写真de俳句の結果発表

第66回「お台場の桜」《ハシ坊と学ぼう!⑬》

ハシ坊 NEW

第66回のお題「お台場の桜」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

新総裁軍拡の弁花落ちる

春瑛

夏井いつき先生より
「政治について詠むのは躊躇われましたが、挑戦してみようと思い、あえて投句しました。こういった話題は、俳句の世界では嫌われますか?」と作者のコメント。

どんな句材を俳句にするかについては、作者自身の表現意図によるものですから、政治ネタはダメとか、時事ネタはアウトとか、そういうことはありません。ただ、政治を句材とした時に、そこに詩を表出させるのは、なかなかハードルの高い挑戦になります。
“ポイント”

花冷えの場所取り四日目に微熱

閑陽

夏井いつき先生より
「四日目」は事実なのだろうと思いますが、俳句として読んだときに、少し時間が空きすぎていて「花冷えの場所取り」とは無関係に熱が出た(?)という疑問も生まれてきます。もちろん、場所取りのせいで熱が出た、と書いてしまうのも興ざめではありますが。
“ポイント”

花冷えの海峡挫折の軽トラ

蓮天

夏井いつき先生より
「昔々、大学二年が終わる春先に、中退を決意しました。九州のアパートから本州の実家へと、荷物を載せた軽トラの助手席に座っていました。ずっと泣いていたのですが、関門海峡に差し掛かった時、この関門橋を渡ったら泣くのを止めようと自分に言い聞かせたことを覚えています。〈花冷えの海峡渡るまでは泣く〉では感傷的過ぎると思い、直しました」と作者のコメント。

軽トラックが何に、なぜ「挫折」しているのか。そこが分かりにくいです。初案〈花冷えの海峡渡るまでは泣く〉は確かに感傷的ですが、作者ご自身が書きたかったことが、読者に明確に伝わります。
“参った”

無機質なビル群染める桜かな

華婦香 (カフカ)

夏井いつき先生より
「染める」は、ありがちな凡人ワード。ここを一考すると、格段によくなる可能性があります。
“ポイント”

球体の社屋の隠る桜かな

雄蹴

夏井いつき先生より
「桜を見上げた先に、フジテレビの社屋が見える様を詠みました」と作者のコメント。

「隠る」は終止形ですから、ここで切れるよりは、「社屋隠るる」と連体形にすれば、下五「かな」が効いてきます。
“ポイント”

夜桜を往くの万札崩すため

右端ぎゅうたん

夏井いつき先生より
中七「の」を外し、「万札を」とすれば人選です。
“難しい”

春風や一枚目のクラス写真

夏蜜柑久楽

夏井いつき先生より
「中学校教員です。新学期に一枚目のクラス写真を撮るタイミングが難しく、ちょうど満開の桜の木の下で撮れる年もあれば、風で散ってしまうこともあり、毎年ドキドキです。どちらにしても、最初の一枚はいい思い出になります!」と作者のコメント。

語順を替えるだけで、調べが整います。

添削例
一枚目のクラス写真や春の風
“ポイント”

焔這ふバーナー五台の野焼かな

猫ずきん

夏井いつき先生より
「バーナー五台」という数詞が映像を作っているのは良いのですが、「かな」の詠嘆があまり効いていません。全体の構造を再考してみましょう。
“ポイント”

月基地でバーチャル花見子供らよ

ときちゃん

夏井いつき先生より
「月基地」とは、未来の話でしょうか。「バーチャル花見」を俳句にして悪いというわけではありませんが、まずは本物の「花」を観察して、目の前の季語と交信するところから作句を始めてみましょう。
“ポイント”

靴擦れが痛ひ桜を一瞥す

のはらいちこ

夏井いつき先生より
「痛い」は口語、「痛し」は文語。歴史的仮名遣いにした場合、いずれにしても「痛ひ」とはなりません。
“ポイント”