第50回 俳句deしりとり〈序〉|「うび」①

始めに
出題の句からしりとりの要領で俳句をつくる尻二字しりとり、はじまりはじまり。


第50回の出題
兼題俳句
蝙蝠のなる木明日は月曜日 塩田奈七子
兼題俳句の最後の二音「うび」の音で始まり、「ん」の音で終わる俳句を作りましょう。
※「うび」という音から始まり、「ん」の音で終われば、平仮名・片仮名・漢字など、表記は問いません。
うびゃあと叫びしりとり終わる弥生尽
くさもち
うびやああと尻二字終い養花天
赤味噌代
「うび」からと花の夜なるしりとり戦
稲垣加代子
「うび」ではじまる言葉など無いところてん
春海 凌
うび〜んだとそんなお題で大試験
チョコ婆
鵜ビビるやしりとり好きの正人さん
蜘蛛野澄香


鵜びつくりするしりとりの大団円
横山雑煮
鵜びっくり上がらんとすを落とされん
干猿
鵜、びくと跳ねたる魚を飲み込まん
岸来夢
鵜びくつき渺々たる夜風を見ん
葦屋蛙城
鵜ビバビバ夜半の筑後川温泉
虎有子
鵜BINGOのやうに並んで飛びたたん
日永田陽光
鵜びつしり羽を干す薄暮の護岸
白猫のあくび
鵜尾あはれほおばる鮎を如何にせん
紫すみれ
鵜微動だにせぬ黄昏の電線
二城ひかる
鵜美々しく手縄凛々しく繰るや炎
三浦海栗
鵜日和や光に濡れて飛びたたん
伊藤映雪


うびぐびと大ジョッキのビールごくん
国東町子
ウビグビと喉喜ぶやビールんルン
桐山はなもも
うびっといけ吾のハブ酒やいざ飲まん
くぅ
うびうびと飲み干すジョッキビアガーデン
有川句楽
うびうびと牛乳飲んで新一年
南全星びぼ
うびびっと春着のままにビール瓶
東田 一鮎
うびうびとうわばみ呷る春の芯
まっちゃこ
飲むオノマトペのシリーズ。勢いよく飲むオノマトペといえば「ぐびぐび」を連想するけど「うびぐび」だと微妙に勢いが削がれるか、一口目が喉につっかえてるような印象。《あるいはくぅ》さんの「ハブ酒」みたいに量を一気にいかないタイプの飲み物が似合いそう。ハブ酒って飲んだことないけど、ジョッキとかではいかないよね……?
《まっちゃこ》さんの句の「うわばみ」は酒飲みの人を意味する俗語だと思うんだけど、抽象的な「春の芯」のおかげで、うわばみ=へびがなにかを飲んでるのかも……なんて空想的な読みの飛躍が生まれ得るのが面白い。


うびうびとねずみ花火や炭一片
瀬文
うびうびと働くアリの不退転
うに子
うびうびと軽き動きや石牡丹
田辺きみお
うびうびと固まってゆく蛸アーメン
染野まさこ


うびにちようびげつようびところてん
亘航希
「うびんやさん」歌って飛んで紫木蓮
咲山ちなつ
「・・・うびんだよ」君の指差す赤翡翠
石田なるみ
「うび…」とだけ聞こえし寝言花の宴
あみま


う、ビールがうまし良性心不全
清水縞午
う、ビルにエレベータなき夏旺ん
藍創千悠子
爽快な喉越しを堪能する前半から「良性心不全」でぎょっとさせる《清水縞午》さんの落差の作り方、うまいなあ。「うまし」の終止形で一度切れを作ってる判断も的確であります。かたや《藍創千悠子》さんは切れを作らずに下五まで繋げていく形がこちらも的確。うめき声とともにこれから登らねばならないビルの空間を見上げる作者が見えてきますなあ。「夏旺ん」が圧倒するようにのしかかってきて季語が効いております。
《②に続く》



