写真de俳句の結果発表

第66回「お台場の桜」《ハシ坊と学ぼう!⑪》

ハシ坊 NEW

第66回のお題「お台場の桜」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

はっちゃんのぶらんこの闇三輪車

池雄推水(志村肇)

夏井いつき先生より
「弟とブランコを送り合いながら遊んでいて、額に当ててケガをさせてしまいました。わざとなのか、危険を知りながらやってしまったのか。三輪車で家に帰る弟の姿が忘れられません。僕のあだ名は『はっちゃん』でした」と作者のコメント。

これだけの内容を一句に入れてしまうのは、やはり情報過多。まずは、「弟とブランコを送り合いながらの遊び」で一句、「額に当てて、ケガをさせて」で一句という具合に、数句に切り取っていきましょう。
“ポイント”

南西の枝垂れ桜は二番目

風乃杏

夏井いつき先生より
「会社のビル前の交差点の四隅には、それぞれ枝垂れ桜の木があり、会社の前の南西の桜は、四本のうちいつも二番目に咲きました」と作者のコメント。

この意図を伝えるには、最後に一音付け足すことをおすすめします。

添削例
南西の枝垂れ桜は二番目に
“ポイント”

ビル群は連山のごと花は雲のごと

戸村友美

夏井いつき先生より
良い句材ですので、調べを整えてみましょう。俳句において、内容と調べは連動している必要があります。
“参った”

塵芥命啄むゆりかもめ

おりざ

夏井いつき先生より
中七は要一考です。どんな光景を見たから、「命を啄んでいるなあ」と感じたのですか。
“ポイント”

枝垂桜神苑めぐりとぶ疲れ

しせき

夏井いつき先生より
「京都の平安神宮を訪れ、神苑を見て回り、疲れていたところ、目の前に枝垂桜が見事に咲いていました。疲れは一気に飛び、このことは時あるごとに話して、その見事さを伝えています」と作者のコメント。

「とぶ疲れ」は説明になります。この日の「枝垂れ桜」の様子を描写すると、読者は「まるで疲れが飛ぶような景色だなあ」と感じ取ってくれるのです。
“ポイント”

飛花落下葬送のレクイエム

猪子石ニンニン

夏井いつき先生より
「落下」は「落花」の変換ミスでしょうか? だとして、後半はイメージが重なります。「葬送」あるいは「レクイエム」どちらかの取り合わせで、作者の意図は十分伝わります。
“難しい”

日本一桜前線弘前さ

あらまち一駒

夏井いつき先生より
「『さ』も津軽弁です。『どさ』(どこへ行行くの?)、『ゆさ』(銭湯へ行く)の『さ』です」と作者のコメント。

意図は分かります。ただ、この内容は報告になっています。
“ポイント”

お台場の球したがはす圧は花

渥美 謝蕗牛

夏井いつき先生より
兼題写真を見ていない人にどこまで伝わるか、悩ましいところです。ただ、桜というものが何かに対して見えない圧を放っているという感覚には惹かれます。
“ポイント”

夕東風やレインボーブリッジ真下より

わおち

夏井いつき先生より
「東京勤務時代、会社の仲間とお台場のナイトクルーズに行きました。ライトアップされた都心やお台場の夜景を楽しみながら、レインボーブリッジの下をくぐるときにはデッキに上がり、真下から見上げる、船ならではの迫力ある景観に感動しました」と作者のコメント。

自分が立っている場所から見上げるような視点のほうが、この日の感動と迫力が伝わりやすいのではないでしょうか。
“ポイント”

渦巻いて狗を呑み込む花吹雪

ボンちゃんのママ

夏井いつき先生より
「以前、たまたま出くわした光景です。つむじ風のような強風で起きた花吹雪に包まれてしまった子犬が、震えて小さくなっていました」と作者のコメント。

「狗」とするよりは、「子犬」としたほうがこの時の気持ちが率直に伝わります。

添削例
渦巻いて子犬呑み込む花吹雪
“ポイント”