写真de俳句の結果発表

第66回「お台場の桜」《ハシ坊と学ぼう!⑦》

ハシ坊 NEW

第66回のお題「お台場の桜」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

ミサイルの飛ぶ空あり水温む

若宮 鈴音

夏井いつき先生より
「日本の空は青いのに、戦争をしている国の空はミサイルがビューンビュン飛ぶ。『空』『飛ぶ』は要るか要らないかで悩みました」と作者のコメント。

そのような自問をお持ちで、なおかつ「日本の空は青いのに、戦争をしている国の空はミサイルがビューンビュン飛ぶ」という対比が描きたかったのならば、以下のような方法もあります。

添削例
ミサイルの飛ぶ空水の温む空
“ポイント”

高層に広がるじゅうたん桜かな

碧翠

夏井いつき先生より
咲き広がるものに対して「じゅうたん」という言葉は、ありがちな比喩です。どんな様子が絨毯に見えたのか、その映像を描写しましょう。
“ポイント”

まさをなるお台場の空よ磯遊び

揣摩文文

夏井いつき先生より
「磯遊び日和のもと、お台場海浜公園で干潮時の時間を惜しんで、潮干狩りを楽しむ家族の様子を詠みました」と作者のコメント。

やはり中七は気になります。「台場の空よ」とするか、「お台場の空」とするか、の二択でどうですか?
“参った”

駐車場に時給で負けた草団子

藍創千悠子

夏井いつき先生より
中七下五は、自分の時給より高い「草団子」という意味でよいのでしょうか。上五も含めて、意図が伝わりやすい工夫はまだできそうです。
“ポイント”

山桜夜の圧力避けをりて

カムヤ イワヒコ

夏井いつき先生より
「夕方の闇が近づくと、押し戻されそうな圧迫感がある。桜の花が守ってくれそうな夜がある」と作者のコメント。

「山桜」と「夜の圧力」の取り合わせは良いと思います。下五、要一考の価値があります。
“ポイント”

頬杖の石仏高遠桜

丸山歩

夏井いつき先生より
「二月に縁あって長野県の高遠に出かけました。高遠は固有種の桜と石仏が多くあり、桜はまだまだでしたが、寒い中見てまわりました。桜の下に頬杖をついた石仏があり、桜を見守っているようで微笑ましい姿でした」と作者のコメント。

言葉を少し添えて、調べを整えてみましょう。
“難しい”

蒼天も花も屋舎へ色を添え

海神瑠珂

夏井いつき先生より
下五「色を添え」が感想になっています。どんな映像を見たから、「色を添えているようだな」と感じたのか。その映像を描写しましょう。
“ポイント”

一発のトゥースの響く桜かな

広瀬康

夏井いつき先生より
「トゥース」は芸人さんのネタ? 本人がいる? 真似している?
“ポイント”

眼帯の母車窓から桜かな

ビオラ

夏井いつき先生より
「緑内障の手術の帰り道。車から降りることはできず、車から桜を見た思い出です」と作者のコメント。

調べをほんの少し調整すれば人選です。

添削例
眼帯の母よ車窓の桜かな
“ポイント”

雨上がり花びら連れて吾子の靴

池上 胤臣

夏井いつき先生より
「桜の季節の雨上がりの日。靴に花びらがへばりついていることにも気づかないで、夢中になって遊んでいる子供たち。そんな様子を思い、句にしてみました」と作者のコメント。

「花びら連れて」と擬人化するよりは、そのまま描写するほうがリアリティが強くなります。作者コメントの言葉をそのまま拾えば……

添削例
子の靴に雨の花びらへばりつく
“ポイント”

城の濠ふり積もりたる花吹雪

西茉生

夏井いつき先生より
「花吹雪の時期に城址公園に行きました。風ですざまじい量の花びらが舞っていました。お濠は花筏などという風流なものはなく、水面が見えずピンク色の花びらが積もっていました。それはそれできれいでした」と作者のコメント。

作者のコメントを読んで、言いたいことは分かったのですが、「花吹雪」は空中に舞っているものを指すので、中七下五の表現には違和感が残ります。
“ポイント”