内容はともかく、こうして又投句させていただくことができたことを幸せに思います)」と作者のコメント。
「逃げ水」を比喩として使っているニュアンスかもしれません。「~を追う」の部分はもう一工夫できそうです。(手術や入院の日々にも俳句のタネはありますから、それらも是非俳句として記録して下さい)
「世界は、月のみならず火星への移住計画まで進めているとか。砂漠にオアシスを見つける様に生きるためどうしても必要な研究なのかもしれませんが、先の見えない計画は膨大な費用を投じ、いったいどこまでゆくのでしょう。(余談です。おかげさまで手術は無事終わり、退院することができました。内容はともかく、こうして又投句させていただくことができたことを幸せに思います)」と作者のコメント。
「逃げ水」を比喩として使っているニュアンスかもしれません。「~を追う」の部分はもう一工夫できそうです。(手術や入院の日々にも俳句のタネはありますから、それらも是非俳句として記録して下さい)


アフガニスタンに凶弾に斃れた中村医師を追悼
春寒や医師アフガンを灌漑せむ
感受星 護
夏井いつき先生より
「今回の兼題写真を見て、中村医師を思いました。世のため人のため自己犠牲を惜しまず、良いと思ったことをやり抜く精神力に圧倒されます。全く未経験の灌漑事業をやり抜き、75万人もの命を救った日本の偉人へ頭を垂れるばかりです。感謝と尊敬の気持ちを込めて、先人の偉業を表現できたらと思いました。『医師アフガンを』は『医師は砂漠を』で迷い、具体的な方にしました」と作者のコメント。
ペシャワール会の中村哲医師を句材とした作品が幾つかありました。この手の句材は、どうしてもその人物を生涯をなぞってしまうケースが多く、俳句作品としては食い足りないものになりがちです。追悼句の難しさでもありますね。
「今回の兼題写真を見て、中村医師を思いました。世のため人のため自己犠牲を惜しまず、良いと思ったことをやり抜く精神力に圧倒されます。全く未経験の灌漑事業をやり抜き、75万人もの命を救った日本の偉人へ頭を垂れるばかりです。感謝と尊敬の気持ちを込めて、先人の偉業を表現できたらと思いました。『医師アフガンを』は『医師は砂漠を』で迷い、具体的な方にしました」と作者のコメント。
ペシャワール会の中村哲医師を句材とした作品が幾つかありました。この手の句材は、どうしてもその人物を生涯をなぞってしまうケースが多く、俳句作品としては食い足りないものになりがちです。追悼句の難しさでもありますね。


平山郁夫シルクロード美術館にて
春山の駱駝のオブジェ祈り顔
海泡
夏井いつき先生より
「平山郁夫シルクロード美術館に立ち寄った思い出です。大きいけれど本物よりは小さいオブジェがありました。祈りのようなものが厳かに流れる空間でした」と作者のコメント。
下五「祈り顔」は、少々寸詰まりな書き方です。季語「春山」が主役になっているかどうかも含めて、再考してみましょう。
「平山郁夫シルクロード美術館に立ち寄った思い出です。大きいけれど本物よりは小さいオブジェがありました。祈りのようなものが厳かに流れる空間でした」と作者のコメント。
下五「祈り顔」は、少々寸詰まりな書き方です。季語「春山」が主役になっているかどうかも含めて、再考してみましょう。


寒月を追ふて砂漠のハイウェイ
釜眞手打ち蕎麦
夏井いつき先生より
「追ふ」が、助詞「て」に接続する時は、「追ひて」あるいはウ音便を発生させるならば「追うて」となります。
「追ふ」が、助詞「て」に接続する時は、「追ひて」あるいはウ音便を発生させるならば「追うて」となります。


警灯の赤に黙する冬覇王樹
九月だんご
夏井いつき先生より
やろうとしている意図は分かります。が、サボテンの類は、「サボテンの花」として季語になるはずです。「冬」をつけて、無理やり季語にするのはちょっと強引すぎるか。
やろうとしている意図は分かります。が、サボテンの類は、「サボテンの花」として季語になるはずです。「冬」をつけて、無理やり季語にするのはちょっと強引すぎるか。


旅の途や百足虫くだきし受話器とる
謙久
夏井いつき先生より
句材に惹かれます。どういう状況か、やや分かり難いので、上五を外して、全体を整えてみましょう。「旅の途や」と事情を述べる必要はないので、季語「百足虫」を主役として描いて下さい。
句材に惹かれます。どういう状況か、やや分かり難いので、上五を外して、全体を整えてみましょう。「旅の途や」と事情を述べる必要はないので、季語「百足虫」を主役として描いて下さい。


初凪や駱駝の首のS字かな
典典
夏井いつき先生より
「や」「かな」と切字が重なりました。どちちかを外しましょう。
「や」「かな」と切字が重なりました。どちちかを外しましょう。


警蹕の隕石呼ぶや精霊会
若山 夏巳
夏井いつき先生より
「手元のナミビア砂漠とある隕石を思う。四天王寺精霊会では警蹕の声が聖徳太子の霊を呼ぶ。遠く離れた砂漠に聖なる石をも宇宙から呼び込んだか。ナミビア砂漠のギベオン隕石にはウィドマンシュテッテン構造(網目状模様)があり、十字架に見えるため聖なる石とされる」と作者のコメント。
意欲作ではあります。が、これが完成形なのかどうか。悩ましいところです。
「手元のナミビア砂漠とある隕石を思う。四天王寺精霊会では警蹕の声が聖徳太子の霊を呼ぶ。遠く離れた砂漠に聖なる石をも宇宙から呼び込んだか。ナミビア砂漠のギベオン隕石にはウィドマンシュテッテン構造(網目状模様)があり、十字架に見えるため聖なる石とされる」と作者のコメント。
意欲作ではあります。が、これが完成形なのかどうか。悩ましいところです。


蟻の影夕日を喰らふ地平線
出船
夏井いつき先生より
やろうとしていることは意欲的です。「蟻の影」を生かすのか、「夕日を喰らふ」という比喩が大事なのか。「地平線」まで映像を広げた時の成否は。いろいろ悩ましいところです。
やろうとしていることは意欲的です。「蟻の影」を生かすのか、「夕日を喰らふ」という比喩が大事なのか。「地平線」まで映像を広げた時の成否は。いろいろ悩ましいところです。



