第66回「お台場の桜」《ハシ坊と学ぼう!⑨》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
お台場の桜蒼ざめいたるかな
杉本年虹
夏井いつき先生より
〈さきみちてさくらあをざめゐたるかな 野澤節子〉という先行の名句がありますので、中七下五の表現は諦めざるをえませんね。
〈さきみちてさくらあをざめゐたるかな 野澤節子〉という先行の名句がありますので、中七下五の表現は諦めざるをえませんね。


虫展やモヒカンお尻脂汗
ヨシキ浜
夏井いつき先生より
「『脂汗』が季語かなぁと思いましたが、使いました。国立科学博物館の虫展でモヒカン頭と思いきやお尻。ちょっと気持ち悪い蛾の幼虫たちの動画を見たときのことを句にしました」と作者のコメント。
句意を読み取るのが少々難しい。特に、中七が虫の様子だとは読み切れません。
「『脂汗』が季語かなぁと思いましたが、使いました。国立科学博物館の虫展でモヒカン頭と思いきやお尻。ちょっと気持ち悪い蛾の幼虫たちの動画を見たときのことを句にしました」と作者のコメント。
句意を読み取るのが少々難しい。特に、中七が虫の様子だとは読み切れません。


数行の台本手にし花のころ
伊沢華純
夏井いつき先生より
中七「手にす」と言い切ったほうがよいですね。下五の季語は、これがベストかどうか一考してみましょう。


染井吉野よニッポンのアントロポセン
舟端たま
夏井いつき先生より
「未来の地質時代区分の研究者は、アジアのある島からクローン植物の花びらが大量に出てくることを、笑ってくれるかな」と作者のコメント。
やってみたいという意欲は買います。が、詩としての純度をさらにあげていく必要があります。
「未来の地質時代区分の研究者は、アジアのある島からクローン植物の花びらが大量に出てくることを、笑ってくれるかな」と作者のコメント。
やってみたいという意欲は買います。が、詩としての純度をさらにあげていく必要があります。


河童住む湖に満ち満ち花筏
ときちゅら
夏井いつき先生より
「満ち満ち」とはいえ、たかが「花筏」です。「湖」はちょっと広すぎやしませんか。
「満ち満ち」とはいえ、たかが「花筏」です。「湖」はちょっと広すぎやしませんか。


舞ふ桜撮るロケ隊へ降る花弁
おかだ卯月
夏井いつき先生より
「舞ふ」「撮る」「降る」と動詞を多用している意図は理解できるのですが、視点がバラつくのは損。せめて、「舞ふ」は外しましょう。ありがちな凡人ワードでもありますし。
「舞ふ」「撮る」「降る」と動詞を多用している意図は理解できるのですが、視点がバラつくのは損。せめて、「舞ふ」は外しましょう。ありがちな凡人ワードでもありますし。


日光の帯を受け取る桜かな
紅紫あやめ
夏井いつき先生より
「日光の帯」という比喩に、「~を受け取る」という擬人化が絡んでくることで、せっかくの比喩が押しつけがましい感じになってしまいます。他をシンプルに書いたほうが、比喩を生かせます。
「日光の帯」という比喩に、「~を受け取る」という擬人化が絡んでくることで、せっかくの比喩が押しつけがましい感じになってしまいます。他をシンプルに書いたほうが、比喩を生かせます。


きょうしつはこわいと言う子花の下
太之方もり子
夏井いつき先生より
「きょうしつはこわい」という言葉だけで子どもだと分かりますので、「~と言う子」は不要です。推敲してみましょう。
「きょうしつはこわい」という言葉だけで子どもだと分かりますので、「~と言う子」は不要です。推敲してみましょう。


婚活と言えないほどの桜まじ
殻ひな
夏井いつき先生より
「最近、公園で本を読むようになりました。積読の消化と体力作りがメインですが、超消極的な婚活でもあります。家に引きこもっているよりは、出会いの確率が上がるだろうと思っております」と作者のコメント。
発想がいいなあ、と。この字面で、この発想が伝わるのかどうか。そこが悩ましいところです。本を読んでいる映像が書けるとよいのですが。
「最近、公園で本を読むようになりました。積読の消化と体力作りがメインですが、超消極的な婚活でもあります。家に引きこもっているよりは、出会いの確率が上がるだろうと思っております」と作者のコメント。
発想がいいなあ、と。この字面で、この発想が伝わるのかどうか。そこが悩ましいところです。本を読んでいる映像が書けるとよいのですが。


風の仔稚魚は花靄を棲家とす
髙田祥聖
夏井いつき先生より
「兼題写真が、魚が棲んでいそうな桜だったので。兜太先生の鮫の句を意識して、挑戦句です」と作者のコメント。
この意図を達成するためには、もっとシンプルな書き方にすることをお勧めします。また、「棲家とす」のような説明の言葉に安易に頼らず、真摯に「兜太先生の鮫の句」を目指して下さい。
「兼題写真が、魚が棲んでいそうな桜だったので。兜太先生の鮫の句を意識して、挑戦句です」と作者のコメント。
この意図を達成するためには、もっとシンプルな書き方にすることをお勧めします。また、「棲家とす」のような説明の言葉に安易に頼らず、真摯に「兜太先生の鮫の句」を目指して下さい。



