写真de俳句の結果発表

第64回「砂漠のホテル」《ハシ坊と学ぼう!③》

ハシ坊 NEW

砂漠のホテル

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

煩ひを砂塵に変へむ床寒し

琳青

夏井いつき先生より
「次々と思い煩いがふくらむ上に、寒くてなかなか寝付けません。この心配ごとだけでも無機質なものに変えてしまいたいのです」と作者のコメント。

やろうとしている内容は良いです。「床寒し」がちょっと直接的すぎるかも。「煩ひを砂塵に」とあれば「変へむ」は無くても分かるかも。
“ポイント”

うららかや脚折り休む駱駝かな

詠野孔球

夏井いつき先生より
「や」「かな」と、切字が重なりました。一番簡単な対処方法は、どちらかを外すことですが、この場合の「かな」はあまり効いていないので、二択ならば、こちらを外すことをお勧めします。とはいえ、構成全体を変えることもできるので、その視点から推敲してみましょう。
“参った”

支那そばを底まで干して三日かな

あねもね

夏井いつき先生より
句材よいですね。取り合わせる新年の季語として、「三日」がベストかどうか。そこは一考の余地がありそうです。「かな」の詠嘆はあまり効いていないので、体言止めにするのも一手です。
“参った”

寄島の小粒牡蠣にも朝日さす

瀬戸一歩

夏井いつき先生より
描こうとしている光景はよいですね。中七の助詞「にも」は要一考。これを外して、全体を整えてみましょう。
“参った”

月冴ゆる砂漠のサンタフェ鉄道

猫日和

夏井いつき先生より
「アメリカ・ニューメキシコ州の砂漠で車を走らせていましたら、偶然、サンタフェ鉄道の貨物車と並走するタイミングがありました。真冬のちょうど日が沈んだばかりで、月が青かったです。そんな思い出を詠みました」と作者のコメント。

句材は良いですね。調べを整えてみましょう。
“ポイント”

髪に砂の絡みて晩夏の日暮

石澤双

夏井いつき先生より
調べを一考してみましょう。
“良き”

初夢に「砂の女」と暮らしをり

嫌夏

夏井いつき先生より
「『砂の女』はもちろん安部公房の小説です。砂漠や砂丘というと、どうしても考えてしまいます」と作者のコメント。

この句の内容からすると、カギカッコは外したほうが虚のリアリティが増すのではないかと。そして、この句材を扱う場合、「暮らしをり」という叙述はそれなりに既視感があります。ここをどう展開するかに、成否のカギがありそうです。
“ポイント”

春の砂丘にらくだは海を知りて居る

せんのめぐみ

夏井いつき先生より
やろうとしている内容はとても良いです。「に」という助詞、「居る」という着地あたり。再考の価値はありそうです。
“難しい”

鐘氷る逃げだしたくてリゾートへ

すかーてぃっしゅ

夏井いつき先生より
「歳を取るごとに寒さが堪えるようになりました」と作者のコメント。

気持ちは分かりますが、季語は少々大げさか。
“ポイント”

冬の月サロメのやふな我の息

川彩明

夏井いつき先生より
「ような」を歴史的仮名遣いで書くと、「やうな」となります。
“難しい”

鯛焼は暖簾の襞を潜りけり

加賀屋斗的

夏井いつき先生より
第61回『鯛焼屋の行列』《ハシ坊と学ぼう!⑥》〈鯛焼きの暖簾のフリル稲の秋〉を推敲しました」と作者のコメント。

まずは、季語が一つになりましたね。第一関門クリアです。推敲句について、読者として読みを迷うのは、「鯛焼」が「暖簾」ではなく「暖簾の襞」を潜るとは、どういう意味合いなのだろうという点。第二関門は、描写の精度をあげることです。
“ポイント”

冬の月旅人去来ラクダの虚無

美月 舞桜

夏井いつき先生より
言いたい言葉を詰め込み過ぎています。まずは、「冬の月」と「旅人」で一句、「冬の月」と「駱駝」で一句というふうに、切り分けていきましょう。
“参った”